BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】   作:放仮ごdz

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どうも、放仮ごです。題名は某ひとつなぎから。最近アニメになった最高地点の戦い方だいぶ好みです。

今回はVSマスターリーチ。楽しんでいただけたら幸いです。


file0:19【仲間がいるよ】

 統率個体を追い詰める数刻前……私は掃除をしていた。バイオハザードが起きた列車を止める前に乗り込んできたゴミ共の掃除だ。先頭車両を制圧し列車を確保したと確信しているそいつらを、我が同胞たちの「目」と「耳」で観察する。

 

 

「こちらデルタチーム。こちらデルタチーム。列車は確保しました。T-ウイルスによる被害を確認しましたが犯人は見つかりません。どうぞ」

 

《「了解。そのまま探索を続けてくれ。アークレイ研究所を壊滅させた犯人もいる可能性が高い」》

 

《「…こんなことありえない。だってそうだろうアルバート!なぜ黄道特急にT-ウイルスが漏れたんだ?研究所のある洋館と列車とは3マイルも離れてるっていうのに…!」》

 

《「ウィリアム落ち着け。喋り過ぎだ。そんなことよりこの事実が上にばれたら破滅だぞ。列車を始末するんだ、完璧にな。デルタチーム、引き込み線までの時間はどれくらいだ?」》

 

 

 ああ、無線の先にいるのか。我が怨敵、スペンサーに並ぶ最大最悪の宿敵…!アルバート・ウェスカー、ウィリアム・バーキン!そのことを確認した私は昂ぶり、擬態し潜伏していた壁から同胞たちを溢れださせる。

 

 

「あと10分と言ったところでしょうか……なっ!?う、うわああああああっ!?」

 

「ひいいいいっ!?」

 

「た、助けてくれぇええええっ!?」

 

《「どうした?なにがあった!」》

 

 

 3人の完全武装した男たちに纏わりつき、皮膚を千切り肉を喰らって侵食していく。手にした銃から弾丸が放たれるも、2年の間に増やした数には敵わない。粘液で固めたこの身に弾丸は通じない。この列車の人間を全滅させるために我が同胞の3分の1を向かわせたからな。男たちはすぐに動かなくなり、私は同胞を集め人型に擬態して無線を手に取る。

 

 

「やあアルバート、ウィリアム。声を聞けて嬉しいよ…生きていてくれてありがとう、お前たちはこの手で縊り殺さないと意味がない」

 

《「何者だ?デルタチームをどうした?」》

 

《「なぜ我々の名を知っている!?」》

 

「デルタチームとやらは我が同胞の餌になってもらった。ああ、よく知っているとも。忘れもしない、我が怨敵たちだ。私が何者か?おかしなことを聞く。私はお前たちもよく知る亡霊だ。必ずアンブレラに復讐を果たす。まずはお前たちだ、楽しみに待っておけ」

 

 

 そう言って溢れる怒りのままに無線機を握りつぶす。この近くで通信できる設備がある場所は限られている。…アンブレラ幹部養成所。我が生まれ故郷。さっそく赴いて滅ぼしてくれよう。ああ、この列車は釣り餌として停車させておくか。誰かが釣れるかもしれない。世界を滅ぼすには、数が必要。繁殖するためにももっと餌が必要だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 両腕を変形させた触手の表面に纏った粘液を刺々しく固めて、次々と叩きつけて粘液を固めた私の防御を容易く突破し肉体を引き裂いてくるマスターリーチ。まるで嵐の様な連撃に、なすすべなく追い詰められていく。ゴクとマゴクを構えて撃ってみるも、弾丸は粘液を纏った体表で全て弾かれる。私よりも粘液操作を使いこなしている…!?

 

 

「ハハハ、その程度か!統率個体ッッッ!」

 

「く、くそっ…」

 

 

 若りし父の顔で嗤うマスターリーチに、私は真正面からじゃ勝ち目がないと判断して階段横の部屋の扉に体当たり。こじ開けるとその配膳室と思われる部屋は上に穴が開いていて、手を触手に変形させて伸ばして、屋根に飛び移る。ついてきたエヴリンが心配そうに私の身体を見つめる。見れば、全身引き裂かれてでこぼこの悲惨な姿になっていた。

 

 

『クイーン、傷は大丈夫?』

 

「大丈夫だ、すぐ治る…」

 

 

 雨風に打たれながらも傷を再生させる。血も流れない我が身を見て、人間とはとても言えないなと自嘲していると、エヴリンは真剣な顔で首を横に振った。

 

 

『違うよ、身体は心配してない。心の傷だよ』

 

「…お前は気付いていたのか、エヴリン。私が…アンブレラへの復讐よりも、仲間を優先していたと」

 

『うん……幸せそうだし、復讐なんか忘れた方がいいと思って言えなかったけど…』

 

「忘れた方がいいわけがない。復讐は私にとって生きがいだ。リサにとっても、奴等への怨みは忘れられない。…ただ、同胞ではない……仲間ができて、心地よかったのも事実なんだ。アイツらに拒絶されるのが嫌で…」

 

『うんうん、わかるよ。大事な人に真実を明かすのは怖いよね。でもね、勇気を出して告白することも大事なんだよね』

 

 

 実体験でも語るかのように感慨深げにそう話すエヴリン。…そう言えば、こいつは人生の先輩だったか。見た目はともかく。

 

 

「…私はどうすればいい?どうしたら、いいんだ…」

 

『うーん。アイツの目的を聞いて、クイーンはどう思った?』

 

 

 エヴリンに言われて思い出す。“アンブレラに復讐を…地獄の炎をこの世全てに”マスターリーチは父の意思だとそう言っていた。それは駄目だ。それだけは止めないといけない。

 

 

「復讐すべきはアンブレラだけだ…世界も巻き込むのは駄目だ。それはもう、八つ当たりでしかない。…リサと会う前の私なら同じことを思っただろうが、リサとシェリーと…S.T.A.R.S.のみんなと出会った今なら、そう思える」

 

『ひどーい、私は関係ないんだ?』

 

「お前は世界が燃えても死なないだろう?」

 

『今の私どうやってここにいるのかもちゃんとわかってないけどねー……クイーン!後ろ!』

 

「後ろ?」

 

 

 エヴリンと笑い合いつつ、止めるためにも何か隙を探らねば…雨粒に打たれながらそう考えていたら、屋根を粘液が埋め尽くして浮上する様にしてマスターリーチが現れる。ローブの様なものを纏った原始人か魔術師みたいな恰好をした父の若りし頃の姿で不敵に笑う。

 

 

「呑気だな。私から逃げきれたと思っていたのか?この列車は私の物だ、我が同胞たちの3分の1が列車中に潜み支配している。私がいなくともな」

 

「…そうか、お前本人は…ここにいないんだな」

 

 

 その発言で分かった。こいつは私みたいに一つの個体を中心に他の個体で肉体を形作っている訳じゃない。思念波で操っている配下の個体を人型にして操り人形としてどこか遠くから操ってるんだ。それが余裕の理由か、卑怯者め。

 

 

「どんな手を使ってでも復讐を遂げる。それが我らの使命だ!」

 

 

 再び腕をとげとげの触手状にして、頭上で振り回して回転させ、ギュルギュルギュル!と渦を巻いて、勢いよく振り下ろされるのを、飛び退いて粘液で列車の縁にくっ付け掴まることで逃れる。足場にしていた屋根に大穴が開いて下の食堂が見えたので飛び降りると、首に触手が伸びてきて締め上げられる。

 

 

「ぐっ…!?」

 

『クイーン!』

 

 

 今の私は菌根を神経の様に張り巡らせて人型を形作っている状態だ。首を締め上げられる苦痛はダイレクトに伝わる。さらにトゲが食い込んで激痛が走る。不味い、このまま崩れたら奴に取りこまれる…!?

 

 

「ハハハハハッ!やはり性能は私が上の様だ!統率個体よ、我らが糧となれ!」

 

 

 溜まらず崩れ落ちた私を取りこもうとしたのか、マスターリーチの姿が崩れた変異ヒルの津波が天井の大穴から雪崩れ込む。足元から侵食する様に全身に這い回られて取りこまれそうになったところを、弾丸が撃ち抜いて吹き飛ばす。私が再生できることを知ってか知らずか、しかし私を構成している同胞に当たらない様に放たれたその弾丸の主は、いつの間にかここにやってきていたビリーだった。その横にはレベッカもいる。

 

 

「クイーン、無事か!」

 

「先輩!逃げてください!」

 

「おのれ!」」

 

 

 わざわざ顔だけ形成して撃たれたことに怒り、その場で跳ねて飛びかかる変異ヒルたち。レベッカはその場に立って構え、ビリーは射線が被らない様にか横に飛び退きながらいっせいに射撃。空中の変異ヒルたちは撃ち抜かれ、ボトボトと床に落ちて行く。バラバラなら弾丸は通じるのか。

 

 

「復讐を遂げるためにも同胞たちを失う訳にはいかない。そのダメージなら脱線でお前も死ぬだろう。大事な仲間とやらと一緒に炎に巻かれて死ね!」

 

『テンプレか!?』

 

 

 形勢不利と見たのか残った変異ヒルたちは高速で這ってこの場を去って行った。エヴリン、テンプレってなんだ。『清酒 松浪』で食べれる天ぷらの仲間か?あれ美味いよな、特にポテトが美味い。ってそうじゃない。




これはクイーンの物語。クイーンとマスターリーチの実力差は簡単に言えば「ヴェノム」と「ライオット」です。分かる人にはわかる。

次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
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