BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】   作:放仮ごdz

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どうも、放仮ごです。何度でも言いますがこのルートは本編ルートのその後の物語です。デュークの話の後日でもあります。

今回は金色の文字の名前が…?楽しんでいただけると幸いです。


ダイブⅣ【その名はシャルル】

「帰れって…どうやって帰ればいいの!?ここが菌根の世界ってのは教えてもらったけど帰り方なんて知らないよ!」

 

 

 フリーズから我に返り、黄金の文字に絶叫する。帰れるものなら帰りたい。もういやだ。父さんと姉さんと触れ合えたのは嬉しいけど、私と同じ顔が無惨に殺されていくのはきつすぎる。父さんと姉さんは黙って見つめていた。私の意思を尊重してくれると言う事だろうか。

 

 

【手遅れになる前に帰れ。お前たちもだイーサン、エヴリン】

 

「俺達を知っている…?」

 

「この粗暴だけど面倒見よさそうな感じどこかで…」

 

「だから帰り方が分からないの!…この力を、父さんと姉さんが見える程度に抑えたい、それができる結晶がここにあるはず、それを見つける!」

 

 

 帰りたいけど、化け物扱いももう嫌だ。でも二人とお別れも嫌。わがままだとは思うけど譲りたくはない。

 

 

「…そんなものないって言うなら諦める。でもあるのなら、見つけるまで帰れない。私は、二人に自分たちが足枷だと思ってほしくないの…!」

 

 

 二人が見える事と化け物扱いは関係ないと理解している。でも父さんと姉さんは違う。自分たちがいるから私に迷惑をかけてると思ってる。そんなことないのに、その存在に助けられているのに…。すると一瞬の間があってから文字が浮かんだ。

 

 

【ここは嬢ちゃんには危険すぎる。そこの馬鹿二人はともかく】

 

「誰が馬鹿だあ!」

 

「どうどう。話が進まん」

 

 

 激昂する姉さんの両肩を父さんが押さえる。まるでこの二人を知っているかの様な口ぶりだ。

 

 

「貴方は誰?私の守護天使かなにか?」

 

【それでいいさ】

 

「天使ならミカエル…つまりマイケルよね。どう?」

 

【そいつは違うな】

 

 

 すると明確な否定の言葉を浮かべる金色の文字。そのままさらさらと消えては浮かび、壁に記されていく。

 

 

【俺は天使ってがらじゃない。俺の名は……シャルルマーニュだ】

 

「長いよ。シャルルでいい?」

 

【好きに呼べ】

 

「しゃるるまーにゅ?」

 

「シャルルマーニュ。確かフランスに伝わるカロリング物語群、シャルルマーニュ伝説の登場人物にしてフランク王国の君主の名だ。王様を名乗るなんて不遜な奴だな」

 

「それでシャルル。これからどうすればいい?」

 

 

 首をかしげる姉さんに説明する父さんを尻目に金色の文字…シャルルに尋ねると、扉に文字が浮かび上がる。

 

 

【ここは危険だ。移動しろ】

 

「わかった。…行こう、姉さん。父さん」

 

「一番安全そうに見えるけど…見かけだけか」

 

「待て。その前に情報が無いか探そう」

 

 

 拷問器具を手にそう言う父さんに思わず苦笑い。ナチュラルに持ってるけど違和感なくて怖い。言いながらシャルルの示した小さい方の扉ではなく大きな扉に向かう父さん。大きなベッドと暖炉の部屋に出た私達は探索、ある文書を見つけた。

 

 

「父さん、これ…」

 

「ビンゴだ。精神世界でも情報は大事だな」

 

「えーと、なになに…【「大役」をお任せいただき、心より御礼申し上げます。また、此度の任務のために賜った「黒領域」が素晴らしい働きをしていることをご報告しておきます。】」

 

「父さん。「黒領域」ってあのドロドロかな?」

 

「多分な、この文書を書いてるこいつとその親玉の差し金だったわけだ」

 

「続けるよ。【私の狩人たちの移動を助けるばかりか、獲物に絡みついて足止めし、さらにはそのまま飲み込んでしまうとは!これがあれば、必ずやご期待通りの結果をお出しすることができるでしょう。】………こいつかあ」

 

 

 怒りに顔を歪ませる姉さん。黒い私の一人が黒領域に飲み込まれたのを思い出したのだろうか。

 

 

「エヴリン落ち着け。こいつの正体を探ってぶん殴ることが大事だ」

 

「うん、そうだね。でもこれが最後みたい。他に文書らしいものはないよ」

 

「…ここはドミトレスクの寝室みたいだが、まさかあいつがいるのか?」

 

「え。やだなあ。もしいたらぶん殴るけど」

 

「すぐぶん殴るのやめようよ二人とも…」

 

 

 呆れながら元の部屋に戻り、小さい方の扉から先に進もうとして、足が止まる。まただ。私と同じ顔の黒い服を着た少女のミイラみたいになった顔の死体が廊下に転がっていた。

 

 

「もう嫌……なんで私と同じ顔なの…私もこいつらと同じなの…?」

 

「落ち着けローズ。それはお前じゃない。お前が本物なのは俺達がよく知ってる。大丈夫だ」

 

「しっ!二人とも、静かに」

 

 

 思わずしゃがみこみ、父さんが頭を撫でてくれていたその時、姉さんが何かに気付いて口元に人差し指を立ててシーッとジェスチャーしてきたので慌てて口を塞ぐ。聞こえてきたのは、子供の頃に聞いたことのある声だった。

 

 

「ほらほらほらほらぁ!もっと一生懸命逃げないと!アッハッハハハハッ!」

 

「この声…聞き覚えある、なんで…?」

 

「…イーサン、この声…」

 

「……デューク?」

 

 

 デューク。父さんの口から出たその名前は聞き覚えがある。子供の頃に一度だけ出会った、超肥満体型のおじさん。父さんと姉さんの冒険を手助けしてくれた商人で、美味しい料理をごちそうしてくれた。でもあの時の言動とは似ても似つかない。父さんが先導して廊下を進み、広い場所に出ると、階段の上からさっきの声が聞こえてきた。

 

 

「ヴェへへへハハハハハッ!ハァ……ハハハハハッ!!」

 

 

 汚い笑い声が聞こえる中、私達は声を潜めて階段を登って行く。階段を上ったところにある扉の先に、この声の主がいる。そっと扉の隙間から覗きこむと、ちょうど扉の向こう側で黒い私の一人がフェイスイーターに捕らえられていたところだった。

 

 

「やめて!やめてえ!アァアアァアアアッ!?」

 

「ブヘヘヘ。また一匹捕まえたようですな。よくやりましたフェイスイーター。かつての自分を道連れにしようとする執念、大したものですな」

 

 

 見えた、声の主。口元から上を隠す四つ目から黒い涙を流したような白い仮面を被った超肥満体型の大男。間違いない、デュークだ。フェイスイーターを従えているようで、足元まで連れて来られた黒い私を品定めでもするかのように見下ろしている。…どういうこと?かつての自分?あの怪物も、私だっていうの…?

 

 

「おやおや。活きがいいですな!結構結構!ですが、それだけ抵抗できるならもう少し楽しませてくれてもよかったのではないですか?」

 

「いや!放して…!」

 

 

 黒い私の顔を太い指で掴んで持ち上げるデューク。黒い私は振り払って逃げようとするが、フェイスイーターがそれを許さない。

 

 

「どうやらこのウサギではちょっと力不足だったようですな…!おやりなさい」

 

 

 そう言ってデュークが手を下げると、黒領域が出現してフェイスイーターが次々と顔を出して黒い私を拘束し、黒領域に引きずり込んでいった。

 

 

「残念ですな。もう少し気概を見せていれば、浄化結晶を手に入れられたのに」

 

 

 そう言って視線を向ける先には眩く青白く輝く結晶体が入ったカンテラが。あれが、結晶…!

 

 

「あっ…」

 

「ローズ!?」

 

「しまっ…」

 

 

 思わずもう少しちゃんと見ようと扉を押してしまい、止めようとした姉さん諸共デュークの前に転がり出てしまう。

 

 

「誰です!?」

 

「デブ野郎め、こいつでも食っとけ!」

 

「ギャアアアア!?」

 

 

 デュークが私達を視認するが、次の瞬間には父さんが投げつけた拷問器具が顔に激突し、仮面もろともその巨体が吹き飛ぶ。

 

 

「新しいウサギが迷い込んだようですな…!」

 

 

 立ち上がるデュークの仮面の下の顔は存在してなかった。真っ黒な穴の様な、虚無がそこにあった。そして黒領域が出現し溢れる様に湧き出してくるフェイスイーターたち。

 

 

「いったん逃げるぞ!」

 

「うん!ローズ、立って!逃げるよ!」

 

「わ、わかった…!」

 

 

 父さんと姉さんに急かされ、なんとか立ち上がり走り出す。あの結晶があれば…絶対、手に入れて見せる!




シャルルマーニュ、シャルルと名乗った金色の文字。いったいだれなんだー。

“デューク”の素顔やフェイスイーターの正体についてはオリジナル要素です。公式でもそうだといいなって感じ。

次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
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