BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】 作:放仮ごdz
今回から原作START。15話目にしてようやくです。楽しんでいただけたら幸いです。
1998年5月。それは、アークレイ研究所に突如現れた。女性研究員に擬態していたそれは突如擬態を解いて研究員たちを襲撃。T-ウイルスの入っていた容器がはずみで落下して割れて、T-ウイルスが蔓延する中でそれはローブの様なものを纏った美青年の姿を取るとにんまりと笑う。
「この2年、潜伏していたが必要な知識の獲得は完了した……これで「僕達」は「私」になった。礼を言う」
パソコンを操作して研究所のサーバーにアクセス、2年もの間様々な研究員を見て盗んだ知識を総動員してシステムを乗っ取り、次々と己の同類を解放していく美青年。地獄の番犬、這いよる者、排除する者、蜘蛛の巣を紡ぐ者、潜伏者、海の神、融合獣、狩人。それらの名を冠するB.O.W.が解放されていき、そして美青年の背後で殺された者達が呻き声を上げながら立ち上がる。
「T-ウイルスの強化も上手く行ったようだ。我が体内で濃縮しただけだが効果は倍増だ。我が父よ、もう少しだ。もう少しで貴方の無念を晴らせる……アンブレラに復讐を…地獄の炎をこの世全てに」
未来から来たエヴリンすらも予想だにしなかった想定外の災厄が、動き出す。
レベッカに正体がばれてから、レベッカとの任務の時だけ気兼ねなく変異ヒルとしての力を解放できるようになった。今ではエヴリンが記憶を操作できるのをいいことに犯罪者の逮捕にも使って能力を研究、粘液を糸状にして飛ばすことができるようになった。エヴリンが滅茶苦茶勧めてきたコミックのヒーローの真似だ。…あいつ、物に触れられないのにどうやって中身知ってたんだ?アニメでも見たのだろうか。
そんなこんなでレベッカ以外のS.T.A.R.S.メンバーに隠し通して二年後。1998年7月9日。ラクーンシティ郊外のアークレイ山地で、人が食い殺されるという猟奇殺人事件が頻発、さらに遭難者が多発するという報告を受け、テロの可能性もあると言うことでS.T.A.R.S.の捜査が開始された。聞き込みをする途中で、
「…アークレイ山地、ラクーンフォレスト。…そういうことですか?」
「私のいた研究所と、クイーンのいたアンブレラ幹部養成所のある地域だね…」
「…ついにアンブレラがやらかしたか、それとも想定外の何かが起きたか…どちらにしても調べに行くことになりそうだな。何せ我らのリーダーはウェスカーだ。例え危険だろうが我等を使って調査するはずだ」
『…(98年と言えば最初のラクーンシティ事件が起きた年…普通に毎日が楽しくて失念してたあ)』
なんか頭を抱えて逆さまになるエヴリンを見て私とリサは首をかしげる。こいつはなにをしてるんだ。
「生物兵器…ですかね?」
「恐らくな。臆病なアンブレラがこんなに目立つ事件を起こすわけがない。十中八九B.O.W.の暴走だろう」
「性懲りもなく研究してたんだアイツら…」
『リサを失ったぐらいじゃ止まらなかったかあ』
「…やっぱり、みんなにも言った方がいいんじゃないですかね」
そう言うレベッカに、一瞬怯えた様な表情の後に困った顔になるリサ。仲のいいみんなに掌返されて拒絶されないか不安なのだろう。私はドライだから割きっているがリサは元々人間だからな。
『クイーンもみんなに嫌われたらショック受けるって顔してるよ』
エヴリンに指摘されてムスッとした表情に意識して変える。…くそっ、顔に出てたか。S.T.A.R.S.は今や、ウェスカーを除いて我が父に代わる家族の様な存在だ。嫌われたらなんて想像もしたくない。…私も人間らしくなったものだな、と自嘲する。
「…すまない。我々にそんな勇気は、ない。だがS.T.A.R.S.のみんなは必ず守って見せる」
「うん、誰も死なせない。そんな心配もいらないと思うけどね」
「…わかりました。二人の意思を尊重します」
『でも油断は駄目だよ。二人は強いけど…人が人を助けてられるのは、自分の手が直接届くところまでなんだから』
エヴリンのその忠告は暗に私達は「人」であると言っていて。無意識なんだろうがエヴリンが私達を人だと思っていることが嬉しかった。
調査が進んだ7月23日。再びアークレイ山地にて起こった猟奇殺人事件を受けてラクーン市警がS.T.A.R.S.の介入を決定、先行隊としてブラヴォーチームが現場へ出動することとなった。エドワードとR.P.D.所属ヘリパイロットのケビン・ドゥーリーが操縦するヘリで急行する私達だったが、それは私達にとってもS.T.A.R.S.にとっても悪夢となる出来事の始まりだった。
「なんだ!?」
「どうしたエドワード!」
『大変クイーン!ローターエンジンが爆発した!』
爆発音と共に大きく揺れ出すヘリコプター。外から入ってきたエヴリンの言によればエンジンが爆発したらしい。何故だ?我々が関係するヘリや装備はエドワードが常に整備しているはずだ、ありえないことが起きている。
「エンジントラブル発生!緊急着陸します!」
そしてエドワードの操縦でヘリは回転しローターが木にぶつかりながらも森の中に緊急着陸。私達は脱出し、エンリコの指示で周囲を探索していると、転倒した護送車を発見。乗組員と思われる
「…粘液?」
『クイーンのと同じだね』
護送車に付着していた粘液が、私のものと酷似していたのだ。心当たりは一つしかない。
「…我が父の護衛に残したアイツらか…」
『いたねそんなの。でも統率個体のクイーンの命令しか聞かないんじゃなかった?』
「そのはずなんだが……9年も放置している。なにかイレギュラーが起きたとしてもおかしくない。…エンリコ、何かおかしい!一度戻ってアルファチームを待つべきだ!」
「いいや、凶悪犯が野放しになっている!放っておくことはできない!」
嫌な予感を感じて提言してみるも、やはりというか聞き届けず。ダメか、最悪の可能性を考えないといけない、そんな視線をレベッカに向けると頷いた。
「書いている時期からしても猟奇事件の犯人はこのビリー・コーエンの可能性が高い!いいかみんな、手分けして周囲の探索に当たれ。エドワードとケビンはヘリの修理に当たれ。相手は残忍な凶悪犯だ、油断するな」
「「「「「「了解!」」」」」」
『私も捜索しよ』
エンリコの命令に頷き、エヴリンが空に舞い上がって周囲を見渡す。私とレベッカは女性同士と言うことで一緒に探すことになり、そして何かが草むらを通った気配を感じて辿った先でそれを見つけた。
「クイーン先輩、あれ!」
「列車…?」
『あれって、私達が逃げる時に使った黄道特急だ!なんでここに?』
懐かしき黄道特急が、停車してそこにあった。
2年の間で知識を吸収してついに動き出し暗躍している謎の美青年。某蜘蛛男の様なことができるようになったクイーン。原作も開始してどうなりますことやら…。
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。