霊狩中毒   作:WATAHUWA

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〇

ゴゴゴゴゴ――――――ン

 

ズズズズズズズ

 

また恐竜の寝息が聞こえる。さらにそれに混じって

 

「これ…お経だ」

 

肖と弓弦も聞き慣れているお経が聞こえるという事は三人が犯人だ。滝川とジョンが様子を見に行くことにした。しかし綾子が「アタシも行くわ」と言う。普段の綾子なら麻衣達と一緒に待つのにだ。でもここだったら出来る。

 

「それどういう」

 

麻衣が詳しく聞こうとしたが

 

ふ…

 

灯りが消えた。

 

「きゃあ!」

 

真砂子が窓を見て悲鳴を上げた。たくさんの亡霊がこの部屋へ入ろうとガラスを叩いているのだ。それを見た肖は無言で弓矢を出し、構える。放つのはガラスが割れた瞬間だ。

 

ダンダンダンダンダンダン

 

「………」

 

ガラスを叩く亡霊たち。そして…

 

ガシャ

 

割れた。

 

 

ぱあん

 

『ぎいいいいいいい…』『ぎいいいいいいい…』

 

      『ぎいいいいいいい…』

 

『ぎいいいいいいい…』『ぎいいいいいいい…』

 

当たった瞬間亡霊たちは悲鳴を上げ、祓われた。

 

「うそぉ!」

 

一本だった矢が複数に分かれ、さらには色んな方向へ飛び、亡霊たちを祓う。その光景に麻衣は驚く

 

「多分矢があの子の気で出来てるからよ!だから複数に分かれて色んな所にいる亡霊を祓えるの!」

 

綾子は一応巫女なのですぐに肖の能力が分かった。麻衣たちはぎりぎり矢を避けられた亡霊を対応する。しかしやはり多い。さらにナルを狙っている。

 

「弓弦!」

 

肖の言葉に弓弦は頷く。

 

 

ぱあああああああ

 

 

弓弦が九尾バージョンに変化したのだ。そして…

 

 

ゴオオオオオオオオォォォォォォ

 

狐火を放射し、亡霊を一掃した。その隙をついて滝川は長い真言を唱え、独鈷杵を窓の傍に突き刺す。

 

「…こ…これで入れるもんなら……入ってみやがれ」

 

後から来た亡霊たちは滝川が張った結界に阻まれた。これでしばらく大丈夫と分かった麻衣達は座り込んだ。ジョンは違う部屋にいる彰文たちを連れてくるそうだ。しかし

 

「うわあぁぁ」

 

遠くから克己の悲鳴が聞こえた。ジョン達に何かあったという事。麻衣、綾子、滝川はジョン達の救出。残りはベースの守備をすることになった。

 

しばらくして…

 

ガラ…

 

「谷山さん!よかった皆無事ですね」

 

全員ベースに避難することが出来た。当然疲れ気味だ。特に大変なのは結界も張っている滝川だ。

 

「だ…大丈夫」

 

麻衣は心配してしまう。

 

「……ここで眠らせてもらえたら一億円払ってもいい」

 

でも結界を張っているため眠ってはいけない。

 

ぺろぺろ

 

弓弦は「よく頑張ったね」とばかりに寝っ転がっている滝川の顔を舐める。

 

「おいおいくすぐったいぞ弓弦ー」

 

でも嬉しそうである。

 

 

「こわいよー」

「おかーさん」

「うー」

 

やっぱり子供は素直に恐怖を伝える。陽子たちは「ここは大丈夫だからね」と教えるが彼女たちも心の中では怯えている。

 

「弓弦」

 

ズイ

 

「「「わ」」」

 

弓弦が近づいたことに驚く子供達。しかし弓弦がお腹を見せたり、9本の尻尾をふりふりしてあやしている内に慣れてきたのか子供達は自分から触ってきた。

 

「ねーちゃん、このこなまえはー?」

「弓弦だよ」

「ゆづるー」

「ゆづるおいでー」

 

克己の言葉に弓弦は

 

すりすりすり

「あははははは!」

 

尻尾でくすぐり攻撃だ。弓弦のおかげで子供たちはもう大丈夫だ。彰文たちも

 

「しみますよ」

 

ぺと

 

「あだだだあぁぁぁ」

 

安原の手当てに悲鳴を上げる滝川。

 

「男の子でしょ!我慢する!」

「おれ今日から女の子になる!」

「気持ち悪いからやめときなさい」

 

安原と滝川の様子にクスクスと思わず笑ってしまった。

 

 

 

 

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