【PUIPUI】モルカーのいる日常【PUIPUI】   作:赤棘アキラ

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 不定期連載です。

 ──本当はもう少し早く投稿できると思っていたんだ……。






もぐもぐ、ぐーぐー

 

 

 ここはとある職場の駐車場。

 飼い主たちが仕事から戻ってくるまで、モルカーたちは思い思いの時間を過ごしている。

 

「mogu - mogu」

 

 たとえばずんぐりむっくり白くもこもこしているモルカーの「アワワ」は、好物のチモシーをのんびりもぐもぐしながらボーッとしている。

 

「PUIPUI」

「...mogu?」

 

 すると途中、タマネギ色のモルカーに話しかけられた。

 アワワが咀嚼する口を止めると、タマネギは梨北シアワセアオバ(イタリアンライグラス)の長い葉を1枚取り出した。

 牧草同士、物々交換希望のようだ。

 

「...PUI」

「PUIPUI!」

 

 交渉はあっさり成立。

 タマネギは嬉しそうに鳴くと、もらったチモシーを頭に乗せてその場を去った。

 

「mogu - mogu」

 

 そしてアワワは梨北シアワセアオバもゆっくりゆっくりと食べるのだった。

 

 しかしアワワがこんなにのんびりしていても、なぜかエサの取り合いにならないのだ。

 

 

 

 

 ──数刻後──

 

 

 

 

「Zzz...」

 

 

 しばらくするとアワワは自身のなかから布団と枕を取り出し、昼寝をはじめる。

 眠りはじめるとアワワはなかなか起きない。

 

 

「Zzz...」

「PUINPUINPUINPUINPUINPUINPUINPUINPUINPUIN……」

「Zzz...」

「PUINPUINPUINPUINPUINPUINPUINPUINPUINPUIN……」

「Zzz...」

 

 たとえ駐車場近くの甲府バイパス(国道20号)を救急モルカーが緊急走行していても、アワワは眠っている。

 

 

「Zzz...」

「POIPOIPOIPOIPOIPOIPOIPOIPOIPOIPOIPOIPOIPOIPOI……」

 ガッシャーン!!!

「PUI?」「PUIPUI?」

「POIPOIPOIPOIPOIPOIPOIPOIPOIPOIPOIPOIPOIPOIPOI……」

「Zzz...」

 

 たとえ駐車場近くの甲府バイパス(国道20号)で不審車両(モルカー)とパトモルカーのカーチェイスが繰り広げられていようとも、アワワは眠っている。

 

 

「PUkyuu------------!」

「POIPOIPOIPOIPOIPOIPOIPOIPOIPOIPOIPOIPOIPOIPOI……」

「PUIPUI!」「PU!?!?!?」

「POIPOIPOIPOIPOIPOIPOIPOIPOIPOIPOIPOIPOIPOIPOI……」

「Zzz...」

 

 たとえ甲府バイパス(国道20号)から不審車両(モルカー)とパトモルカーが駐車場に入ってきてもアワワは……まだ眠っている。

 

 

「ここでモルカーを変えるぞ」

「どれにする!?」

「撃たれたくなければおとなしくしろ!」

「「「「「PUI!?」」」」」

 

 たとえ不審車両(モルカー)から黒ずくめの男たち──宝石泥棒なのでところどころ宝飾品を身に付けている──が拳銃を持って出てきて、アワワ以外のモルカーが大騒ぎしようと。

 

「動くな!」

「寝ているコイツにしよう」

「そうだな」

 

 たとえ「不審車両(モルカー)が怪我したから乗り換えるつもりでやってきた」宝石泥棒たちが、アワワに目をつけて拳銃を突きつけても。

 

「Zzz...」

 

 アワワは、眠っている。

 

 ちなみに、アワワ以外のモルカーたちは、駐車場の隅っこに集まりガタガタ震えていた……(「元」不審車両(モルカー)とパトモルカーたちもここに含む)。

 

 なので警官たちががんばるしかない──と、ジリジリと、宝石泥棒たちとの距離を縮めようとする。

 

 ……ツンツン。

 

 が、アワワを拳銃で突っつくのが先だった。

 

 そして──

 

「PU」「kyu」「PUI」「PU」「PUI」

 

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「Zzz...」

「ぶっ!?」

「うわっ!?」

「ぶはっ!?」

 

 アワワが()()()()()枕を片前足に取りひと振りで、()()()ツンツンしてきた宝石泥棒Aをぶっ飛ばす。

 続けてアワワは掛け布団をひらひらとマントのようにひるがえしながら、宝石泥棒Bの横っ腹に体当たり。

 最後に宝石泥棒Cにアワワは掛け布団をかぶせ、その上からのし掛かった。

 

「「「…………」」」

 

 モルカーたちは沈黙。

 

「……か、確保!!!」

 

 アワワが制圧するより、きょとんとしていた警官たちが気絶した宝石泥棒たちを捕らえようとするまでの時間のほうが長いくらいだった。

 

 

 

 

 

 

 嵐が去ってしばらくすると。

 

「…………PUI」

 

 起きたアワワはもぐもぐタイムを再開する。

 

「mogu - mogu」

 

 

 

 

 

 宝石泥棒たちをアワワが撃退していたことを、本人(アワワ)は知らない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 






【アワワ】
 駐車場にいるときはのんびり食べているか寝ている。枕とお布団を持ってくるという用意周到っぷり。
 ──そして睡眠中に物理攻撃されると自動迎撃する。ツンツン程度ですら「攻撃」判定。それを知るモルカーたちは寝ているアワワに触らない。
 好きな食べ物は北海道産チモシー(別名オオアワガエリ)の栄養たっぷり1番刈り。他のモルカーと物々交換で違う食べ物をもらうことも。
 愛用の枕とお布団の中身は同じく北海道産チモシーの2番刈り。「東京モルテリア」で売られている。

【タマネギ】
 前話から引き続き登場。
 たまには梨北シアワセアオバ(イタリアンライグラス)以外の牧草も食べたいのだ。

【救急モルカー】
 この作品でも「小さな命」を守っている。
 サイレンの擬音表記に迷う。

【パトモルカー】
 この作品でも「POIPOI」言っている。
 勤務中にブーストニンジン食べていそう。

【不審車両(モルカー)
『銀行強盗をつかまえろ!』の模倣犯、宝石泥棒ズに振り回されたかわいそうな宝石商モルカー。でも助けてもらえてよかったね。
 本当の名前は「ワンカラット」。


ぷい?

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  • ぷ~い……。
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