BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】 作:放仮ごdz
今回はルーカスの元へ。楽しんでいただけると幸いです。
廃坑最奥に存在する秘密の研究所。その主たるルーカスは書類や薬品を片っ端から鞄に詰め込んでいた。その顔に今まで大なり小なり存在した余裕はない。
「ああくそっ、くそっくそっ!最高傑作の
すると机に置いていたスマホが振動、ルーカスはうんざりしながらも手に取り相手を確認する。表示された名前には最大限の罵倒。それを見たルーカスは舌打ちして通話を繋げる。
「どうせエヴリンを失いそうになって焦っているんだろうけどな、てめえらに協力していられるか!どうせ俺も捨て駒なんだろ!あばよ!」
自暴自棄でまくしたてたルーカスは相手の返事を聞くことなく電話を切り、残った薬品をかき集めていた時だった。轟音と共に天井がぶち抜かれ、何かが降って来てルーカスの目の前に降ってきたのは。心底驚いて後退し、さっきまでブライドデッドの戦いぶりを見ていたパソコンに触れてしまうルーカス。
「なんだあああああああ!?」
それはまさしく神に見放された運の尽き。エヴリンと対決していたイーサンに打ち返されホームランにされたモールデッドが落ちてきた上に、たった今スピーカーが起動したせいで自分の居場所がばれたとはつゆとも知らず、落ちてきたモールデッドの残骸を恐る恐る調べるルーカスだった。
突如現れ取り囲んできた連中のリーダーらしき、クリス・レッドフィールドと名乗った男と睨み合っていると、真エヴリンを庇うように構えていたミアが口を開いた。
「クリス・レッドフィールド…聞いた名よ。対テロ組織のバイオテロリズム・セキュリティ・アセスメント・アライアンス…通称BSAAのオリジナル・イレブンのひとりにしてエース、だったわよね?」
『BSAAの正式名称初めて聞いたや』
「詳しいな。お前が報告にあったコネクションに所属する工作員か」
「今はその子の母親よ」
「そして俺の妻だ」
真エヴリンから射線を遮るようにクリス・レッドフィールドとの間に立つと、溜め息を吐いてきた。
「…イーサン・ウィンターズ。俺たちは君たちを保護しにきたんだがな?」
「エヴリンも殺す気だろう。それはさせない」
「そいつは存在するだけで数多の人間を害する諸悪の根源だ。それでもか?」
「関係ないな。俺の娘だ」
「そいつが何かやらかそうとしたとき責任をとれるか?」
「その時は俺が責任を持ってエヴリンを殺す」
問いかけてくるクリス・レッドフィールドの目を真正面から見つめ返す。するとクリス・レッドフィールドはアサルトライフルを下ろして手を差し出してきた。
「わかった。お前を信じる」
「クリス!本気なのか!」
「今ここで争っている時間はない!コネクションに繋がっているルーカス・ベイカーを逃がすわけにはいかない」
「ルーカスだって?」
その言葉に反応したのはジョー。俺も頷いて前に出る。
「俺達も今からルーカスをぶちのめそうと思っていたところだ。居場所もわかっている。手伝わせてくれ」
「それは本当か?」
「ああ。ジョー、居場所は」
「廃坑の最奥だ。さっきモールデッドが落ちた場所のはずだから天井に穴が開いているはずだ」
そう言って地図を見せるジョー。それを見たクリスは他の隊員たちと二言三言会話を交わし、頷いた。
「さっきの攻防でお前たちの戦闘能力は分かった。他の連中が正面から攻め込み、俺達はヘリで上から急襲する。ついてこれるな?」
「バイオテロに対して一家言あるらしいがな。俺はこの一晩でアイツらに対しての対処法は熟知している。お前の方こそついてこい」
「そういうことだ。イーサンの強さはよく知っているが、軍人だか何だか知らねえが足手まといになるんじゃねえぞ」
「上等だ」
『うわあ、最強トリオだあ』
そうして俺とエヴリンとジョーはミアとゾイに真エヴリンの事を頼み、クリスと共にヘリに乗り込んで廃坑の上空に向かった。頑張ってついてくるエヴリンがちょっと笑った。
廃坑上空。俺がホームランしたモールデッド砲弾が激突したのか綺麗な風穴があいている。それを確認し、クリスは俺にあるものを手渡してきた。
「これは?」
「アルバート-01Rとそれに装填できるラムロッド再生阻害弾だ。通常攻撃で有効ダメージを与えられない高い再生能力を持つB.O.W.との戦闘を想定して青アンブレラが開発した、組織細胞に作用して自己修復・再生能力を阻害することで、被弾後は通常攻撃が適用するようになる特殊な弾薬だ。本来はE型特異菌のB.O.W.を想定して持って来たものだったが…あらかた倒したらしいな。どうやってやったんだ?」
「そりゃあ、首をもいで?」
「ひたすら殴れば死なない生き物はいねえぞ」
『クリスもドン引きで草』
「…お前たちが相当強いのはよく分かった。行くぞ」
クリスの言葉に頷いてロープを握る。そしてクリスを先頭に、ジョー、俺の順でロープを伝って降下していった。
「くそっ。せっかくコネクションにも無断で作った細胞活性修復薬…結局エヴリンと取引もできずに使わずじまいか。いや、イーサンたちからエヴリンを奪い返せばまだ使い道はあるか。これも持っていこう」
岩肌の風穴の傍に降り立つと、ルーカスがなにかを鞄に急いで入れているのが見えた。高飛びする気満々だな。それにいいことを聞いた。俺はクリスが無言で止めるのも気にせずに、風穴から飛び降りた。
「なんだ!?って、イーサン!?どこからきやがった!?まさか上から…!?」
「いいものを作っていたみたいだな。そいつをよこせルーカス!」
「はっ、ならくれてやるよ!」
「なっ!?」
掴みかかるも、ルーカスは薬の入った瓶を放り投げてきて、慌ててキャッチ。したところを胸倉を掴まれて棚に背中から叩きつけられる。くそっ、逃げられたか…。
「だが、なんとか薬は手に入れたぞ……」
「無事かイーサン。逃がしたら元も子もないぞ」
「いいや、逃がさないね!」
すると拳を振るい扉を殴り壊しながら廊下に飛び出すジョー。タレット銃が仕掛けられていたが弾を込める暇が無かったのかタタタタタッと虚しい音を響かせるだけのそれを薙ぎ倒しながら突撃していく。
「メール……コネクション以外にもどこかに売り込もうとしていたのか?」
「クリス、俺達も追いかけるぞ!」
「待て、もしここが爆発した場合に備えて写真を……」
ルーカスが打ちこんでたらしきパソコンの画面を写真に収めるクリス。爆発なんかするのかここ?
『よく爆発するらしいよバイオハザードの最後って』
「まったくお前たち、二人とも問題児だな!」
『協調性皆無だもの』
「面目ない」
クリスと一緒にジョーを追いかけて行くと、広い部屋に出た。ここは倉庫か?
「ジョー!ルーカスは…」
「ここに逃げるところを見た!警戒しろイーサン、レッドフィールド!」
すると奥から白いモールデッド…フューマーと白いファット・モールデッドが大量に現れ、俺は咄嗟にアルバート-01Rを構えてラムロッド再生阻害弾を連射。一発ずつブチ込んでいくと煙を上げて見るからに弱体化したフューマーたちをジョーとクリスが殴り倒していく。
「ああくそっ!薬ならくれてやったんだから帰ってくれよ!なあイーサン、いいだろう!」
「さっきのメール見たぞ!エヴリンのデータをどこかに売り渡す気だっただろう!エヴリンの様な悲しい存在をこれ以上生ませて溜まるか!」
『そうだそうだ!私がたくさんいたら気持ち悪い!』
エヴリン、シリアスなシーンだから大人しく黙っとこうな?
イーサン、エヴリン、ジョー、クリスの最強チームここに完成。ハイゼンベルクと組んだ時の頼もしさがありますね!
ルーカスが作成した細胞活性修復薬。簡単に言うと、エヴリンみたいな特異菌を活性化させて細胞を修復し劣化を再生することができます。つまりこれを使えば元に戻れる、と銘打ってエヴリンを引きいれようと企んでた模様。ルーカスならこれぐらい用意しそうよね。
ファット・モールデッドとママ・モールドの大群相手にしても空気を読まない安定のエヴリン。余裕だからねしょうがないね。
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
ルーカスとは……
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原作と異なりイーサンが決着をつける
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原作通りクリスが決着をつける