霊狩中毒   作:WATAHUWA

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~人形の家~
〇


渋谷サイキックリサーチにバイトとして入った肖(と弓弦)と麻衣。主な仕事はオフィスの掃除、お茶くみだ。

 

カランカラン

 

「あの……ここが霊能者さんに相談できる場所ですか?」

 

女性が不安げに聞く。依頼だ。

 

「はい!そうですよ!」

「麻衣。お茶を用意するからナルを呼んできて」

「わかった!」

 

麻衣に呼びに行かせた後、肖は依頼人に「お座りください」とソファーに案内する。

 

「今、お茶をお持ちします。所長ももうすぐ来ますのでお待ちください」

「は、はい」

 

肖は給湯室に行き、紅茶を淹れる。依頼人の女性の下へ行くとナルが居た。彼女は高校生ぐらいの少年が所長だったことに驚いていた。無理もない。

 

「どうぞ」

 

肖は紅茶をナルと女性の前に置いた。

 

「あ、ありがとうございます」

 

女性は紅茶を飲んで心を落ち着かせる。

 

「それではお話を伺います」

「………はい。私は森下典子と言います。……実は家がヘンなんです」

 

依頼人の女性・典子が言うには誰もいないのに壁を叩く音がした。ドアが勝手に開いていた。家具がガタガタ揺れた等心霊現象が起きているそうだ。

 

「ねえ肖。これってポルターガイストだよね?」

「うん。まだ人間の仕業か霊の仕業かどうかわからないけど」

 

麻衣と肖が話していると典子と話していたナルが「わかりました。」と依頼を受けることを決めた。

 

そして数日後

 

「・・・・うわ───っ。すごい家・・・・・・・!!」

「うん。一般家庭にしては大きい。(……でも)」

 

肖は感じ取る。この気配は霊。しかも沢山いるのだ。

 

(今回の心霊現象は霊の仕業だね)

 

弓弦もすり寄って「いるよ」と肖に伝える。一方ナルは呼び鈴を鳴らす。

 

《はい?》

「渋谷サイキックリサーチです。」

《あ、今開けます》

 

少しして典子がドアを開けた。

 

「お待ちしていました。どうぞ」

「失礼します」

「「お邪魔します」」

 

典子に案内された場所は居間。そこには女性と小さな女の子がいた。

 

「養姉の香奈と姪の礼美、8歳です。兄は海外出張中で今この家にいるのは私達だけで、不安で・・・・・・」

 

確かに女だけだったら心配になるだろう。その後、ナル達は典子が用意してくれた部屋にモニターやパソコンなどの機材を運ぶ。だいぶベースらしくなってくると、麻衣は肖に聞いてきた。

 

「肖、今回の話。あたしはポルターガイストだと思うな」

「人間の方?」

 

そう話していると「おっ。いっちょ前の口利くようになったなバイトちゃん」と滝川が現れた。さらに綾子がいる。

「相変わらず大袈裟よね、この機材の山。どーせ地霊なんかの仕業よ」

 

そんな綾子に肖は言う。

 

「前回、地霊と言いましたけど、違ってましたよね?」

「……う」

「くくっ」

 

肖の言葉にぐうの音が出ない綾子。その様子に笑う滝川。麻衣は話しを戻し「あたしは人間の仕業だと思うな」と言う。ストレスのたまった女性であることが多い。なのでこの家でストレスが溜まっていそうな女性は義理の姉と折り合いの悪い妹。典子だ。

 

「素人の浅知恵だな」

「違うと思う」

 

ナルと肖にバッサリ否定された。こういう事は思春期の子供が多い(実際の例が黒田)。なので典子は可能性が低いのだ。

 

「確かに霊感の強い女性の場合もあるが、それについては今夜にでも実験をしてみる」

 

旧校舎の暗示をやるようだ。その後、肖と麻衣は一緒にベースを出たところで典子と出会った。

 

「ちょうどよかったわ。礼美のおやつの時間なの。一緒にどう?」

「いいんですか?」

 

典子のお誘いに麻衣はちょっと驚いたように言った。

 

「幽霊退治ってたくさん機械を使うのね。イメージしてたのと全然違ったわ」

「よそはどうだか あたし達も最初はびっくりしちゃったんですよ」

「でも科学的に調べるから信憑性は高いですよ。」

 

その様に話す3人。すると麻衣が言う。

 

「・・・そういえば礼美ちゃんって可愛いですよね。」

「確かに。お父さん似なんですか?」

 

肖も聞くが「母親似よ」と言われた。父と香奈は再婚。礼美は前の奥さんの子なのだ。これは言ってはいけない話だ。肖と麻衣は申し訳なさそうに慌てて謝った。

 

「気にしないで。・・・・・礼美、おやつよ。麻衣ちゃんと肖ちゃんも一緒よ」

「こんにちはー」

「お邪魔します」

 

本を読んでいた礼美。彼女はリボンやフリルがよく似合うかわいい子だ。学校ではモテるかもしれない。

 

「コンニチハ」

 

そう言ってフランス人形の手を差し出す礼美。麻衣はそれに合わせて人形と握手する。

 

「こんにちはー。お名前は?」

「ミニー」

 

その可愛さに麻衣はメロメロである。

 

「コンニチハ」

「こんにちは。名前は肖です」

 

肖も握手しようとすると

 

びゅ

 

「!」

 

ミニーの中に居た霊が逃げた。

 

「礼美の名前に似てる!」

「あ!確かに似てる!」

「漢字は違うけどね」

 

文字は違うが読み方は確かに「あやか」「あやみ」と似ている。

 

「礼美、ご本読んでたの?」

 

典子の問いに礼美はビクッと肩を震わせ、ミニーをぎゅっと抱きしめた。なにか様子がおかしい。

 

「ほら、おやつ食べましょう」

 

そんな礼美の様子に訝しみながらも、典子はお菓子を並べていく。

 

「礼美、いらない」

「「?」」

 

子供だったら喜んで食べるのに嫌がる。礼美の行動に肖と麻衣は疑問符を浮かべた。

 

その夜。

 

ナルは前回の反省を踏まえて礼美たちに暗示をかける。

 

「今夜、花瓶が動きます。ガラスの小さな花瓶です。・・・・今夜はこの部屋のテーブルの上にあります。」

 

ナルが話し終えたころ、麻衣が部屋の明かりをつけた。礼美たち3人は花瓶を見た。暗示にかかっている。後が動くかどうかを待つだけ。

 

しかし9時をすぎた時だった。

 

「礼美ちゃんを寝かしつけようと思ってきてみたらこうよ!!」

 

礼美の部屋の家具やカーペットがすべて斜めになっていたのだ、礼美はミニーを抱きながらキョトンとしている。

 

(霊たちの仕業)

 

霊の気配が部屋を出て行く。肖の思っているように霊の仕業だ。更に今度はリビングの家具すべてが逆向き。ここにも霊がいた。

 

(すごい馬鹿にしている。)

 

すると弓弦がつついてきた。

 

「うん。使うかもしれない」

 

肖は左指につけた木の指輪に触れた。翌朝。小さな花瓶は

 

「肖~動いて無いよ~!昨日のこともあるし、やっぱり幽霊?」

「そうかもしれないね」

「ひー!」

 

ほんの少しも動いていなかった

 

 

 

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