BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】 作:放仮ごdz
【挿絵表示】
7編のアサルト・モールデッド(エヴリンが描いた感じ)です。イメージ通りに書いていただき感謝。
今回はハイゼンベルクVSゼウ・ヌーグル。楽しんでいただけると幸いです。
「「待たせたな」?待ってないよお前なんか!」
「だろうな、このセカイでお前に唯一対抗できるかもしれないのが、俺だあ!」
ゼウ・ヌーグルが六枚の翼を広げて放たれる特大の衝撃波に、シャルルが…いや、カールが振りかぶった右手を振るう。瞬間、工場がパーツごとに一瞬でばらけて殺到。巨大な壁を形作って防いでしまう。
「ここは俺のホームグラウンドだ!出来ないことの方が少ないぜ!」
そう言ったカールの頭上に衝撃波で吹き飛ばされた鉄片が組み立てられていき、三機の戦闘機ができあがるとブワッとカールのコートをはためかせながら飛翔。機関銃を乱射しながら爆撃し、巨大な怪物と化したゼウ・ヌーグルに次々と炸裂し炎上する。
「あうー…」
「すっご……こんなに強かったっけマダオ!?」
「ハイゼンベルクの磁場操作が精神世界で際限なく扱えているのか…とんでもないな」
「よそ見をするなイーサン、エヴリン!ローズをしっかり守ってろ!この程度でくたばるようならカミサマは名乗らねえだろうよ!」
「ご明察。そんなもの効かないよ」
瞬間、爆炎の中から六本の黒い触手が天高く伸びて二本ずつで戦闘機を締め付けて粉砕、鉄片を取り込んで爆炎の中に戻って行くと、巨大な六枚の翼が羽ばたかれて炎が消え去る。出てきたのは無傷のゼウ・ヌーグルだ。
「ならこいつはどうだ。
ならばと右掌を天に向け、重い物を持ち上げる様に振り上げると、カールを中心に地面から次々とドリルが飛び出してきてなにかが飛び出してきた。ドリルを装備し機械を全身に取りつけらたゾンビだ。中には両腕にドリルを装備し重装甲に身を包んだ者や、ジェットで空を飛ぶ者、下半身から上がプロペラエンジンだけのやつもいた。
「ゾルダート、数少ない私の支配から逃れた眷属だね?」
「こいつらは支配から脱却する者!ミランダ用の兵器だが今回はテメエへの
「いいよ、相手してあげる。雑魚が束になったところでカミサマには敵わない!」
ドリルを回転させながら突撃していくゾルダート?たちが次々と丸鋸とプロペラエンジンのメカアームで薙ぎ払われていく。あ、上半身プロペラエンジンくんが熱暴走を起こして火炎放射してる…でも衝撃波で散らされて届いてない。ダメだ、勝てない。ゼウ・ヌーグルが強すぎる。今までの敵が比じゃないぐらいバケモノだ。するとカールがこっちまで近づいてきた。
「ちっくしょう、分断された間にこんな小さくされちまって……いや?逆に懐かしいか?」
「またバラバラにしたら殺すぞお前」
「ギャグ言ってる場合じゃないよマダオ!ほらほら、反則パワーで倒しちゃって!」
「悪いなエヴリン。そいつは無理だ。俺の力もアイツの派生、超えることはできねえ。対抗できるだけだ」
「
そんな、最後の希望だったのに…。私達はゼウ・ヌーグルを倒せないでここで終わるのか…。
「だから逆転の発想だ。倒すことが無理なら倒さずに目的を達成しちまえばいい。お前たちさえいなくなり、浄化結晶で力を消すことができればアイツも干渉できなくなり目的を達成できないはずだ」
「そ、そうだ!それだよ!なんか倒すしかないと思って盲点だった!」
「だが浄化結晶は何処にある?第二層にもなかったんだろ?」
父さんの問いかけに、カールは不敵に笑んだ。背後でプロペラエンジンくんが鎌で串刺しにされて爆散した。もう持たない。
「浄化結晶は確かにこの世界にある、だが奥も奥だ。しかもミランダが守ってやがる」
「ミランダが…」
「ああ、ローズを誘き寄せる餌のつもりなんだろうさ。本物を用意するのがアイツらしい。だから、ミランダを倒すのはイーサン、エヴリン。お前らの役目だ。ローズはもう戦えないだろうからな」
そう言って大鎚を肩にかけ、振り返るカール。その視線の先で、最後のゾルダートが衝撃波でぺしゃんこにされ四角い鉄と血肉のスクラップになって転がった。
「肩慣らしにはちょうどよかったけど役不足だね」
「俺の役目はあのカミサマの足止めだ。お前たちはこのセカイの出口を探せ」
「無茶だよ!あんなやつ、一人でだなんて…」
「俺達も手伝って一時的に行動不能にでもできれば…」
「どうやってだ。奴は小手先なんて通じないバケモノだ。力には力で対抗するしかない。安心しろ、奥の手はある」
そう笑って大鎚の柄を地面に突き刺し、ハンドルの様に構えるカールに、破壊されたゾルダートたちの残骸や工場の鉄片が集って行き、竜巻の如く渦を巻く。ガシャガシャガシャと音を立て、竜巻が消えて姿を現したのは、鉄のガラクタで形成された巨大魔人。巨大なキャタピラに乗った巨大な芋虫の様な形状のスクラップの塊から、二本のクレーンアームの様な剛腕を生やした、頭部は巨大なタービンになっている鉄の怪物だった。大きさは、怪物と化したゼウ・ヌーグルの二倍はある。
《「デカブツにはデカブツをぶつける、昔から相場はそう決まっている!」》
「でかけりゃいいってもんじゃないことを教えてあげるよ!」
スピーカーから声を反響させながらメカアームを振るうカールの一撃を、丸鋸で弾き、振りかぶった尻尾の鎌で胴体を斬り裂いて血の様に鉄くずが零れ落ちる。そのままプロペラエンジンの拳が鉄の身体を抉るように砕きながら殴りつけ、蜘蛛脚を忙しなく動かして高速で突撃したゼウ・ヌーグルの体当たりを受けてカールの巨体が吹き飛ばされる。しかし負けじとキャタピラを高速回転させて胴体を横に回転させ、質量による一撃を叩き込むカール。ゼウ・ヌーグルが衝撃波を使ってないからってのもあるけど互角に戦えている。
「今のうちだ!出口を!」
「でもどこ!?ここ、滅茶苦茶広いんだよ!?」
怪獣大決戦が行われている横で、降り注ぐ瓦礫や菌根の欠片を避けながら出口を探す私達。赤ん坊にされた私は父さんに抱えられた状態で忙しなく視線を動かして探すしかない。
バキャアン!
《「クッソが…」》
「
しかし見えた、見えてしまった。視界の端で、本体の腕を竜の腕に変えたゼウ・ヌーグルに胸ぐらを引きちぎられ、その中央にいたカールの胴体を六枚の翼が変形した触手が刺し貫いた光景を。
「認める。お前は私の最初の強敵だ。カミサマの糧になれることを光栄に思って死ぬがいい…!」
「そいつは…死んでもごめんだな!」
口から血を吐きながらも傍に突き刺さっている大鎚を引き抜いて、ゼウ・ヌーグルの顔をぶん殴るカール。しかし届かない、衝撃波で大鎚を包まれて空中に固定されてしまっていた。それを見た父さんと姉さんの動きは、早かった。
「イーサン!回復薬、ある!?」
「あるが一体何を……そうか、あれか!やるんだな!?今…!ここで!」
「うん!勝負は今!ここで決める!」
そう言って父さんは信じられない行動に出た。私を姉さんに預けると、手にしたハンドガンで自らの腹部を撃ち抜いたのだ。
「
「ぐう…!?」
「力が戻ってるなら……あの時の感覚を、もう一度!」
そのまま回復薬をぶっかける父さんの傷口に、今度は私を左手で抱えたまま右手をかざす姉さん。すると不思議なことが起こった。父さんの傷口から黒いドロドロが溢れだして、私達ごと父さんを包み込んだのだ。あまりの出来事に目を白黒させつつ真っ黒な視界を見つめていると、視界が急に開けてさっきよりも高い視線でゼウ・ヌーグルとカールを見上げていた。
「久々だね、この感覚!」
「ああ、だがなんか妙な感じが…」
「え、なに!?なんなのこれ!?って私喋れる!?」
「あれえ!?ローズまで一緒になっちゃった!でもなんだろう、力がみなぎる!」
「ローズの力も合わさっているのか…!色も違うぞ!」
そう父さんが言って勝手に動いた私の腕は、異形のものに変わっていた。白い、丸太の様な腕。指先は尖っていて鉄でも引き裂けそうだ。下を見れば筋骨隆々な巨人の白い身体がそこにあって、穴ぼこだらけのそれは菌核を想起させた。視界の端のプロペラエンジンくんだったオイル溜まりに、白く筋骨隆々で牙がッ生え揃ったオレンジ色の瞳の巨人が映った。…私たち、合体して怪物になったってこと…!?
「え、なにそれ。……なにそれ?」
「クハハッ、どこまで俺の言うことを聞かないんだお前らは…!」
「力には力なんだろう、ハイゼンベルク。ならこいつはどうだ!」
「名付けてモールデッド・ギガントR!Rはローズとかリベンジとかリターンズとかそんな意味!」
「…カール!今助けるから、待っててね!」
そして私達は跳躍。拳を構えて絶句しているゼウ・ヌーグルの顔面に振り下ろした。
「「「ファミリーパンチ!」」」
「なめるなあ!」
放たれた衝撃波の壁と激突。カールを投げだしメカアームを地面につけて四つん這いで睨んでくるゼウ・ヌーグルと睨み合う。…倒せるかはわからないけど、やるしかない!
ハイゼンベルク編で登場した巨大魔人に、パワーアップして再登場モールデッド・ギガント。ローズも加わったことでフューマー見たく白く強化されました。
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
どのエヴリンが好き?
-
本編の幻影エヴリン
-
原作エヴリン
-
エヴァ(もう一人のエヴリン)
-
アナザーエヴリン(純粋)
-
アナザーエヴリン(悪堕ち)
-
アナザーエヴリン(改心)
-
真エヴリン(7編の老婆エヴリン)
-
16年後の本編エヴリン30代(ローズ編)