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1月
「明けましておめでと!肖!弓弦ちゃん!」
「おめでと麻衣」
麻衣の挨拶に肖と弓弦(弓弦はしっぽをふりふり振る)も挨拶する。年明けのバイトだ。
「肖 初夢なんだった?私はなんと茄子でした!」
「へぇ良かったね」
初夢で茄子。なんともめでたい。
「でも…鷹や富士山はなんとなくわかるけどなんで茄子がめでたいの?」
麻衣はこういう事に詳しい肖に聞いてみる。
「理由はいろいろあるけど、昔は初物の茄子は高価だから手に入りにくかったの。だから初夢に高価な茄子が出たらめでたいってこと」
「え!……どうしよ高価なら食べれなくなりそう」
初物の茄子は高価。バイト三昧の麻衣はもう口にできないかもしれない。
「私の初夢はひいお祖父ちゃんがこの矢を一発でアヤカシを祓う夢を見た」
そう言って肖は矢を見せる。そんな二人の初夢談議にナルはため息をつく。
カランカラン
「あの…」
「うお!?」
「だ、大丈夫ですか?」
麻衣と肖は驚く。事務所に入ってきたのはもの凄く顔色が悪い男性だった。
「ね、寝かせてください」
思わずナルは「病院に行ってください」と言ってしまった。
「それで橘さん。なぜ寝たいと?病院でカウンセラーを受けた方がよろしいのでは?」
「実は病院に行くには理由が変な感じがするので…」
「変?」
依頼人の男性・橘は説明する。
「今年の初夢は自分なりに良かったんです。しかしその翌日化け物が襲い掛かってきて……そのせいか」
「寝たら襲われると思い、眠れなくなった」
「……はい」
「それじゃあ眠れないよねー」
麻衣は純粋に可哀想と思ってしまう。
「橘さん」
「はい?」
肖は確認する。
「恐い夢を見た誰かに何かを渡しませんでした?」
「え?………そういえば」
思い当たることがあるようだ。
「同じ状況の夢を見た親戚の子にお年玉を。」
嫌な初夢を見て不機嫌な親戚の子にお年玉を渡した。その話を聞いて原因がわかった。
「ナル。橘さんは『夢買い』をやってしまったみたい」
『夢買い?』
周りは疑問符を浮かべる。
「その名前の通り夢を買う。やり方は橘さんのように夢の内容を聞き、そしてお菓子や今回のようなお金等対価を払い、その夢を買う。そしてその夢が現実として現れるの」
「えぇ――――!そんな方法があるんだ!」
「えーと彼女は一体」
「彼女の実家は寺です。なのでこういう話にはとても詳しいんですよ」
ナルが説明すると麻衣は聞く
「肖!橘さんどうすればいいの!?」
「この矢を売る。」
そう言って肖は初夢に出てきた矢を見せた。矢を売る。一体どういうことか。