Battle Spirits ~The hero of moon right~ 作:クロコッペ
【第14ターン】
月光のバローネ
[Life]2
[Hand]3
[Core]Reserve〈13〉Field〈8〉Trash〈0〉
[Spirit]【月光龍ストライク・ジークヴルム+砲凰竜フェニック・キャノン】【ガドファント】
[Nexus]【月照す氷結湖】
[Burst]なし
「メインステップ。月照す氷結湖をレベル2に、そして【イグア・バギー】をレベル2で召喚」
[Hand]3→2
[Core]Reserve〈13→11〉Field〈8→11〉Trash〈0〉
バローネのフィールドに白のシンボルが現れ、弾ける。
前方に2つ、後方に1つ。計3つのタイヤを持った緑色の蜥蜴がブンブンとエンジンを鳴らした。
「アタックステップ、【月光龍ストライク・ジークヴルム】でアタック! 【砲凰竜フェニック・キャノン】の合体アタック時効果発動、【激突】だ……!」
【砲凰竜フェニック・キャノン】
5(赤2白2)/赤/機竜・星魂
<1>Lv1 3000 <0>合体+3000
Lv1『このブレイヴの召喚時』
BP4000以下の相手のスピリット2体を破壊する。
または、BP4000以下の相手のスピリット1体と相手のネクサス1つを破壊する。
合体条件:コスト3以上
【合体時】【激突】『このスピリットの合体アタック時』
相手は可能ならば必ずブロックする。
「ふふん、セイメイ様がレベル1の時にアタックを仕掛けてきたわね、いいわ【シキツル】でブロックしてあげる!」
上空の月の光に照らされ、月光龍が夜の闇を切り裂きながら滑空する。
シキツルはキマリを庇うように前に現れるとそのまま月光龍に消し飛ばされた。
「なるほど! 呪の覇王の【呪滅撃】はレベル3からの効果なのか! だからバローネさんはストライク・ジークヴルムで躊躇なくアタックしたんだな!」
「イグア・バギー、続け!」
真ん中にポッカリと存在する氷結湖の上を水を切りながら走るイグア・バギー。
(こっちにはBPがのエサルフリーダとシュテンドーガがいるのにアタックをしてきた……ここは迂闊にブロックしないほうが賢明かな?)
キマリはこのアタックをライフで受けた。
巽キマリ
[Life]4→3
[Core]Reserve〈0→1〉
バローネはそれを見て不敵に笑う。まるで見事にブラフにひっかかったキマリを笑うかのように。
「ふっ、ターンエンド」
月光のバローネ
[Life]2
[Hand]2
[Core]Reserve〈11〉Field〈11〉Trash〈0〉
[Spirit]【月光龍ストライク・ジークヴルム+砲凰竜フェニック・キャノン】【ガドファント】【イグア・バギー】
[Nexus]【月照す氷結湖】
[Burst]なし
【第15ターン】
巽キマリ
[Life]3
[Hand]4
[Core]リザーブ〈10〉フィールド〈6〉トラッシュ〈0〉
[Spirit]【呪の覇王カオティック・セイメイ】【吸血令嬢エサルフリーダ】【シュテンドーガ】
[Nexus]なし
[Burst]なし
【メインステップ】
「【呪の覇王カオティック・セイメイ】、【吸血令嬢エサルフリーダ】をレベル3に、【シュテンドーガ】をレベル2にアップ! そしてバーストセット!」
[Core]Reserve〈10→3〉Field〈6→13〉Trash〈0〉
[Burst]???
【アタックステップ】
バローネは勝手にアタックステップを進めようとするキマリを止める。
「我が友のレベル3【合体時】効果の発動だ……【吸血令嬢エサルフリーダ】を指定」
【合体時】Lv3『相手のアタックステップ』
ステップ開始時、合体していない相手のスピリット1体を指定する。
そのスピリットは可能ならば必ずアタックする。
「いくわよ、【シュテンドーガ】でアタック!!」
まるでうめき声のような雄叫びを上げてシュテンドーガは氷結湖の前まで行くと、大きく跳躍してそれを飛び越える。
そしてそのまま、まっ先にバローネの方へと手の持ったナタを投げつけた。
ガギン!! と金属同士がこすれ合う音が響く。
「我が友よ、ブロックを頼む」
それはライフを削られた音ではなく、月光龍が投げつけられたナタを強靭な牙で咥え、押さえつける音だった。
「さて、キマリとやら。貴様は吸血令嬢でもアタックをしなければならないというのに、シュテンドーガまでもアタックさせた。狙いはなんだ?」
「今にわかるわよ」
ベキベキと口に加えたシュテンドーガのナタを砕き、粉々に粉砕する月光龍。その瞳は現在丸腰状態のシュテンドーガに向いていた。
轟!! と大きな気流が発生したかと思うと、月光龍はすでにシュテンドーガに向かって背部のスラスターを最大噴射。
わずか0.5秒でシュテンドーガの元へたどり着き、右の腕を大きく振り払って5つの爪で引き裂く。
シュテンドーガの胴体には3つの爪痕が刻まれ、そこから緑色の血が噴きした。
ウゴォォォォォォォ!!!!!
響き渡るシュテンドーガの絶叫。しかし彼は最後に力を振り絞って月光龍のボディに取り付いた。
月光龍の白銀に輝くボディに自身の拳を叩きつけるシュテンドーガ。
しかし傷は1つもつきはしない。逆にシュテンドーガの拳から血が噴きだすくらいだ。
月光龍はまるで汚物を振り払うかのように身体を大きくうねらせて上空へと飛翔する。そして――――
「決めろ、合体スピリット」
バローネの掛け声とともに、月光龍はシュテンドーガを振り払った。
何十メートルもの高さから落下を開始するシュテンドーガに、月光龍は背中に取り付けられた二門の砲台を向ける。
数秒後、2つの閃光がシュテンドーガの身体を貫く。
シュテンドーガは真下にある氷結湖にドボンと沈み、
ドゴォォォォォ!!!!
水中で爆発し、氷結湖は大きな水しぶきを上げた。
[Core]Reserve〈3→6〉Field〈13→10〉Trash〈0〉
「終わったな……」
「いいえまだこれからよ!!」
氷結湖の水飛沫に紛れ、月光龍に向かう一つの物体がある。
漆で塗られたかのように光沢のある黒い突起物。
それはレイピア。細く、繊細に、ただ一点のみを狙って投擲された剣だった。
そして正確に月光龍に突き刺さった。
正確には、月光龍と合体していた【砲凰竜フェニック・キャノン】に。
空中で背部のブレイヴが爆発して、月光龍は地にたたきつけられた。
「【不死】の効果でトラッシュから【闇騎士フローレンス】を召喚! 召喚時効果であんたのブレイヴは破壊させてもらったわ!!」
「なんだと……」
[Core]Reserve〈6→5〉Field〈10→11〉Trash〈0→1〉
【闇騎士フローレンス】スピリット
3(2)/紫/魔影
<1>Lv1 2000 <2>Lv2 3000
【不死:コスト4/5】『お互いのアタックステップ』
トラッシュにあるこのスピリットカードは、
コスト4/5の自分のスピリットが破壊されたとき召喚できる。
Lv1・Lv2『このスピリットの召喚時』
【不死】で召喚されたとき、相手の合体スピリットのブレイヴ1つを破壊する。
「キマリの奴なかなかに計算高いな。まさか【シュテンドーガ】の破壊を利用してブレイヴを破壊するなんて!」
「お姉ちゃんああ見えても意外に念入りに世界征服の計画立ててるからね。こういうところではその計算高さがすごくいきてるんだよ」
フェニック・キャノンを失った月光龍はヨロヨロとバローネのフィールドに戻り、腰を下ろす。
「まぁいい。次は効果で指定された吸血令嬢だ。さぁこい」
「仕方が無いわね【吸血令嬢エサルフリーダ】でアタック!」
吸血令嬢は勝手に動いてしまう自分の身体を必死で食い止めようとするが月光龍の強制力にはかなわずそのままバローネのフィールドに向かっていく。
つり目の瞳から零れる涙が氷結湖に落ち、静かな波紋を作っていく。
しかし機械の龍に同情などという感情は存在しない。ブレイヴを失ってもなお、主に危害を加えるものを消滅させるべく月光龍は前方の吸血令嬢に照準を合わせ、咆哮とともに紫電を放った。
真正面から月光龍の攻撃を受けた吸血令嬢はゆっくりと瞳を閉じて、氷結湖に沈んでいく。シュテンドーガが落ちた同じ場所で。
「我が友のレベル2、3効果。【吸血令嬢エサルフリーダ】よりもBPの低い【闇騎士フローレンス】を手札へ」
Lv2・Lv3『このスピリットのブロック時』
BPを比べ相手のスピリットだけを破壊したとき、
そのスピリットよりBPの低い相手のスピリットすべてを手札に戻す。
ディスプレイから吹き飛ばされた【闇騎士フローレンス】のカードを空中でキャッチするとキマリはまたあのキーワードを口にする。
「【不死】の効果発動!」
再び氷結湖の中から一本の剣が飛ぶ、今度は月光龍ではなく後方にいた【ガドファント】がその餌食となった。
[Core]Reserve〈5→6→10→5〉Field〈11→10→6→7〉Trash〈1→4〉
[Burst] 冥皇封滅呪→破棄
ズドン、ズドンと水に濡れ、甲冑に包まれた騎士が現れた。真っ黒な鎧の中、一つだけ不気味に光る赤いモノアイが剣の突き刺さったガドファントの方へと向く。
騎士はゆっくりとした足並みでガドファントに近づき、その剣が自分のものだと誇示せんとばかりに思いっきり引きぬいた。
剣を引きぬかれたガドファントは三回ほど痙攣し、そのまま消滅していった。
【闇騎士ガヴェイン】スピリット
6(3)/紫/魔影
<1>Lv1 3000 <2>Lv2 6000 <6>Lv3 9000
【不死:夜族】『お互いのアタックステップ』
トラッシュにあるこのスピリットカードは、
系統:「夜族」を持つ自分のスピリットが破壊されたとき召喚できる。
Lv1・Lv2・Lv3『このスピリットの召喚時』
自分のバースト1つを破棄することで、
相手のスピリットのコア3個を相手のリザーブに置く。
「またしても不死か……厄介だな」
「まだまだいくわよ! 【呪の覇王カオティック・セイメイ】でアタック!」
呪の覇王のBPは11000。月光龍のBPはブレイヴを失ったため10000。これでブロックすればこちらが破壊されるので【呪滅撃】は発動しない。
しかし――――
「ライフで受けるッ!」
月光のバローネ
[Life]2→1
[Core]Reserve〈11→12〉
ここで月光龍を失えば敗色は濃厚となる。それに月光龍はバローネにとって自身のプライドのようなものだ、そうやすやすと破壊されるわけにはかなかった。
「ライフは後1ね。ターンエンド」
[Life]3
[Hand]4
[Core]Reserve〈5〉Field〈7〉Trash〈4〉
[Spirit]【呪の覇王カオティック・セイメイ】【闇騎士ガヴェイン】
[Nexus]なし
[Burst]なし
【第16ターン】
月光のバローネ
[Life]1
[Hand]3
[Core]Reserve〈16〉Field〈8〉Trash〈0〉
[Spirit]【月光龍ストライク・ジークヴルム】【イグア・バギー】
[Nexus]【月照す氷結湖】
[Burst]なし
【メインステップ】
「【ワルキューレ・ミスト】【エゾノ・アウル】をそれぞれレベル3で召喚」
[Core]Reserve〈16→8→3〉Field〈8→13→16〉Trash〈0→3→5〉
人魚を模した白い機械とふくろうのような機兵がバローネの場に現れる。これで4体。
総アタックをかければキマリのライフは0にできるはずだ。
【アタックステップ】
「まずは【イグア・バギー】【エゾノ・アウル】2体でアタック!」
「【エゾノ・アウル】は【闇騎士ガヴェイン】でブロック! 【イグア・バギー】はライフで受ける!」
エゾノ・アウルは頭部をガヴェインにわしづかみにされ、そのまま地面に叩きつけられ爆散した。その爆風をすり抜けイグア・バギーはキマリのライフを削り取る。
[Life]3→2
[Core]Reserve〈0→1〉
「続けて【ワルキューレ・ミスト】でアタック」
「私のライフを0にしようたってそうはいかないわ! フラッシュタイミング! 【絶甲氷盾】を使用、このバトルであんたのターンは終了よ!」
キマリはまたライフで受けた。
[Life]2→1
[Core]Reserve〈1→2〉
「よく使われているな、そのマジックは」
前回はハジメに使われ、今回はキマリに使われた。かくいうバローネもデッキには入れてるのだが。
月光のバローネ
[Life]1
[Hand]2
[Core]Reserve〈6〉Field〈13〉Trash〈5〉
[Spirit]【月光龍ストライク・ジークヴルム】【イグア・バギー】【ワルキューレ・ミスト】
[Nexus]【月照す氷結湖】
[Burst]なし
【第17ターン】
巽キマリ
[Life]1
[Hand]5
[Core]Reserve〈15〉Field〈7〉Trash〈0〉
[Spirit]【呪の覇王カオティック・セイメイ】【闇騎士ガヴェイン】
[Nexus]なし
[Burst]なし
「バローネさんとキマリ。ついにライフが並んだな……これならどっちが勝つか検討もつかないぜ!」
「僕はお姉ちゃんを応援しておくよ。また頭グリグリされると嫌だし」
【メインステップ】
「【闇騎士フローレンス】をレベル2で召喚、そして【闇騎士ガヴェイン】をレベル3にアップ!」
[Hand]5→4
[Core]Reserve〈15→7〉Field〈7→14〉Trash〈0→1〉
【アタックステップ】
「そろそろケリをつけようじゃない! 【闇騎士ガヴェイン】でアタック!」
「ふん、まだまだそうは行かなさそうだぞ? 【ワルキューレ・ミスト】の効果、【闇騎士フローレンス】を疲労させる」
【ワルキューレ・ミスト】
Lv2・Lv3『相手のアタックステップ』
相手のスピリットがアタックしたとき、相手のスピリット1体を疲労させる。
「なんの! フラッシュタイミングで【ミーヤバッド】を破棄! そして【闇騎士ガヴェイン】のBPを+2000。合計BP11000!」
【ミーヤバッド】スピリット
3(2)/紫/夜族
<1>Lv1 2000 <3>Lv2 3000
フラッシュ『お互いのアタックステップ』
手札にあるこのスピリットカードを破棄することで、このターンの間、
スピリット1体をBP+2000する。この効果はスピリットの効果として扱う。
「フッ、それで今の俺の唯一のブロッカー、ストライク・ジークヴルムを破壊して、そのあと呪の覇王のアタックで決めようというわけか。だが言ったはずだぞ、そうはいかなさそうだ《・・・・・・・・・・》と」
バローネが差し出した一枚のカード。それは神々の砲台で馬神弾が二度もバローネに使ったマジックだった。
(前回自分を苦しめたカードに、今回は助けられるとは……何とも言えないめぐり合わせだな)
息を吸ってバローネは口を開く。
「フラッシュタイミング! マジック、【デルタバリア】を使用する!」
バローネの眼前に展開された三角形のバリア。それはアタックを仕掛けてきたガヴェインをあっさりと弾き返した。
【デルタバリア】マジック
4(2)/白
フラッシュ:このターンの間、相手のスピリット/マジックの効果と、相手のコスト4以上の
スピリットのアタックでは、自分のライフは0にならない。
「くっ……それでコスト3のフローレンスを疲労させたわけね……! ターンエンド!」
巽キマリ
[Life]1
[Hand]4
[Core]Reserve〈15→7〉Field〈14〉Trash〈1〉
[Spirit]【呪の覇王カオティック・セイメイ】【闇騎士ガヴェイン】【闇騎士フローレンス】
[Nexus]なし
[Burst]なし
【第18ターン】
月光のバローネ
[Life]1
[Hand]2
[Core]Reserve〈12〉Field〈13〉Trash〈0〉
[Spirit]【月光龍ストライク・ジークヴルム】【イグア・バギー】【ワルキューレ・ミスト】
[Nexus]【月照す氷結湖】
[Burst]なし
【メインステップ】
「我が友よ、新たなる力を身につけよ! 【セイバーシャーク】を直接月光龍に合体《ブレイヴ》!」
サメを模したブレイヴが月光龍の背部に取り付くと、2本の青白いソードが噴射する。
【アタックステップ】
「これでラストアタックだ。穿け、合体スピリット!!」
巨大なスクリーンの前で勝負の行方を見守るハジメとコウタは唖然とした。
「今の月光龍のBPは13000だよ、これじゃ呪の覇王にブロックされて呪滅撃が発動しちゃうよ~~」
「バローネさんどういうつもりなんだ……普通にイグア・バギーでアタックすれば勝てるのに……もしかしてプレイミス?」
キマリはバローネの予想外の行動に大笑いし、
「あっはっはっはっはーー!! 血迷ったかバローネ! これで私の勝ちで決まりぃ!」
【呪の覇王カオティック・セイメイ】でブロック宣言をした。
これが決着だと言わんばかりに両者のキースピリットが空中で激突する。
呪の覇王の星型の式神から放たれるビームを紙一重で回避し、月光龍はセイバーシャークのソードで一閃した。
だがそれは幻影。本体はすぐ後ろにいた。
呪の覇王は後方から至近距離で攻撃を放つ。それに直撃した月光龍は墜落し、氷結湖の中へ落ちていった。
様子を伺うため、氷結湖の近くに寄る呪の覇王。
だがそれが失敗だった。
ザパァ!! と水しぶきを上げ月光龍は呪の覇王に食らいついた。
突然の出来事に為す術もなく呪の覇王は湖の中へと引きずり込まれていく。
「1つ言っておこう」
「何? もしかして負け犬の遠吠えを今から言う気かしら?」
「鮫は1度喰らいついたら最後、相手が絶命するまで離さないらしい」
氷結湖から出てきたのは月明かりに照らされ、より一層の美しさと凶暴さをあらわにした月光龍。
呪の覇王は粉々にされ、身体のパーツが氷結湖に浮かび上がってきた。
「フフフフフ、呪の覇王の【呪滅撃】発動! 最後のライフを削りとりなさい!!」
パリンとライフが削れる。
バローネのではなく自分のライフが。
「どどどどど、どういうことよこれは一体!? システムのバグ!? それとも故障!? とにかくどうして私の方のライフが0になってるのよーー!!」
「いやどちらでもない、それは【セイバーシャーク】の効果だ」
パニックに陥るキマリを尻目に、バローネは説明をする。
【セイバーシャーク】
【合体時】『このスピリットのブロック時』
BPを比べ相手のスピリットだけを破壊したとき、
相手のライフのコア1個を相手のリザーブに置く。
「――――って、それはブロック時効果じゃん! やっぱバグよ!」
「……【セイバーシャーク】にはもう一つの効果がある」
Lv1『このブレイヴの召喚時』
このターンの間、自分のスピリットすべての
『このスピリットのブロック時』効果すべては、
『このスピリットのアタック時』に発揮される
つまりこの召喚時効果で自身のもつブロック時効果をアタック時に書き換えたのである。
「ででで、でもそれなら【呪滅撃】と同じタイミングで発動するんだから、アンタも0になって引き分けでしょ!? そーよ、それしかない!!」
「同時に発動する効果についてはそのターンを進めているプレイヤーがどちらを先に処理するかの権限がある。よって俺は【呪滅撃】よりも先に【セイバーシャーク】の効果を処理したんだ」
「そんなーーーー!!!!」
「ふふ、今日は楽しかったわね」
閉店時間ということでシャッターを降ろしながらミカは呟いた。
「どうだか……」
バローネは夜空に映る満月を見ながら返答する。表情はすこし柔らかかった。
「キマリちゃんたら『次こそは必ず勝ってあんたを私の世界征服の仲間に引き入れるっ!』て、すっごく燃えてたわの、若いっていいわね~~」
「……」
「どうかしたの?」
バローネはしばらく黙って、一言だけこう言った。
「ローマだけでも征服するのは大変なものだぞ」