BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】 作:放仮ごdz
今回はデュークの追手からの逃走。楽しんでいただけると幸いです。
中身が空っぽだった仮面のデュークの怒声の混じった大声が聞こえてくる。
「よくもやってくれましたなあ!凶暴な親ウサギを連れてきたとはやるじゃないですか!さてさて、今度のウサギは逃げきれるでしょうかねえ?!」
その言葉と共にさらにフェイスイーターたちの咆哮が聞こえる。さらに増えた…!?
「さあお前たち!邪魔者の二人を消し去り、あの獲物を捕らえなさい!ウサギ以外はどうしようが好きにしなさい!…いいや、惨たらしく殺すがいい!」
「俺達はやっぱり邪魔ものらしいな。寂しいことだ」
「退屈しないから私としては嬉しいかな!」
言いながら立ちはだかるフェイスイーターを父さんに投げてもらった勢いで蹴り飛ばす姉さん。阿吽の呼吸ってやつだ、何も言わないでも連携できるなんて。
「ここがあそこならこっちがたしか玄関だったはずだ!」
「まあ出してくれないだろうけどね!」
「姉さんの言う通りみたい…!」
玄関らしき場所に出たが、外に通じる扉の先の城門は潜る直前に閉ざされてしまった。恐らく無理やり開けても外には通じてないのだろう。
「だろうな!よし引き返すぞ!」
「でもたくさんフェイスイーターが!武器もないのに!」
「なあに、なんでも武器にすればいい!」
「生身の身体があるだけでもだいぶ違うんだなあ!」
元々B.O.W.…生物兵器だった故なのか、タッタッタッと小さな体で壁を駆け抜けて横からドロップキックでフェイスイーター三体を纏めて粉砕する姉さん。その奥から迫って来ていたフェイスイーターは、入り口にあった松明を手に取った父さんが殴りつけて炎上させる。
【ほらな。馬鹿二人は何とかなるが嬢ちゃんには危険すぎる】
「シャルル!?」
すると足元に文字が浮かび上がった。シャルルだ。父さんと姉さんが応戦しているけど多勢に無勢すぎる。このままじゃ、押し切られる。
「危険すぎるだろうけど、私はあの結晶が欲しいの!シャルル!なにかあるなら教えて!」
【しょうがない、頑固な娘だ。なら武器がいる。銃だ。あの自称一般人の娘なら使える】
「嘘でしょ!?私変な力が使えるだけで正真正銘一般人なんだけど!?」
【別に使わなくてもいい。お前次第だ】
「…銃は何処にあるの?」
【文字に触れろ】
「えっ…こんな感じ?」
言われるままに金色の文字に触れる。すると文字が溶け込むように手に集まり、拳銃を形成した。たしかオートマチック拳銃と呼ばれる銃だ。
【狙って撃て】
「え、イーサン!ローズが銃刀法違反してる!」
「俺にそれ言うか!?ローズ、それを渡せ!」
「ううん、父さん。…私がやる!姉さん伏せて!」
私に危険なことをさせまいとする父さんの言葉に首を横に振り、両手で構える。すると私の言葉に瞬時にしゃがんでくれた姉さんの頭上の先、フェイスイーターの頭を狙って引き金を引き、弾丸がフェイスイーターの顔を粉砕した。
「…いける!」
「さすがイーサンの血だねえ」
「嬉しくないぞ」
続けて引き金を引いて狙い撃って迎撃している横で、フェイスイーターの顔を掴んで捻って首を折る父さんと、しゃがんで飛び上がるアッパーカットでフェイスイーターの顎を粉砕する姉さん。なんで銃を使っている私より強そうなんだろうか?
「…やった。シャルル、ありがとう」
「アイツの仕業か。銃を出せるなら俺に渡してくれればいいのに」
「ローズぐらいの力が無いと無理なんじゃない?ほら、私達結局実体がないわけだし」
「それもそうか」
そうこうしているうちに追いかけてきていたフェイスイーターの殲滅を終える。軽く30体はいた気がする。
「さっさと結晶を手に入れて帰るぞ。これ以上ローズを危険にさらせるか」
「可愛い子には旅をさせよともいうよ」
「ならお前はローズを一人で学校に行かせられるか?」
「無理だね!」
「二人とも過保護すぎるよ…あれ、あいつらどこ?」
警戒しながら戻ってくると、デュークの姿は消えていた。だけど浄化結晶はちゃんと残ってたため、近づいて手に取ろうとするがカンテラに阻まれる。
「このままじゃとれないみたい…」
「何時もの謎解きだあ。謎解き好きな人が多いよねえ」
「ルイジアナのお前とミランダの馬鹿と続くともう慣れたがな」
「これかな?【使徒たちに金・銀・銅の仮面が戻った時光は解放されるであろう】だって。仮面なんて一体どこにあるの…?」
傍の石板の本に書いてあった文字を読んでみる。使徒たちってのはカンテラのついている彫像の三つの石像のことだろう。
「これ壊せないかな?」
「やってみるか」
「謎解き(物理)!?」
持っていた松明を姉さんに渡して、近くの観葉植物の入った壺を持ち上げて叩きつける父さん。カンテラはビクともせず、逆に観葉植物の壺が砕け散ってしまった。これで駄目なの…?
「あー、精神世界だから概念的に守られてるねこれ。謎解きしないと絶対手に入らない奴だ」
「どうする?父さん、姉さん」
「探すしかないだろうな。とりあえずこっちが中庭に通じていたはずだ」
松明を受け取り奥の扉に進みながらそう言う父さん。ついていくと、食堂の様な所に出た。奥にはよく分からない仕掛けがある。赤い三つの目の装飾が不気味だ。
「あ、ショットガン」
「…見るからになんか鍵を持って来いって奴だな」
「【真実を観る三つの目を捧げよ】だって」
「覚えておいて見つけたら戻ってくるしかないな。長丁場になりそうだ」
そう言って中庭に通じるであろう扉を開けようとして止まる父さん。見てみれば取っ手に頑丈そうな鎖がグルグル巻きにされていた。
「…こいつはハンドガンでも無理だな。チェーンカッター辺りがいりそうだ」
「じゃあまずはこっちかな」
もう一個ある扉を見やると既に姉さんが開けていた。怖いもの知らずだな。
「敵影なし。今のうちだよ二人とも」
「相変わらず偵察が得意だな」
「私、武器が無いから積極的に頑張るよ」
「姉さん武器いらなくない…?必要ならそこの甲冑とかどう?」
扉の先に飾られていた甲冑を指差す。腕だけ外して身に付ければ拳の威力ぐらい上がりそうだけど。
「私非力だから重いよ」
「顎を粉砕する奴が非力を訴えるな」
「そもそもこれ外せないみたいだよ。残念だなー、武器欲しかったなー」
口笛を吹いてそっぽを向く姉さん。誤魔化せてないからね。やっぱり生物兵器って強いんだろうか。こんな小さいのに。
「なんか失礼なこと思われた気がする」
「そ、そんなことないわよ?」
「お前らが本当の姉妹みたいで俺は嬉しいよ」
「どっちかというとイーサンと親子だねって方が正しい気がする。何時も失礼なこと考えてたし」
誤魔化せてなかったらしいし私は父さんに似てるらしい。ちょっと嬉しいかも。
「こっちはキッチンみたい?」
「このポールハンガーいいな、持ちやすい」
「キッチンならまず包丁探さない?」
松明を置いて廊下に置かれていたポールハンガーを手に取って槍みたいに構える父さんに思わず呆れていると、呻き声。キッチンの奥からフェイスイーター一体が現れた。
「私が!」
「いいや、弾の無駄だ!」
ハンドガンを構えるも、その横を父さんが突撃。ポールハンガーを思いっきりフェイスイーターの腹部に突き刺して持ち上げ、壁に叩きつけた。ええ…。
「イーサン、システムエンジニア名乗るのもうやめよう?アマゾンの戦士とか言われた方が納得する」
「システムエンジニアだからどこにどう刺せば効率的か計算できたんだぞ?」
「絶対違うと思う」
【イノシシかお前は】
シャルルにまでツッコまれる父さんはもう駄目かもしれない。
細かいチャートを覚えるのが苦手でここらへんのプロットはあやふやだったりします。大まかな流れは完璧なのだけどね。
現在の装備
ローズ:ハンドガン
エヴリン:素手
イーサン:松明→ポールハンガー
Q.この中でおかしいのは誰でしょう?
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。