BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】   作:放仮ごdz

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どうも、放仮ごです。だいぶ端折ってついにドミトレスク城編クライマックスとなります。原作の戦いも好きですが決戦と言えば熱い展開じゃないとね。

今回はVS変異ドミトレスク。楽しんでいただけると幸いです。


第十五話‐Dragon bastar【空中大決戦】‐

 探索の途中で立ち寄った屋根裏部屋でスナイパーライフルを見つけ、古今東西の毒が塗られた「死花の短剣」なる中世の品が城のどこかにあるという文書を見つけた俺達。三姉妹を倒されて怒髪天のドミトレスクの追跡を避けつつ地図を見ながら行ったことのない城の各地で数々の仕掛けを解き、石仮面を全て集め終えた俺は広間に戻ってきて全ての彫像に仮面をはめこんでいた。

 

 

「よし、これで先に進めるはずだ」

 

『死花の短剣は見つからなかったね』

 

「いや、こんな厳重な仕掛けだ。この先にあると考えてよさそうだぞ」

 

 

 大扉が開き、開くとそこは外で。城の外壁に当たる部分らしく、目の前には聳え立つ塔があった。凍てつく風にエヴリンが震える。

 

 

『さ、寒い…こんなところにあるのかなあ』

 

「塔の中を探すぞ。ドミトレスクが来ないことを祈ろう」

 

『さすがに仮面全部をはめたことには気付くんじゃないかなあ…』

 

 

 塔の中に入ると教会の様な場所で。一番奥に棺のようなものがあったので近づき、開けてみると、何者かの死体が大事そうに特徴的な鋭利な形の短剣を抱えていた。死体の手をどかして手に取る。これが死花の短剣か。すると背後からエヴリンの焦った様な警告の声が響く。

 

 

『イーサン!』

 

「がっ!?」

 

 

 振り向くより前に、短剣を握った手を掴まれ無理やり振り返させられると、そこにはドミトレスクが憤怒の表情を浮かべて俺の手を捻り上げており、右手の鋭い爪を俺の腹部に突き刺してきた。

 

 

「お前のせいで全てが台無しよ!」

 

「がああああ!?」

 

『イーサン!イーサンから離れろ、クソデカオバサン!』

 

「もう挑発には乗らないわよ、お嬢ちゃん。このまま串刺しにして血を搾り取ってやる!」

 

 

 突き刺したまま持ち上げられるが、短剣を握った右手が奴の左手から解放されたことに気付き、渾身の力で脇腹に突き刺した。

 

 

『やったか?』

 

「アァァァァア!?…このぉ!」

 

 

 悲鳴を上げ、目を赤く血走らせながら左手で俺の首を掴むドミトレスク。そのまま窓に投げつけ、爪から解放された俺は外に投げ出されてしまうも、短剣は強く握りしめて、腰のベルトに挿し込んだ。これはまだ使えそうだ。

 

 

『イーサン、クソデカオバサンの様子が!』

 

「なに?」

 

 

 エヴリンに言われて視線を向けると、苦しみ悶えながら体を変形させていくドミトレスクの姿が。竜の様な巨大な翼が生え、スカートの下の下半身が異常に膨らんで蜥蜴の様な四肢と尻尾、異形の巨大な頭部が飛び出し、横の壁を突き破ってその姿を現した。…おいおいマジかよ。

 

 

「ドラゴンだと…!?」

 

『わー!うちのジャックの変異よりかっこいい!ずるい!クソデカオバサンの癖に!』

 

「私はお姉さんよォオオオオオオオ!!」

 

 

 両腕を失い全身白くなり背中から触手を伸ばし、辛うじて女性と分かるシルエットの上半身になったドミトレスクが吠える。カビのおかげか突き刺された腹はもう痛まないが、こいつは冗談じゃないぞ。

 

 

「その肉も…骨も…その体すべて貪り喰ってやるわ!」

 

「ぐあっ…」

 

『イーサンが飛んだー!?』

 

 

 ドミトレスクは羽ばたいて飛翔、大きく距離を開けると突進してきてその巨大な前足で体を掴まれ、持っていかれる。くそっ、これじゃ武器が使えない…!

 

 

「血が足りない…血を!もっと血を!さっさとその肉を喰わせなあ!」

 

『イーサン!こうなったら、あんまりなりたくないけど奥の手だあああああ!』

 

 

 すると置いて行かれたエヴリンの方で動きがあった。エヴリンの姿が黒い液体の様になって溶けたかと思うとその場に黒いカビ溜まりを形成。顔が形成されると首が伸びる様にして異形の怪物が空に飛びだした。あれは、俺がエヴリンを殺した時の…暴走形態の姿か!?

 

 

「な、なに!?」

 

『イーサンを離せぇええええ!』

 

 

 俺を捕まえた白い異形の竜と、野太い声で吠える異形の黒い怪物が空中で壮絶な追いかけっこを繰り広げる。首が伸びる顔面の様なエヴリンは触手を伸ばしてドミトレスクを追い込んでいき、物理判定があると思い込んでいるのかドミトレスクは必死に回避。追い詰められて城の塔の一つに降り立ち、俺を投げ出した。

 

 

「運のいい男ね、イーサン!」

 

「がはっ…クソッたれ。やっと中身に見合う姿になったようだな、この化け物が!」

 

「私よりもあっちの方が化け物よ!なに、あの、怪物!」

 

「アイツは俺の家族だ。今のお前の姿よりは愛おしいね!」

 

「アーハッハッハ!戯言を!この手で嬲り殺してやるわ!」

 

 

 俺の言葉に激昂して襲いかかろうとしてきたので、背中にかけていたスナイパーライフルをスコープを覗かずに銃口を向けて引き金を引き、重い一撃を口のど真ん中にブチ当てる。すると悲鳴を上げて飛び立つドミトレスク。しかし上空から暴走形態の姿のエヴリンが迫っていたので逃れる様に離脱。今のうちに戦える場所を目指す。

 

 

「クソッ、一体なんだってのよあの餓鬼!子供かと思えば怪物にまでなるなんて……まるで私達四貴族の様な…いずれにせよ、ミランダ様の他に私のこの姿を見たのはお前たちだけよ!レディの素顔を見た罪を償いなさい!」

 

「『断る!』」

 

「ムカつくほど仲がいいわね…!イーサン・ウィンターズ!お前を滅ぼしてやる!お前だけは決して許してなるものか!」

 

 

 エヴリンから逃れる様に飛びながら蟲の群れを呼び出して俺に嗾けてくるドミトレスク。二丁拳銃で迎え撃ち、逃げながら撃ち抜いて行く。

 

 

『好き勝手に動かさせないんだから!』

 

「私から全てを奪い取るつもりなのかい!?お前の腹を斬り裂いてその腸をぶちまけてやるわ!」

 

「先に奪ったのはお前らだ!俺の娘を、村人たちの命を!どうこう言われる謂れはない!お前の、血の繋がってない娘たちを殺したのは悪いと思っているがな!」

 

 

 蟲を全部撃ち落としながらそう叫ぶと、エヴリンに追い込まれるようにしてこちらに大口を開けて突っ込んでくるドミトレスク。冷静にスナイパーライフルを構え、ドミトレスクの頭部に照準を向けて引き金を引く。

 

 

「ぐう!?後悔してももう遅いのよ!喰ってやる!お前を喰ってやるわ!」

 

「っ!」

 

 

 三発撃ち込むと、やみくもに突進してきたのでライフルを背中に戻しつつ全速力で後ろにダッシュ。しかしついに追い詰められてしまう。なにか…何か手は!?

 

 

「もう逃がさない!お前をグチャグチャに潰してやるわ!」

 

「そうだ、エヴリン!俺の四肢を、あの素早い奴のに変えれるか!?」

 

『わかった!えっとたしか…クイック・モールデッド!』

 

 

 エヴリンに呼びかけると、姿を変えた状態で力の行使はできないのか元の姿に戻って俺の側に浮遊しつつ両手を俺にかざす。すると俺の両手と両足の先端が変異。その場で跳躍して空に飛び上がったドミトレスクの竜の背中に飛び乗った。人型のエヴリンも浮かんで着いてくる。

 

 

「なに!?」

 

「逃がさないのはこっちだ」

 

『観念した方がいいよ、クソババア!』

 

「言ったわね、禁句を!恥ずかしがらずに正直に言いなさい!この私が恐ろしいって!」

 

『恐ろしいよりかっこいい!だけど死ね!』

 

「むしろ人型の方が怖かったまであるな!」

 

 

 空で悶え暴れる竜の背中で、上半身で両腕がなく触手を伸ばして攻撃してくるドミトレスクと、両足で竜の背中を掴んで両腕の鉤爪で触手を斬り裂き対抗する俺。どんどん人間離れしていることは自覚しているが、化け物には化け物をぶつけるしかないだろう!

 

 

「ローズは私達の希望!アンタなんかに渡してたまるもんですか!よくも娘を救うなどとふざけたことを!私の娘を殺しておいて!この…人間風情が!」

 

「ああ、悪かったよ。だがな!何人もの娘を殺してきたお前に言われる筋合いはないんだよ!」

 

『このイーサンを見て人間風情ってよく言えるね!』

 

「全くその通り、だな!」

 

 

 エヴリンに目配せして右手を元に戻してもらい、腰のベルトに挿していた死花の短剣を手に取る。ドミトレスクは天高く舞い上がり、俺を落とそうと試みていた。

 

 

「それじゃ…楽にしてあげるわね!」

 

『楽になるのは!』

 

「お前だ!」

 

 

 そして、クイック・モールデッドの脚でしがみ付きながら異形の左手で触手を掴み引き寄せると、ドミトレスクの胸元に死花の短剣を突き立てる。ドミトレスクは吐血し悶え苦しむも、俺を突き放す手はもうない。俺は深く踏み込んで根元まで突き刺した。すると翼が力を失くして落下し、天高くから塔へと落ちて行くドミトレスク。同時に抜けた短剣も空の彼方に消えて行く。不味い、このままだと俺まで…!?

 

 

「おのれ!よくも…ウィンターズ!だけどお前も道連れよ!遅すぎたわね…お前は二度とローズに会えない!己の無力さを知るがいいわ!!」

 

「クソッたれ…!?」

 

『イーサン、壁に飛びついて!』

 

「なるほど、な!」

 

 

 エヴリンに言われて、右手がクイック・モールデッド化するのを確認し壁に飛びつきしがみつくと、ドミトレスクの巨体はそのまま落下。地響きが鳴り響き、俺は飛び降りて側に降り立つ。

 

 

「呪ってやる……ァアアアア!?」

 

 

 ドミトレスクは石床に激突して伸びた状態で俺を見上げて呻いたのを最期に、断末魔と共に石灰化して崩れ落ち、残ったのはドミトレスクを模った結晶像だけだった。

 

 

「…呪われてるのは、お前だ。クソッたれ」

 

『呪わないでくださいお願いします』

 

 

 吐き捨てる俺と、怯えるエヴリン。俺達二人が本当の意味で共闘してようやく勝てた強敵だった。…これから、どうしたもんかね。




結局自分には触れないことは最期までドミトレスクに気付かれなかったエヴリンでした。当分エヴリンが見える敵は出てこないので暴走形態になれることも披露。怯ませる事しか出来ませんが。

次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。

ハイゼンベルクとはどうする?

  • 共闘する
  • 原作通り敵対する
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