Battle Spirits ~The hero of moon right~   作:クロコッペ

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4core 襲い掛かる呪滅撃!? 呪の覇王カオティック・セイメイ《前編》

 

 

「これまでよ、月光のバローネ! セイメイ様でアタック!」

 

キマリは赤のマジック【アグレッシブレイジ】をこれでもか、と大きくかざす。

 

 

【アグレッシブレイジ】3(2)/赤

フラッシュ:このターンの間、自分のスピリット1体に

“【激突】『このスピリットのアタック時』相手は可能ならば必ずブロックする”

を与える。

 

呪の覇王は赤きオーラに包まれ、その速度を更に加速させながら突進する。

 

「く……合体スピリットでブロック」

 

紅の翼を纏った月光龍は、上半身が人間、下半身が蛇のような尾で構成されている毒々しいスピリット、呪の覇王を空中で受け止めると、ゼロ距離で紫電を口から放つ。

しかしそれは呪の覇王には当たらず空を切った。いや……正確には当たりはしたが手応えがない。

月光龍が捉えたものは呪の覇王が作り出した幻影だったのだ。

 

「我が友よ、後ろだ!」

 

バローネの声を聞き、月光龍は後方へと体を向けようとした。

 

 

まるで尾を鞭のようにしならせ、呪の覇王は月光龍を地面に叩きつける。

バトルフィールドの中心で大きく振動がおき、バローネの手元がわずかに揺れた。

 

たちこめる爆煙の中、姿を表したのは呪の覇王。対する月光龍はというと……

 

 

激しい咆哮をあげ、再び空に舞い上がり体制を立て直していた。

月光龍は紫色のバイザーの奥の目を光らせ、呪の覇王に突っ込んでいく。バックパックに取り付けられた砲凰竜の二門のキャノンで牽制しつつ、両腕の爪をギラリと尖らせ――――

 

ザン!! と何かを切り裂く音が聞こえた。

 

空中には3つに分断された呪の覇王。しかし呪の覇王の表情は苦痛で歪むどころか口を曲げて笑っていた。

 

キマリの方もニヤリと笑って、

 

「セイメイ様の【呪滅撃】発動!」

 

突如としてバローネのライフの1つが紫のオーラに包まれる。

するとそのライフが砕け散って無くなる代わりに闇を連想させるかのように黒い渦から、粉々になって消滅したはずの呪の覇王が再び現れた。

 

「く……相手のライフと引き換えに復活するスピリットか。等価交換というものがまるで成り立ってないな」

 

奪われたライフのところに手を当てバローネは忌々しそうに呪の覇王カオティック・セイメイを見つめる。

 

「まだこれで終りじゃないわよ? 再びセイメイ様でアタックするんだからッ!」

 

またしてもアタック。バローネのフィールドには合体スピリットしかおらず、さらに呪の覇王は【アグレッシブレイジ】の効果で【激突】を持っている。

つまり先程と同じ事を繰り返すことになるのだ。

そのまま繰り返していけば呪の覇王【呪滅撃】によってバローネのライフは0にされる。絶体絶命の中、バローネはどうしてこのようなバトルをしているのか思い返していた。

 

 

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

 

 

「初心者にバトルスピリッツを教えて欲しい……だと?」

 

「そうなのーー、実は前のあなたとハジメ君のバトルを見た子達が自分もやりたいって言い出してね」

 

ミカはそう言って一枚の紙をバローネに差し出す。そこにはこれからのスケジュールが書かれていた。

 

「『バトスピ覇王《ヒーロー》トレーナー』か……随分とめんどくさいものだな」

 

バトスピ覇王《ヒーロー》トレーナー。主にバトスピをやりたいがルールがわからないといった子を対象に開かれる講習会のようなものだ。

まず最初にルールの説明、その後に初心者同士でのバトル。

それを毎週土日に午前と午後に分けてやるらしい。

 

「まあまあ、これでバトスピを更に盛り上げていこうという企画よ、貴方の頑張りがこの店の売り上げに直結してると言ってもいいわ」

 

「仕方がない……土日だけならやってやらないこともないぞ」

 

「そう来なくっちゃ! じゃあ早速――――」

 

そんな時、店の前で大きな声が響き渡った。

 

「バローネはいるかーーーーッ!!」

 

その声は聞き覚えのない少女の声。

ミカは面白そうに笑いながら

 

「あらあら、この声はキマリちゃんね、バローネ、ご指名よ」

 

バローネの背中を押し、促した。

 

「まったく、面倒なものが次々と……」

 

バローネが店のに出て行ってみると子供が三人。

一人は先日戦ったハジメという少年。その後ろにポニーテールの少女とその二人よりも一回り小さい少年が。

この子供たちは兄妹なのだろうかと疑問に思いつつバローネは尋ねた。

 

「俺を呼んだのは貴様か? 生憎、赤の他人に呼び捨てにされるいわれはないぞ」

 

バローネはその中の少女を睨みつける。少女は頭何個分も離れているバローネに睨みつけられ、少女は少したじろぐが、

 

「あ、あなたを私の部下にしにきたのよ!」

 

胸を張りこれでもかと言わんばかりに言い放った。

突然意味不明なことを言われ、頭にハテナマークを浮かべるバローネにハジメが詳しいことを説明する。

 

「バローネさん、実はキマリが俺とバローネさんの勝負話を聞いたら自分も勝負したくなったって言い出して、こんなことになっちゃったんだけど、大丈夫ですか?」

 

「ふふん、ハジメが言うにはアンタ結構強いんでしょ? それなら私の世界征服の役にたつと思ってね」

 

「姉ちゃん姉ちゃん、この人すごく強そうだよ~~、止めといたほうがいいんじゃない?」

 

結局、ハジメの話を聞いてもうまく理解出来ない。なぜバトルから世界征服につながるのだろうか。

ハァ、とため息を付いてバローネは考えた。

もう閉店時間ギリギリだ、これで少女とバトルしていたら明らかな時間オーバーになる。

 

「ふふ、何か面白そうな話してるわね。どれお姉さんにも話してみなさい」

 

カウンターの奥からようやく現れたミカはさっそく話に割り込んできた。

 

「おお、姉御! 実はキマリが……」

 

ハジメはミカにバローネと同様の説明をした。

 

「なるほどね………面白そうだから特別にOKにしちゃう!」

 

「ありがとうございます。ミカさん!」

 

キマリはバローネとは真逆の態度でペコリと頭を下げ、店内に入っていく。それに続いてハジメともう一人の少年も一人ずつ頭を下げた。

 

「アイツらは兄妹かなにかか?」

 

店内ではしゃぐ三人を見てバローネはミカにそっと尋ねる。

 

「いいえキマリちゃんとコウタ君は姉弟だけどハジメ君はあの二人の家で居候してるだけで血の繋がりはないわ」

 

そうか、とバローネは言葉を返し三人の元へ向かう。

 

「キマリとやら、バトルをするならさっさと終わらせるぞ」

 

その言葉を待っていたと言わんばかりにキマリはニッと笑い巨大なモニターの前に立った。

 

「いいわよ私のセイメイ様の呪滅撃でアンタを震え上がらせてあげる」

 

【呪滅撃】。

【呪撃】は知っているが【呪滅撃】はバローネにとって聞き覚えのない言葉だった。

 

(……なんにしろ、俺と我が友で蹴散らすだけだ)

 

「じゃあ二人共、例の掛け声よろしくねー」

 

 

「「ゲートオープン界放っ!」」

 

 

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ 

 

 

そんな訳でバトルが開始され今は第13ターン。

お互いにキースピリットを召喚し戦況は五分と五分に思えたが―――――

 

「ほらほら、どうするの? セイメイ様のアタックはまだ続いているのよッ!」

 

「合体スピリットでブロック……フラッシュタイミングで【絶甲氷盾】を使用、このバトル終了時、お前のアタックステップを終了させる」

 

バローネのライフは残り3。対してキマリのライフは未だに5。

バローネの方が劣勢と言えた。

 

襲いかかってくる呪の覇王を受け止め、破壊する月光龍。しかし破壊したと同時に【呪滅撃】の効果でバローネのライフは削られ、呪の覇王は蘇った。

 

[バローネLife]3→2

[コア]リザーブ〈4→5〉

 

「【絶甲氷盾】を使われたせいでこれ以上のアタックは不可能か……ま、いいわターンエンド」

 

[キマリLife]5

[手札]4

[コア]リザーブ〈3〉フィールド〈4〉トラッシュ〈3〉

[スピリット]【呪の覇王カオティック・セイメイ】

[バースト]???

 

モニターを見つめるハジメは歯ぎしりしながら呟いた。

 

「バローネさんかなりやばかったな……」

 

「そうだねあんちゃん、さっきのターン、【アグレッシブレイジ】を使って【激突】を持っていいた呪の覇王は月光龍にとって相性が悪すぎたよ」

 

呪の覇王が持つ【呪滅撃】とは相手によって破壊された時、相手のライフのコア一つをトラッシュに送ることで回復状態でフィールドに戻ってくる恐るべき効果である。

しかしこの効果を回避するのはそこまで難しいことではなく、呪の覇王がアタックしてきた場合、呪の覇王よりBPの低いスピリットでブロックするかライフで受ければいいだけ。

 

「だけどお姉ちゃんはカオティック・セイメイに【激突】を与えてきたんだね」

 

その通り。

よって【呪滅撃】の回避方法の一つである『ライフで受ける』ことを封じられた今、もう一つの回避方法である『呪の覇王よりBPの低いスピリットでブロック』するしかなくなったのだ。

しかしバローネのフィールドにはBP13000の【砲凰竜フェニック・キャノン】と合体《ブレイヴ》した【月光龍ストライク・ジークヴルム】のみで、呪の覇王よりもBPの低いスピリットはいなかった。

よって呪の覇王のアタックは月光龍でブロックするしかなく、【呪滅撃】の発動を許してしまうことになった。

しかしここまでなら通常とあまり変わらない。しかし月光龍の存在により呪の覇王の無限アタックが完成してしまったのだ。

 

【呪滅撃】の効果で回復した呪の覇王は再びアタックを仕掛ける。この場合【激突】を持ってたとしても相手のスピリットが全て疲労していたらその効果は意味をなさず、ただライフで受ければいいだけ。

そうすれば【呪滅撃】も発動せず、呪の覇王は疲労状態でターンを終えることになった。

しかしバローネのフィールドにいたのは月光龍。

つまりは、『相手のスピリットがアタックした時、このスピリットは回復する』という効果のせいで月光龍は回復してしまう。

よって【激突】を持った呪の覇王をブロックしてまた破壊しなければいけなかったのだ。

 

「その後にまた【呪滅撃】の効果でカオティック・セイメイは回復状態で場に戻り、アタックをする。回復効果を持つ月光龍はそれをブロック」

 

その繰り返しでバローネのライフは1つずつトラッシュに送られ、最後には0になってしまうといったところだった。

 

「それでもこのターンは【絶甲氷盾】のお陰でなんとか凌ぎ切ったんだ、バローネさんはまだ負けちゃいないぜ!」

 

 

 

【第14ターン】

 

「随分と外野がうるさいな……メインステップ。ネクサス【月照らす氷結湖】をレベル2で配置」

 

[バローネコア]リザーブ〈10→6〉フィールド〈4→5〉トラッシュ〈0→3〉

[手札]5→4

 

「おお! ネクサスカード! 俺バトルフィールドでネクサスが出てくるの見るの初めてかも!」

 

「お姉ちゃんもハジメあんちゃんもデッキには入れてるけどバトルフィールドでは一回も使ったことないよね、ネクサス」

 

「そうなんだよなー、何故かバトルフィールドでバトルするといつも回ってこないんだよ」

 

 

バトルフィールドはまるで夜のように暗くなり、バトルフィールドの中心が陥没したかと思うと水が吹き出し小さな湖が出来上がった。

 

「おおう! あのネクサスは背後に出現じゃなくてフィールド全体に影響するのか! なんかあがってきたーー!」

 

「あんちゃん落ち着いて、戦っているのはバローネさんとお姉ちゃんだから!」

 

 

【月照す氷結湖】4(2)/白

<0>Lv1 <1>Lv2

 

Lv1・Lv2『自分のスタートステップ』

相手のネクサス1つを手札に戻す。

 

Lv2『相手のターン』

ドローステップ以外で相手がドローしたとき、自分はデッキから1枚ドローできる。

 

「続けて、【ガドファント】を2体、それぞれレベル2で召喚する」

 

[バローネコア]リザーブ〈6→0〉フィールド〈5→11〉トラッシュ〈3〉

[手札]4→2

 

2つの白のシンボルが弾け、2体の黒い機械の象が出現した。

場には月光龍と2体のガドファント、計三体のスピリットが並ぶ。

 

「アタックステップ、行けガドファント!」

 

両者の間にある湖。その向こう側から【ガドファント】は鼻の近くにとりつけてあるガトリングガンでキマリのライフを狙う。

 

「いいわ、ライフで受けてあげる!」

 

ズガガガガガッッ!! と連続した爆砕音が鳴り響く、一秒間で100発射された弾丸は全てキマリの元へ向かい展開された白いバリアを打ち破った。

 

[キマリLife]5→4

[コア]〈3→4〉

 

 

「ねえ、ハジメあんちゃん。どうしてお姉ちゃんは【ガドファント】のアタックをカオティック・セイメイでブロックしなかったの? ブロックしたら【ガドファント】を破壊できた上にライフは減らされなかったよね?」

 

「おそらく、キマリの奴は月光龍のアタックを封じるためにカオティック・セイメイでブロックしなかったんだと思う……それともう一つ」

 

「もう一つ?」

 

「ああ、キマリの伏せているバースト、それが――――」

 

キマリはまたニヤリと笑って、

 

「【ライフ減少】によりバースト発動! マジック【妖華吸血爪】!」

 

ディスプレイから弾き出されたカードをバローネへと突きつける。

キマリの背後には妖・華・吸・血・爪と順々に文字が映し出され、それらが混じり合い爪の形を形成すると回復状態のガドファントを切り裂いた。

 

「くっ、ここに来てバーストか……」

 

トラッシュに送られた3つのコアと【ガドファント】を見て忌々しそうに見つめるバローネ。

 

「ハジメあんちゃん、今何が起きたの!? いきなりアタックしてない方の【ガドファント】のコア全部がトラッシュに送られちゃった!!」

 

「んーー、あれはキマリの使ったバーストの効果だな」

 

【妖華吸血爪】マジック

5(2)/紫

【バースト:自分のライフ減少後】

自分はデッキから2枚ドローする。

その後コストを支払うことで、このカードのフラッシュ効果を発揮する。

フラッシュ:

自分の手札を好きなだけ破棄する。

その破棄したカード1枚につき、相手のスピリット1体のコア1個を相手のトラッシュに置く。

 

「つまりキマリはバースト発動時に2枚ドローし、更にフラッシュで自分の手札三枚を破棄して【ガドファント】のコア全てをトラッシュに送ったってこと」

 

「なるほどーーそれでコアが0になった【ガドファント】はトラッシュに送られちゃったってわけかあ」

 

[キマリ手札]4→6→3

 

[バローネコア]リザーブ〈6〉フィールド〈11→8〉トラッシュ〈3→6〉

 

 

「ターンエンドだ」

 

[バローネLife]2

[手札]2

[コア]リザーブ〈6〉フィールド〈8〉トラッシュ〈6〉

[スピリット]【月光龍ストライク・ジークヴルム】【ガドファント】

[ネクサス]【月照す氷結湖】

[バースト]なし

 

 

【第15ターン】

 

「いっくわよーー、スタートステップ!」

 

キマリはメインステップに【吸血令嬢エサルフリーダ】をレベル2で召喚する。

紫のシンボルが無数のコウモリに変わり、さらにそのコウモリの集団から黒いドレスを纏った黒髪ロングヘアーの少女が姿を表した。

目はツリ目がちでどこか毒々しさを放つ可憐な美少女は怪しげな音色でフフ、と小さく微笑する。

 

 

【吸血令嬢エサルフリーダ】スピリット

5(2)/紫/夜族

<1>Lv1 3000 <2>Lv2 5000 <4>Lv3 7000

Lv1・Lv2・Lv3『このスピリットのバトル時』

自分が使用する紫のマジックカードすべての色を無いものとして扱う。

Lv2・Lv3

相手のネクサスすべてのLvコストを+1する。

 

「まだまだよ! 続けて、【シュテン・ドーガ】も召喚! 不足コストはセイメイ様から確保するわ。 召喚時効果発動で【シキツル】をトラッシュから召喚、【シキツル】の召喚時効果で自分はデッキから一枚ドロー!」

 

【シュテン・ドーガ】と呼ばれるスピリットはまるで鬼を彷彿させる面構えで、後ろでなびく茶色い頭髪を振り払うと、青白い肌がむき出しの上半身に埋め込まれた紫のシンボルから禍々しい光を放った。

瞬間、地面がボコボコと膨らみ、その中から折り紙でおられたかのような鶴が出現する。

 

【シュテン・ドーガ】スピリット

5(2)/紫/魔影

<1>Lv1 3000 <3>Lv2 5000

Lv1・Lv2『このスピリットの召喚時』

自分のトラッシュにある系統:「魔影」を持つ

コスト3以下のスピリットカード1枚を、コストを支払わずに召喚できる。

Lv1・Lv2

自分のバースト効果で、相手のスピリットから相手の

リザーブ/トラッシュに置かれるコアの数を+1個する。

Lv2

自分のバーストをセットしている間、

系統:「魔影」を持つスピリット1体につき、このスピリットをBP+2000する

 

 

【シキツル】スピリット

3(2)/紫/魔影

<1>Lv1 1000 <3>Lv2 2000

Lv1・Lv2『このスピリットの召喚時』

自分はデッキから1枚ドローする。

 

[コア]リザーブ〈8→3→0〉フィールド〈4→6〉トラッシュ〈0→4→7〉

[各スピリットのコア数]【呪の覇王カオティック・セイメイ〈2〉】【吸血令嬢エサルフリーダ〈2〉】【シュテンドーガ〈1〉】【シキツル〈1〉】

 

 

「すごいや、姉ちゃん! 一気に自分のフィールドに3体のスピリットを追加した!」

 

「キマリの奴……数で押す戦法か、だけどバローネさんのフィールドには無限ブロッカーとなる月光龍がいる、どう切り崩す……?」

 

バローネは【シキツル】の効果でキマリがドローしたのを確認すると

 

「ではこちらの【月照す氷結湖】のレベル2の効果を発動する」

 

Lv2『相手のターン』

ドローステップ以外で相手がドローしたとき、自分はデッキから1枚ドローできる。

 

しかしいつまでたっても【月照す氷結湖】はなんの反応も示さない。

要するに効果の不発動を意味していた。

 

「なぜだ……確かに奴はドローしたはずだったが……」

 

「残念、その効果はレベル2からでしょ。今そのネクサスはレベル1。よって効果は発動しないってわけ」

 

「馬鹿な、確かに俺はレベルが2になるようにコアを置いた―――――」

 

その時バローネは何かに気づいたかのようにキマリのフィールドのスピリットを見る。

そのスピリットは【吸血令嬢エサルフリーダ】。

 

「……そういうことか」

 

ギュッとバローネはディスプレイの横のレバーを握り締める。

 

確かにバローネは【月照す氷結湖】をレベル2になるようコアを1つおいた。

が、しかし【吸血令嬢エサルフリーダ】の効果『相手のネクサスすべてのLvコストを+1する。』によって【月照す氷結湖】のレベル2に必要なコアは2つになってしまったのだ。

よってコアが1つしか乗ってないバローネのネクサスは実質レベル1ということになり、レベル2の効果は発揮できないのだ。

 

 

「このターンのアタックはやめておくわ、アタックステップは何もせずターンエンド」

 

[キマリLife]4

[手札]3

[コア]リザーブ〈0〉フィールド〈6〉トラッシュ〈7〉

[スピリット]【呪の覇王カオティック・セイメイ】【吸血令嬢エサルフリーダ】【シュテンドーガ】【シキツル】

[バースト]なし

 

 

「呪の覇王がレベル3になれなくて【呪滅撃】が発動しないから姉ちゃんはアタックして来なかったね」

 

「そうだな……このターン、どう動くかによって大きく流れが変わっていくぜ、バローネさん」

 

 

 

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