Battle Spirits ~The hero of moon right~ 作:クロコッペ
「アタックステップ!」
目の前の少年、馬神弾《ばしんだん》は威勢よく口火を切った。
「射ぬけ! 合体《ブレイヴ》スピリット!」
主から命を受けた光龍騎神は足元の砂を蹴散らしバローネのスピリットへ向かって駆けていく。
「アタック時効果! BP10000以下の【魔褐邪神シュタイン・ボルグ】を破壊する!」
【光龍騎神サジット・アポロドラゴン】コスト8/4 [系統:光導/神星]
〈1〉Lv1BP6000
〈3〉Lv2BP10000
〈5〉Lv3BP13000
Lv1・Lv2・Lv3
このスピリットはブレイヴ二つまでと合体できる。
Lv1・Lv2・Lv3
【系統:光導/星魂】を持つ自分のスピリット全ては、アタックする時相手のスピリットを一体指定し、そのスピリットにアタックできる。
Lv3【合体時】『このスピリット合体アタック時』
このスピリットのブレイヴ一つにつき、BP10000以下の相手のスピリット1体を破壊する。
光龍騎神の放つ炎の矢がシュタインボルグを撃ち抜いた。が、まだ攻撃は終わらない。
弾はマジック【サジッタフレイム】を使う。天から現れた無数の炎の矢がバローネのネクサス【闇の聖剣】を焼きつくした。
【サジッタフレイム】
フラッシュ:BP合計5000以下まで相手のスピリットを好きなだけ破壊する、または相手のネクサス一つを破壊する。
「ちっ、またしても……」
破壊されたネクサスを忌々しそうに見つめるバローネ。
「まだ終わりじゃない! マジック【バーニングサン】を使用! 【アポロ】と名のつくスピリットにコストを支払わず、手札からブレイヴを直接合体《ブレイヴ》させる」
【バーニングサン】
フラッシュ:自分の手札にあるブレイヴカード一枚を、カード名に【アポロ】と入ってるスピリット1体に直接合体するように、コストを支払わず召喚し、そのスピリットを回復させる。
弾は手札から【トレスベルーガ】を光龍騎神にブレイヴさせた。【トレスベルーガ】と合体した光龍騎神は黄金の甲冑を身に包み、手には巨大な剣《つるぎ》を携えバローネを襲う。
バローネは軽く舌打ちをすると、
「【蛇皇神帝アスクレピオーズ】でブロック!」
ブロック宣言をし、蛇皇神帝のカードを傾ける。
「【獅機龍神ストライクヴルム・レオ】の効果発動。【系統:光導】を持つ【蛇皇神帝アスクレピオーズ】が疲労した為回復。行けっ! アスクレピオーズ!」
【獅機龍神ストライクヴルム・レオ】コスト8/4 [系統:光導/神星]
〈1〉Lv1BP6000
〈2〉Lv2BP9000
〈4〉Lv3BP12000
Lv1・Lv2・Lv3
【重装甲:紫/緑/白/黄】
このスピリットは相手の:紫/緑/白/黄のスピリット/ブレイヴ/ネクサス/マジックの効果を受けない。
Lv1・Lv2・Lv3
このスピリット以外の【系統:光導/星魂】を持つ自分のスピリットが疲労した時、このスピリットは回復する。
Lv3【合体時】
【系統:光導/星魂】を持つ自分のスピリット全てに白のシンボル一つを追加する。
光龍騎神と蛇皇神帝は空中での取っ組み合いとなり、蛇皇神帝の無数の足が光龍騎神の身体を抑え付ける。身動きの出来ない光龍騎神に蛇皇神帝はとどめの一撃を放とうとした。
――――――――が。
光龍騎神の内《うち》からみるみると光が溢れ出したかと思うと、辺りをカッと強烈な光が照らす。その眩《まばゆ》い光は至近距離にいた蛇皇神帝の目を潰した。
その瞬間、光龍騎神は身体を縛っていた触手が緩んだのを確認すると一気に薙ぎ払い、一旦距離を置くため後ろに下がった。
ズサザザァ!! と激しい砂ぼこりを舞いあげながら着地した光龍騎神は目の前の敵を、目を押さえ怯んでいる蛇皇神帝を見据える。
ザン! 光龍騎神は炎を纏った剣を縦に薙いだ。剣の先から出される衝撃波はそのまま直線上にいた蛇皇神帝を一頭両断にする。
「グオオォォォォォォ!!」
光龍騎神は雄々しい咆哮と共に蛇皇神帝の元へ飛び込んでいく。そして思いっ切り剣を振りかざし今度は横に薙ぎ払った。
十字に刻まれた蛇皇神帝は最後の力を振り絞って雄叫びをあげると
ドゴオォォォォン!!!
激しい轟音と共に光龍騎神の後方で爆散した。
「更に【輝竜シャイン・ブレイザー】の合体アタック時効果発動。ライフを一つ貰う」
【輝竜シャイン・ブレイザー】[系統:星竜/機竜]
〈1〉Lv1BP5000
〈0〉合体BP+5000
【合体時】『このスピリットの合体アタック時』
BP8000以下の相手のスピリットを破壊した時、破壊したスピリット1体につき、相手のライフのコア一つを、相手のリザーブに置く。
光龍騎神の刃が再びバローネに向く。光龍騎神はそのままバローネのライフを1つ削りとった。
【バローネLife】 3→2
「ぐあッ!!」
「合体スピリットもう一度アタック! 行けっ! サジットアポロドラゴン!」
「指定アタックは使わなかったか……否、使う必要がないといった顔だな」
光龍騎神のシンボルは3つ、バローネのライフは残り2つ。
そしてバローネのフィールドには獅機龍神しかいない。つまり、ライフを守りきるには獅機龍神でブロックするしかないのだ。
射手座と獅子座。弾とバローネのエーススピリットが激突する。
光龍騎神は刃を構え、獅機龍神はそれを迎え撃つかの如く雄叫びをあげる。
「更に【トレス・ベルーガ】の合体アタック時効果発動! 自分のデッキを6枚破棄することでBPを+6000! 破棄した中に【白羊樹神セフィロ・アリウス】があったので合体スピリットは回復する!」
【トレス・ベルーガ】[系統:異合]
〈1〉Lv1BP6000
〈0〉合体BP+6000
【合体時】『このスピリットの合体アタック時』
自分のデッキを上から6枚破棄することで、このスピリットのBP+6000する。
この効果で【系統:光導】を持つスピリットカードが1枚以上置かれた時、このスピリットは回復する。
【光龍騎神サジットアポロドラゴン】BP13000
+【輝竜シャイン・ブレイザー】BP5000
+【トレス・ベルーガ】BP6000
+【合体アタック時効果】BP+6000
合計BP30000 シンボル3
「だが……俺の【ホーク・ブレイカー】の効果を忘れた訳ではないよな?」
バローネは弾に真意を尋ねた。そう、【ホーク・ブレイカー】のブロック時効果はバトルしている相手のシンボルの数だけBP+5000。つまり光龍騎神をブロックした獅機龍神は同じBP3000になってしまうのだ。
「ああ、わかってる……このままだとBPは同じ30000、相打ちになってしまう。だが――――――――」
弾の目はまだ諦めていなかった。
「これで終わりだと思うなッ!」
勝利への欲求が彼を突き動かしていたのだ。
「フラッシュタイミング! ネクサス【光輝く大銀河】のレベル2効果発動。手札にある【系統:神星/光導】を持つスピリットカードを破棄することで、このバトルの間BPを+6000し、赤のシンボルを1つ追加する」
【光輝く大銀河】
〈0〉Lv1
手札にある【系統:光導】を持つ自分のスピリットカード全てのコストを5にする。
〈2〉Lv2
フラッシュ:『お互いのアタックステップ』自分の手札にある【系統:神星/光導】を持つスピリットカードを破棄することで、このバトルの間BPを+6000し、赤のシンボルを1つ追加する
弾は【太陽龍ジーク・アポロドラゴン】を破棄し、合体スピリットのBPを更に+6000した。
【光龍騎神サジットアポロドラゴン】BP13000
+【輝竜シャイン・ブレイザー】BP5000
+【トレスベルーガ】BP6000
+【合体アタック時効果】BP+6000
+【光輝く大銀河レベル2効果】BP+6000 シンボル+1
合計BP36000 シンボル4
「ふっ……BPを上げてきたか。ならばこちらもいくぞ。【ホーク・ブレイカー】ブロック時効果発動! ブロックしているスピリットのシンボルの数だけBPを+5000。 よって合計BPを+20000!」
【ホーク・ブレイカー】[系統:機獣]
〈1〉Lv1BP7000
〈0〉合体BP+3000
このブレイヴがスピリット状態の間、自分のスピリット全てに“【重装甲:赤】このスピリットは相手の赤のスピリット/ブレイヴ/ネクサス/マジックの効果を受けない。”
という効果を与える。
【合体時】『このスピリットのブロック時』
バトルしている相手のスピリット一体のシンボル一つにつき、このスピリットのBPを+5000する。
【獅機龍神ストライクヴルム・レオ】BP12000
+【ホーク・ブレイカー】BP3000
+【ブロック時効果】BP+20000
合計BP35000 シンボル1
獅機龍神の口から放たれた砲撃を光龍騎神は剣で切り伏せながら突進した。自身に向けられた刃を噛み砕んと必死に剣に喰らいつく獅機龍神、そしてそれを力で捻じ伏せようとする光龍騎神。両者はまさしく互格の戦いを繰り広げていた。
完璧な勝利とは言えないが、弾は勝ちを確信していた。このターンでバローネのキースピリットを破壊出来れば、もうバローネを守るスピリットはいない。
そこに回復状態の合体スピリットでとどめを刺せばバローネのライフは0。それで全てに決着がつく。
獅機龍神は地面に叩きつけられると、シャイン・ブレイザーのパーツにより身動きを封じられた。そのまま光龍騎神は大きく飛翔し、剣《つるぎ》を弓に変形させそのまま獅機龍神に狙い撃つ。
何千度にも達した地獄の業火を纏いし矢は獅機龍神を一発で貫いた。
バトルフィールドの地面には亀裂が入り赤黒い景色に辺りが包まれていく。
「BPがあと1000足りなかったな、バローネ。俺の勝ちだ、シャイン・ブレイザーの効果発動! ライフを1つリザーブへ!」
しかしバローネのライフはいつまでたっても減らされることはなかった。
「なっ、何故シャイン・ブレイザーの効果が発動しないんだ!? 確かに獅機龍神は破壊したはず――――――――」
「それは早計だな馬神弾《ばしんだん》。フラッシュタイミング! マジック【マジックブースト】を使用する。 合体スピリット一体を回復させ、更にBPを+2000」
【マジックブースト】
フラッシュ:自分の合体スピリット一体を回復させ、このターンの間そのスピリットのBPを+2000する。
【獅機龍神ストライクヴルム・レオ】BP12000
+【ホーク・ブレイカー】BP3000
+【ブロック時効果】BP+15000+5000
+【マジックブースト】BP+2000
合計BP37000 シンボル1
この時――――――――運命が大きく動く。
本来ならばここでバローネは【マジックブースト】を持っていなかった。それが神のいたずらだったのかはたまた偶然だったのかわからない。
しかし、この先に課せられる使命は弾ではなくバローネに変わってしまった事実は揺るぎなかった。
「なっ……ここでまたBPを上げてきただと!」
爆炎の中から現れた獅機龍神。ホーク・ブレイカーの翼を借り光龍騎神の喉へ喰らいつく。
不意を突かれた光龍騎神は地面にまで振り落とされ、ついに――――――――
ドゴオォォォォォォォォォォォン!!!
バトルフィールドを巻きこみ、こなごなに破壊された。
「サジットアポロドラゴン……!」
信じらないといった様子で目を見開く弾。
この時点で弾のフィールドには回復状態の【輝竜シャイン・ブレイザー】と【トレスベルーガ】。
バローネのフィールドには【マジックブースト】で回復した獅機龍神1体だけだ。
もしバローネのライフが残り1だったら総アタックで勝てただろう。しかし今のバローネのライフは2つ。
総アタックしてもバローネのライフを1残してしまうのだ。
「ターン……エンドだ」
弾は悔しそうにターンエンド宣言をした。
「悪いな馬神弾、このバトル勝たせてもらうぞ」
「バローネ……」
ドローステップまで終えたバローネは何も召還せずにそのままアタックスデップに突入する。
「【獅機龍神ストライクヴルムレオ】でアタック! フラッシュタイミング、マジック【クレッセントハウリング】を使用。【輝竜シャイン・ブレイザー】を手札へ、更に名称[ストライク]を持つスピリットが自分のフィールドにいるので【トレスベルーガ】も手札だ」
【クレッセントハウリング】
フラッシュ:相手のスピリット一体を手札に戻す。その後カード名に[ストライク]と入ってる自分のスピリットがいる時、相手のスピリット一体を手札に戻す。
誇り高き獅子の咆哮がシャイン・ブレイザーとトレスベルーガを吹き飛ばし、手札に戻させる。
「これでお前を守るスピリットは何もいない……終わりだ馬神弾」
「ここまでか……さあ来い! ライフで受けるッ!!」
馬神弾は両手を広げ、全てを受け入れるかの様に眼前の獅機龍神を見つめる。獅機龍神は弾に飛び掛かり、白きバリアをこなごなに喰い破った。
「ぐああぁぁぁッ!」
バリアの破片と共に弾は2、3歩退けぞる。
「終わった……いや、これからが本番か」
バローネはそんな弾を少しだけ見つめるとこう言い放った。
「太古の神々よ……引き金は俺が引く」
それが合図だったかの様に弾とバローネのデッキから12宮Xレアのカードが次々と飛び出していく。そのカードは12個のシンボルとなり天へと昇っていった。
天にはそれぞれのシンボルから星座を形どった紋様が浮かびあがり大きな円を描く。
「これが神々の砲台……」
その円の中から現れた黒光りする大きな砲台。弾はそれを呆気に取られながら見ていた。
バローネは何かの声が聞こえているかの様に頷く。
「ああ、わかった」
「どうしたんだバローネ?」
突如としてバローネのコアブリットが虹色の光に包まれる。
「馬神弾……どうやら引き金は引くものではなく、俺そのものだったらしい」
「お前が引き金だと?」
「そうだ」
端的に言葉を返すとバローネのコアブリットを包む光は更に強くなりバローネ自身も覆おうとしていた。
『そんな! フローラは嫌です!! バローネ様帰ってきて下さい!』
『バローネ様、行かねぇで下せぇ!』
無線を通じてフローラとイオラスの泣きじゃくる声が聞こえてくる。
「イオラス、俺の頼んだ事覚えているか?」
「確か……墓を作ってくれ、でしたっけ」
「そうだ、その約束ちゃんと守ってくれよ……」
それだけ言うとバローネは無線を切る。もう彼らに言葉は必要なかった。
馬神弾はゆっくりと手を差し延べてこう言う。
「ありがとうございました。いいバトルでした」
「……なんだそれは?」
「これが俺達の時代での挨拶なんだ。本当に良いバトルだった時はこう言って握手するんだよ」
「そうか……良いバトルだった。またいつかお前と戦いたいものだ」
バローネも手を差し延べる。お互いの距離はかなり離れているが、それでも本当に握手をしているかの様だった。
直後。
ゴオオォォォォ!!! という音が聞こえると共にバローネの視界は真っ白に染まった。