BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】   作:放仮ごdz

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どうも、放仮ごです。暑さでパソコンが強制終了する中で書いたので今回は短めです。本当に暑くなってきましたね。

今回は微笑ましい一幕。楽しんでいただけると幸いです。


ダイブⅧ【親愛のベーゼ】

「あれ、これ…」

 

 

 彫像の部屋まで引き返し、階段を上って二階に上がると、床に何か紙の様なものが落ちているのを見つけて拾い上げる。手描きの地図であり、ここを進んだ先に鍵があると示していた。

 

 

「一ツ眼紋章の鍵…?これがいるのかな」

 

「これ、多分黒いローズの一人のおとしものなんだろうね…」

 

「そのローズは……くそっ」

 

 

 姉さんと父さんが悔しげに拳を握りしめる。黒い私の正体はなんなのかは知らないが、私が殺されたと知ってこんなに怒ってくれるのは少し嬉しい。その後、六つのヒツジや狼、蜘蛛や蝶などの絵が飾られたり固定されている部屋にやってくる。どうやら一番奥の格子の向こうに鍵があるみたいだけど、これは…

 

 

「“狩るものは一列に並び、獲物を正面に見据える”だってさ。なんのことだろ?」

 

「…見た感じ、捕食者と獲物の絵か」

 

「蜘蛛に囚われた蝶、狼に襲われる羊…って感じに合わせて行くのかな?」

 

「そして蛙の絵ってことはヘビの絵がいるというわけか。ややこしいことしやがって」

 

「すごい…よくわかったね」

 

「謎解きは嫌でも慣れたんだ」

 

「ドナの所とか大変だったねえ…主にベビーが」

 

「ああ、主にベビーが」

 

「でっかい赤ちゃんがそんなに怖いの?」

 

「「一番怖い」」

 

「そ、そう…」

 

 

 声を合わせるぐらいに怖かったのだろうか。できれば会いたくないな。ヘビの絵を探そうと他の道を進むと、廊下に横たわった黒い私の顔に吸い付くフェイスイーターがいた。それを見た瞬間また怖い顔になる姉さんが勢いよく助走してから跳躍する。

 

 

「死んでるからってローズにキス禁止じゃボケえ!」

 

「アギャアア!?」

 

 

 過保護極まりない言葉と共にクロスチョップ。フェイスイーターは消滅した。

 

 

「いや確かにあんな奴等とキスはしたくないけど……将来的にするかもしれないのはどうするの?」

 

「ローズに恋愛はまだ早いよ!」

 

「キスぐらいいいでしょ!…もう。ほら」

 

 

 姉さんに近づき、肩に手を乗せてその額に軽く口づけする。家族への、親愛の証としてのキスだ。父さんには小さい頃にやったことあるしされた記憶はあるけど、姉さんには今まで触れられなかったから初めてだ。

 

 

「はえ?」

 

「…これでも禁止?」

 

「か、家族にはアリかなあ…えへへ」

 

「エヴリン、顔が気持ち悪いぞ自重しろ」

 

「なんだとー!えーい、イーサンにもしてやるー!」

 

「やめろ!?」

 

 

 顔に飛びつく姉さん。必死に押さえて引き剥がそうとする父さん。これが普通の幸せなんだろうか。…できるなら、現実でもこうして触れ合いたい。

 

 

「…結晶が手に入ればそれもできるかな」

 

 

 そんな希望的観測が口から出る。…なんにしても、急がないと。そのまま進むと、古めかしい古風な屋敷を思わせる廊下に雰囲気が合わないテレビが上につけられている曲がり角に出て、その先に会った菌核に手をかざして破壊する。

 

 

《「ほう!なにか得体の知れない力をお持ちの様ですな!」》

 

「デューク…!」

 

「こらー!声だけじゃなくて出てこい!」

 

《「おっと、怖い怖い。ひとつ訂正をば。わたくしはデュークではなく仮面の公爵。どうぞよしなに」》

 

 

 そんな言葉と共に、湧き出してきた黒領域から、何かデカいモノが出現する。フェイスイーター…じゃない!?

 

 

《「如何に得体の知れない力であっても純粋な暴力の前ではそんな力は何の役にも立たないと思いますよ」》

 

「マジ!?」

 

「この!」

 

 

 姉さんが飛び蹴りを喰らわし、父さんがポールハンガーを胴体に突き立てる。しかし出現した三つの顔をもつ醜悪な外見の怪物にはまるで通じておらず、姉さんを首の動きだけで私の方に吹き飛ばし、ポールハンガーを手にした巨大な棘付きメイスで破壊してしまう。姉さんを受け止めた私は姉さんを抱えたまま思わず後ずさる。

 

 

「こいつはやばい…逃げろ!」

 

 

 そんな父さんの言葉に頷き、走り出す。後ろを見ればメイスの一撃を避けた父さんが壁を蹴って跳ね返った勢いで頭部を殴りつけて怯ませてこっちに走ってくる。さすが頼もしい。

 

 

「あの、ローズ?私、走れるよ?」

 

「今下ろしてたら間に合わない!姉さんのちっちゃな手足じゃ猶更!」

 

「むぐぅ…私お姉ちゃんなのに…」

 

【こっちだ】

 

「ありがとうシャルル!」

 

 

 子供の様に抱えられて不服らしい姉さんを抱っこしながら走り、シャルルの開いてくれた扉に飛び込むと父さんも入って来て、鍵を閉める。するとドゴン!ミシッ!とどんどん扉が罅割れて行く。

 

 

「どこか逃げ道は!」

 

「暖炉がある!前と一緒ならここも…」

 

「どこかに通じてるかも?行こう!」

 

 

 姉さんの見つけた暖炉に、姉さん、私、父さんの順に入るもすぐに止まった。どうやら行き止まりらしい。

 

 

「駄目、行き止まり!」

 

「シャルル、どうにかできない?」

 

【しゃあないな】

 

 

 すると暖炉の中を金色の粒子が舞って壁がスライドし奥の通路が開いた。その先は階段になっていて、上がって行くと広い部屋に出て、またあの白いフラスコがあった。手に取ると力が溢れてくる。

 

 

【こっちだ。使え】

 

「一つだけじゃないんだ。前と同じかな?」

 

「…見て分かる。力、強まったね」

 

「大丈夫なのか?」

 

「今なら…!」

 

 

 すると扉が破壊される音と、フェイスイーターの呻き声が聞こえてきた。三つ首の怪物は暖炉を潜れないらしいがフェイスイーターが二体、追いかけてきたらしい。思わず手をかざすと、放たれた光にフェイスイーターは二体とも怯んだ。

 

 

「これ、私の力?やった!…私が動きを止める!姉さんと父さんはその間に!父さん、これ使って!」

 

「助かる!」

 

 

 父さんにハンドガンを投げ渡し、やってきたフェイスイーターに手をかざすと放たれた光に怯んで固まり、動きが止まる。そこに父さんが片手で構えたハンドガンから連射された弾丸三発が寸分たがわず頭部を撃ち抜き、フェイスイーター一体を消滅させる。

 

 

「どりゃあ!」

 

 

 もう一体は部屋に置かれていた甲冑を蹴り壊して腕部分を装着した姉さんが殴打。逆に重量で振り回されているそれを連続ビンタする様に炸裂させて最後に振り上げて勢いよく振り下ろし、フェイスイーターは壁に叩きつけられて消滅した。

 

 

「さっき言われたから使ってみたけどやっぱり重い!」

 

「だよね…」

 

「…この銃、今気付いたが俺の使ってたものと同じ奴だな。手に馴染む」

 

「銃が馴染むのはどうかと思う」

 

 

 姉さんの件もミランダの件もどっちも一日だけのはずなのになんで手に馴染むんだと父さんにツッコむ。父さん、やっぱりシステムエンジニアは無理があるよ。




触れられないってことはこういうこともできないってことなんですよね。

次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
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