BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】   作:放仮ごdz

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どうも、放仮ごです。7編に引き続きオリジナルクリーチャー登場です。

今回はイーサンとエヴリンのいる弊害。楽しんでいただけると幸いです。


ダイブⅨ【散り際の薔薇(ローズデッド)

 先に進むことはできそうになく、来た道を戻って行くと暖炉の部屋に小さな白いハーブらしき植物が置かれていた。その脇に金色の文字が躍る。

 

 

【こいつも使える。ホワイトセージ、特異菌の能力の残弾を回復できる】

 

「あ、もう使い切ったって思ったの気のせいじゃなかったんだ。…どう使うの?」

 

【食え】

 

「え、やだ」

 

「(0M0)<コレクッテモイイカナ」

 

「お前が食うか?」

 

「え、やだ」

 

 

 なんか姉さんと父さんがコントやってる。食べたくないけど、せっかく強くなったのに使えないんじゃ意味がない。ええい、ままよ!目を瞑って両手に持ったそれを口に含み咀嚼する。

 

 

「……何とも言えない味」

 

「大丈夫?ローズ」

 

「ハーブはどちらかというと調味料だからな・・・」

 

【さっきの三つ首の奴がいるかもしれないから注意して進め】

 

 

 すると閉ざされていた奥の部屋の扉が開く。もしやと思ってさっき拾ったメモを見る。この先に一ツ眼紋章の鍵があるらしい。

 

 

「シャルル万能すぎない?最初から開いてよ」

 

「いや、フラスクを取らせたかったんだろ。それがないと先に進めないのも確かだ」

 

「行こう!」

 

 

 先に進むと、二体のフェイスイーターがいて。手をかざそうとするもそれは父さんに止められる。

 

 

「それは温存しておけ。この程度の数なら…エヴリン!」

 

「相変わらず銃の使い方が上手いねイーサン!」

 

 

 そのまま右手に持ったハンドガンを横に振るって一発ずつ撃ち、それは頭部を捉えて怯ませると姉さんが二体の間に跳躍し、怯んでいるフェイスイーターたちの顔面を鷲掴みにすると着地の勢いで頭部を机の角に叩きつけて消滅させた。うわあ。

 

 

「うわあ」

 

「もー、イーサン。ローズがドン引きしてるじゃん」

 

「いやお前だろ」

 

「そんなことないよね?ローズ」

 

「姉さんうわあ」

 

「本気でドン引くのやめて?はいこれ」

 

 

 落ち込んで顔を下に向けながらフェイスイーターたちを叩きつけた机の上にあった鍵を手に取り、手渡してくる姉さん。赤い一ツ眼、これで間違いない。私達はそのまま道なりに進み、立ちはだかるフェイスイーターたちを銃を得てパワーアップした父さんと相変わらずマジカルならぬフィジカル魔法少女な姉さんが瞬殺しながら進んでいき、菌核を破壊しながら思わずぼやく。

 

 

「せっかく強くなったのに核壊すことしかできてない…」

 

「お前は危険な目に遭う必要はないんだぞローズ」

 

「もしもの時は頼るからその時はヨロシク!」

 

「もしもが起こりそうにないぐらい二人が強いんだけど…」

 

 

 三つ首の化け物には手も足も出なかったけど頑張れば勝てそう(小並感)。よし、壊れた。そのあと出てくるフェイスイーターもやっぱり私の出番はなかった。

 

 

「ここは…」

 

「見覚えのあるところに出たな。足音を聞いた階段の上か」

 

「一ツ眼の紋章鍵ってどこで使うんだっけ?」

 

「…さあ?」

 

 

 あったっけ。考えながら階段を降りて中庭に出る。あれ?…黒い私の死骸と、写真?こんなもの落ちてたのか。見逃してたか…それともあとから来た?

 

 

「また、ローズが…」

 

「私はここにいるよ姉さん。これは…まだ持ってない仮面の写真?」

 

「後ろになんか書いてあるよ」

 

「【一ツ眼の扉 地下奥】…とあるな。あれか」

 

 

 そう言った父さんの視線の先には一ツ眼の扉。ああ、そうだ。中庭にあったんだ。扉に向かい、鍵を開ける。赤い一ツ眼が割れて扉が開くのは趣味が悪いと思う。その先には階段と、例のテレビがあった。階段にはここまで来れたのか複数の黒い私の死骸が転がっている。

 

 

《「ここまで来るとは手癖の悪いウサギたちですねえ。他のウサギはこの先の仮面を手に入れる程優秀ではなかったようですが……やはりというかなんというか、“悪魔の様な男”と呼ばれるだけはありますねえ。その武器の扱い方、ええ。惚れ惚れいたします」》

 

「男…俺の事か?」

 

 

 悪魔の様な男?父さんが?誰が呼んでいたんだろ。

 

 

《「“無害な小悪魔”もそう感じさせない暴れっぷりに惚れ惚れしますよ。ええ、どんな悲鳴を上げて死んでいくかを思うとねえ…!」》

 

「無害な小悪魔?私の事?意地でも死んでやらないもんだ!」

 

「…無害?」

 

「どこが無害なもんか」

 

「なんだとー!」

 

 

 ぽかぽか姉さんに胸を殴られる。ごめんて。無害ならフェイスイーター相手にあんな無双はしないと思うんだけど。今の姉さんどこからどう見ても無害だけどさ。

 

 

ドゴバキャア!

 

「「「!」」」

 

 

 すると上の方から破砕音が聞こえて、思わず三人で顔を見合わせる。

 

 

「…何?今の音」

 

「しっ、静かに!」

 

「こんな音出す奴一人しか思いつかないんだけど…」

 

 

 恐る恐る階段を上がって、絶句した。黒い私が何人も、壁の黒領域に埋め込まれて磔にされ、絵や彫刻の様にされている。あの三つ首の仕業…!?

 

 

「マジで最ッ低」

 

「…地獄みたいな光景だな」

 

「あのデブ絶対許さない」

 

 

 そんな地獄の様な光景を尻目に横切ろうとした時だった。囲まれるように配置されていた黒い私たちの目が、全て見開かれたのだ。

 

 

「えっ…!?」

 

「何でアンタばっかり…」

 

「同じ私なのに…」

 

「え、まさかこのローズたちが…!?」

 

「誰も守ってくれなかった…」

 

「誰とも話せなかった…」

 

「急いで引き返すんだ、こいつは…!」

 

「ずっと独りで彷徨って…」

 

「姉さん、父さん…!」

 

「黒い私が集まって…!?」

 

「「「「「「「「なんで私を守ってくれなかったの…!」」」」」」」」

 

 

 8人の黒い私を磔にしている黒領域が蠢いて廊下の中心に集まり、黒い私を完全に飲み込んでまるで黒い薔薇の花弁の様な形状の二メートル大のオブジェになったかと思えば、次々と細く白い腕が飛び出してくる。それはまるで蜘蛛の様で、黒薔薇の中心から、上半分が黒領域に包まれてまるで仮面の様になっている私の顔が現れ、口が裂け牙が生えて髪が触手の様に蠢く怪物の顔に変貌していく。あまりの出来事に腰が抜け、私は尻餅をついたまま手だけで後退しようとして、父さんに抱きかかえられる。

 

 

「あの顔、モールデッド…!?イーサン!コイツ、ヤバい!本当にヤバい!」

 

「お前がそう言うなら相当ヤバいんだろうな…!」

 

「お前も道連れにしてやる……!」

 

 

 瞬間、腕の様な八本の脚をシャカシャカと気持ち悪い挙動で動かせて突進してくる黒い私の怪物を、父さんが跳躍して回避しようとするが腕の一本が上まで伸びてきて父さんの脚を掴み、投げ飛ばして私を庇って抱きしめた父さんは階段をゴロゴロと転がり落ちて行く。

 

 

「ローズ!イーサン!こんのお!」

 

「痛くも痒くもないよ、姉さァん!」

 

「きゃっ!?」

 

 

 上で姉さんが攻撃を仕掛けたようだが、やはり投げ飛ばされて吹き抜けを落ちてきたのを受け止め、床に下ろす。しかし、父さんは動かない。頭を打って気を失った様だ。

 

 

「どうしよう、姉さん。父さんが…」

 

「あーもう、これぐらいで意識失わないでよイーサン!…アイツの目的はローズだ、多分イーサンは襲わない。中庭で迎え討つ、ローズ。銃を持って!やるしかない!」

 

「う、うん!」

 

 

 上を見れば巨体から伸びる腕脚を器用に動かして降りてこようとしている黒い私がやってきていて。父さんを引き摺って壁に寄りかからせた私と姉さんは扉を潜って中庭に転がり出る。

 

 

「こォの卑怯ォ者ッ!逃がさなァい!」

 

 

 すると上の壁を破壊して黒い私が出てきた。扉を潜れないとかだとよかったのに…!

 

 

「特異菌の力ァ、いい気持ちィ…!!」

 

「私の顔で変なこと言うな!」

 

「そういうこと言うとお姉ちゃん怒るぞコラア!」

 

「アハハハハアハハアハハハハッ!!」

 

 

 黒い私が壁から降り立ち、狂ったような笑い声を上げる。私は両手でハンドガンを構え、横では姉さんがカンフーの様な構えを取る。かなり複雑な気分だけど、やってやる…!




・ローズデッド
 何者かに磔にされて死にかけていた黒いローズたちが抱いた、父と姉を連れたローズへの嫉妬と、父と姉への怒りが黒領域とシンクロし融合、誕生した黒いローズたちのなれの果て。薔薇の様な形状の黒領域から肉体から八本の腕とモールデッドの様に変貌したローズの顔が飛び出している蜘蛛の様な悍ましい怪物。モチーフはサイコブレイクの貞子…もといラウラとアマルガムα。

次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
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