BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】 作:放仮ごdz
今回は当初の構想であったリベレーションズ2のラストをモデルにした最悪の結末。公式さん、リベレーションズシリーズの続編まだですか。ナタリアもすっかり大人になってるぐらい年月過ぎましたね…。それはともかく、楽しんでいただけたら幸いです。
目覚める。研究室の床で横になっていた己の身体を起こして、右手を見やる。根の様な文様が黒く輝いて力の存在を誇示している。
「んんんっ……いい気分ね」
伸びをする。パキポキ、と動かして無かったからか音がする。心地よい。やはり肉体というのはいいものだ。立ち上がり、研究室を後にする。紅葉の舞い散る道を歩いて行く。うーん、綺麗だ。あのモノクロの世界とは大違い。
「母さんを心配させるわけにもいかないし早く帰らないとね」
バスに乗り、流れて行く光景を見ながらルンルン気分で帰路につく。自宅に辿り着き、料理をしていた母親…ミア・ウィンターズに歩み寄って嗜虐的な笑みを浮かべる。ローズでは決してしない顔だ。
「ただいま、母さん」
「おかえりローズ。遅かったわね。…あら?イーサンとエヴリンは?」
「…二人なら、死んだ。貴女も同じ道を辿るわ」
「え?」
料理をしたまま振り返り、一瞬呆けた隙を見逃さなかった。ローズの顔をモールデッドのものに変貌させて口を大きく開き、ミアにかぶりつく。上半身を噛み千切られたミアの下半身が膝をついて崩れ落ち、鮮血で床を濡らす。綺麗な赤だ。今の私に流れているのはこれと同じものか、それとも…?
「まさか貴女の娘が黒き神の器として生まれ変わったなんて夢にも思わなかったみたいね?
顔をローズのものに戻して舌なめずり。お腹を擦りながら、ローズの肉体を急激に成長させて最適化させていく。
「私の力を全部取り込んで勝ったつもりだったんでしょうけど、私そのものを取り込むことと同義だと気づかなかったのが貴女の敗因よローズ」
背は成人男性よりも高く、地母神であることを表すように胸とお尻は大きく、腰は細く、手足も長く。服は男っぽい…というかイーサンから譲り受けたものを変容させて扇情的な黒いドレスに。髪を純白に染め上げて地面につくほど伸ばし、瞳は血のように紅くツリ目に。ローズの面影を残しつつ、私の理想の姿に変貌した我が身を見下ろし満足げに頷く。
「
今の大きな我が身には狭い扉を破壊しながら外に出る。突如現れた神々しい巨体に圧倒され、我先にと逃げ出す人間たち。私は背中から六枚の黒い翼を生やし、幾重もの触手に枝分かれさせて逃げる人間たちの背中から貫き、ボゴォと膨れ上がった菌根の触手に取り込んで捕食していく。これが生の、新鮮な血肉と記憶…なんて甘美で美味なのかしら。癖になりそう。
「あら、今さら来たの。遅かったわね」
「ローズ…なのか?いや…お前は何者だ!」
町の中を意気揚々と歩く私の前に立ちはだかる戦闘服の連中がいた。16年前、私の肉体を爆破した忌々しい猟犬どもだ。そのリーダー格の困惑の混じった問いかけに、私は猟奇的に笑う。
「失礼ね。この体は間違いなくローズのものよ。私は
「ローズ…なんてこった、なんでこんなことに…」
「ケイナイン、嘆いている暇はないぞ!ハウンドウルフ、撃て!ここでやつを止めないととんでもないことになる!」
「そうね。せっかく現実に出てこれたんだし…世界の全てを味わおうかしら。前菜は、貴方たちよ!」
もう、私を止められるものはどこにもいない。寂しいことね。整列し、アサルトライフルの銃弾を私に向けて掃射するハウンドウルフの攻撃を、六枚の翼を閉じて全身を覆う様に広げることで雨傘が雫を弾くように防ぐ。せっかく手に入れた体を無闇に傷つかせるわけにはいかないわ。でも、そんないっせいに撃って、同じ銃だったなら……弾切れの時間も揃うわよね?
「隊長、弾切れです!通じません!」
「構えろ、来るぞ!」
「遅いわね!」
六枚の翼を広げて飛翔し、滑空。左腕を変形させた斧を振るって一人の上半身をえぐりとるようにして喰らい、その横にいた一人は左腕を変形させたブーケから伸ばした茨の鞭で拘束してブーケに引きずり込むようにして、取り込む。頭さえ喰らえば記憶を取り込めるからそれ以外はどうでもいいのだけど…美味だからついつい一緒に食べちゃうわね。
「速い…!?」
「く、来るなあ!?」
「逃げても無駄よ」
背を向けて逃げ出そうとしたやつを、右手を伸ばして後頭部を掴んで、家屋の壁に押し付けてぐちゃりと潰した血肉を取り込む。私の存在を恐怖を感じて逃げるなんて見所あるわね。
「この、化け物め!」
「残念」
勇敢にもマガジンを換えて至近距離で撃ってきたやつの攻撃を衝撃波のバリアで受け止め、左手の指を動かし弾丸ごと押し付けて蜂の巣になって崩れ落ちた女を左手が変形したモールデッドの顔で貪り喰らうと、その光景に呆気にとられていた奴にも右手を伸ばして、掌に開いた鋭い牙の生え揃った口で顔に吸い付き踠くのを記憶ごと引きずり込むように丸呑みにする。ああ、貴方がケイナイン。ローズを引きずり込むために利用された男がそのローズの体に引きずり込まれて死ぬなんて皮肉ね。
「あとは貴方だけよ。クリス・レッドフィールド」
「俺の部下を……よくも!」
アサルトライフルが効かないと悟ったのかハンドガンを構え、一発ずつ、的確に額、腎臓、右肩、肝臓、手首、膝、鳩尾、脛、心臓とぶち当ててくるクリス。人間なら効いたのだろうけど、生憎と私は人とは異なるカミサマだ。すぐに傷が再生していく光景を見て苦々しく顔を歪ませるのは実に滑稽だった。
「託された女の子の急所に容赦なく攻撃するなんて鬼かなにか?」
「どの口が言う、化け物め…!」
「化け物とはご挨拶ね。私はカミサマよ」
ハンドガンをしまいショットガンを取り出し、乱射してくるクリスの攻撃を、衝撃波で真正面から受け止めながら歩み寄り、ショットガンの銃身を握りしめ侵食させ菌根まみれにする。これでもう使えない。
「なめるな!」
そこにショットガンを投げ捨てたクリスのストレートパンチが胴体に突き刺さり、殴り飛ばされる。なんて馬鹿力。だけど効かない。物理攻撃では私は倒せない。
「くそっ…」
「御愁傷様!」
距離をとろうとするクリスの首を伸ばした右腕で掴んで持ち上げ、菌根を侵食させて全身に這わせて蠢かせると激痛でその額に脂汗が浮かんだ。
「ぐああっ…!?」
「貴方は生かしたまま私の奴隷にしてあげるわ」
そうして手を放すと、菌根に完全に侵食され記憶と共に人格を奪われてガタイのいいモールデッドとなったかつての英雄は、私に付き従い人々を襲い始めた。私も研究室に保管されていた欠片に栄養を送り肥大化させた菌根を操り、街を呑み込んでいく。
「心地いい悲鳴ね…もっと聴かせなさい。これこそ生の実感!私はたしかに、現実に生きている!…味わなくちゃ損よね、全てを喰らって平らげてあげる。さあ人類、終わりの始まりよ」
それから3日後、黒き神の下に人類は滅亡した。
バッドエンドルートその一:ローズが吸収していた「力」に紛れてゼウ・ヌーグルの自我まで取り込んでいたら、でした。構想当初はミアの呼びかけに答えて怪しく嗤うローズで締める予定でした。
次回はゼウ・ヌーグル完全勝利ルート。そのあとハッピーエンドルートです。次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
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