BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】   作:放仮ごdz

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どうも、放仮ごです。サブタイトルがバグってますが仕様です。楽しんでいただけると幸いです。


ダイブⅡⅩⅡ【イソウカイソワカウウソウイソワイソウカイソワカウウウワ】

「こんにゃろ!こんにゃろ!」

 

 

 ガシャガシャガシャと横になったままじたばたと動くマネキン人形を必死に押さえこみ、何度も拳を叩きつけてぐしゃぐしゃに顔面を粉砕する姉さん。するとゴキンと音を鳴らして腕だけを切り離して指だけで蜘蛛の様に蠢いて跳躍、井戸の部屋の奥にあったロッカーを開くとそこにはバラバラになったマネキン人形の残骸がギュウギュウに押し込まれていて。それがひとりでに動き出してマネキン人形の本体に集って行く。

 

 

「なんか、やばい!ローズ、逃げよう!それで鍵を閉めて閉じ込めよう!」

 

「う、うん!」

 

 

 そのままガシャガシャと組み立てられていくマネキン人形に嫌な予感を感じたらしい姉さんと共に井戸の部屋を脱出、ジミーの部屋の鍵で鍵を閉めて閉じ込めて一息つく。

 

 

 

バン!

 

 

「「!?」」

 

 

 すると扉を勢いよく叩く音が聞こえて、扉が軋む。ま、まさか?

 

 

バン!バン!バンバンバンバン!バババン!バン!

 

 

 何度も扉を打ち付ける音と共に、どんどんひしゃげて行く扉。そしてついにマネキンの腕が一本突き出てきて、グネグネ動くとドアノブに手をかけ、引きちぎるとドアが吹き飛んで、ドアにくっ付く様にしてそれは現れる。

 

 

「カワイソソソソウ…」「サビビビシカッタネ」「オイデデデデ」「ダキシメメメテアゲル」

 

「また蜘蛛…!?」

 

「…前から思ってたけど昔遊んだゲームを思い出すやつばっかだなあ!しかもホラーゲームばっか!」

 

 

 それは、マネキン人形のパーツで組み立てられた人間大の大きさの蜘蛛だった。後ろ脚二対が足のパーツがいくつも組み合わさったもの、前足二対が腕のパーツがいくつも組み合わさったもの、頭部はまるで八つの目を模る様に四つの顔が顎を中心に広がる花弁の様につけられ、顔一つ一つがバグった様に母さんの声で喋ってる。蜘蛛を思わせるのはローズデッドと同じだ。

 

 

《「そりゃそうだよ。だってイーサンとエヴリンの記憶から生み出してるもん。ちなみにそいつはそこのちんちくりんが最大級にトラウマを持っている神様がモチーフだよ。名前は…ミアスパイダーでいいや」》

 

「道理で凄い殺意がわくわけだあんちくしょうめ」

 

「あんちくしょう…?」

 

「「「「イソウカイソワカウウソウイソワイソウカイソワカウウウワ」」」」

 

 

 すると姉さんの殺意に応える様に跳躍し、逆さまに天井に指を喰い込ませて四つの顔を全て向けて目を光らせてくるミアスパイダー。…もしかしてあのマネキン、本当に母さんのつもりなのか?

 

 

「銃もないのにどうすれば…!」

 

「ローズ、私を抱えてぶん投げて!」

 

「ええ!?……よーし、やるよ!」

 

 

 父さんみたいなことをしろといきなり言われたわけだがやるしかない。意気込み、深呼吸してから姉さんの両脇に手を突っ込む。

 

 

「あひゃひゃっ!?こそばゆい!」

 

「我慢して姉さん!どっせーい!」

 

「ぶべっ!?」

 

 

 笑う姉さんに揺られながら勢いよく天井にぶん投げるとミアスパイダーの目の前の天井に顔面をぶつけて落下、べちゃっと顔から床に落ちて潰れたカエルの様になる。………やってしまった。思わず冷や汗が流れる。

 

 

「アヒャハッハ」「カワカワイソソソ」「イタソソソウ」「エヘヘヘヘエヘエ」

 

「だ、大丈夫?姉さん」

 

「だいじょばない……」

 

《「ばーか。イーサンみたいなことがローズにできるわけないじゃん!予定と全然違うけどチャンス!やってしまえミアスパイダー!私を取り込め(・・・・・・)!」》

 

 

 天の声がそう言うとゴキゴキと動いて両腕を変形させて伸ばしてくるミアスパイダーの四つの腕が姉さんの首と胸ぐらと両腕の二の腕を掴み上げると持ち上げようとしてきたので慌てて腕を掴んで止める。

 

 

「そんなこと、させない!」

 

「ギギギギギッ!」「サセナイサササセナイ!」「イッショニニニニニ!」「キテテテテテアゲテ!」

 

 

 するとガシャガシャガシャと四つの首を動かして顔を全てこちらに向けて目を光らせてくるミアスパイダー。腕一本で姉さんの胸ぐらを掴んだまま、残り三つの腕を伸ばして私の首と顔の両側を掴んできた。

 

 

「「「「アヒャキャヤバヒヘフヴェハハハ!!」」」」

 

「ぐうっ…!?」

 

「ローズ!?」

 

 

 もはや意味をなさない笑い声を上げながらとんでもない力で握られ、締め上げられて苦悶の声を上げると姉さんの悲鳴染みた叫びが聞こえる。頭が潰れそうだ、息も苦しい。このままじゃ死んでしまう。…なにか、なにか…!すると視界の端に淡く白く輝く右手が見えた。

 

 

「く、ぐう!」

 

「「「「キィヤァアアアアアアアアッ!?」」」」

 

 

 痛みに耐えながら右手を顔面の一つに押し当てると、ミアスパイダーは苦しみ悶えて私と姉さんを解放し、ガシャガシャと後退して私の右手を押し付けた顔の一つが溶けるようにして崩れ落ちた。

 

 

「ぐえっ!?」

 

「きゃあ!?」

 

 

 尻餅をついて磔ミニチュアの部屋の床に叩きつけられる私達。私はお尻からだけど姉さんは顔から叩きつけられてまた潰れたカエルの様に伸びてしまった。慌てて抱き起し、ぺちぺちと頬に掌で軽くぶって意識を覚醒させる。

 

 

「姉さん、起きて!」

 

「むがっ!?…そうだ、ローズ、無事!?」

 

「なんとかね…」

 

 

 姉さんに両頬を掴まれて顔を近づけさせられる。人形の指で強く掴まれた箇所からちょっと血が滲んでいるけどこれぐらい大丈夫だろう。

 

 

「よかった……ローズに何かあったら私自分が許せなかった。……あんなのがずっとトラウマのままだからこんなのが生まれるんだ。台詞まで再現しやがってからに」

 

「でも姉さん、どうするの?天井のアイツに攻撃する手段が…それに気を抜いたら掴んでくるし」

 

「そりゃあまあ……こっち!」

 

「ええ!?」

 

 

 私の手を掴んで廊下まで突っ走る姉さん。ミアスパイダーはガンガンガンと音を立てながら自身の身体の向きを変えてズダダダダッと突進してくる。そして扉を潜った私達を追って扉を潜ろうとして、にやりと笑って反転した姉さんとミアスパイダーの目が遭った。

 

 

「どりゃー!」

 

「ぷべっ」「ぐぎゃっ」「げはっ」

 

 

 開きっぱなしだった扉を姉さんが蹴り閉めた衝撃で扉を勢いよく叩きつけられたミアスパイダーはバラバラのマネキンのパーツに分かれて磔ミニチュアの部屋に散乱する。扉を利用するなんて姉さんよく思いついたな。

 

 

「今だー!押し付けろー!」

 

「お、おー!」

 

 

 そのままコロコロ転がり逃げて行こうとする頭部をむんずと掴み、私の右手に押し付ける姉さん。すぐにその頭部は崩れて塵と化していき、残りのパーツがひとりでに動いて集まって行こうとする。

 

 

「に!が!す!かー!」

 

 

 しかし姉さんも負けてはいない。指の動きで跳躍して襲いかかってくる腕の群れをちぎっては投げ、ひとりでにピョンピョン跳ねて突撃してくる脚を蹴り飛ばし、コロコロ転がって逃げてた頭部のひとつを掴んで私に投げつけてきた。

 

 

「ローズ、カワイソウ」

 

「っ……私は、可哀想なんかじゃない!」

 

 

 癪に障ることを言ってきたマネキンの頭部を両手でキャッチ、右手を顔面に押し付けて消滅させる。多分本体の顔は後、一つだ!見れば、姉さんの目の前で一人でに組み上がって最初の人型マネキンに戻っているところだった。

 

 

「イソウカイソワカウウソウイソワイソウカイソワカウウウワ」

 

 

 カワイソウ。それだけを言い残し、マネキンはカクカク動きながら扉を開けて廊下を走って逃げて行った。……逃がしちゃった。

 

 

「次出て来たらとっちめてやるんだから!」

 

「……私は、可哀想なんかじゃ……」

 

 

 強く意気込む姉さんだったが、私は心に残り続けるその言葉を否定しようとして、できなかった。…姉さんのトラウマ、私もトラウマになりそうだよ。




今回のミアスパイダーは完全に深夜を廻るゲームのあんちくしょうがモチーフです。オリジナルモンスターはイーサンとエヴリンの記憶から生まれてました。

次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。

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  • 16年後の本編エヴリン30代(ローズ編)
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