BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】   作:放仮ごdz

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どうも、放仮ごです。今回はそう言えば入れ忘れてたな、と思い出したクイーンが復活していた頃の裏話となります。セルケトのその後も明らかに。楽しんでいただけたら幸いです。


file0:21.5【死神の晩鐘】

 時は遡り、レベッカとビリーがアンブレラ幹部養成所に侵入した時。監視カメラでその光景を見張っている二人がいた。百卒長(センチュリオン・)ヘカトンケイルを哨戒に送り出し一服していたウェスカーとバーキンだ。石床を外し、下水道から侵入した二人を見てバーキンは眉を潜める。

 

 

「なんだ、あの二人は?奴らが件の襲撃者か?」

 

「いいや、恐らく違う。女はS.T.A.R.S.だ。レベッカ・チェンバース。…例の二人に懐いている」

 

「クイーンとアリサか。シェリーを預けられる信用に足る人間だがお前からしたら怪しいんだったか?」

 

「セルケトが最後に調べようとして目を付けていた人間がアリサだった。セルケトの記憶は欠損していたが接触していた可能性が高い。経歴にこそ不自然なところはないが裏付けは取れていない。共に配属され共に行動しているクイーン共々、RTと関係がある可能性が高い」

 

 

 アリサとクイーンとはシェリーの御守りとして実際に出会い、信頼を向けているバーキンに対してウェスカーは己の部下でもある二人に懐疑的な見解を述べる。

 

 

「あの二人に限ってそんなことはないと思うがな。シェリーが懐いているんだぞ?っと、そう言えば最近セルケトが一般人を襲って手に入れた電話で接触しようとしたって聞いたぞ。どうしたんだ?」

 

「ああ、セルケトか。言ってなかったか?お前が始末させた後、二年間も人目を避けてラクーンフォレストを彷徨っていたらしくてな。お前に裏切られたと、アンブレラにはもう従えない、私にしか頼れないと、そう言っていたよ。だから待ち合わせして指定した場所に「死神」を向かわせ…始末させた」

 

「お前も鬼畜だな。死神と言うと……ハンクか」

 

 

 覚えがあったのか、モニターを見ながらそう尋ねるバーキンに頷くウェスカー。

 

 

「そうだ。どんな過酷な任務でも必ず生還する反面、奴以外のメンバーがその過酷さ故に任務中に全滅するため「死神」という異名を持つ男、コードネーム:ハンク。あの部下の育成だけは有能なアルフレッド・アシュフォードが育てた面々の中でも別格の男だ。戦闘力なら随一のセルケト相手でも任務を成し遂げた」

 

「アシュフォード……嫌な名前だが、優秀なのは確かか。しかしあの傷でも生きていたとはな…なりふり構わず報復を選択していたらシェリーの身も危なかった。死んでせいせいしたよ。……しかし待て、RTには人間の経歴を操作する様な力はない。考え過ぎじゃないか?」

 

「RTに投与した菌根には謎が多い。その力がその類じゃないとどうして言い切れる?」

 

「あれの研究はヨーロッパ支部に任せてある。報告待ちだな。まあチェンバースとやらは危惧することはないだろう、そのアリサとクイーン本人じゃないんだからな。まあいい。それで男の方は?」

 

「知らんな」

 

 

 その時だった。アンブレラ幹部養成所の各所に取り付けられたスピーカーからその声が聞こえたのは。

 

 

《「客人を歓迎しよう。ここはアンブレラ幹部養成所。静粛に。所長のマーカスである。当養成所の指針を告げる。忠誠は服従を生み、服従は規律を生む。規律は力となり、その力が全ての源となる。忠誠・服従・規律。皮肉ながらも我が死のあとにもその指針は守られていた様でなによりだ。なあ、私を殺した愛弟子二人よ」》

 

 

 死んだはずのマーカスの声で紡がれたその言葉と共にモニターが操作され映し出されるのは件の謎の美青年。あまりにこの場ににそぐわない恰好の不審者に、思わず眉を潜める二人。

 

 

「何者だ?」

 

《「洋館をT-ウイルスで汚染させた者だ。無線で話しただろう?アルバート。ウィリアム。私が御膳立てしてやった列車のパーティーは楽しめたかな?代わりの者をよこすなんて無粋だぞ」》

 

「なに?」

 

 

 続けてスピーカーではなく自分たちだけに向けられた通信。最初はマーカスの声だったが声変わりの様に徐々に年若い声になっていく男に、正体が分からず狼狽するウェスカーとバーキン。それをどこからか見ているのか、上機嫌となる謎の美青年。

 

 

《「フハハッ。わからないか?いい気分だ、君達を出しぬけたのは。もう一度言おう、これはアンブレラへの復讐だ。忘れたとは言わせないぞ」》

 

 

 そう言って歌い出した謎の美青年…否、マスターリーチの足元で蠢いた変異ヒルたちがマーカスの擬態を作り上げて行く。クイーンが列車で戦った偽物と同じ存在である。

 

 

「マーカス所長だと…!?」

 

《「まだ所長と言ってくれるのか?どの口が……10年前、私はアンブレラによって殺された。お前たちが主犯だ。私の第一目標はお前たちだ。だからこそわざわざここまでやってきた。ここをまた再利用しようと言う計画があったんだろう?先手を打たせてもらった」》

 

 

 そう上機嫌で語る彼の背後の床を押し上げ、現れた巨大なムカデに思わずウェスカーとバーキンはほくそ笑む。侵入者の排除という命令を与えた百卒長(センチュリオン・)ヘカトンケイル。よくわからない死人を騙る侵入者の死を確信するがしかし、背後から襲いかかったヘカトンケイルは、振り返りもしないマスターリーチの裏拳で殴り飛ばされ、機材を吹き飛ばしながら倒れてしまった。複数の変異ヒルで構成されているため、全身に目があるマスターリーチに不意打ちは通じないのだ。殴り飛ばされたヘカトンケイルは逃げる様に床に引っ込んでいく。

 

 

《「お前たちの子飼いのB.O.W.か?可愛い物だ、格の差がわかるらしい。…覚悟しろ。お前たちに安寧は決して訪れない。フフフッ、ハハハハハッ!統率個体も死んだ、私を止められるものは存在しない!」》

 

 

 そう言い残して通信を切ったマスターリーチ。残されたウェスカーとバーキンは、顔を見合わせるしかなかった。




このあと逃げる様に移動したらレベッカたちと出くわして戦うことになるヘカトちゃん。セルケトはハンクの手で始末されたらしいです(目逸らし)

次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
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