霊狩中毒   作:WATAHUWA

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こうして終わった廃校事件。事後処理は助役に押し付けることになった。その後、せっかく繋がった縁を切りたくなかった麻衣によって連絡先交換したりする肖達。そして

 

「……それで、ですね。お茶はダージリンとアールグレイと、どちらがいいですか?」

「お茶は結構です。用件を―」

「ですから、どちらになさいます?ホットにしますか、アイスにしますか?濃さはどれくらいにします?ミルクをつけますか、レモンをつけますか?それともキャンブリックティーかチャイにします?それともリンゴで匂いをつけますか?クッキーと冷たいバターケーキがありますけど、どちらになさいます?両方ですか」

 

『(うわああ~~~~)』

 

リゾートホテルのボーイっぷりを発揮する安原に麻衣達はドン引きする。

 

「や、安原さん凄いですわね」

 

真砂子も引いてしまう。

 

「ホテルのボーイをやっていたからね。………なんだか彼女にカッコイイ男を見せたい彼氏に高い値段の物勧めてそう」

『(ありえる!!!)』

 

肖の言葉に麻衣達は納得する。なんだかあり得そうな様子だ。もしかしたら実際にやっているかもしれない。そして勧められているナルはというと

 

「・・・何でも結構です」

 

ため息つくしかなかった。

 

「ところで、オフィスを閉めて、その後どうするんですか?」

「それが安原さんに関係があるんですか?」

「え、ありますよ。やだなー。ぼくたち仲良しさんでしょ」

「いつもの冗談でしたら相手が違いますよ。そういうくだらない話をするために

わざわざお呼びくださったんですか?」

「くだらなくないですよ。ぼくらはだあい好きな渋谷さんとリンさんがこれからどうするのか気にしてるんです」

「ご心配は無用です」

 

「肖…本当にどうなるんでしょう」

「ジ……ナルのお兄さんの葬儀をやって国に帰るかもしれないね」

 

遺骨を両親の下へ持っていくために日本を離れるかもしれない。

 

ナルはさっさと出て行こうとしたのだが…

 

「・・・・・・・・脅そうっていうんですか?」

「どうでしょう。ここはひとつ、穏便にいきませんか?」

 

安原の穏やか?な脅し?によって防がれた。それから、滝川が名前を疑問に思ったことから始まり、ニックネームのこと、自宅や連絡先を何故教えないのかということを時々ナルに質問しながら(当然答えない)話した。さらに滝川は続け、ナルの正体をヒントで少しづつ教える。

 

「ヒント。『SPR』、『ナル』」

「わかんないよぉっ!」

 

麻衣が、焦れったいとばかりに叫ぶ。

 

「私もナルの意味が分からないよ」

 

オリヴァー=ナルになるのはどういうことか肖もよくわからない。弓弦もわからないのか首をかしげる。

 

「んじゃヒントその二。トムは男の名前だが愛称でもある。何の愛称だか知ってるか?」

「え?えーと……ト、トーマス?」

 

正解、と言ってどんどん例を挙げていく。例はだんだんレベルが上がっていく。そして

 

「……ではナル」

「……え?」

 

ナルが愛称。でも麻衣はナルシストだからナルとあだ名をつけた。

 

「で、でも『ナル』って・・・・・」

「教えてやりなよ、ジョン」

 

外人であるジョンに言った

 

「……NollでしたらOliver………オリヴァーの愛称でおます」

 

『SPR』にいるオリヴァー。本名を伏せなきゃいけないような人なんて一人しかいない。

「……デイヴィス博士…?」

 

部屋に響く、麻衣の声。

 

「………そう、なの…?」

「…返答の必要があるとは思えない」

 

その問いにナルは答えなかった

 

「十五分は経過しましたが」

「あ…」

 

そう言ってナルは去っていった。リンはマスコミ嫌いな理由を教える。その内容に納得できた。

 

***

 

肖はジーンが沈んでいる湖を見る。隣には霊の気配。おそらくジーンだ。

 

「時間かかるね」

 

肖が言うと弓弦がジーンの代わりに答える。すると

 

トントントン

 

「?」

 

弓弦の様子がおかしい。その瞬間

 

ザパァ

 

ダイバーが顔を出した。とうとう見つかったようだ。岸に銀色のシートに包まれている物が置かれる。騒ぐ客たち。リンの報告を聞いてきたナルがその中を確認した。

 

「ジーン、弓弦。見つかったね」

 

こうしてジーンの死体は見つかった。

 

ー夜ー

 

「ねぇ皆話があるんだけど」

「どうしたのよ?」

 

バンガローで麻衣が肖達女性陣にあることを言う。

 

「夢で手掛かりになること言っているでしょ?実は毎回ナルが出てくるんだけど……」

 

「まあ女子高生ねー♡」

 

からかう様に笑う綾子。そんな彼女に「違う!」と言った後、俯きながら説明する。

 

「ナルに言ったら……その人がジーンだって」

「「え」」

 

そのことに綾子と真砂子は固まる。

 

「ど、どういうことですの!?」

「双子って言ってたの。」

 

真砂子は慌てて麻衣に聞く。麻衣は3人にナルから聞いた話を始めた。

 

「だから肖と真砂子を励ましたのもジーンだって…」

 

その言葉に真砂子は落ち込む。笑顔で励ましてくれたナル。だから自分は特別だと思っていたのに、実は双子のお兄さんだったから無理もない。

 

「あら?肖は落ち込んでないわね」

 

綾子は肖の様子を見て言った。肖の様子は普段と変わらない

 

「ナルじゃないって最初からわかってたよ」

 

「「「えぇ!?」」」

 

最初からわかってたという言葉に麻衣達は驚く。

 

「どういうことなの肖!」

「だってナルは優しく笑わないよ」

 

肖の言葉に麻衣と真砂子は

 

「そうだった……(汗)」

「確かによく考えれば……(汗)」

 

ナルは優しく笑わない。ちょっと考えれば別人だとわかる。麻衣と真砂子は「「あたし(あたくし)バカ?」」と頭を抱え、綾子も「確かにねー」と肖の言葉に納得した。

 

***

 

ナルの目的であるジーンの遺体が発見された後はご両親が来て涙を流し、ジーンの火葬をしたり、肖の提案でジーンのための弔い麻雀をやったり(肖と中国人であるリンが圧勝した。)、帰国するナルとリンの送別会などしたりと本当にバタバタした。これでジーンはやっとあの世へ行けるだろう。

 

ちなみに渋谷サイキック・リサーチはまどかが臨時で来ることになり、閉鎖せずに済んだ。今後はイギリスの心霊調査協会日本支部として活動することになる。

 

 

 

「ひいお祖父ちゃ……ジーン!?」

「あ、肖」

 

遥と成仏したはずのジーンがいた。

 

「ひいお祖父ちゃんどうして?葬式やったり、皆で弔い麻雀もしたし……ジーンどういうことなの?」

 

肖の言う通り、ちゃんと葬式をやった。弔い麻雀もやった。なのにジーンはこの世にいる。一体どういうことなのか。

 

「実は…出口は見えているのに、どうしても近づけないんだ」

 

肖の問いに苦笑いしながらジーンは答える。

 

「だからもうしばらく私の様にいることになったんだがいいかい?」

 

遥の問いに肖は「別にいいよ」と応える。こうしてジーンはもうしばらくこの世に残ることになり、遥や君尋、肖と談笑したりするのだった。

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