BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】   作:放仮ごdz

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どうも、放仮ごです。この時期にこいつらがいたかどうかはちゃんと原作で明言されてないので、いたってことにして出してます。楽しんでいただけると幸いです。


file0:6【試作B.O.W.type-y139スティンガー】

 リサが逃亡した直後、こんな会話が行われていたのを私達は知らない。

 

 

「ウェスカー、どうする?変異ヒルの一部とRTの血は手に入れたが本体がいなければ研究は滞るぞ」

 

「マーカスが生前、T‐ウイルスを用いていざ作ったはいいが、知能が低く有用性がないため量産されなかった試作B.O.W.を使おう。なに、どうやっても奴は死なない。殺してでも連れて帰る様に命令しよう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 森の中を彷徨っていた私達は、森の中を通る線路の上を走っていた列車に飛び乗って4号車である客車の座席で休んでいた。

 

 

『黄道特急……運転手と従業員以外乗ってないけどだからこそ乗り込めてよかったね』

 

「アンブレラ幹部養成所と都市を繋ぐアンブレラ社が所有する私設列車だから油断こそできないが、当分はゆっくりできるだろう」

 

「…本当にゆっくりできる、の?」

 

 

 恐らくは物資補給したあとの帰りの列車なのだろう。幹部養成所とは逆方向に走っていたのを、クイーンの粘液を利用してくっ付けて張り付くことで入ることができた。リサにはちょっと狭いだろうけど我慢してほしい。

 

 

『さて、リサをどうするかなあ』

 

「顔は我々の粘液でどうにかできるが……四肢と背中は擬態させるのが精一杯だ。なんとかなるか、エヴリン」

 

『戻すというか形を変えることならできるかもだけど…体をいじくり回すことになるけど、いい?』

 

「いい。事前になにか言ってくれるだけ、あいつらよりマシだから」

 

『本当に苦労したんだね…』

 

 

 黄道特急に揺られながら、クイーンと二人がかりでリサの変容に取りかかる。クイーンが手に分泌した粘液を目を瞑った顔の右側に押し付けてこねこね。治癒能力がある粘液を浸透させていく。私はリサのなかに飛び込んで、内部の菌根の欠片に働きかけ、カビで覆うようにして四肢の形状をごく普通の形状に変容させる。モールデッド化の要領だ。手首から指先まで黒いけど、ごく普通のすべらかな手に変形できた。

 

 

『よしよし、後は手袋なりで誤魔化せるかな。…あとはネメシスとかいうのだけど…!?』

 

 

 そして気付く。背中にくっついているネメシスプロトタイプとかいうのヤバい。もう一つの脳みたいな機関を生成してリサの自我を乗っ取ろうとしてる。私にも魔の手を伸ばしてきたので慌てて飛び出る。

 

 

『リサ!』

 

 

 見れば背中のネメシスプロトタイプから触手伸びて、クイーンが綺麗に戻した顔の耳から触手を挿入しようとする光景があった。クイーンが気付いて触手を掴んで引き剥がそうとしているがビクともしない。

 

 

「この……同胞を失ってたまるか!」

 

『クイーン、頑張って!リサ、負けないで!』

 

「ぐうううっ……うあああああああっ!」

 

 

 背中から触手を沢山伸ばし、クイーンを持ち上げ座席を破壊しながら咆哮を上げるリサ。両腕も元に戻ってしまって暴れて座席を薙ぎ払っている。すると運転手が異常を察知したのか黄道特急に急ブレーキがかかる。

 

 

『やばい、止められた!追手が来る!』

 

「もう3キロは離れたぞ!何が来るって言うんだ!」

 

「うがああああっ!?」

 

 

 更にリサが一声吠えて座席に投げ出されるクイーン。私はクイーンと重なりリーチ・モールデッドになってリサを物理的に押さえにかかる。粘液で固めて、それからどうする!?もう無理矢理ネメシスプロトタイプをひっぺがす!?でもそれだと………そう考えていると伸びてきた触手の一撃が私達を貫いた。

 

 

『がはっ……』

 

「エヴ、リン…!」

 

 

 リサの悲鳴が上がる。自分の胸を貫かれたようなダメージが響き、私は排出される。どうやらクイーンは擬態を構成していたヒルの一匹をやられたらしいが特に意も介さず触手を握って引きちぎっていた。わーお、頼もしい。

 

 

「やめ、ろ……二人は、友達、だ…!」

 

 

 すると不思議なことが起こった。リサが怒りを見せて力むと、ネメシスプロトタイプは溶け込むようにしてリサの背中に吸収、取り込まれてしまったのだ。触手が数本背中から伸びていたが、すぐに引っ込んでいく。腕も私が変容させた状態にまで戻った。その姿はどこからどう見ても美少女で、異常は…服装が奪った研究員の男物の服と言うことぐらいしかない。どうやら体内の菌根とネメシスプロトタイプを完全に御したらしい。確かにこれは研究されてもおかしくない異常性だった。

 

 

「はあ、はあ……ごめん、二人とも。大丈夫、かな?」

 

『あれ。なんか知性上がった?』

 

「ネメシスプロトタイプを取り込んだからか?ああ、一匹やられたが許容範囲だ」

 

 

 すると揺れが収まって気のせいだと思ったのかまたゆっくりと走り出す黄道特急。よかった、これで追手の心配も……次の瞬間、ガシャンと車体に何かが乗り上げる音が聞こえた。不味い、なんか来る。シャカシャカと言う足音と、金属を引き裂く音。そしてそれは上まで来ると、突如横からハサミがついた甲殻に覆われた腕が伸びてきてリサの右腕を肩口から切断。さらに天井を突き破って湾曲した針を持つ尻尾が伸びてきて、リサの背中に突き刺さった。

 

 

「がああっ!?」

 

『リサ!?』

 

 

 そのまま持ち上げられ、二階を抜けてその上、車体の上まで連れてかれるリサ。私は急いで浮上して外に飛び出て、クイーンも一度分離して穴から這い登って続く。そこにいたのは、巨大な蠍のクリーチャーだった。

 

 

『こいつはたしか、スティンガー!?』

 

「知っているのかエヴリン!」

 

 

 巨大蠍、スティンガーの前で人型に戻りながら尋ねてくるクイーンに、そりゃ知るわけないよねと思い出す。

 

 

『一年ぐらい前にマーカスが研究していたT‐ウイルスを用いた生体兵器の試作品だよ!試作B.O.W.type-y139スティンガー!戦闘力は高いけど単純な命令にしか従わないからって檻の中に入れられてどっかに連れて行かれたけど!菌根使った後のクイーンのT‐ウイルスから作られたから多分私が見えてる!』

 

「つまり私と同じ父の子か!だが聞き分けのないやつは、こうだ!」

 

 

 クイーンが粘液を纏い硬質化させた右拳を振り上げて甲殻に叩きつけると、スティンガーは怯み反撃とばかりにハサミを突き出して何度も開閉させる。あんなのに斬られたら真っ二つだ。

 

 

「くそっ、足場も悪いってのに厄介な…!」

 

 

 私は幽霊みたいなものだから関係ないけど、実体のあるクイーンは走る列車の上で戦っている。足からの粘液で足場にくっついているみたいだけど、吹き飛ばされたらアウトだろう。

 

 

 

『中に引きずり込んで!』

 

「私には無理だ!…リサは!」

 

「はーなーせー…!」

 

 

 リサを見れば、右腕を失いバランスを崩しながらもじたばたと暴れてもがいている。背中から串刺しにされた程度では意味ないらしい、それぐらい酷いことを受けてきたってことなんだろうけど悲しくなってきた!すると片腕じゃ引き抜けないことに気付いたリサが何やら集中する。次の瞬間、ずりゅんと切断された傷口から異形の右腕が生えてきて、その鋭い爪と長い腕で尻尾を引き裂いた。

 

 

「ギシャアァアアアアッ!?」

 

『再生もできるんだ…』

 

「恐らくネメシスプロトタイプの力だ」

 

「邪魔!私に、任せて!」

 

 

 斬り裂かれた尻尾が背中に突き刺さったまま着地し、引き抜いて投げ捨てるリサ。そのまま左手の変容も解いて長い両腕でハサミの付け根を握り、スティンガーと力比べを始めると、そのままスティンガーが開けた穴から無理矢理スティンガーを車内の二階に引きずり込んだ。

 

 

「ここなら自由に戦える!うおおおおおっ!」

 

「死ね、死ね、死ね、死ねえ!」

 

 

 クイーンが穴から飛び降りてきて背中に飛び乗り、右手を押し付けて粘液を垂れ流してスティンガーの動きを拘束していき、リサが何度も何度も両手の爪を叩き付け甲殻をバターの様に引き裂いて行く。スティンガーは腕を懸命に伸ばして私とリサとクイーンを斬り裂こうとするも、私はそもそも擦り抜けるし、クイーンは胴体を真っ二つに斬られても元々ヒルの集合体なので即再生。リサに至っては背中から伸びた触手で受け止められ斬ることも叶わなかった。もう使いこなしてる…。

 

 

「ギシャ、ギシャアアアアアアアッ!?」

 

 

 そのままスティンガーは粘液で窒息させられ動きが止まったところにリサの渾身の引き裂きが炸裂。脳を引き裂かれて身体機能を停止し、そのまま崩れ落ちるのだった。

 

 

「強敵だったな。こいつが追手か…?」

 

『多分。ウェスカー辺りに解放されてリサを捕まえる様に言われたんじゃないかな』

 

「私を……二人とも、私を置いて逃げて。巻き込みたくない」

 

 

 完全に知性を取り戻して今の状況を理解したらしいリサがそう言ってくるが、私とクイーンは顔を見合わせて、おかしくて同時に笑った。

 

 

『リサはもう仲間なんだから逃がしてあげないよ。それにほら、私物理攻撃効かないし』

 

「私もアンブレラに復讐するためにお前が必要だ。既に同胞だと思っている。逃がす気はないぞ」

 

「二人とも…いいの?」

 

『「当たり前だ」』

 

 

 すると安心したのか、戦闘形態なのだろう両腕を私が変容させたすらりとしたものに戻して、笑うリサ。

 

 

「私を助けてくれたのが二人で、本当によかった」

 

 

 そして黄道特急はスティンガーの死体と私達を連れてアークレイ山地を、ラクーンフォレストを抜けて行く。その先はアンブレラが開発を進めている急成長している地方都市、ラクーンシティだ。




ネメシスを御し、初めての連携プレイでバイオ0最初のボス、スティンガー撃破。こいつとの戦いが今後のためにどうしても必要だった。

黄道特急とスティンガーがこの頃いたかどうかはわからないけど移動手段が欲しかったので採用。

1988年7月1日、エヴリン達はラクーンシティへ。

次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。

リサをどうしたい?

  • 異形の怪物のまま
  • 完治して不老不死の少女
  • 顔だけ戻るけど四肢は異形のまま
  • 四肢は戻るけど顔はそのまま、仮面で隠す
  • ネメシスに乗っ取られる
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