BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】 作:放仮ごdz
今回はドミトレスク城探索。楽しんでいただけると幸いです。
『あれ、デュークのいるとこって安全では?ヤッター!ヒャッホー!一生ここにいるー!』
俺が一休みを終えて立ち上がると、デュークのいる場所が安全だと気付いたのかグルグル部屋の中を犬みたいにはしゃぎ回るエヴリン。楽しそうだが、俺達は進まねばならない。
「アホ言ってないで早く中庭に行くぞ」
『現実は無常なり~やだやだやだ!もう怖い所行きたくなーい!』
「じゃあ置いて行くぞ」
『それはもっとやだー!』
駄々をこねるので置いて部屋を出ようとすると泣きながらついてくるエヴリンに溜め息を吐きながら、中庭に向かうべくデュークの部屋から出た途端、たかってくる蟲ども。
「アハハハハハハハ!お城を案内する?」
『うわ、また出た』
「生憎だが、丁寧にお断りさせてもらう!」
人型を為して現れたのは、狂乱したようにハルパーを振り回す、おそらくカサンドラだった。発狂したままか、これなら逃げるのも容易そうだ。
『イーサン、中庭はこっち!』
「アァアアアアアア!喉が渇いてもう我慢できない…!」
「私の側に近寄るなアアアアアア!?」
俺に行き先を示して逆方向に向かい、手を鳴らしてカサンドラを誘導するエヴリン。エヴリンのいる壁ギリギリの場所で力任せにハルパーが振り回され、壁に一文字の傷がつき穴が開く。するとその穴から顔だけを覗かせてニヤリと笑うエヴリン。有名なホラー映画の一シーンを彷彿とさせた。
「助けてお母様ぁあああああああ!?」
するとカサンドラはハルパーを落として頭を抱え、泣き喚いて大絶叫。今のうちにと中庭への扉の鍵を開け、蹴り開けて外に出た。気が済んだのか戻ってきたエヴリンにジト目を向ける。
「なんでシャイニングなんだ?」
『幻影の私が漏らしたぐらい怖かったから…』
「あー、あったなそんなこと…」
中庭に生えていたハーブをむしり取って麻袋に入れながら思い出す。一年ぐらい前、件の映画を見ていた時、止せばいいのにホラー耐性がない癖に強がって見ていたエヴリンが、幻影なのにも関わらず粗相をしたように服をぐっしょり濡らしたことがあったのだ。あまりにも怖いと言うイメージなのか、現実は濡れはしなかったがエヴリンは羞恥と恐怖のあまり号泣、俺はそのあとその映画をエヴリンの泣き喚く声をBGMに見る羽目になった。
「進める道は二つだが、もう片方は鍵がかかってたから実質ここだけか」
『真ん中も怪しいけど何もなかったもんね』
「待て、隠れろエヴリン」
扉を開けた途端、階段を上って行く巨体の女が見えて。咄嗟に扉を開けるのをやめて影に隠れる。エヴリンも口に手を当てて中を窺い、後ろ手にサムズアップしたので大丈夫だと安心し、改めて扉を開ける。危なかった、あの女とはまだ戦いたくない。せめてショットガンがあればなあ。
『こわっ。ねえなんでクソデカオバサンに血を吸われたの!私、クソデカオバサンには見られたくないんだけど』
「そう言われても不可抗力なんだよなあ…あと残念なお知らせだ、エヴリン」
『なに?』
「どうやら道はドミトレスクのいた上しかないらしい」
『やだー!』
「よくも私の娘を痛めつけてくれたわね!」
「『!』」
上から怒声が聞こえてきて、二人して顔を見合わせる。どうやらベイラを倒したことがばれたらしい。そろりそろりと階段を上って行く。その横を無言で浮かぶエヴリン。道なりに進んでいくと、この城のマップを見つけた。ありがたく頂戴する。
『い、いないよね…?』
「どうやらこの閉ざされた扉の向こう側にいるらしいな」
『よ、よかった~』
「とりあえず、一番近いお風呂場とやらへ向かうぞ」
地図を片手に扉を開けると、鉄の匂い。四つの多種多様な石像に囲まれたお風呂場と思われる空間に溜められていたのは水ではなく赤黒い血液だった。エリザベート・バートリーか?
『誰それ?』
「女吸血鬼カーミラのモデルになったと言われるハンガリーの貴婦人だ。自身の美しさを維持する為に人の生き血を用いたという史上名高い連続殺人者だ。700人もの娘を殺したらしい」
『なんかクソデカオバサンみたいだね』
「そうだな」
奥の壁を調べてみると、「男と女が目を合わせてはならない。卑しき農民は誰にも見向きされず、女を見ることも許されない」とあったので、石像をその通りに動かしてみると、血液風呂が抜けて隠し階段が現れた。…また地下か。
「勘弁してくれ」
『正直地下の方が怖いよね』
「なんだここは…」
降りてみると、血液が床に溜められていて。人間が吊るされていたりと、前回の地下牢より不気味だった。本当になんだここは。そして案の定、血液の中から現れたミイラの怪物をクリス直伝のクイックショットで怯ませて口に銃口を突っ込んで頭を吹っ飛ばして確実に仕留めることを繰り返しながら先に進む。
『わーい、私のパパかっこいいー!』
「お前のパパになった覚えはない」
『意地張らないでさー認知してよー』
「俺の娘はローズだけだ」
『ローズは私の妹だもんね!』
「はいはい」
軽口を叩きながらミイラを倒しつつ、マップを確認しながら奥に向かうと古い昇降機があったので乗り込み上昇すると、バルコニーの様な場所に出た。電話の音がどこからか聞こえてくることに首を傾げながらも今にも崩れそうな不安定な足場を越えた途端、窓の向こうの部屋の扉を開ける音が聞こえたのでエヴリンと一緒に物陰に隠れる。
『クソデカオバサン…?』
「しーっ」
やってきたのはドミトレスクで、この部屋で鳴ってる電話を取りに来たらしい。すぐには取らず、俺のいる窓際で煙管を吸って一服した後に化粧台の鏡の前の椅子に座ると受話器を取った。
「マザー・ミランダ。残念なご報告なのですが、ハイゼンベルクは愚かにも…イーサン・ウィンターズを
そう言って荒々しく受話器を置き、電話の乗ってる化粧台を持ち上げ投げつけるドミトレスク。ビクッと目を瞑り怯むエヴリン。その貴婦人らしからぬ荒々しさからは怒りが見て取れた。
「儀式など知ったことか!ドミトレスク家に仇なす者は決して許さない…!」
そう言ってドミトレスクは部屋を立ち去って行った。…意外と、マザー・ミランダへの忠誠心が高いわけじゃないらしい。部屋に入ると、ここはドミトレスクの自室の様で、デュークの言葉を思い出しベビーベッドらしきものが見えたので慌てて駆け寄るがローズはいない。肩を落としながらも文書を見つけたので読んでみる。
「【ミランダお母様に呼ばれる。「御子」の父の処遇を話し合えとのこと。血の繋がりはないとはいえ…奴等と兄妹扱いされると虫唾が走る。特にあのハイゼンベルク!!下品で粗野な、卑しい血の男。お母様が止めなければ、この手で引き裂いていた。なぜ…お母様はわたしを奴らと同じに扱う?城を与えてくださったのも従順な娘や不死の血肉を与えてくれたのもわたしが特別だからでは?喉が渇く。】……奴は不死身だと?」
『クソデカオバサンとマダオと黒ずくめ陰キャとマザコンブサイクは血は繋がってない兄妹みたいだね。そりゃ似てないわけだ』
「父が俺のことだとすると御子ってのはローズのことか?…ここにはいない可能性の方が大きくなってきたな」
『あ、そこに鍵があるよ』
「なに?よし、でかした」
壁にかかっていた紋章が入った鍵を手に取り、同じ紋章が入っている扉に挿し込む。ぴったり入った。
『ねえパパ、ここの奴ら倒したらこの城に住まない?めっちゃ豪華なんだけど』
「ローズが風邪引くから却下だ。そもそも村人が全滅してるから不便すぎる」
そう馬鹿なことを話しながら開けようとすると、扉はひとりでに開いてドミトレスクが現れ、思わず後ずさる。エヴリンは絶句して俺の背後に回った。
「しまった……」
「見つけたわ。あんたの娘はここにはいないってのにまったく…」
『こ、この…顔も身長も態度も胸もお尻も全部クソデカオバサン!』
「誰がよ!?」
…えーと、エヴリン?シリアスだから黙ってような?ドミトレスクに首を掴まれ持ち上げられながら、そう訴えるのが精いっぱいだった。
色々子供らしいエヴリン。次回、VSクソデカオバサン第一ラウンド。
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
ハイゼンベルクとはどうする?
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共闘する
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原作通り敵対する