BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】   作:放仮ごdz

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どうも、放仮ごです。いつぞやのミランダ戦並みのネタバレタイトル。

今回はラスボス戦、ゼウ・ヌーグル(本性)。楽しんでいただけると幸いです。


ダイブⅢⅩⅢ【全滅】

フフフッ…黒き神としての力を見せてあげるわ。大人しく取り込まれなさい。それでハッピー、エンドよ

 

 

 ミランダを食い破り、それを生贄にしたかの如き神々しい姿で現れたゼウ・ヌーグル。中指だけを立てた右手を掲げ、中指をクイクイッと動かす。挑発行為かと思ったが違った。それだけで、地面が鳴動してスライドして私達四人は奴の目の前に移動させられたのだ。三メートル以上の巨体の威圧感が凄い。

 

 

「なっ…!?」

 

「好都合だ!喰らえ!」

 

なにかしたかしら?

 

 

 近づいたのを利用してショットガンをぶちかます父さんだったが、手を高速で動かして弾丸を全て受け止めパラパラと捨てるゼウ・ヌーグル。そんな、弾丸が通じない…!?

 

 

「なら頭を潰せばどうだ!」

 

物騒ね。私の方が物騒だけど

 

 

 カールが大鎚を叩きつけるが、右手が黒領域に包まれて変形した斧で受け止めるゼウ・ヌーグル。さらに左手をカールの胴体に突きつけたかと思えば黒領域に包まれ剣に変形、串刺しにしてしまった。

 

 

「がはっ…」

 

「カール!?」

 

「これならどうだ!衝撃波パンチ!」

 

 

 崩れ落ちるカールを庇うように立った姉さんが、ゼウ・ヌーグルを参考にしたのか衝撃波を集束させた右拳をゼウ・ヌーグルの胴体に叩きつけると衝撃波が背中まで突き抜け、両腕の黒領域を解除しながら宙に吹き飛ぶ巨体。

 

 

「クソデカオバサンみたいな体躯でも効くよね!」

 

私以外だったら即死だったかも?

 

 

 しかし背中から六枚の黒い巨大な翼を生やしたゼウ・ヌーグルは空中で体勢を整え滞空しながらお腹を擦る。まるで効いてない、嘘でしょ!?

 

 

このセカイでは精神の強さが力に直結する。万人の記憶を有した私の力に敵う者は存在しないわ。例えローズでもね?

 

 

 そう言って翼の間から複数の触手を生やし、その先端から針のような弾丸を掃射するゼウ・ヌーグル。逃げ惑う私達のいた場所に炸裂した弾丸が地面をえぐる。あんな威力、まともに受けたら不味い。

 

 

逃がさないわ

 

 

 右腕を黒い鉤爪のついた長手袋状に変貌させ、自在に伸ばしてくるゼウ・ヌーグルに胸ぐらを掴まれて背中から地面に叩きつけられる。そこに針状の弾丸が撃ち込まれ、衝撃に悶える。不味い、足と腹部をやられた。動けない。

 

 

「娘から離れろ!」

 

フフフッ……。このセカイに出口は存在しないのだからゆっくりやりましょう?

 

 

 ショットガンを乱射しながら突撃してくる父さんに、手を放して翼と触手を消して地面にふわりと着地するゼウ・ヌーグル。横から鉄片がものすごい速度で襲いかかるが、左手を軽く振るっただけで衝撃波で散らされる。腹部から血を流したカールが舌打ちした。

 

 

カミサマ相手に必死の抵抗。涙が出てくるわ

 

「お前の様な神がいてたまるか!エヴリン!」

 

「よし来た!ぶちかます!」

 

「てめえは神じゃねえ、ただのバケモノだ!」

 

 

 父さんが姉さんに呼びかけ右手を振りかぶると漆黒な異形の拳に変貌。カールも磁力で操った大鎚を振りかぶり、さらに姉さんも衝撃波を纏った右拳を振りかぶり、ゼウ・ヌーグルを三方向から挟み撃ちにする。

 

 

フィジカルがお好み?

 

 

 そう言ったゼウ・ヌーグルが再度右腕を黒い鉤爪のついた長手袋状に変貌させ、長く伸ばして殴り飛ばして返り討ちにされる父さん、姉さん、カール。隙だらけのそこに、咄嗟に右手の「力」を送り込む。

 

 

「これなら…!」

 

狙いはいいけど、ダーメ♥

 

「っ!?あぐっ!?あああああああああっ!?」

 

 

 しかしゼウ・ヌーグルの指パッチンと共に突如襲った激痛に集中力が切れてしまう。体の中で何かが蠢いている。痛い、気持ち悪い、怖い。見れば、針の弾丸を撃ち込まれた箇所が不気味に蠢いていた。さっき撃ち込んだ弾丸で私に寄生している!?

 

 

「やめて、やめてぇええええええ!?」

 

「ローズ!?」

 

「畜生、さっきのか!」

 

「お前え!」

 

あんまり楽しくないわね。いいわ許してあげる

 

 

 そう言ってゼウ・ヌーグルが飛びかかってきた姉さんを左手で押さえながら異形の右手で指パッチンすると体の中で蠢いていた触手が消えた感覚を感じた。なんで、と疑問の顔を向けるとゼウ・ヌーグルは怪しく嗤った。

 

 

カミサマは慈悲深いのよ。傷も治してあげたわ。力の差を感じたなら降参なさい

 

「だ、誰が…!」

 

 

 駄目だ、勝てる気がしない。傷つけるも治すも思うがままだなんて、本当に神様みたいな・・・。

 

 

「イーサン!ローズ!合体だ!それしかない!」

 

「で、でもこんなやつにどう戦えば…」

 

「だがコイツ相手に自傷行為は自殺行為…」

 

あら?合体したいの?手伝ってあげるわ

 

「ぐっ!?」

 

 

 剣状に変形したゼウ・ヌーグルの右手が父さんの腹部を刺し貫く。父さんは激痛に顔をしかめながらも回復薬を腹部に垂れ流し、姉さんが手をかざして私達はモールデッド・ギガントRに変身する。

 

 

「こいつを受け取れ!」

 

「「「うおおおおおっ!」」」

 

 

 カールから投げ渡された大鎚に私の力を集中させて振り上げ、突進して勢いよく振り下ろすがゼウ・ヌーグルは斧に変形させた右腕で受け止め、背中から鋭い触手を伸ばして全身を突き刺してきた。

 

 

「があっ!?」

 

「そんな…効いてない!?」

 

「こ、これ不味い…引き剥がされる!?」

 

 

 瞬間、モールデッド・ギガントRから姉さんが触手に掴まり引きずり出されて持ち上げられる。モールデッド・ギガントRの変身が解けながら、咄嗟に手を伸ばす。

 

 

「この、放せ!」

 

私の目の前で私の力を使うなんて目障りね。没収させてもらうわ

 

 

 衝撃波を放って抵抗する姉さんだったがゼウ・ヌーグルは意にも介さない。右手を黒領域に包むとあるものを取り出し、それ…浄化結晶を姉さんの胸部に押し付けた。

 

 

「浄化結晶…!?」

 

「ま、まさかそれって……うあああああああああああっ!?」

 

 

 すると触手で縛られた姉さんの身体がパワーアップした時の様に急成長して行ったかと思えば急激に老化、力なく崩れ落ちた姉さんが触手から投げ捨てられるのを受け止める。枯れ枝の様に軽かった。

 

 

「エヴリン!?エヴリン、しっかりしろ!」

 

「姉さんに何をしたの…!?」

 

浄化結晶ってのはね。力を消すものじゃないの。菌根、つまり私に力を返却するための装置なの。エヴリンの力は全て返してもらったわ。そこにいるのは残り粕よ

 

「ロー……ズ、逃げ…て……」

 

「姉さん!?姉さん!!」

 

 

 老婆のようになった姉さんが、最期まで私を案じて崩れ落ち、白化し塵となって消滅する。あまりの出来事に、呆然として姉さんの欠片を掴むが、するりと抜けて空中に溶けて行ってしまった。

 

 

「よくも、俺の家族を…!」

 

「待てイーサン!ここは退却だ!」

 

あら、釣れないわね。貴方も後を追う?

 

「があ!?」

 

 

 怒り狂った父さんが突進するも、ゼウ・ヌーグルの姿が掻き消えたかと思えば父さんを制止しようとしていたカールの背後に出現、背中から剣と化した右腕で左胸を刺し貫いてしまう。

 

 

「カール!」

 

油断したわね。エヴリンを殺されて動揺でもしたかしら?

 

「ちっくしょう……」

 

 

 咄嗟に右腕を向けるも「力」は払いのけられ、そのままゼウ・ヌーグルに浄化結晶を押し付けられて吸い込まれるようにして消滅するカール。その手から零れ落ちた大鎚を拾い上げながら走る人間がいた。父さんだ。

 

 

「殺す…!」

 

あら?

 

 

 ぐしゃりと、あっけない声を上げてゼウ・ヌーグルの頭部から体まで一息に粉砕される。黒い液体となって飛び散るゼウ・ヌーグルの中心で、父さんは荒い息を吐きながら天を仰ぐ。

 

 

「終わったぞ、エヴリン……ローズは無事だ」

 

「やった、の…?」

 

 

 信じられない。こんなにあっけなく……でも、姉さんとカールが…。…そうだ、浄化結晶。あれを壊せば二人を取り戻せるかも……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

希望は持てた?

 

「「!?」」

 

 

 ズズズズッ!と黒い液体が動き出して父さんの背後に集まりゼウ・ヌーグルの姿を取ると、その巨体で父さんにハグ。したかと思えばドロドロと溶けて父さんを取り込んで行ってしまう。そんな、いやだ。いやだ。飛び出し、手を伸ばす。届いて…!

 

 

「父さん!」

 

「……くそっ、そんな顔にさせるなんて……父親失格だな」

 

 

 しかし伸ばした手は液体を擦り抜けるだけで、父さんは完全にゼウ・ヌーグルに取り込まれてしまった。

 

 

「……やだ。やだ!やだ!やだやだやだ!」

 

どうだったかしら。騙し弄ぶ……私からの絶望は

 

 

 なにも見たくないとばかりに頭を抱えて蹲る。それを巨体で見下ろし、悪魔は心底愉しそうに嗤っていて。…………私達は、全滅した。




まさかの全滅。強すぎるゼウ・ヌーグル相手に、唯一残されたローズに希望はあるのか…?

・ゼウ・ヌーグル(本性)
ローズ編のラスボス。エヴリンを元にした先の姿と異なり女神然としたゼウ・ヌーグルがデザインした「本来の姿」。ドミトレスクの巨体、ドナの黒衣、ミランダの翼など菌根と繋がっていた女性を元にした女神の如き姿。精神の強さが反映される菌根の世界では数多の記憶から生まれたアドバンテージは高く、その強さは無敵と言っていいほど。特に菌根関連の能力者は浄化結晶で瞬く間に力を奪い取ってしまうため勝ち目がない。
 モデルは仮面ライダーゼロワンに登場する悪意の化身、仮面ライダーアークゼロ。戦闘スタイルのモチーフはモールデッド・ギガントのモデルであるヴェノムの対となるキャラ・カーネイジ。

次回、最後の希望登場。次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。

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  • 16年後の本編エヴリン30代(ローズ編)
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