BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】   作:放仮ごdz

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どうも、放仮ごです。祝100話!そんなわけで今回は特別回。当初考えていたものの没にしたミランダ戦を描いてみようと思います。

ミランダ戦IF。楽しんでいただけると幸いです。


♯EX5‐狂える聖母と最高の父親IF【これはアイツらの分だ】‐

「イーサン、おいイーサン。起きろ」

 

 

 確か俺は、ミランダに心臓を貫かれて、もう一人のエヴリンと出会って……聞き覚えのある、どこか懐かしい声に目を開ける。そこはミランダが四貴族を集めていた集会所の様な場所で。椅子には見覚えのある人物たちが座っていた。

 

 

「お前、ジャック?」

 

「やあ。久しぶりだなイーサン。三年ぶりか?」

 

「ジャック。イーサンが混乱している。まずはあたしたちがなんでここにいるのか話さないと」

 

「そうだぜ親父ぃ。ここは地獄だって教えてあげなきゃなあ?」

 

「マーガレット、それに…ルーカスまで」

 

「オイオイ、俺様がいるのはご不満か?」

 

 

 席を立って俺に手を貸すジャックばかりか、ちょこんと椅子に座っているマーガレットと、踏ん反り返るルーカスまでいる。なんで、ベイカー家の三人は三年も前に死んでるはずだ。そう思っていると壁に扉が現れて、そこからぞろぞろとまた見覚えのある奴らが現れる。

 

 

「やはりお母様には勝てなかった様ね、無様でいい気味だわイーサン・ウィンターズ」

 

「クソデカオバサン……じゃない、ドミトレスク」

 

「なんですって!?」

 

 

 怒りを露わにするドミトレスク。悪い、エヴリンが何度もそう呼ぶもんだから咄嗟に脳裏に出た。ドミトレスクの頭上ではベイラ・ダニエラ・カサンドラの三姉妹が気まずそうに浮いていた。お前ら元の村娘の記憶でも戻ったか?

 

 

「ってそうだ、エヴリンは!?」

 

『エヴリンなら、最後の一人を呼びに行ってるぜ!ヴェェェイ!』

 

「(コクコクッ)」

 

「ドナにアンジー……」

 

 

 わちゃわちゃ動くビスクドールことアンジー人形に、それを手にしてコクコクと頷く顔を露わにしているドナ。喋っていいんだぞ?

 

 

「あんだけ大見得切ったのにあっさり負けちまったのが恥ずかしいんだとよ」

 

「モロー……」

 

 

 不細工に笑うモローまで…ってことはエヴリンが呼びに行っている最後の一人ってのは……

 

 

「ほらほらマダオ、恥ずかしがってないで早く」

 

「おいやめろ!俺はお前ほど恥も外聞もなく会えるほど能天気じゃねえんだよ!」

 

「なんだとぉ!?」

 

 

 扉から出てきたのは、エヴリンに手を握られ引きずられるハイゼンベルク。俺の顔を見るなり帽子で顔を隠すのは意味ないぞ。

 

 

「…ああ、なんだ…その、悪かった。俺の考えの浅さのせいでお前までミランダにやられちまった…」

 

「気にするな、相棒なんだろ」

 

「…恩に着る」

 

 

 そうして全員を席につかせたエヴリンは得意げに両手を広げた。エヴリンを中心に、右にベイカー家、左に四貴族が並ぶ。

 

 

「もう一人の私と一体化したおかげで菌根にアクセスできるようになったよ、イーサン!」

 

「なんで菌根にアクセスしたらこんなことができるんだ…?」

 

「菌根は繋がった人間の魂を記憶するみたい?ミランダがエヴァエヴァ言ってるのもそのせいだね。まあ、エヴァって私のことなんだけどね」

 

「へえ、そうなのか…………って」

 

「「「「「なっ!?」」」」」

 

 

 エヴリンがさらっと述べた言葉に目をひん剥く俺、ハイゼンベルク、ドミトレスク、モロー、アンジー人形(ドナもジェスチャーで驚いてる)。

 

 

「もう一人の私によるとエヴァの生まれ変わりらしいんだよね、だからって記憶はないし、ミランダ許せないけど」

 

「ははっ!こりゃ傑作だ!エヴァだと知らずにできそこないだと罵っていたわけだろう!?最高じゃねえか!」

 

「…お母様も節穴ね。こんな悪餓鬼とは思わなかったけど」

 

「こりゃ見限って正解みたいだなあ」

 

『そうだそうだとドナも言ってるぜ!ヴェェェイ!』

 

「見限った?」

 

 

 楽しげな四貴族に首を傾げる。ドナは知らんが心酔していたドミトレスクとモローもミランダを見限ったって言うのか?すると答えたのは四貴族ではなくジャックだった。

 

 

「狼狽えるのも無理もないなイーサン。彼等四貴族もマザー・ミランダに利用されていただけだと、菌根の中を通じて知っただけさ」

 

「それまではずっとイーサンが死ぬことばかり望んでたっけねえ」

 

「自分で自分の株下げちゃあ世話ねえな!」

 

「ルーカスが言うと説得力あるね」

 

「あんだとエヴリン。っと、ナイト様のつもりか?イーサン」

 

 

 頭をわしゃわしゃと掻き乱すルーカスに嫌そうな顔を浮かべるエヴリンを庇うように立つ。

 

 

「生憎ともうベイカー家のじゃない、うちの子だ。…ジャックとマーガレットはともかくお前まで許したつもりはないぞクソ野郎」

 

「そう来なくちゃな。俺に勝手に助けられて歪むお前の顔が楽しみだぜ」

 

「…助けってのは?」

 

 

 ルーカスを無視してエヴリンに問いかけると、困った様な笑みを浮かべて頬を掻きながら返してきた。

 

 

「私の力やハイゼンベルクとの共闘ぐらいじゃミランダに勝てなかったから考えたの。どうすれば勝てるかなって」

 

「俺の力は無敵だ、だがミランダはそれ以上だって思い知った」

 

「マザー・ミランダの力は菌根そのものだ」

 

『逆に言えば、菌根はそれだけの力を持ってるってことなんだよな!』

 

「わたくしたちの力も菌根由来のもの。でも、そちらのふざけた力同じ由来なのでしょう?」

 

「話は簡単だぜ。同じことをすりゃあいい」

 

「アタシたちがエヴリンを介して力を貸すのさ」

 

「そうすれば、奴に対抗できる」

 

「「『「「「「俺/私達の、呪われた運命に終止符を」」」」』」」

 

 

 エヴリンに続いてそう宣うベイカー家と四貴族。話は分かった。だが解せないことがひとつだけある。

 

 

「ルーカス、お前だけはそんなんじゃないだろ」

 

「それだよね。私が呼び付ける前からいたんだけど」

 

「ご明察だ。まあ暇潰しなのもあるが、話は簡単だ。俺がアイツを気に入らない。充分だろ?」

 

「ああ、その感情は一緒だな」

 

「利害の一致か、それならまあ?」

 

 

 そうして俺とエヴリンは、七人に背中を押されるようにして、意識を浮上させた。

 

 

 

 

 

 

 

 それからデュークの力を借りて辿り着いたミランダとの直接対決。ローズを取り込むのは止めれなかったが何かの不具合か弱っているミランダに、俺は右手を背後にかざしながら突撃する。

 

 

「たとえ弱っていようと、できそこないのお前に負ける私では…!?」

 

「こいつはドミトレスクの分!」

 

 

 そんな俺の右腕が変化したのは、変異ドミトレスクの竜の腕。咄嗟に防いだ翼を大きく抉り裂く。

 

 

「なんだと…!?それは、まさしく菌根の記憶の力…!」

 

「エヴリン!マーガレットのだ!」

 

『うん、苦手だけど!』

 

 

 そうして左腕を振るえば、背中にカビで形成された“巣”から飛び出した蟲たちがミランダに殺到。ミランダは蟲を対処するために両腕を振り回すが明らかに対処できてない。

 

 

「なんだ、この力は…!?」

 

「お前が言う出来損ないから生まれた力だよ!」

 

「おのれ!」

 

 

 ジャキンジャキンと音を立てて翼が変形し、槍の様に幾重にも分かれて伸びてくるのに対し、俺は元の腕に戻した右手を地面につけて、それを引き出す様に持ち上げると、粘液の壁が現れて完璧に防ぐことに成功した。

 

 

「こいつはモローの分だ」

 

「我が偽りの家族の力を使うか…!」

 

「『偽りとか言ってる時点で家族だという資格はない!』」

 

 

 エヴリンとハモりながらショットガンで対抗。怯みながらも両腕を振り回して切り刻んでくるミランダの攻撃を受け止めるも、ショットガンは大きく弾き飛ばされてしまう。

 

 

「エヴァは必ず取り戻す…!」

 

「それは俺の娘だ。お前の娘じゃない!」

 

『ルーカスのクラフト能力!』

 

 

 あらかじめデュークからもらっておいた武器の廃材を一瞬で組み立てて、グレネードランチャーを作成。焼夷弾を叩き込んでミランダを炎上させる。記憶から引き出した能力は何も異能だけじゃないわけだ。

 

 

「おのれ!おのれおのれ!」

 

「生憎と、俺はそこにはいないぞ」

 

『傍から見ると面白いね』

 

 

 慌てて火を消し、暴れるミランダに掌から生成した花粉を噴射。それをまともに受けたミランダは幻覚を見せられて見当違いな方向に攻撃しまくる。ドナの幻影能力だ。

 

 

「ハイゼンベルク、ジャック。力を貸してくれ…!」

 

『いくよファミリーパンチ…!』

 

 

 俺の鞄に入れられていた廃材がハイゼンベルクの能力で浮かび上がり、右腕に次々と装着してガントレットを形成していき拳を握り、幻覚から解放されたミランダが俺目掛けて放って来たカビの槍をガントレットで弾きながら肉薄する。

 

 

「お前は沢山の人間の運命を狂わせ過ぎた」

 

「すべては、エヴァのためえええええ!」

 

エヴァ()はそんなこと望んでない!なんでそれがわからないの!』

 

 

 右手を振りかざして叩き付けんとするミランダの顔面に、ガントレットに包まれた右拳を磁力で加速させて叩き込む。

 

 

「これはアイツらの分だ」

 

「ぐっ、あああああああ!?」

 

 

 ミランダは殴り飛ばされ、菌根に背中からぶつかり血反吐を吐いて崩れ落ちるのと同時に、ローズを抱えた俺も膝から崩れ落ちる。さすがにノーリスクで使える力でもないよな、俺もここまでか。一回死んでこれぐらいできたら上出来だろう。

 

 

『そんなことないよ』

 

 

 背後から聞こえたエヴリンの言葉に振り返る。そこには、七つの手が俺の背中を押していて。

 

 

「せいぜい俺達の分まで生き延びろ」

 

「ゾイやジョーによろしくな、イーサン」

 

「ハイゼンベルク、ジャック…!」

 

 

 そんな言葉に送られて、俺はローズと共に、生きていたミアやクリスたちの元に生還したのだった。




エヴリンがオリジナルエヴリン(エヴァ)と一体化したおかげで菌根ネットワークにアクセスが可能になり、ベイカー家や四貴族の力を借りてミランダを倒す、いわゆる王道ルートでした。レムナンツって題名にも合うしいいとは思ったけど、イーサンとエヴリンで決着付けたくて没にしたものとなります。

四貴族はハイゼンベルクを殺した辺りのミランダの発言を菌根の中で聞いて心変わりした者達となります。ドミトレスクや三姉妹は洗脳も解けてるので猶更。

現在7編で思いっきり敵対しているルーカスと共闘するってのがだいぶ違和感あって大変でした。共闘する理由が一番思いつかないやつ。ルーカスだけ異能ではなくクラフト能力なのは、まあ本気で力を貸すわけないよねって。

次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。

ルーカスとは……

  • 原作と異なりイーサンが決着をつける
  • 原作通りクリスが決着をつける
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