BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】 作:放仮ごdz
敵が潜伏していると思われる二つの廃ビルに、アルファチームとブラボーチームで分かれて攻略しているS.T.A.R.S.の、クイーンの方についてきた私。休日はいつも白衣姿だが今はジルとお揃いの制服姿だ。顔は成長した私によく似てるから恥ずかしい。なんでそんなぴっちりなの。
「…爆破テロ、か」
己を先導にしてブラボーチームPMのケネス、その相方のBUMのリチャードと共に潜入しながらクイーンが、腕の一部の擬態を解いてヒルたちを向かわせながらぼやく。その口調から、「警察なんかに入るより爆弾かなんかで研究所吹き飛ばした方がよかったかも」という感じか。
『でも、クイーンが今目指すのはそこじゃないでしょ?』
「…そうだな」
「戻ったか、クイーン。どんな感じだ?」
確認してから後退してきたクイーンに尋ねるケネス。リチャードも無言で頷く。
「馬鹿どもの数は10。爆弾と思われるドラム缶を中心に三階最奥の部屋に陣取っていた。タイマーが見えたから恐らく時限爆弾だ。自爆テロって奴だと思う。装備は全員AK-47で防弾装備までつけて完全武装だ。どうする?」
「よくそこまでわかったな、優秀すぎるぜお前さんはよ。…ということらしいが、
クイーンからの情報に手放しに称賛し、無線で尋ねるケネス。すぐにエンリコの声が届く。
《「クイーン、屋根裏から奇襲できるか?」》
「ドラム缶を中心に入り口や窓を警戒しているから、中心に降り立てばできると思う」
『タイミングは私に任せて!』
《「よし。そのタイミングでフォレストに電気を落とさせるからケネスとリチャードが襲撃。エドワードの操縦するヘリから俺とレベッカが屋上に降りて上から挟み撃ちにする。絶対に逃がすな。爆弾に銃弾を当てるなよ?」》
「「「了解」」」
言うなりクイーンは助走をつけると廊下の壁を駆け上って天板を持ち上げ、天井裏に潜り込む。あ、微妙に粘液を指先に出して登ったな。それぐらいならばれないからいいね。
「ヒュウ、やるぅ」
「クイーンの身体能力は本当に人間離れしてるな…」
そんなケネスとリチャードの台詞を背に受けながら、高速で這って行くクイーン。若干キモイ。見られてないからって私の顔でそれはやめてくれないかな。あ、そうだ。リサの方はどうなってるだろう。
『リサ。そっちはどんな感じ?』
(今から突入するよ。そっちは?)
『こっちもそんな感じ。クイーン、リサの方も始めるってさ』
(了解した。頑張れと伝えてくれ)
『言わなくても伝わってると思うよ』
私達は菌根で繋がってる。私だけは集中すれば脳内会話もできるのだ。これがかなり便利だ。特に内緒話に。ラクーンシティ内ぐらいの広さなら問題なく聞こえるから通話代わりにもなる。1980年に飛んでから16年、なにも遊んでたわけじゃないのだ。イーサンとローズ無しでこの力でどこまでやれるか試行錯誤する時間はいくらでもあった。不老のリサが年を取った様に見せる擬態の微調整も可能だ。洗脳能力も、毎年あるクイーンとリサの健康診断の際に誤魔化すのに役立ってる。一瞬洗脳するだけだから後遺症もない。ベイカー家の二の舞は御免だもんね。
多分擬態もミランダ並みとはいかないがそこそこ自由にできると思う。これで
「エヴリン、ついたぞ。頼む」
『かしこまり!』
そんなことを考えていると配置についたのかクイーンが天板をずらして様子を窺う。おっと、私の役目を果たさなきゃ。天板を擦り抜けて中央のドラム缶の上に浮かび、周りを見渡す。10人の完全武装の男たちが周囲を警戒していたが誰一人中央には注意を向けていない。なんならナイトゴーグルとかもつけてないから停電対策もしてないらしい。窓は二つだけだから停電したら結構パニックになりそうだと確認、浮上してクイーンの前に顔を出すと右手も出してサムズアップを浮かべるとクイーンは頷き無線にひそひそと声を出す。
「配置についた。何時でもいいぞ、エンリコ」
《「よし。ケネスとリチャードも配置についたと無線で聞いた。いいかフォレスト?…よし、今だクイーン!」》
「了解…!」
エンリコからの指示を受けたクイーンは右手を天板に押し付けて粘液を指先から出してくっつけ固定。一息で天板を音もなく外すとヒルで肉体を構成している故の驚異の柔らかさで天板一つ分の穴からするりと抜けてドラム缶の横に音もなく着地。ロバート・ケンドに誂えてもらった二丁の改造ハンドガン、サムライエッジの専用カスタム「ゴク」「マゴク」を抜いて構えた。ちなみにネーミングセンスは私提案だ。
「よう。テロリスト共」
「「「「「!」」」」」
「
そしてサブマシンガンの様な連射が襲いかかり、次々と防弾チョッキの上から衝撃を与えてテロリストたちを引っくり返す。ヒルの肉体により衝撃を分散させているが故の芸当だ。常人なら肩が外れてると思う。
「おのれ!アンブレラの差し金か!?」
「なんだと?」
「撃て!撃て撃て!爆弾に当たっても構わん!」
「構えよ馬鹿!」
リーダー格と思われる男の発言に眉を潜めたクイーンに一斉掃射。クイーンは防弾の服の上から粘液を纏って己が盾になることで銃弾を受け、そこにケネスとリチャードが突入して来て手にした銃を構える。
「R.P.D.のS.T.A.R.S.だ!」
「銃を下ろせ!」
「ナイスタイミングだ二人とも」
そちらに気を取られたところにクイーンが突撃。リーダー格に飛びかかり、両足を広げて太腿で首を挟み込むとグルグル回転して床に叩き付け、そのまま脚で拘束したまま銃を頭部に突きつけ、もう片方は爆弾を起動しようとしたのか駆け寄ろうとしていた男の足を撃ち抜いた。躊躇ないのはさすが非人間。家族や仲間と認めた人間以外には冷めてるからねえ。
「私達はS.T.A.R.S. 普通の警官と違って必要とあらば殺しも許されている。さあどうする?」
「う、ぬ……」
リーダー格の男は両手を上げて降参の意を示し、他の男たちもケネスとリチャード、合流したエンリコとレベッカが無力化し、連行していた時の事だった。
「…こいつらは、アンブレラの敵だったのか?」
『アイアンズ署長はバーキンと…アンブレラと繋がってるから、もしかしたらアンブレラにとっての不穏分子を消す任務だったのかもね…』
(大変!エヴリン!クイーンに伝えて!)
『どうしたの、リサ!?』
リサから焦った声色の脳内通話が入ったので、右耳を押さえて通話に集中するとクイーンも異変を感じ取ったのか怪訝な表情を浮かべる。
(こいつら、上に別の人間がいたみたい!遠隔操作で爆弾を起動できるって!)
「ッ、クイーン!爆弾が!」
「ちぃ!」
慌てて確認すれば、30分以上余裕があった爆弾のタイマーが急速に進んでいき、あと15秒にまで縮まっていた。それを見たクイーンは舌打ちして右手をドラム缶に押し付ける。粘液が一気に分泌されて隙間から流し込まれる。同時に衝撃。爆発が粘液で抑え込まれた。あ、危なかった。思わず一息つく。
「…クイーン、先輩?」
『あ』
「………レベッカ」
『ごめん、警戒するの忘れてた』
心配したのか入り口まで戻って来ていたレベッカを見て、てへぺろと舌を出すとクイーンにものすごい形相で睨まれる。ごめんて。
そんなわけでついに生物兵器以外の人間にばれました。どうなるんでしょうね?(すっとぼけ)
エヴリンとクイーンの現状はだいぶ器用なことができる様になってます。粘液が便利。
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。