BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】 作:放仮ごdz
おや?エヴリンの様子が…(デンデンデンデン♪) 楽しんでいただけると幸いです。
父さんのハグを堪能し精神を落ち着かせたあと、三つ首男を倒した先に進むと、銀の仮面が鎮座されていた。三つ首男が恐らく守り人だったのだろう、特に仕掛けもなかった。仮面を飾っている石像の後ろに黒領域と、例のテレビがあるぐらいだ。
「見つけた。これが二つ目の仮面ね」
「銀の仮面か…ドミトレスクの城にあるの皮肉だね」
「吸血鬼的な意味でか?」
《「取ってはいけないものを手にしてしまったようですな。まさかあのエクスキューショナーを倒すとは」》
テレビから聞こえてきた仮面の公爵のそんな言葉と共に蠢く黒領域から、とんでもない数のフェイスイーターが顔を出す。不味い、罠だ!?
《「それではこの欲張りなウサギたちにバツを与えましょうか」》
「こんな狭い所でこの数は不味いぞ…!」
「狭くなきゃ倒せるのもどうかと思う!」
「あとでぶっ殺してやるからなデブ!覚えてろー!」
急いで来た道を引き返すと壁のあちこちから黒領域が現れてフェイスイーターが顔を出す。こんな地下でこの数に追い詰められたら不味い。黒い私達の二の舞になる。それだけは嫌だ。
「こいつでも喰らえ!」
すると前に立ちはだかったフェイスイーターを、三つ首男から奪ったままのメイスで殴りつけて吹き飛ばす父さん。狭い所でよくやるなあ。
「どうせ梯子を登るときに捨てるんだ、存分に使い捨ててやるさ!」
「でやあ!」
狭い通路なのを活かして背後から襲いかかってきたフェイスイーターをアッパーで顎を砕いて迎撃する姉さん。崩れたフェイスイーターの身体が後続をせき止め、さらに父さんがメイスをぶん投げることで纏めて潰して一掃する。すぐ近くがバスルームに繋がっている梯子だ。
「メイスは惜しいが、今のうちだ!」
「黒領域を使わないとあんなの持ち込めないよ…」
「その気になればローズデッドみたいなでかいのも出てきそうだもんね」
「冗談でもやめて」
「お前が言うとフラグになるだろ」
「ローズにはごめんだけどイーサンには物申す!」
そんなことを言いながらバスルームから戻ると、黒領域と黒い私で階段に繋がる通路を塞がれていた。この部屋に入るしかないか。警戒しながら扉を開けると、明るい空間と金色の文字が出迎えた。
【仮面はどうだった?】
「シャルルは地下まで来れないんだね…手に入れたよ、なんとかね」
「ヤバそうなのもいたけど倒したよ」
【三つ首のだったら逃げるのが正解だぞ】
「死ぬなら倒した方が早いだろ」
【待て。本当に倒したのか?奴は倒すことができない筈だぞ】
「え?」
思わず姉さんを見る。不思議そうに首をかしげていた。いや、確かに父さんのメイスの一撃も致命傷になってなかったし姉さんの攻撃しか効いてなかったような気もするけど…つまりどういうこと?
「そんなこと言われても倒せたんだけど…」
「シャルル、どういうこと?」
【何か異変が起きている。調べる】
そう言って金色の文字は消えてしまった。姉さんは不安げだ。父さんも渋い顔をしている。
「私、ただ全盛期の力が使えるってだけじゃないの…?」
「…確かに俺のモールデッドの四肢も使えないしお前だけなにかおかしいのか、エヴリン」
「そんなの言われてもわかんないよ…」
「悪かった。気にするな、お前が凄く強くてローズを守れるってだけだろう?」
そんな父さんの言葉に無言で頷く姉さん。そのまま進める扉を使って回り道をして黒い私が飾られている廊下に出ると、落ち着かない様に周りをキョロキョロと見渡していた姉さんが何かに気付いてそれを手に取る。
「……これ、来た時には気付かなかったけど」
「攻略のヒントになるかもな。どれ。【ようこそ絶望のギャラリーへ。ここでは、1つでも仮面を入手したことがある優秀個体を額装して展示いたします】……クソが。【数ある我がコレクションの中でも選りすぐりのウサギたち。その脆弱かつ苦痛に満ちた姿をありのままに芸術とした逸品を集めています。本コレクションを通して「いのちの輝き」を違った視点から眺めていただければ幸いです】」
姉さんが見つけた文書を父さんが手に取り読んでいくうちに、ギリギリと拳が握りしめられる音が姉さんから聞こえてきた。見れば、赤い血が滴る程に強く握りしめている私と同じくらいの背丈の少女がいて。
「…何度私を怒らせれば気が済むの」
「え…?姉さん?」
「なに?ローズ」
思わず二度見して問いかけるといつもの姉さんの声がその口から出る。周りを見渡す。父さんはそのままだし、絶句して驚いている。子供の姉さんの姿はない。えっ、じゃあこれが姉さん…!?
「何で大きくなってるの…?」
「え。…あれ?え?なんで!?」
指摘するとようやく気付いたのか、すらりと伸びた腕やサイズまで変わった黒いワンピースやブーツを見て困惑する姉さん。子供そのものだったその顔はすっかり大人びて私によく似た…というより髪色と髪型、服装が違うだけの双子と言われた方が納得するぐらいそっくりだ。身長は私よりちょっとだけ大きくて新鮮過ぎる。
「…エヴリンの怒りに呼応して菌根が力を貸しているのか…?」
「…子供の脚じゃアイツの首を締め上げるの難しそうだなと思ってたけど、これならいける!」
「そこじゃないと思うよ姉さん…」
半信半疑だったけど変わらぬポンコツ発言に姉さんだと確信して思わず笑った。
「!」
「どうしたの、ローズ?」
「なんか見つけたのか?」
また聞こえた、謎の声。姉さんと父さんは不思議そうにこっちを見てくる。気のせいじゃない、私にだけ聞こえてる…?声の主を確かめんと階段を下りて行くと、黒領域から出てきたのかテレビが設置されていた。これから…?いや、違う。仮面の公爵の声じゃなかった。でも男か女かもあやふやな…。
《「しぶといウサギですねまったく!まったくもって邪魔ですね、親ウサギと……おや?子ウサギが成長してらっしゃる。コレクションによさそうですな」》
「やれるもんならやってみろ。顔を出した瞬間に殺してやる」
そう挑発する姉さん。なんか態度や自信も大きくなっている気がする。過信しすぎなきゃいいけど…。
《「ほほう。楽しみにしておきますが、それはさておきもうこれ以上好き勝手はさせませんよ」》
そう言い残してテレビの電源が消える。嫌な予感がしながら中庭への扉を開ける。閉める。溜め息。そして深呼吸。
「どうしたの?」
「なんかいたのか」
「…またあいつがいる」
そっと扉を小さく開けて姉さんと父さんと一緒に覗き見る。10体ぐらいのフェイスイーターを従えるようにしてあの三つ首男…仮面の公爵曰くエクスキューショナーが、仮面の部屋への通路を陣取っていた。意気揚々と突撃してたらメイスに潰されて死んでた。
「ここは任せて。伊達に大きくなってるだけじゃないところを見せてあげる!イーサンはローズを!」
「あっ…、姉さん!」
大きく後退すると飛び蹴りで扉を蹴破って外に出る姉さん。すぐにエクスキューショナーが反応してフェイスイーターを嗾けるも、姉さんは今までみたいに助走や勢いづけたりせずに淡々とストレートパンチやフック、アッパー、回し蹴りで次々と迎撃。メイスを振り上げて襲いかかってきたエクスキューショナーを前に怖気づかずに右手をかざす姉さん。
「グオアアアアアアアッ!」
「今なら使える気がする…!」
瞬間、衝撃波が放たれてメイスが天高く吹き飛ばされよろめくエクスキューショナーの胴体に、隠しきれない喜悦に歪んだ笑顔の姉さんの前蹴りが突き刺さる。私の力とは違う、今のはなに!?
「衝撃波…生前のエヴリンが唯一使えた戦闘能力だ」
「姉さんあんなこともできるんだ…」
そのまま右の顔にフック。左の顔にアッパー。中央の顔に右ストレートを叩き込んでいった姉さんは、落ちてきたメイスを両手で握ると一回転。大きく振り抜いてエクスキューショナーの顔を全て吹き飛ばした。頭部を失ったエクスキューショナーの身体が膝から崩れ落ち、石灰化して雪空に散っていく。
「行こう。ローズ、イーサン。仮面の公爵をやっつけよう」
そう言いながら振り返った姉さんの笑顔から、先程まで感じた喜悦は消えていた。
大人化(女子高生)エヴリン再び。本編で幻影として変身したり、アナザーエヴリン編で強化した姿として登場したアレです。身体能力が上がっただけでなく衝撃波を使える様にもなりました。ちなみにゲームとしてはエクスキューショナーは本来、回避推奨で倒せないタイプの敵です。
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
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