BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】 作:放仮ごdz
今回はローズ、イーサン、エヴリン、ハイゼンベルクVSゼウ・ヌーグル。楽しんでいただけると幸いです。
衝撃波を拳で貫き、連打。連打。連打連打連打。ゼウ・ヌーグルの巨体を殴りつけて行く。
「「「うおおおおおおっ!」」」
「私の改変が通じない?ローズの力で跳ねのけているのか!」
ゼウ・ヌーグルは本体の両手を私にかざしていたが、赤ん坊にでも戻そうとしたのかそれが効かないことに気付くとメカアームを叩きつけてくる。裏拳でプロペラエンジンを粉砕し、右手で丸鋸を鷲掴みにしてぺしゃんこにする。そのままアッパーで魚の頭を殴り飛ばし、魚の口から飛び出していたゼウ・ヌーグル本体が六枚の翼を広げてたまらず飛び出した。
「私の改変が通じないなら通じないなりに戦い方はある!」
空中に浮かび上がり、ぐぐぐっと目に見える程衝撃波を溜めて集束させていくゼウ・ヌーグル。同時に魚の顔と死神の鎌を尾に持つ蜘蛛脚の竜が蜷局を撒いて襲いかかって来て、なんとか殴り飛ばす。
「息を吸うように独立稼働するな!」
「あれを撃たせたら不味いぞ!」
「私の力で止める!」
襲いかかってくる黒カビの竜に右手をかざす。すると竜は白く輝いて身動きを止め、崩れて行く。そこにゴリラの様に四つん這いになって突進、ラグビーの様な体当たりを仕掛けて粉砕する。
「まるで怪獣だね。吹っ飛べ」
すると高みの見物をしていたゼウ・ヌーグルが右手の一指し指の先に集束させた衝撃波の塊を発射。周囲の空気を吸い込んで竜巻の様になったそれが渦を巻いて迫る。
「させねえよ!」
そこに割り込む、カールがいるコクピット(?)が丸出しの巨大魔人。背中で衝撃波の玉を受け止め、カールが脱出した瞬間まるで押し潰されるように粉々に粉砕される。あんなの喰らったら死んでいた。
「よくも邪魔をしてくれたな!」
「殺させるかよ、こいつらには借りがあるんだ!そらよ!」
両手をかざすと粉々に砕け散った巨大魔人だった鉄片が全て浮かび上がり、ゼウ・ヌーグルに殺到する。ゼウ・ヌーグルは両手を振るって衝撃波で散らすが、散らしたものまでカールの磁力に引っかかって再度押し寄せ、人型のスクラップの様な形で固められて落ちてきたゼウ・ヌーグルに突撃し拳を振りかぶる。
「「「ファミリーパンチ!」」」
「身動きを止めれば勝てると思った?」
しかしすぐに拘束は内側から放出された衝撃波で崩され、拳とぶつかり弾ける。ダメだ、私の力で覆っていても衝撃波までは崩せない。あくまでアイツの干渉を避けれるだけだ。
「なら!」
「原始的に行こう!」
「え?っ…!?」
グググッと構えると右手を伸ばし、ゼウ・ヌーグルの手を掴んで腕の長さを戻して引っ張ってくると成人女性にも及ばない体躯を振り回し、地面に何度も何度も叩きつける。さすがに効いたのか初めて余裕が崩れて苦悶の表情を浮かべるゼウ・ヌーグル。すぐに衝撃波を放って抜け出し、空中に舞い上がる。
「カミサマが遊んでやったらつけあがるなんて…もう怒ったぞ」
そう言って両手をちゃぶ台返しでもするかのように動かすと、地響きが起こった。切り立った崖の上にある、すぐ下には川が流れている土地が、文字通り傾いて行く。鉄片や工場の残骸が川に落下していくのを見てぞっとする。ゼウ・ヌーグルの手の動きに連動して世界そのものが動いて、工場の土地だけ傾いているのだ。
「そんなことまでできるの…!?」
「反則!反則だって!」
「完全に足場が無くなる前に倒す!」
「足場を作る!行け!ウィンターズ!」
右手の鍵爪を地面に突き刺して耐えていると大鎚を地面に突き刺して柄を右手で掴んでぶら下がったカールが左手をかざし、鉄片を操って空中のゼウ・ヌーグルにまで続く簡易的な階段を形成。私達は勢いをつけて右手だけの力で巨体を跳躍。乗ると崩れて行く階段を走って空中を駆け抜けて行く。
「ゼウ・ヌーグルぅううううう!」
「しつこい」
すると左手は何かを引っくり返すように掬い上げる形のまま、右手を背後…川の向こうにかざすゼウ・ヌーグル。すると土石流でも迫るかの様な轟音と共に、向こうに少しだけ見えていた「村」が押し寄せてきた。
「え、なになになに!?」
「この村は私の土壌。例え現実でも自在に動かせる。言うなれば…
広がった菌根の黒い津波が村の家屋を粉砕しその残骸すら取り込んで肥大化していき生まれたのは、村そのものの巨人とも言うべき怪物。全身から放った触手を両手の鍵爪で引き裂き、掌を向けて白化させて崩れさせていくが圧倒的な質量に間に合わない。最後には濁流の様に迫る巨大な拳をカールごと受けてしまった私達は、そのまま踏ん張れずに落下。川に落ちてしまう。
「「「「うわぁあああああああ!?」」」」
「偶然出口に落ちるなんて運がいいねえ。マザー・ミランダによろしくね?」
そんな声を聞きがら巨躯をじたばたと振り回す私達。しかし抵抗虚しく、窓がいくつも見える水の中を落ちて行く。第二層に来た時と同じだ。そして、私の意識は暗転した。
「…はっ!」
雪の上で目を覚ます。手を見る。赤ん坊でも、異形でもない。元の私だ。周りを見れば、父さん、姉さん、カール…みんな雪の上に転がっていた。
「起きて、父さん!しっかりして、姉さん!生きてるよね、カール!?」
「ぐう……」
「まさかあんなに強いなんて…」
「ミランダ以上のバケモノだったな…」
「よかった…みんな無事で」
立ち上がり、ずれていた帽子をかぶり直す。…ここは、どこ?辺りを見渡していると、大鎚を杖代わりにしながら立ち上がったカールが帽子とサングラスの位置を直しながら口を開いた。
「多分村のどこかだ。アイツの言うことが本当なら恐らく最下層…ミランダがいるはずだ」
「カール…シャルルとして私達を助けてくれていたんだね。でもなんで…」
「ファーストネームで呼ばれるのはこそばゆいな。…ローズ、俺はお前に借りがある。こんなところに閉じ込められて荒んでいたが、ほっとけるわけがなかったのさ。まあこの二人がいるなら心配いらねえとは思ったがな」
「ううん、そんなことない…シャルルが、カールがいなかったらどうしようもなかったところがいくつもあった」
「そうか…お前の役に立っていたか、ならよかった」
「マダオ、ローズには甘いね」
「お前の呼び方を改めればちょっとは考えてやるよ」
そんなことを話しながら一本道の先を進む。父さんがハンドガンを手に先導、私と姉さんが続き、カールが殿をするという配置だ。
「…ここは、村の入り口だ。俺とエヴリンはここからこの村に来た」
「なんでそんなことがわかるの?」
「…ちょっと違うがこの光景を見たことがあるからさ」
そう言って父さんが示したのは、異様な光景。天井から黒い液体が滝の様に零れ落ち、皆既日食の如く曇天に輝く黒き太陽からも溢れだすように黒い液体が零れ落ちている。ここが菌根の世界の、最下層…。
「…あの太陽、まさに黒き神って感じだね。アイツ…どうなったのかな」
「倒せてはいないからな。案外、また見ていたりするかもな」
「だとしたら気にしても無駄だ。放っといて脱出を目指すしかねえ」
「…ゼウ・ヌーグル、勝てる気がしなかった」
正直言ってぼんやりとしか覚えていない上に一切顔を見せないマザー・ミランダなんかよりゼウ・ヌーグルの方が脅威としか思えない。カールの巨大魔人に、私達もモールデッド・ギガントR。切札級の力を使ったのに、傷らしい傷を与えることもできなかった。あんなバケモノが私の身体を使って現実に出てこようとしているなんて……まだ、私の心は折れている。心のどこかで現実に帰りたくないと叫んでいる。アイツに取り込まれたら、楽になれるのかな……。
「ローズ?」
「ううん、なんでもない」
…いや、姉さんが諦めないと言ったんだ。父さんも、カールも私を元の世界に戻すために死力を尽くしている。今はとにかく前を向こう。
ダメージらしいダメージを与えることなく、見逃される形で難を逃れるローズたち。パーティーにハイゼンベルクが加わり、ミランダとの決戦へ。
・モールデッド・ギガントR
イーサン、エヴリンに加えてローズも合体した白いモールデッド・ギガント。ローズの力でゼウ・ヌーグルの改変を逃れることができる。
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
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