BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】   作:放仮ごdz

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どうも、放仮ごです。ポケモンスカーレットクリアしました。ラスボスが最高オブ最高の神ゲーでした。

今回はついにあの子と対決。楽しんでいただけると幸いです。


♯37‐【見た目は大人、頭脳は子供】‐

「ゾイ!ゾイ!無事か!?生きているな!?」

 

「ジョー、おじさん…?」

 

「ああ、ジョーおじさんだ!」

 

『よかったね、ジョー』

 

 

 必死に両腕で抱き起こしたゾイ目掛けて呼び掛け続けるジョー。するとその努力の甲斐あってか、意識を取り戻したゾイに名前を呼ばれ、思わず感極まったのか号泣しては彼女を抱きしめる。そんなゾイは、困った顔をしながらも抱きしめ返している。その姿は、以前見た姿とは一変して、髪がフューマーのように白く染まっていた。まだ彼女の身体がカビに侵されている証拠だろう。

 

 

≪「な、なかなかやるじゃねえかイーサン、ジョー。これだけやってまだ生きてるなんてよ?手足も残ってるしな。景品のミアはちゃんと用意してるから持っていきな。さっさとここを去ってくれよ、な?」≫

 

 

 震え声で体裁を保ちつつ自身の優位を保とうとしているルーカス。保険のつもりだったのだろう、ミアと「頭」という最後の手札を切る事が嫌なのか歯ぎしりの音がスピーカーから聞こえる。だが俺の目的はそれだけじゃないんだよ。

 

 

「ルーカス、一つ聞きたいことがある」

 

≪「なんだよ?ミアより優先することか?ああ、「頭」だったら俺は知らないぜ。残念だったな」≫

 

「今しかタイミングが無い。…安定化化合物、もしくは細胞を再生させる薬かなにか、お前は持っているか?」

 

≪「ゲホッ!?」≫

 

 

 そう尋ねるとスピーカーの向こうで飲み物を飲んでいたであろうルーカスが咳き込んだのが聞こえた。カシュッて音も直前に聞こえていたし缶ビールかなにかを開けて自棄酒でもしようとしていたのだろうか。

 

 

≪「…そんなの知ってどうする、イーサン?何が目的だ」≫

 

「その反応、あるんだな」

 

≪「…あると言ったら?」≫

 

「首を洗って待っていろ」

 

≪「俺の居場所も知らない癖によく言うぜ。安心しな、こいつは俺が組織に内緒でエヴリンと交渉できないかと作っていた大事な大事な試作品……もしお前が来たとしても残しといてやるからよ?来れるもんなら来てみなイーサン。パーティーの用意して待ってるぜ」≫

 

 

 そう言って通信を切ったのかスピーカーからザザーと音が聞こえたかと思えば、ブツッと完全に消えた。すると心配そうな表情でジョーとエヴリンが見てきていた。

 

 

「…よかったのか?目的のものを教えちまって」

 

「あるかどうかを確認する方が大事だったからな」

 

『…本当に、やってくれるの?』

 

「約束しただろ。救って見せるさ。…ジョーはここでゾイを見てやってくれ。ミアと…「頭」を回収してくる。いくぞエヴリン。偵察を頼む」

 

『うん、わかった。私、頑張るね』

 

 

 そう言ってピューと旧館に向けて飛んでいくエヴリンを追いかけ、崩れた白いカビの瓦礫を踏み越える。あの言い分から嘘ではないだろうが……マーガレットと決着をつけた場所だ。警戒していこう。

 

 

『イーサンイーサンイーサン!』

 

「どうしたエヴリン、ミアはいなかったか?」

 

『ううん、ミアは縛られて天井から吊り下げられてていたよ!でも他にもう一人…!』

 

「もう一人だって?」

 

 

 ルーカスはあの言い分からして安全なところにいるんだろう。ジャックやマーガレットや保安官補佐は完全に死んだことをこの目で確認した。ジョーとゾイはそこにいる。あとあり得るのは…考えながら旧館に入ると、声が聞こえてきた。(しわが)れた少女の声が。

 

 

「ねえママ。私、こんなになっちゃったけど……やっぱり、愛してくれないよね?」

 

「……」

 

「ねえママ。やっぱり嫌だよ。愛させるのはもう嫌だ。私は愛されたい。ちゃんと言うことを聞いてまだあそこにいたら、愛されていたかなあ」

 

「……」

 

「ねえママ。イーサンたちはこんな私を助けようとしてるんだって。馬鹿だよね、ママやジャックたちに迷惑をかけた張本人だよ?」

 

「……」

 

「…アハハ、意識を失っているママになら愚痴れるや」

 

 

 そんな声が聞こえる最奥部まで歩いていくと、天井から吊り下げられた鎖で拘束され意識を失っているミアと、その傍に俺達に背を向けた車椅子に乗った人物がいた。俺に気付いて振り返るその人物に、俺は静かに話しかける。

 

 

「……エヴリン」

 

「ミアを迎えに来たんだね、イーサン。おじいちゃんはいないみたい?よかった。私、あの人嫌いなんだ」

 

 

 そこにいたのは、傍で浮いているエヴリンを成長させた様な美少女。どことなくミアにも似ている。しかしノイズが走ったかのように一瞬だけぶれたそこにいたのはさっき警告しに現れた時よりも弱った様にも見える老婆。これは、エヴリンの感染が進んだ俺…と、目を見開いている傍らのエヴリンに見せられている幻か。

 

 

「ミアと直に会うの久々でさ。一方的に愚痴ってたらもう来ちゃったか」

 

「どうやってここまで来た?道は塞がれていたはずだ」

 

「私、カビを伝って移動することができるんだ。あの仕掛けだらけの屋敷で移動できたのもそれだよ」

 

「その姿は?」

 

「これは理想の私。一瞬であっても一番気に入っていた私の姿。あんな姿をイーサンに見られるのはもう嫌だし、これなら私を娘だと思えるでしょ?」

 

「…俺は今のお前の父親にはならない」

 

『悔しいけど、私、綺麗…!ミギャー!?』

 

 

 呑気なことを言っている横のエヴリンに手を伸ばして顔を貫通させながらも、目の前のエヴリン………ややこしいから真エヴリンから目を離さない。そのミアに向けられた視線は、執着している者の目だった。

 

 

「そこに“私”がいるんだね。ルーカスが私が貴方に寝返ったと勘違いしていた原因が。好き勝手に人の名前を連呼しないでよ。迷惑だ」

 

「生憎とこいつもエヴリンなんでな。俺にとっての最初のエヴリンはこっちだ。お前の事は真エヴリンとでも呼ばせてもらう」

 

「へえ。つまりそこにいるのは偽物の私?」

 

『誰が偽物だあ!』

 

 

 気をよくしたのか妖艶な笑みを浮かべる真エヴリン。傍らにいるエヴリンの方が年喰ってるはずなのにあっちの方が落ち着きよくて年上みたいだ。

 

 

『失礼だよイーサン!』

 

「偽物じゃないんだなこれが。未来から俺を助けに来た、お前本人とのことらしい」

 

「…ふざけてるの?」

 

「ふざけていると思うか?」

 

「嘘だ。私に未来はない。もうすぐ死んじゃう私が未来にいるはずない」

 

『私も死んでるからそれはそう。こうなったのほぼ執念のせいだし』

 

 

 怒った顔で睨みつけてくる真エヴリンと腕を組んでさかさまになりながら頷いているエヴリンの空気の差よ。

 

 

「信じられないだろうが、俺は未来のお前に約束した。過去のお前を救って見せると」

 

「…さっきのルーカスとの会話がそれ?」

 

「ああ。そしてお前を救った後に叱らせてもらうぞ」

 

「やっぱり。どうしてみんな私を嫌うの……!」

 

 

 衝撃波を放つ真エヴリンの攻撃を、咄嗟に腕を前に出して防御する。なんだ、何が奴の逆鱗に触れた?

 

 

『昔の私はね、叱られる=嫌われるって思ってるんだよ。私は三年間でそんなことないと知れたけど…あの私は、そう言うことを何も知らないお子様なんだ』

 

「なるほどな…」

 

 

 すると衝撃波を出し続ける真エヴリンが、地面から湧き出してきた黒カビに飲まれるようにして車いすから立ち上がり、顔以外の全身に纏わせていく。

 

 

「もういい。私に希望を抱かせるな。私を嫌う奴はいらない。怒られるなんて嫌、嫌われるのも嫌。ママ諸共ここで死んじゃえ!」

 

「なに……!?」

 

『……無意識なんだろうけどその姿を選ぶなんて、やっぱり親子なんだなあ』

 

 

 背中から生えてきた巨大なカビの翼が羽ばたかされ、衝撃波で転がった俺の目の前に現れたのは、少女の姿をベースにした、ブライドデッドにも似た人に近い異形。黒いカビで目元を隠し、擦らせて金属音を鳴らす刃となった長い指と異様に長い腕、肢体を艶かしく包み込む漆黒の肩だしドレスに身を包んだ、魔女の様な姿となった真エヴリン相手に、俺はグレネードランチャーを構えるのだった




残る敵はエヴリンを救えるかもしれない薬を持っているルーカスと、全てに絶望している真エヴリンの二人となります。

原作のエヴリンとの対決はE-ネクロトキシンで暴走した姿なので、今回のは暴走してないエヴリンの戦闘形態(With幻影)となります。本当はおばあちゃんでこれやってますが幻影って便利だね。皮肉にもミランダと酷似してるのはやっぱり親子。

ミアは無事見つかったものの、ルーカスも知らない「頭」の行方。どこに行ったのやら。ちなみにお忘れかもしれないので念のため、「腕」はイーサンがちゃんと持ってます。

次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。

ルーカスとは……

  • 原作と異なりイーサンが決着をつける
  • 原作通りクリスが決着をつける
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