BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】 作:放仮ごdz
今回は原作突入初のボス戦、VSサーベラス。楽しんでいただけたら幸いです。
突如列車の中に乱入し、瀕死のエドワードを噛み殺した、大型の三つ首犬ケルベロス…いや、ドッグタグからしてサーベラス、か。サーベラスは左右二つの首で私とレベッカを睨み、中央の首でエヴリンを見据えながら咆哮。列車の外からも咆哮が聞こえる。仲間!?こいつは群れの頭目か。不味いぞ、外にはまだエンリコたちが…!
『不味い、ビリー・コーエンを狙ってる!』
「レベッカ!ビリー・コーエンの拘束を解いて逃げろ!コイツは私が!」
私の粘液糸で拘束されているビリー・コーエン目掛けて突撃するサーベラスに、咄嗟にゴクとマゴクを引き抜いて、突きつけて連射。それをサーベラスは左右端の目で確認すると素早いフットワークで全弾回避。六つの目による視野の広さと三つの頭脳による反射神経を有しているとでもいうのか!?
「「「ガウガッ!」」」
するとまず私が脅威だと感じとったのかサーベラスは向きを変えて疾走。咄嗟に右手から粘液の糸を蜘蛛の巣状に放射して道を塞いで飛び込んできたところを捕らえようと試みるも、見て一瞬で判断したらしいサーベラスに蜘蛛の巣を噛み千切られて突破され、大型犬の質量に速度をプラスした体当たりをまともに受けて元々いた車両まで扉を突き破って吹き飛ばされる。
『大丈夫!?クイーン!』
「なんてパワーだ…っ!?」」
そのままのしかかられて、左右の首で私の首を噛み千切らんと噛み付いてくるサーベラス。私は首を粘液で纏って硬化、噛み付きを受け止めながら立ち上がり、その巨体を抱えて椅子の背もたれに向けて叩きつける。椅子の背もたれに背中から激突し背骨をへし折られたサーベラスはへの字に折れてそのまま崩れ落ちる。
「さすがに背骨をへし折られたら動けないだろ、ハアハア…」
そう勝ち誇っていると、信じられないことが起こった。巻き戻る様にして背骨が正常な形に戻ってしまったのだ。さらに「「「ガウッ!」」」と一声上げると窓を突き破って四体のゾンビ犬のドーベルマン…こっちはケルベロスとでも呼ぶか…が入って来て私を取り囲む。最悪だ。
「…リサみたいな再生能力だと?」
『わー、かわいいわんちゃん(現実逃避)。セルケトと一緒でリサの遺伝子使ってるのかな?』
「あの時この車両に残したあいつの腕か……クソッたれ!」
「「「ワウッ!」」」
サーベラスが一声吠えると一斉に飛びかかってくるケルベロス達。私はゴクとマゴクをいったんしまって両腕に粘液を纏い、硬化。噛み付きを受け止めもう片方の腕で殴り飛ばして迎撃する。殴り飛ばされたケルベロスは、胴体をぶちぬき、または首の向きを反転させるだけで沈黙し倒れる。こいつらは異常な再生能力を有してないようだ。
「うおおおおおっ!」
一斉に飛びついてきた残り二体の首を掴み、サンドイッチにでもするようにぐしゃりと叩きつけて投げ捨てると、体当たりで椅子を薙ぎ払いながら突撃してくるサーベラスに、咄嗟に引き抜いたゴクとマゴクを乱射。一発が運よくサーベラスの右頭部のこめかみを撃ち抜いて沈黙させるも、即再生。意味をなさず、私は体当たりをまともに受けて、外へ通じている扉の横の壁に叩きつけられる。そこに噛み付きが襲いかかり、身を捩って避けようとするも右肩を食いちぎられ、悲鳴を上げる。
「があああああっ!?……なんてな?」
「「「ガウ?」」」
肉と骨を噛み千切ったのに血が出ないどころか咀嚼しているものに違和感すら感じたのか首をかしげるサーベラスに、粘液を纏って鋼鉄の様に固めた右足を叩き込んで蹴り飛ばし、立ち上がるとごっそり持っていかれた右肩を再生させる。
「再生能力を持っているのはお前だけじゃないぞ。それと生憎、私は人間じゃない」
『相手が悪かったね喋らすくん』
「サーベラスだ、間違えてやるな」
「「「ガウッ、ガウアァアアアッ!」」」
私とエヴリンにおちょくられていると気付いたのかブチギレて突進してくるサーベラス。ぶっちゃけ体当たりとか打撃の方が私には効くが、刺されたり斬られたりなら私は即再生できる。故に。私は奴の噛み付きを右腕で受け止めながら、マゴクをサーベラスの右の顔の口に突っ込み引き金を引く。
「こいつでも喰らっとけ!」
「「キャイン!?」」
右の頭部がパーンと弾け、怯んで噛み付きをやめて離れるサーベラス。即座にじわじわと右の頭部が再生されていく。気持ち悪い。
『人の事言えないと思うよクイーン』
「失礼な。こんなグロくはない」
『蛭の方が人によっては気持ち悪いと思うよ』
「……レベッカも蛭は嫌いだろうか」
『自分で考えてダメージ受けないでよ…蛭好きな人はそうそういないと思うけど。蟲はともかく。あ、私は好きだよ?クイーンは!』
そんなことを言っている間にじっと佇んでいたサーベラスの右頭部が再生。こちらも息を整えて構える。…さてどうするか。こんなバケモノ、どうやって倒せば…。
『以前戦った
「どんな奴と戦ってるんだお前は。その首が一つ殺しても再生するんだと……!?」
「「「ガウガウガアアアッ!!」」」
突進しながら左右の首で噛み付いてきたサーベラスの攻撃を、粘液硬化した両腕で防ぐもその勢いに押され、粘液でしっかり噛み付けるのをいいことにそのままぶんぶん振り回されて壁に叩きつけられる。痛い。
『クイーンがオモチャの様に遊ばれてるー!?』
「おい馬鹿言っている暇があったらなんか策考えろ」
『絶対無理だけど同時に三つの首を機能停止させるぐらいしかなくない?』
「…まあ無理だな」
「クイーン先輩!」
ゴクとマゴクじゃせいぜい首二つが限度だ。せめてあと一人……そう考えていたら、扉が開いてレベッカが出てきた。それを見るなりそちらに向かおうとするサーベラスを羽交い締めにして食い止める。
「馬鹿!こっちに来るなレベッカ!」
「馬鹿なのはそっちですクイーン先輩!クイーン先輩にまで何かあったら私…」
「くっ…なら手伝え!私のゴクとマゴクで左右の首を狙う!お前は真ん中の首を狙え!やれるな!」
「は、はい!」
右手から粘液の糸を伸ばしてサーベラスの三つ分の首に巻き付け、締め上げて背後に頭上から放り投げる。天井にぶつかり、「「「キャイン!?」」」と悲鳴を上げて床に倒れるサーベラスに、私のゴクとマゴク、レベッカのサムライエッジが向けられる。
「今だ!」
私の合図と共に同時に放たれる弾丸。しかしやはり視界の広さと反射神経は伊達ではなく、全ての弾丸が紙一重で首を逸らされ避けられてしまう。
「そんな!?」
「まだだ!もう一回…レベッカ!?」
『ダメ、恐怖で怯んでる!』
すかさず追撃とばかりに狙うも、まっすぐ突進するサーベラスにレベッカは怯んでしまい、銃をちゃんと構えられてない。せめて怯ませる、と二発の弾丸を放つが左右の頭部に弾丸を受けて吹き飛ばされてもサーベラスは怯まずレベッカに飛びかかる。それだけは、やめてくれ!
「レベッカ!」
「ひっ……きゃっ!?」
「言っとくが、こいつは貸しだぜ」
するとレベッカを押しのけて己のハンドガンを構えるのは、レベッカに連れて行かせたはずのビリー・コーエン。目の前に牙が迫っていると言うのに冷静に放たれた弾丸は最後の頭部を粉砕し、首を全て失ったサーベラスはよろめいて壁にぶつかり、崩れ落ちるとそのまま沈黙した。再生の兆しは見えない。やったのか……。
「…助かった。礼を言う、ビリー・コーエン」
「ビリーでいい。…それにしてもいったいどうなってる?アンタは一体何者で、こいつらはなんなんだ?」
「それは……」
『周囲に敵の影はないし話していいかも…!?』
その時だった。いきなりの揺れに体勢を崩して倒れ込む。エヴリンもレベッカも、ビリーも驚いて窓の外を見ている。列車が、動き出した…!?
―――――観る。女性警官二名と傍に浮かぶ少女…修正、クイーン・サマーズとレベッカ・チェンバースとエヴリンを確認。クイーン・サマーズは統率個体の擬態で確定。エヴリンは未来を知っていると発言、正体不明。要監視。
―――――観る。死刑囚ビリー・コーエン。レベッカ・チェンバースと取引を行うのを確認。要観察。
―――――観る。解き放った新型B.O.W.MA-39改 サーベラスの敗北、死亡を確認。死体は回収し再利用を試みる。サーベラスに勝利したクイーン・サマーズとビリー・コーエンの危険度上昇。――――確実に始末を推奨。黄道特急を再起動させ最高速度を維持―――脱出を困難にした上で脱線事故に至る確率、要計算。
「――――さあ実験を始めよう。我らが統率個体よ、お前は私より性能は上かな?」
原作の特徴であるツーマンセルじゃないと倒せないサーベラス。0にでてきてもおかしくないボスにできていれば幸い。
戦い方がもう完全に某蜘蛛男なクイーン。サム・ライミ版2の時計塔→列車戦は最高ですよね。
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。