霊狩中毒   作:WATAHUWA

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~血塗られた迷宮~
〇


ー春ー

 

高校2年生になった肖と麻衣は弓弦と共にバイトをしていた。すると

 

カラン

 

女性が事務所に入ってきた。

 

「こんにちは」

「いらっしゃいませ」

「ご依頼ですか?」

 

2人は女性に問う。女性は笑顔で「所長にお目にかかりたいんですけど。」と言う。しかし残念。ナルは旅行中なのだ。麻衣がそれを言うとだ。

 

「じゃ、リン、います?」

 

確かにリンだったら助手なので代理になってくれるだろう。しかしリンを呼び捨てにしたというのはどういうことか

 

「はい。…あの、失礼ですが。」

「お名前をフルネームでお願いします」

 

肖の言葉に女性は答える。

 

「わたし、森といいます。森まどか。そう言っていただければ、わかります。」

 

麻衣がリンを呼ぼうとすると丁度良くリンが現れた。

 

「リンさん!ちょうどよかった 今呼びに「リン!」

 

女性、まどかは嬉しそうにリンを呼ぶ。

 

「………まどか…?」

 

リンは彼女を見て驚いていた。

 

「ごめんね、急に。元気だった?」

「ええ…どうしたんですか、連絡もなしに。」

「んー驚かせてみようかなーなんて、びっくりした?」

「しました、でもまさかそれだけでいらしたわけではないでしょう?」

 

かなり親しそうだ。麻衣は思わず深読みしてしまう。お茶の用意をしようと給湯室に行く

 

「肖!弓弦ちゃん!リンさん微笑んでたよね!彼女!?もしかして彼女!?」

 

麻衣は思わず興奮気味に言う。

 

「本当に女の人はああいう人が好みなんだね。実際、お父さんもモテるし」

 

茶葉を用意する肖に弓弦は頷く。

 

「えー肖のお父さんモテてたの!?」

「うん。君尋さん曰くバレンタインは紙袋が必需品だったって」

「うわー♡」

 

バレンタインの必需品が紙袋。つまり静は大量のチョコを貰ったという事だ。

 

「リンさんもモテてたんだろうな」

 

実際、リンにそっくりな男性に子供がいたからリンもモテていた可能性が高い。

 

「どうぞ」

「あらありがとう」

 

笑顔でお礼を言うまどか。その一方でリンはナルに電話している。リンの言葉はどう聞いても説得しているようにしか聞こえない。

 

(毒舌言われているんだ)

 

ナルの事だ。物凄く不満気に言っているだろう。麻衣も(スゴイ悪口雑言ぶちまけられてんだろーな)と思っている。そうしている内にリンは電話をまどかに渡した。

 

「もしもしナル?戻ってきて?」

 

電話の向こうのナルにあっさりと言った。

 

(すっごー)

(この人度胸ある)

 

「ん?うん…うん……。でも戻ってきてくれるでしょ?」

 

そしてナルの返答は

 

「…そう、ありがとう」

「「「!?」」」

 

返ってくるだった。あのナルがいう事を聞いた。信じられない光景に肖、麻衣、弓弦は驚く。彼女はいったい何者なのか。

 

「ゴーストハントを伝授したのは私なの」

((えぇ!?))

 

ナルにゴーストハントを教えた師匠だったのだ。驚きの事実に肖と麻衣は固まり、弓弦は顔を出してしまった。

 

「あらかわいい子ねー。顔は狐?」

「「あ」」

 

弓弦がバレてしまった。

 

ー翌日ー

 

(本当に帰ってきてる)

 

ナルが本当に帰っていた。更にはいつものように滝川達も来ていた。マスコミがかぎつければ大騒ぎになってしまう程の依頼が来てしまったのだ。マスコミ嫌いだからナルは当然受けたくないが受けないといけない事情がある。

 

「僕は極力目立つことは避けたい。そこで安原さんに身代わりをお願いすることにした」

 

その言葉を合図に笑顔の安原が「どーも」と入ってきた。おそらく非常に頭が切れ、情報収集が得意な所からスカウトを受けたのだろう。

 

「依頼主は他にも何人か霊能者を集めたようだが、そのほとんどがマスコミでもてはやされてはいるが胡散臭い連中だ」

 

マスコミでもてはやせれている胡散臭い人たちも嫌いなようだ。

 

「……ハン。自分が嫌なことを他人に押し付けるわけか」

 

滝川が小馬鹿にするがさらりと言う

 

「気が進まないなら帰ってもらっても構わないが?」

「あ…「もうっ!どうしてちゃんとお願いしないの!」

 

まどかの声が響きわたる。

 

「人にものを頼む時にはそれなりの口調ってものがあるでしょう?いつも言っているのに学習効果のない子ね!」

 

腰に手を当てて、まるで小さな子供を叱るかのように説教するまどかにナルは無言。

 

「ごめんなさいね!この子礼儀を知らなくて。でも根は悪い子じゃないのよ(多分)」

 

肖と弓弦は無言でリンを見る。その目は(ナルはお母さんのような人が苦手?)と語っている。それに気づいたリンも(その通りです)とばかりに頷いた。だからこそゴーストハントの修行出来たと納得してしまった。

 

「さっきも言った通り、今度の事件も断るつもりだったらしいんだけど、私の事情で引き受けてもらったの。皆さんにはご迷惑だと思うけれど協力してください」

 

ペコリと頭を下げるまどかにつられて周りも頭を下げた。

 

「あれ?でも、そしたらナルはどういう立場の人になるわけ?」

「……僕はここの単なる調査員ということになる」

 

それを聞いて「そんなムチャな……」と全員思っていた。傲岸不遜・傍若無人・天上天下唯我独尊的な性格なナルが調査員。確実にバレる可能性が高い。

 

「で?どんな依頼人なわけ?」

 

綾子の今更な質問にナルはパサリと資料をテーブルに放った。

 

その資料に載っていた人物は……、

 

「元総理大臣……。確かに秘密にしたいわけだ」

 

 

納得した滝川達。こうして数日後、ナルたちは依頼人がいる屋敷へ向かうのだった。

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