霊狩中毒   作:WATAHUWA

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〇

「今帰りました」

 

帰ってきた彰文。麻衣と肖は彰文の下へ近づいた。滝川達も後から来る。

 

「彰文さん!靖高さんは!?」

「容体はどうなんですか」

 

2人の問いに彰文は言う。

 

「発見が早かったのと滝川さんの止血のおかげで一命は取り留めました。出血のせいで貧血気味ですが意識もあります」

 

『………良かった~~~~』

 

彰文の言葉に全員胸を撫で下ろした。

 

「ただ…」

『?』

 

彰文の様子がおかしい。詳しい話を部屋に戻ってから聞くことになった。

 

「あの後、意識を取り戻した兄に何が起こったのかを聞いたんです。……あの傷は自殺するためにつけたと」

「え!?」

 

自殺するためにつけた。そのことに麻衣は驚く。

 

(まさか靖高さんにも憑いていた?)

 

「一人でいると、声が聞こえるんだそうです」

 

『俺は気が狂ってるんだ…。一人でいると声が聞こえる。『家族を殺せ』と命じてくるんだ。起きてれば声が聞こえるし、眠るとお前たち家族を殺す夢を見る』

 

靖高にも憑かれていた。しかし靖高は栄次郎のように危害を加える前に死のうと思っていたようだ。

 

「発見が遅れたら一人目の被害者になるところだった。力が及ばずに申し訳ありません」

「いいえ…。そちらも、ぼくらのせいで渋谷さんが大変なのですから…」

 

靖高の話からして憑依霊は複数。麻衣の夢が漁師と姫の話。神社に逃げた話。洞窟の話と混ぜたようなことになっていたのは原因が複数だったのかもしれない。実際、麻衣も「恨みをのんで死んだ人がいると思うの。」と説明する。

 

「少なくとも土地に関係あるんじゃないかな」

 

ただし真砂子の考えと正反対だったため

 

「夢ですわ」

「むき」

 

否定された。

 

「まあまあ真砂子。麻衣の夢は真砂子の霊視と同じくらい信憑性があるんだから」

「でも肖」

 

不満気に言う真砂子。

 

「それに証拠らしきものもある。」

『?』

 

肖の言葉に周りは疑問符を浮かべる。

 

「岬の六つの石と十八塚」

『あ!』

 

その言葉に滝川達は声を上げる。実際、岬の六つの石は墓石みたいに見える。十八塚だっておいてある場所が麻衣の夢にあった神社だ。滝川は「なんか心当たりは?」と彰文に聞くがやっぱり昔のことなので「聞いた事がありません」だ。とりあえずジョンはまたやらかさない様に靖高の除霊に行き、肖達は護符を吉見家全員に配りに行き、滝川は彰文の案内で菩提寺に行くことになった。

 

「なので栄次郎さん。この護符を常に持っていてください」

「わかりました。しっかり持っています」

 

肖は説明し、栄次郎に護符を渡す。覚えてはいないが実際に憑かれた栄次郎はすぐに受け取ってくれた。

 

「えっと…次は」

 

2階の廊下を歩いているとだ。

 

「!」

 

ぐいぐい

 

「弓弦?」

 

弓弦が肖をぐいぐいと窓の方へ引っ張る。

 

「克己くん!」

「和歌ちゃんはなせよ」

 

(麻衣と克己くん?)

 

綾子、光可が驚いており、視線の先には和歌子を掴んでいる麻衣と克己が言い争っていた。

 

(克己くんと和歌子ちゃん憑かれている)

 

2人は憑かれていた。それに気づいた麻衣は本性を出させようとワザと煽る。とうとう

 

「ころしてやる」

 

本性が出た。

 

(本性が出た。なら)

 

肖は弓矢を出し放った。

 

 

カカカカカカカカ

 

「!?」

 

大量の矢が目の前に刺さる。祓う力を持った矢が目の前に刺さったため、克己を殺すために走った憑依霊も流石に立ち止まる。

 

「臨兵闘者皆陳烈在前!!」

 

肖が作ってくれた隙をつき、麻衣は九字を切った。

 

バチバチ

 

「ギャアッ」

「ギャアアッ」

 

克己と和歌子が悲鳴を上げた。そして

 

「わああああん」

「ああ―――ん」

 

大泣きし始めた。

 

「麻衣!巫女さん!」

「肖!」

「よくやった肖!」

「え?さっきの矢って肖ちゃん!?」

 

麻衣と綾子と光可は肖の方を見る。光可は矢を放ったのが肖だったことに驚いていた。

 

 

「光可さん今それどころじゃないです!克己くんと和歌子ちゃん絶対怪我してます!巫女さん早く手当てをして!」

 

「「「えぇぇ!!」」」

「どうしたんですか」

「克己!?和歌ちゃん!?なんだどうした!?」

 

大泣きが聞こえたのがリンと和康が来てくれた。肖はリンと和康に「子供たちを運ぶの手伝って下さい」と叫ぶ。こうして克己と和歌子の憑依霊は祓われた。ただし

 

「痛いよー」

「うわああー」

「あーあ。肖の言う通り」

「ごめんねごめんね」

 

肖の言う通り、克己と和歌子の背中に大きな水ぶくれが出来ていた。当然、麻衣は謝ったが

 

「「このねーちゃんやだ―――!!」」

「うぐ!」

 

嫌われた。助けるためだったとはいえ無理もない。

 

 

 

 

 

 

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