ご了承ください。
広島駅に着いた2人は、広電に乗って観光することに。
「じゃあ、ここに行こっか」
「はい!」
2人で話し合いながら、行く場所を決める。
この時間が本当に幸せだった。
美晴さんも楽しそうで何よりだったが、実は心の底では、少しだけ考え事をしていた。
「ほーら、マネージャーさん、行きますよ〜」
「うん、そうしよっか」
2人で原爆ドームを見学し終わったところで、お昼ご飯を食べる時間になった。
広島のお昼といえば……やっぱりあれだよね!
「わぁ……大きい……」
お昼ご飯は広島風お好み焼きにした。
関西風と広島風では作り方も違うし、普段僕は関西風をよく食べるから、たまには広島風も食べてみたくなった。
だからというのもあるけど、せっかくだしね。
それに……
「美味し〜」
美晴さんが楽しそうだから……
午後は宮島に向かった。
その宮島で、ありのままの思いを語った。
「美晴さん」
「ん?マネージャーさんどうしたんですか?」
「ごめん、隠していたことがある」
「隠していた……こと?」
美晴さんが少し驚いた表情で僕を見つめる。
「実は昔、小さいときに僕は広島に住んでた。そして美晴さんと出会う前まで、その頃が……一番楽しかった……」
「え……」
美晴さんからしたら、すごく衝撃だっただろう。
美晴さんと出会う前まで広島にいた時が一番楽しかったなんて聞いたら。
あの時はすごく楽しかった。
それは物心がつく前だったからなのかもしれない。
だってあの時は、みんなから何も言われることなく、いじめられることもなく、ただただ毎日が楽しかった。
仙台でも、奈良でも、僕はいじめられていた。
特に奈良にいる時は酷かった。
馬鹿にされたり、何かあったらすぐ批判されるし、ストレスが原因で熱を出したり……
もうとにかく最悪だった。(今はそうでもないですけど)
「でも、そんな僕のことを好きでいてくれる美晴さんが……僕はすごく嬉しかった……僕は、1人じゃないんだって……」
気付けば僕の目から涙がこぼれ落ちていた。
2人で楽しもうって言ったのに、何をしてんだ僕は。
そんな自分の不甲斐なさが頭をよぎる。
美晴さんが僕のことをぎゅっと抱きしめた。
「マネージャーさんは、いつもわたしに対しても、自分の将来に対しても、ずっと努力してること、知ってますよ……私こそ……隠しててごめんなさい……」
美晴さんの目からも涙がぽろぽろと零れ落ちていた。
美晴さんまで悲しい思いをさせてどうするんだ。
「強いマネージャーさんも、弱いマネージャーさんも、甘えてくるマネージャーさんも……全部全部、大好きです……」
もう……美晴さんずるいよ……ずるすぎるよ……
「うん……僕だって、どんな美晴さんも、大好きだよ……」
こうして2人で一緒にいる時間が、今は一番幸せ。
その幸せを噛みしめて……今を楽しく……
そう心の中で決意した。
「2人だけで、この景色を楽しもう」
「そうですね……誰にも邪魔されない……最高の景色を……」
2人で安芸の宮島をめぐる。
その途中には、軽食を食べれる場所がちらほら。
もみじまんじゅうやかきフライなど、たくさん。
2人で一緒にかきフライともみじ饅頭を食べ歩きした。
『いただきます』
かきフライを食べる。
「おいひ〜」
「牡蠣が大きい〜」
2人とも口いっぱいにかきをほおばる。
幸せが零れ落ちそうなくらい、おいしいし、幸せだった。
それは美晴さんが一緒だからなのかもしれない。
いや、きっとそうに違いない。
牡蠣を食べ終わったあとは、もみじ饅頭を食べた。
2人ともこしあんにしたけど、すごく美味しかったので、ついお茶が飲みたくなってしまった。
2人は広島に戻って、紙屋町で降りた。
実はここで降りたのは、美晴さんが行きたいと言っていたから。
そこには……
「ここに……これが……」
「わたし、ここで演奏してもいいですか?」
その目は甘く、優しい目をしていた。
そんなの、断るわけがないよね。
「もちろん」
「ありがとうございます……」
美晴さん……泣いてる?
美晴さんは少しだけ涙目になっていた。
そんな美晴さんがピアノの前の椅子に座る。
そしてぽつりとこんなことをつぶやいた。
「わたし……マネージャーさんと一緒に……幸せになりたいです……」
「……」
僕は黙って聞いていた。
「わたしにはマネージャーさんの苦悩はわからない……でも、わたしはマネージャーさんと一緒にいる時間が何より幸せ……」
「……!」
美晴さんから聞いた本音。
そんなことを思ってくれていたことが嬉しかった。
気付けば僕の目からは涙が零れ落ちていた。
「だから……聞いて?わたしなりの幸せを表現してみせるから」
「……うん……聞かせて……」
美晴さんの思い、聞きたかった。
その幸せの音を聞きたかった。
「わかりました……じゃあ、弾きますね……」
美晴さんは演奏を始める。
その演奏を聞いていると、涙が止まらなくなっていた。
目の前がわからなくなる。
美晴さんが演奏してる音は空へ響き渡る。
その音は美しい。
やっぱりピアノっていいな……
美晴さんの演奏が終わる。
「マネージャーさん……?」
演奏が終わった美晴さんを僕は抱きしめた。
「美晴さん……本当にありがとう……僕も……幸せだよ……」
「はい……これからも2人で……幸せになりましょうね……」
「うん……」
そう美晴さんと誓い合った。
外は青空が僕らを照らす。
僕の目から零れ落ちる涙が床に落ちた。
その涙は光り輝いていた。
皆さん、こんにちは。おみです。
この度は「君と、最高の思い出を…… Op.2」を読んでいただきありがとうございます。
実は僕は昔広島にも住んでいた時期がありまして、その時は物心がなかったからか、嫌なことが何一つなく、平和な日々だったので、また住みたいなって思ってます(笑)
懐かしい景色が流れてて、本当に行ってよかったって思ってます。
突然ですが、Twitterログアウトします。本当にごめんなさい。
ですが、5月中には戻って来れたらと思います。よろしくお願いします。
それでは次話もお楽しみに!