BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】 作:放仮ごdz
今回は前回に続いて大ピンチ。楽しんでいただけると幸いです。
「…ローズ。なにがあったのかわからないけど、急ごう。これで結晶を手に入れられるはずだよ」
「…うん、そうだね」
不気味な静寂の中で何も反応が無いためいったん諦めて、姉さんが手に入れた金色の仮面を持って先導し、ピアノの部屋を出た時だった。
「ぐっ!?」」
「姉さん!?」
前を歩いていた姉さんが扉を通るなりメイスで吹っ飛ばされて壁に叩きつけられ、不意打ちで頭を打ったのかダウン。そのまま現れたエクスキューショナーに腕を纏めて掴まれ締め上げられてしまう。
「くっそ、変な知恵つけて…放せ!」
「エヴリン!」
「姉さ…、ぐっ…!?」
父さんがエクスキューショナーにショットガンをぶちかましながら突撃するのに続こうとしたら、背後から首を絞められ持ち上げられる。黒領域がすべて消えたはずのピアノの部屋にいつの間にかいたエクスキューショナーだった。そんな、なんで。どこから現れたの…!?
《「おっと。大事なウサギを殺されたくなければ黙って言うことを聞きなさい親ウサギ。姉ウサギ、貴方もです」》
どこからともなく聞こえてきた仮面の公爵の言葉に身動きが取れなくなってしまった姉さんと父さんに、ショットガンをぶちかまされても平気そうなエクスキューショナーが後ろ手に手錠をかける。
「油断した……」
「…くそっ、ローズを離せ…!」
《「なにをしたのか知りませんが、部屋一つ分の黒領域をまるまる消したぐらいで警戒を緩めないことですな。別の部屋から入れればいいのだから!さあエクスキューショナーについてきなさい。話はそれからです。抵抗しようとしたらウサギの首がへし折れますよ?今殺してもいいのですからね!」》
「「ぐっ……」」
拘束されてもなお動こうとした瞬間、首を強く締め上げられて意識が遠のく。あ、駄目だ…意識保ってられない、や……
「ここはどこ…?」
目覚めると、どこかの牢屋の中だった。父さんと姉さんの姿が無いことに不安を抱いていると牢の向こうにあるテレビから忌々しい声がする。
《「さあさあ皆様ご注目!お目覚めの時間ですよ!」》
「仮面の公爵…!父さんと姉さんは何処!」
《「残念でしたなあ。あの結晶を手に入れるまであと一歩と言うところでしたぞ。さすが、本物は実に活きがいいですなあ!」》
「…本物?」
確かに私は本物だけど、じゃああの黒い私達はいったいなんなの?
《「特別なウサギを簡単に殺してしまうのはもったいない。もう少し愉しませていただくとしましょう。まずは貴方の大事な家族からね。私を愉しませてくれるゲストを二人も連れて来てくれたことに多大な感謝を送りますよ!ウサギ相手は飽き飽きとしていたところでねえ」》
「…どういうこと?」
するとテレビの画面が切り替わる。どこかの広い円形の部屋で、後ろ手に手錠をかけられズタボロの姉さんと父さんが、背中合わせでエクスキューショナーの大群に取り囲まれ奮闘しているところが映っていた。姉さんが衝撃波を放とうとしているものの父さんに当たりかねないためか撃ててないらしい。
「姉さん!父さん!あなた、なにを…!?」
《「貴方を殺すと脅せば、この二人は何でも言うことを聞いてくれましてねえ?貴方を解放してほしければ手錠をかけた状態でエクスキューショナーを百体倒せと言う難題を出したのです!いやはや、既に10体ほど倒されてちょっとばかし焦っていたところですよ」》
「そんな、無茶な…!?」
《「まあもっとも?例え100体倒したところで貴方を解放などしませんけどねえ!このまま死ぬまで延々と処刑人が相手しますとも!」》
「この…外道!」
多分、あの二人もそのことには気付いている。でも戦うしかない、そんな状況を作りだしたんだ。外道だけど頭が回る。どうしようもないじゃないか…。
《「貴方は大事な大事な獲物だ。解放するなどするわけがない。そんな顔しないでください。貴方にも私を愉しませるゲームをしてもらいますから」》
「誰が…!」
すると牢の向こう側の壁面が黒領域に覆われ、次々と菌核が出現していく。さらにじわじわと黒領域が広がって来ていた。
《「脱出に繋がる核はごくわずかしかありません。さあ、本物がわかりますかな?急がないと飲み込まれてしまいますからね。もう既に貴方がいないのに戦い続ける家族というのも実に見ものだ。どう転んでも私を愉しませてくれるでしょう!」》
「こんなの…どうやって見つければいいのよ!?」
《「ハッハッハッ!てんで違う場所ですぞ!もう少しきちんと見極めた方がよろしいかと?」》
片っ端から菌核に右手をかざして石灰化させていく。ダメだ、見つかる気がしない。テレビの向こう側では姉さんが飛び膝蹴りでエクスキューショナーを蹴り飛ばし、父さんが頭突きで怯ませていた。…弱気になったらだめだ、二人も頑張ってるんだ。すると黒領域に覆われてない壁に金色の文字が躍った。
【やっと割り込めた。調べものしているときに連れてかれるとはな】
「シャルル!?どうにかできる!?」
【大丈夫だ。場所は教えてやる】【タルより下だ】【ここより右だ】【ここより左だぞ】
次々と壁に文字が現れ、目を懸命に動かす。タルより下で、その位置より右で、そこより左……これ!ビンゴ。かざした菌核は崩れて壁を覆う黒領域の一部が石灰化した。
「やった!」
《「おっと!おやまあなんてことでしょう。残り時間は90秒です」》
「嘘、まだあるの!?」
《「誰も一つとは言ってませんよ~?おつむが足りない様ですねえ?」》
「言わせておけば!」
【挑発に乗るな。その調子だ。次に行くぞ】
仮面の公爵の挑発に思わず本気で怒りそうになるも、シャルルに諭されて冷静になる。早くこんなところから抜け出して姉さんと父さんと合流して安心させないといけないんだ…!
【暗がり奥】【大きい核】【崩れた壁】
「ここだあ!…っ!?」
牢屋の中の崩れた壁にそれらしきものを見つけるも、フェイスイーターが黒領域から現れて立ちふさがってきた。
《「そう簡単に行くとでも?」》
「邪魔!」
姉さんの動きを散々見て覚えた右ストレートを、力を発動しながら繰り出すことでフェイスイーターを一撃で殴り飛ばし、そのまま菌核を破壊する。もう怒りでどうにかなりそうだ。散々煽って邪魔してきて…!
《「おお、怖い怖い。残り時間は一分、さあさあ急いで!」》
「まだあるの!?」
《「さあこれでいよいよフィナーレですぞ!私を愉しませなさい!」》
【急げ】【俺を追うんだ】【こっちだ】【さらに上だ】
「くっ、邪魔しないで!」
次々と黒領域から現れて襲いかかってくるフェイスイーターを殴り飛ばしながらシャルルの文字を追うと、明らかに異様なでかい菌核が天井にあった。アレだ、間違いない。だけどフェイスイーターが邪魔で…!?
「助けて…父さん、姉さん…!」
思わず助けを求めたその時。テレビの向こう側で何かに気付いてこっちを見た姉さんが、キッ!と睨みつけてきて衝撃波を発射。なんとテレビを伝ってこっちまで突きぬけてきて、私を取り囲んでいたフェイスイーターを一掃する。そんなことまでできるの!?
「い、今だ…!これで終わって…!」
フェイスイーターが一掃された隙に右手を天井にかざして巨大な菌核を石灰化。崩れ落ちさせると牢も覆っていた黒領域も消えて、牢が引っ込んで解放されて奥の出口へ急ぐ。
「何とかなった…」
【やったな。急げ、あの二人も限界だ】
「わかってる!」
シャルルの言葉に頷いて扉を蹴破り先へ急ぐ。無事でいて、二人とも!
脅威のエクスキューショナー軍団。まさかのローズ、孤軍奮闘です。ここどうするか本気で迷った。
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
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