BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】 作:放仮ごdz
今回はバイオ0もう一人の主人公、ビリー登場。楽しんでいただけたら幸いです。
ある軍事作戦中に、23人もの民間人を虐殺した冤罪から捕縛され、死刑判決されて処刑のため基地に移送される途中、巨大な人型の何かに護送車が襲われ運転していたMPたちが死亡。何とか生き延びた俺は銃を奪って逃走した。そして止まっていた列車に潜り込んだのだが…
「なんなんだ、こいつらは!」
列車の中は死体の山があたりかしこに散乱し、さらにそれがあろうことか動き出した。咄嗟に撃ってしまうもビクともせずに歩み寄るその姿は、B級映画でぐらいしか見たことないゾンビってやつだった。俺は数体のゾンビの頭に何発か撃ち込んでダウンさせると、ゾンビの一体を蹴り飛ばし、狭い車内で押し倒してその上を飛び越えて移動するも、行く先すべてにゾンビがいて。俺は咄嗟に個室に逃げ込み、中にいたゾンビを撃って窓から外に投げ捨てることで一息つく。
「くそっ、疲れた……眠、い……」
戦地であの事件が起きて、焦躁で眠れない中でそのまま連行されていたのだ。寝る暇もなかったこともあり、俺は泥の様に眠りにつくのだった。
いつの間にか降ってきていた雨に打たれながら、警戒しつつ車内に入る…前にエヴリンに無言で促すと、目を細めて無言で抗議しながら擦り抜けて入って行った。
『明かりが無い。暗くて何も見えないよ』
「…ちっ。エヴリンでも暗くて何も見えないそうだ、直接中を調べるぞ」
「了解」
中に入り、ライトで照らす。…争った形跡と、死体が散乱していた。…なんだ?この異様に腐っているのに比較的新しい死体は。
『…これって、まさかね』
「…これも猟奇事件って奴でしょうか」
「…いや、頭部を銃で撃たれている。誰かが殺した跡だ。食い殺されたって言う猟奇事件とは毛色が違うぞ」
『うん?隣の車両に動く影!』
「隣に誰かいるらしい。レベッカ、構えろ」
無言で頷いてハンドガン・サムライエッジを構えたレベッカと同じくサムライエッジのカスタム、ゴクとマゴクを構えて、扉を開ける。
「ラクーンシティS.T.A.R.S.のチェンバースです!」
「同じくラクーンシティS.T.A.R.S.のサマーズだ!動くな!」
『…やっぱりかー』
扉を開いて中を確認した私達は驚愕する。腐敗している明らかな死体がさも当然とばかりにいくつも車内を歩いていて、声に反応してかこちらに一斉に振り向いたのだ。
『クイーン、こいつら洒落にならない!撃って、撃って!』
「クイーン先輩!これって…」
「手加減するなレベッカ!こいつら人間じゃないぞ!」
ゴクとマゴクを構えて、連射。胸に何発か当てるもビクともせず、ならばとヘッドショットを叩き込む。頭部が吹き飛んだ死体はそのまま崩れ落ちる。レベッカは躊躇して手足を狙うだけで足止め程度にしかならず全く効果が無い。
「頭部だ、頭部を狙え!」
「う、うわあああああっ!」
叫びながら頭部を狙ってヘッドショットを決めるレベッカをカバーする様に弾丸を撃ちきり、動くものがいなくなったことを確認すると銃を下ろしてレベッカの肩を叩く。興奮状態で荒い息を吐いていたレベッカはハッと我に返る。
「クイーン先輩、私……」
「…人間じゃない私と違って抵抗があったんだよな。責める気はないさ。…おいエヴリン、知ってることを話せ」
『あ、はい』
なにかしら知っているような口ぶりだったエヴリンを睨みつけると、「信じてもらえるか分からないけど」と重い口を開く。エヴリンが語ったのは自らはずっと未来から来たこと。この時代、大規模バイオハザードが起きてラクーンシティが滅ぶこと。どこからか流出した、私から生み出されたあのT-ウイルスの影響で死体が動き出してゾンビ化、攻撃を受けた者は高確率で同じくゾンビ化してしまうことなどを
「…お前、そんな大事なことをよくも今まで隠していたな?」
『いや、T-ウイルスの元だったクイーンが研究所から逃げ出して、リサもいなくなったからアンブレラもこれ以上T-ウイルスを開発できてないと思って…今の今まで確証もなかったし…』
「馬鹿かお前は。サンプルぐらいいくらでも保存しているに決まっているだろう。私とリサがいなくなった程度で止まるような奴等でもないだろう。…つまりこの事件は」
『多分、T-ウイルスが流出してゾンビ化した死体が旅行者とかを捕食していたんだと思う…』
「…でも、そんなのどうすればいいんですか?ウイルスが流出しているんですよね?そんなの止めようが…」
「…恐らくウイルスを広めようとしている奴がいる。そしてそれは恐らく、私の知り合いだ。そいつを止めて少しでも被害を抑える。エンリコたちと合流しよう、レベッカ」
『クイーン、後ろ!』
「いったい何の話をしているか、俺にも聞かせてもらおうか」
車内の端っこでレベッカと向かい合って話していたところに、背後の扉が開く音と共にチャキッと後頭部に銃を突きつけられる音が聞こえて、ゴクとマゴクを握った両手を上げて、二丁とも落とす。レベッカは私を人質にされて銃を構えられないものの、襲撃者の顔を見て神妙な表情を浮かべる。
「ビリー・コーエン少尉…」
「“元”少尉だ。驚いたな、俺の事を知っているだなんてな。お前らが追手か?にしちゃあ、若いな」
「執行予定の第一級殺人犯で、元軍人。…そして逃亡犯。お願い、銃を下ろして」
「ああ、なるほど?あんたらS.T.A.R.S.か。有名だぜ、ラクーンシティのヒーロー様だ」
「ヒーローってがらじゃない。が……ヒーローみたいなことはできるぞ」
「動くな。…っ!?」
レベッカが宥めようとしているのは無視して、振り返ると同時に両手を突き出すと掌からしぼって糸状にした粘液を放射。私をバケモノと判断したのか咄嗟に撃たれた弾丸を頭部で受けながら糸粘液を放射し続け雁字搦めにして扉の奥の壁に拘束する。
「くそっ…聞いてないぞ、S.T.A.R.S.にこんなバケモノがいるなんて…」
「クイーン先輩!?大丈夫ですか!?」
「この程度、問題ない。バケモノとは失礼だな、23人も殺した奴に言われたくはない」
『いやこの光景どう見てもバケモノだよ』
額を撃ち抜かれた風穴を再生させながらゴクとマゴクを拾いつつビリー・コーエンに向き直る。レベッカがサムライエッジを向けているがそう簡単にこの糸はほどけないから安心していいぞ。
「悪いが逮捕させてもらうぞ」
「生憎だが…飾りは間に合ってる」
そう言ってビリー・コーエンがちゃりちゃり鳴らすのは糸で拘束されてない左手首に付けられた手錠。…確かに手錠はいらないな。その瞬間だった、窓を突き破って誰かが飛び込んできたのは。
「オイオイ、今度は何だ?」
「エドワード!?」
「そんな、なにがあったの!?」
慌ててレベッカと共に駆け寄る。同僚のエドワード・デューイだった。全身なにかに噛み千切られたかのように肉がところどころ欠損しており、誰がどう見ても致命傷だった。目を離した隙に…嘘だろ?
『クイーン、しっかりして!貴女のせいじゃない!』
「くそっ、なんてこった…最悪だ。迎えの死神まで見えてきたぜ…」
エヴリンが見えているのか視線を向けながら血を吐くエドワード。冗談を言える元気があるなら踏ん張れ!粘液で治療は…いや駄目だ、エヴリンが見えてるってことはつまり…くそっ。
「クイーン、レベッカ…気を付けろ。森の中はゾンビや、バケモノでいっぱいだ…!?」
「「!?」」
エドワードがそこまで言った瞬間、窓を突き破って何かが入って来てエドワードの腹部に噛み付くと、止める間もなくそのまま噛み千切ってしまう。私達が咄嗟に銃を構える中、それは肉を咀嚼しながら振り向いた。
「こんどはなんだ!?」
「な、なにこいつ…!?」
「趣味が悪いぞアンブレラ…!」
『ケルベロス…?』
そこにいたのは、無理やりつぎはぎで二つの首を取り付けられていて全身腐敗が進んでいる、三つ首のドーベルマンだった。その首にかけられているドッグタグにはCerberusとあるそれに、銃を構える。こいつがエドワードを…!
―――――観る。女性警官二名と傍に浮かぶ少女を確認。警官の一人から同胞の気配。恐らく統率個体の擬態と思われる。最重要ターゲットに認定。要監視。
―――――観る。排除する者たちが襲撃した護送車から逃げ出した死刑囚を確認。睡眠から覚醒、行動を開始し女性警官二名と合流。要監視。
―――――観る。車体の外を調べる警官を複数確認。地獄の番犬を放ち、排除を試みる。――――約一名の排除に成功。上記の面々と戦闘開始。要観察。
ケルベロスならぬ「サーベラス」登場。どうしてこんな奴が生まれているかは次回にて。原作通りエドワード脱落です。ビリー拘束されたままボス戦へ。そして監視する謎の影。
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。