霊狩中毒   作:WATAHUWA

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〇

「あ!そうだ車!」

『車?』

 

ベースに戻る途中、麻衣がいきなり声を上げる。

 

「リンさん!車調べること出来る!?」

「出来ますがどうしてですか?」

「車に何かあるの?」

 

リンと肖の問いに麻衣は真剣な表情で答えた。

 

「克己くんと和歌子ちゃんが逃げるからワザと「靖高が死んだ」「彰文さんもね」って彰文さんに何かあったように言ったら「彰にいさんもしんだの?くるまにのった?」って」

「それ早く言いなさいよ!忘れるも無理もないけど!!」

 

綾子に怒られたが確かにさっきの事があったので忘れちゃうのも無理もない。

 

「リンさん車」

「わかりました。調べましょう」

 

肖に言われ、リンは頷く。調べた結果

 

「………ブレーキオイルが漏れています」

「じゃ、じゃあ彰文さんが乗っていたら…」

「……事故は確実です」

 

リンの言葉に麻衣達は青ざめた。

 

「彰文さんどこ行ったっけ!?」

「ぼーさんと一緒に菩提寺に行きましたわ!」

 

慌てる麻衣。真砂子の言葉を聞いて肖は「電話する!」と言った。

 

プルルルルルル

 

ガチャ

 

「もしもしぼーさん?」

《おー肖か。今終わったから帰るとこ》

 

肖はすぐさま「彰文さんいる!?」と聞く。

 

《いるがどうした?》

「彰文さん、狙われていたの!彰文さん怪我してない?」

《怪我してない。すぐに戻る》

「お願い」

 

ピ

 

「肖!彰文さんは!?」

「怪我してないって。すぐに戻るって言ってたよ」

「はぁ」

 

それを聞いて麻衣達は胸を撫で下ろした。

 

***

 

「今帰った!一体どうしたんだ!?」

 

滝川達が帰ってきた。

 

「ぼーさん!」

「実は克己くんと和歌子ちゃんにも憑いていたの」

「しかも憑いている時「彰にいさんもしんだの?くるまにのった?」って言ったから調べたら…」

「ブレーキオイルが漏れていましたわ」

「彰文さん大丈夫なの?」

 

女性陣の問いに滝川は「怪我一つ無いから安心しろ」って言った。

 

「ホント無事でよかったどす」

 

ジョンも安心したように言う。弓弦も頷いた。

 

「ところで克己くんと和歌子ちゃんにも憑いてたって言ったな。二人はどうした」

 

滝川の問いに肖と麻衣はぎくりとなる。実は九字を人にやってはいけない(理由は霊が憑いていた壺が粉々になったから。滝川体験談)。でもちゃんと滝川に言わないといけない。二人は腹を括って言うことにした。

 

「克己くんが逃げるから矢を行く方向に放って立ち止まった瞬間…」

「あたしが九字を切って憑依霊を祓ったけど克己くんと和歌子ちゃんに水ぶくれが…」

 

なので当然

 

「あれほど人に向けるなと言っておいたろうが!!」

 

人に九字を切るような状況を作った肖と実際に九字を切った麻衣は説教された。滝川は「二度と人に向かって九字を切るような状況を作るんじゃない」と言い聞かせた後、護符を全員に渡ったかを確認する。綾子は奈央には渡せていないと言う。

 

「何処に行ったか聞いたか?」

「それが、どなたも行き先を聞いてないらしくて…」

 

真砂子の返答に少し考えるようにそうか、と滝川。

 

「そういえば陽子さんが…」

 

麻衣がそう言ったその時だった。

 

「子供たちに怪我をさせたのは誰?」

 

陽子が乗り込んできたのだ。第三者から見れば母として当然の行動だが肖達は違う。

 

「克己にあんなことをしたのは誰なの?おまけに変なものを持たせて!」

(この人もだ)

 

間違いなく陽子も疲れていた。

 

「何から何まで余計なことを!」

 

そんな彼女に滝川が護符を出しながら言った。

 

「これは身を守るために必要なものなんです。…陽子さん、持ってますか?」

「…そんなもの、役になんか立たないわ」

 

陽子は不気味な笑みを浮かべた。

 

「そんなことないですよ。どうぞ」

 

差し出すと、陽子は少し間を空けて受け取った。しかし護符は陽子の手の上で燃え始めた。あっという間に炭になって畳に散った。

 

「…ほら。こんなもの、全然何でもないじゃないの」

 

綾子が滝川に言われて何かを唱えだした。やがてジョンが言葉を紡ぎ、陽子から霊は出て行った

 

「なに…一体なにが?」

「もう大丈夫です。これを身につけて離さんといてください」

 

そう言ってジョンは二度と憑依されないよう十字架を渡す。

 

「え、えぇ…?あの……あなたがたは…?」

 

それを聞いた麻衣は

 

「どうしよ肖!陽子さん覚えてない!?」

「彰文さん曰くお祖父さんの葬儀の後おかしくなったって言ってたからね」

 

「ぼーさん。私彰文さんのところに行ってくる」

「ああ頼んだ」

 

肖は弓弦を隠して彰文の下へ向かった。

 

「彰文さんいますか?」

「はい百目鬼さんどうしたんですか?」

 

肖が戸に向かって言うと彰文が出てきた。

 

「実は陽子さんも憑かれていたんです。」

「ええ!陽子義姉さん大丈夫なんですか!?」

 

また憑かれていた人が出たことに慌てる彰文。肖は「ジョンが落としたので大丈夫です」と言う。

 

「ただ憑かれた後に来た私たちの事を覚えていないようなんです」

「分かりました。会ってきます」

 

彰文はすぐにベースへ向かった。

 

ガラッ

 

「陽子義姉さん!」

「彰文くん?一体どういうことなの?なにがなんだかさっぱり」

 

疑問符を浮かべる陽子。

 

「麻衣。陽子さんの様子は?」

「今日の日付を聞いたら驚いてた」

 

彰文は聞く。

 

「陽子義姉さん。祖父ちゃんの葬儀の後覚えている?」

「……うーん。そういえばその後から覚えて無いような…」

 

葬儀の後おかしくなったのでそれ以降は覚えていないようだ。

 

「その後、おかしなことばかりあったんだよ。いわゆる心霊現象。だから専門家であるこの人達にお願いしたんだ。そのおかげで正気に戻ったんだよ?」

「ええー?」

 

とりあえず正気に戻った陽子は部屋に戻った。

 

***

 

深夜、彰文がベースに来た。奈央が帰ってこないらしい

 

「部屋に財布やなんかが置きっぱなしだったので、そんなに遠出も出来ないと思うんですけど…」

 

なので男性陣が探しに行く。奈央がどうなってしまったのかを知らずに

 

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