BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】 作:放仮ごdz
今回は養成所探索。楽しんでいただけたら幸いです。
ヘカトンケイルを撃退した私達は、複雑にも程があるアンブレラ幹部養成所の仕掛けに翻弄されながら探索していた。
「マイクロフィルム、黒の像、白の像、GOODの書とEVILの書、火に水の鍵にそれに対応した扉………父よ、悪く言うつもりはないが…頭のいい馬鹿か?」
『愛する子供にまで馬鹿呼ばわりされるのは草』
「同感だ」
「絶対不便ですよね」
像で釣り合わせろとかいうなんか未来で見たことがある気がする天秤の仕掛けを、めんどくさくなったクイーンが同じ重さの粘液を分泌すると、下のマーカスの肖像画が下にずれて地下への階段が出現。今まで頑張ってアイテムを集めたのはなんだったのか。
『私が先行してくるね……ギャアアアアアアッ!?蜘蛛ォオオオオッ!?』
毒ガスとかあったら危険なので私が先行。そしたら壁を擦り抜けた瞬間、人ほどがある巨大な蜘蛛の顔がドアップになり絶叫。慌てて駆け付けたクイーンがゴクとマゴクを連射して撃破してくれた。
「なーにが先行してくるだ。この程度の蜘蛛、さっきのヘカトンケイルに比べたらましだろう」
『蜘蛛にはいい思い出ないの!主にマーガレットのせいで!』
「誰だマーガレット。…お前の言ってた未来の人間か」
『うんそう。…詳しいこと、聞かないの?』
ずっと思ってたことだ。色々あってそれどころじゃなかったとはいえ、過去のイーサンの時みたいに聞いてこないことが不思議だったのだ。
「後でゆっくり聞くさ。今はそれどころじゃない」
『それもそうだね。ギャアアアアア!?また出たあああ!?今度は二体ぃいいいいっ!?』
「再放送か。ビリー、レベッカ。来ていいぞ」
会話しながら曲がった先でまたデカい蜘蛛に出くわして泣いた。ゴクとマゴクで撃ってあしらいながらビリーとレベッカを招きよせるクイーン冷たいなあ。ぶーぶー。なんか嫌がらせしたい。あ、そうだ。
『そういや暇だったから三人が探索中にファイル漁ってたんだけど途中で見かけたでかい蟲、プレイグクローラーっていうらしいけどマーカスがT-ウイルス計画の初期に複数の昆虫の遺伝子を用いて作った昆虫型B.O.W.なんだって。クイーンの子供みたいなもんだね』
「やめろ。あんな気色悪いの子供とか考えたくもない」
『ヒルに始祖が定着してT-ウイルスが完成できたって喜んでいるファイルもあったよ』
「……複雑な気分だなそれ」
苦虫を噛み潰したような表情になるクイーンに思わず苦笑い。まあ言っちゃあなんだけど、クイーンはT-ウイルス関連の元凶だ。リサがあんな姿にされていたのもクイーンのせいと言っても過言じゃない。だけど私はここでとある漫画の言葉を思い出す。武器自体に罪はない、それを悪事に使う人間こそが真に悪いのだと。つまりクイーンではなくそれを利用していたアンブレラが悪いのだ。Q.E.D.証明終了。
「なんで踏ん反り返ってるんだ?」
『クイーンを完璧な弁護したんだよ』
「???」
ああ、イーサンみたいに理解してツッコんでくれない。もう10年以上経つけど寂しいのは変わらないなあ。すると広い部屋に出て、周囲を調べていたレベッカが高いところを指差した。
「先輩、あの通風孔。どこかに通じてませんかね?ビリーに肩車してもらえれば私が…」
「いいや、私が行く。骨が無いから人より関節が柔らかいんだ。ビリー、頼む」
「了解」
『待って、私が先に行く』
クイーンがビリーに肩車してもらって通風孔に入ろうとするので先行して先を確認して、絶句する。……マーカスそういう趣味があったのかあ。
「エヴリンどうした?…よし、届いた」
「持ち上げ甲斐があったよ」
「先輩。エヴリンさんはなんて?」
「なんか知らんが絶句している。なにかあるらしいから見てくる」
そう言いながらクイーンも通風孔を潜り抜けて着地すると同時に絶句。そりゃそうだろう。数多く並べられた拷問器具に電気椅子。手錠に鎖。荒縄にアイアンメイデンに、水攻めする檻。いわゆる拷問部屋だった。
『…マーカスの趣味、かなあ?』
「…父よ。貴方への信頼が揺らいでいるぞ」
「先輩、なにかありましたー?」
「知らん方がいい。二人は来るな」
言いながらクイーンが奥の電源操作パネル…何に使われていたか知りたくもない…を操作し、電圧を調整。先に進めるようにする。よし、後は戻って……っ!?
『クイーン!後ろ!』
「なにっ?ぐっ!?」
いつの間にか隙間から溢れだしていた変異ヒルが集まって若いマーカスの姿…マスターリーチを形成。クイーンの後ろに立って首を掴み締め上げてきた。不味い、菌根で神経が形成されているクイーンにそれは効く!
『クイーンを離せ!』
「まだ生きていたのか……元統率個体。確かに死を確認したはずだが……まあいい。エヴリンだったか?触ることもできない幻影如きになにができる?」
飛びかかるもやはり擦り抜ける。私の事を知って…いや当たり前か、クイーンの同胞だもの。煽ってくるのはいいけど、そっちがその気ならこっちにも考えがあるぞお。
『ならこれはどうだ!スゥウウ……ワアアアアアッ!!』
「ギャアアアアッ!?」
耳元に近づいてメガホンの様に手を形作ってマスターリーチの耳に向けて渾身の絶叫。鼓膜(あるのか知らないけど)に直接大声を叩きつけられたマスターリーチも絶叫。クイーンを手放して耳を押さえてよろよろと後退する。クイーンに悪戯するうちに覚えた、声だけはちゃんと伝わることを利用した私の攻撃手段の一つだ。常人なら耳が潰れる。
『どうだ!私の切札!超至近距離鼓膜絶叫!』
「お前、それ使うとかえげつないな……」
「この、クソガキめ!」
『あぶなっ!?』
右手を変形させた触手を振り回して私を遠ざけるマスターリーチ。当たらないんだけど、擦り抜ける感覚はやっぱりいやだ。ぬめぬめしてるし。だけどそれは、私の注意を惹くには十分だった。奥で駆動音がしたことに私は気付かなかった。
「…だがなにしても無駄さ。ここは既に私の物だ、目障りな君達には消えてもらおう。エリミネーター!」
「なに?ぐああああっ!?」
『クイーン!?』
マスターリーチの叫びと共に、上から降りてきた巨大な猿がクイーンにしがみ付き、鋭い指で胸元を引き裂いてきた。クイーンは咄嗟に左手で掴んで粘液でくっつけ、それを用いて引っ張り前方に向けて投げつけることで逃れる。
「こいつは
そう言うマスターリーチの傍に次々と二匹目、三匹目と現れるエリミネーター。あれ、こいつら目が見えてない…?もしかして視力は失ってるけど聴覚が発達してるとか?なら私の声…にも反応してないってことは菌根を使う前のT-ウイルスで作られたB.O.W.……私の声が通じないってことだ。
『クイーン、ここは戻って二人と合流…』
「どうやってだ…っ!?」
するとエリミネーターの一体が突撃、咄嗟に両腕を粘液硬化して受け止めたクイーンが床に叩きつけられ罅割れ、下は空洞だったのか崩れ落ちる。クイーンはそれにもろに巻き込まれて、落下してしまった。
『クイーン!』
「…想定外だがちょうどいい。今度こそ元統率個体は終わりだ。フフフッ、ハハハハハッ!」
そう言ってマスターリーチは変異ヒルに分裂して去っていく。私はクイーンの安否確認かマスターリーチを追うかで迷って、クイーンを選んで降下する。無事でいて、クイーン!
レベッカの代わりに落下イベント発生するクイーン。父に対する信頼が揺らいできました。
エヴリンの虎の子、超至近距離鼓膜絶叫。クイーンへの悪戯から生まれた技です。本来はエリミネーターに特攻なんだけど残念菌根が無かった。
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。