BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】 作:放仮ごdz
今回は赤い煙突の家を目指す話。楽しんでいただけると幸いです。
道の途中をトラクターで阻まれていたので、ジャッキを探して奥に進み小屋に入ると、変な写真が置いてあって。引っくり返すと何やら書かれていた。
「『【窓の外を見ろ】?』」
覗いてみると、窓枠やら奥の壁やらに数字が描かれていて。なるほど、と思った矢先窓の外に唐突にライカンが顔を出してきた。
『わきゃー!?』
「驚かせるな!」
たまらずスナイパーライフルを構えて発砲。頭部が破裂したライカンが転がる。本気でビビったぞ…!
『あ、これの番号かな?』
「070408、だったな」
エヴリンが棚に6桁の数字を入れるダイヤル錠がついているのを見つけ、窓の外を見た時に出た数字を入れると、ハンドガンと思われる銃とジャッキグリップが出てきた。
『お、強そうな武器だね』
「…フルオート射撃が可能みたいだな。これは予備として鞄に入れておくか」
さすがに三丁も使わない。刀ならともかく、銃は腕がもう一本生えない限り無理だ。……。
「…なあ、腕を増やしたりできるか?」
『イーサン、自分が普通の人間だと思うならそういうこと言うのやめよう?』
気の迷いで聞いてみたらなんか娘に諭された。解せぬ。
銃声を聞いたのか集まってきたライカンを二丁拳銃で殲滅しつつ、トラクターのところまで戻るとジャッキを使って持ち上げ、下から潜り抜けることで先に進む。するとまたライカンがいたので鞄で殴りつけ、スコープを覗かずにスナイパーライフルを腰だめで構えてクイックショット、吹き飛ばす。
「…スコープいらなくないか?」
『多分その使い方間違ってると思う。…んん!?』
「どうしたエヴリン……あ」
エヴリンが何かを見て声を跳ねさせたので何事かと振り返ると、そこにはゆっくりと歩いて来ている、獣を模したと思われる鉄兜を被って両腕に複数の刃物を束にして巻き付けている他の者より大型のライカンがいた。なんだこいつは!?
「ちい!」
スナイパーライフルを腰だめで撃つが、両腕の刃を盾に防がれる。装備が重いのか鈍重な走りで接近してくる大型ライカンにスナイパーライフルを投げ捨てて二丁拳銃を手にして乱射するが、鉄兜と刃で弾かれて文字通り歯が立たない。MAVELコミックのウルヴァリンみたいなやつだな!せめてショットガンがあれば…!
『イーサン!ブレード、いくよ!』
「頼む!」
ハンドガン二丁を腰に戻すとエヴリンが手を翳し、両腕をブレード・モールデッド化。奴の振り下ろしてきた両腕の刃と鍔迫り合い、腹部を蹴りつけて距離を取ると左腕の刃を胸に突き立てて身動きを取れなくすると、渾身の力で右腕の刃を振るい鉄兜を弾き飛ばす。
「そこ!」
そのまま顔面に刃を突き立ててノックダウン。動かなくなり結晶化して崩れ去った大型ライカンに一息つく。強敵だった。スナイパーライフルを拾って背中に担ぎ直しつつ、完全結晶化した頭部をどうしたものかと考えて、鞄に入れることにした。
『見た目がかっこいいからそんなに怖くなかったね』
「ドミトレスクもそうだが、人間離れした姿の方が一周回って怖くないよな…」
奥に進むと鉄格子の鍵で閉ざされている扉があったので開錠したり、道が閉ざされている様なので梯子を上って屋根に上がったりで赤い煙突の家まで来た俺達は屋根に開いた穴から潜入。ライカンが一匹いたので二丁拳銃で蜂の巣にするが、他に人はいない。…おいおいまさか、デュークの言ってた奴ってこのライカンのことじゃないだろうな?
『やっぱりあいつ、騙したな!』
「…いや、嘘は言ってなかったらしい」
そこにはメモがあって、ミランダと四貴族…ドミトレスクたちのことか?…がローズを結晶化して分割していたのを見たという記述があった。その時にミランダが言った言葉によると、ローズは選ばれし子。如何なる姿になろうとやがて元に戻る…と。また、四つに分割されたローズは四貴族がそれぞれ授かったらしい。
『ひどい…ローズマリーがなにしたっていうの』
「ドミトレスクが持っていたのが頭だけだった理由が分かった。後は奴等の居場所だ」
また、もう一枚のメモには双翼の鍵は三つの部品で真の姿を取り戻すとも記述があり、そこには部品と思われるパーツがあったので双翼の鍵と組み合わせてみると、四翼の鍵が完成した。…たしか、デュークのいた広場にこの鍵を使える扉があったな。
「戻るか…デュークのとこへ」
『これでまだ話さなかったら一回撃ち殺そうよイーサン』
「お前、物騒だな…気持ちは分かるが」
ライカンは大体殲滅していたため簡単に戻ってくると、デュークが全てを見透かした様な顔で出迎えてきた。
「どうです?何かわかりましたか?」
「羽根を見つけた。この金細工でどうローズを助ける?」
「まあ落ち着いて…まずはその鍵を使ってローズ様の瓶を集めねばなりません」
『それはわかってるよ!』
「残りは何処にある?」
「もうご存知かもしれませんが瓶は全部で4つ。残りの3つは四貴族の残る各貴族が持っています」
「貴族、だと?あいつらが?」
ドミトレスクはともかく他の三人はそんな気品溢れる感じはしなかったが、あいつらが四貴族なのか?
『マダオとマザコンブサイクと黒づくめ陰キャだもんね』
「この村を統治している冷酷な教祖ミランダのもとには4人の貴族が仕えています。1人はあなたが倒したドミトレスク夫人。2人目は村の奥深く、霧の谷に住む人形遣いのドナ。彼女の屋敷に入った者は二度と帰ってはこられません」
『黒づくめ陰キャのことかな?クソガキ人形とはキャラが被ってるからやだなあ』
お前は人の事を陰キャ呼ばわりする性格の悪いクソガキだから大丈夫だぞ。さらに怖がり強がりヒステリックときたもんだ。これでキャラが被ってるわけがない。
「そして3人目は風車を抜けた先の湖に棲む怪人モロー。その湖には他にも恐ろしい怪物が棲むといいます」
『マザコンブサイク!マザコンみたいな顔だったんだよね!』
どんな顔だよ。しかも偏見だったのかよ。
「最後にしてもっとも危険なのが、ハイゼンベルク卿。人里離れた工場に潜んでいます。噂によると彼の工場には想像を絶する恐怖が待ち構えているのだとか」
『マダオが一番強いのかー、そりゃマグネットニートみたいなことしてたもんね』
マグニートーな。アメコミに興味ないからって変な覚え方するな。
「娘さんを助けたければまずは4つの瓶を集める事です。今回だけは特別にそれぞれの場所を地図に記しておきました。どうぞ」
「なぜここまで…」
『いくらなんでも知りすぎじゃない?』
「いえ、あくまで顧客サービスの一環ですので。お気になさらず。何故知っているかは……企業秘密でございます。今後ともどうかご贔屓に…」
村とその周辺に4つの紋章が描かれた地図を渡してくるデューク。正直、ありがたい。
「ああそうだ、ウィンターズ様。いい食材が見つかればぜひお持ちください。そろそろお腹が空いてきたでしょう?料理を作ってもてなして差し上げますよ」
「なんだって?」
『そういえば、ミアの夕飯を食べずに連れてこられたんだっけ』
エヴリンに言われて、そう言えば今まで何も口にしていなかったことを思い出す。…村に鶏とかいたな。さすがに腹ごなししないと不味い。…狩ってくるかあ。
「用意したぞ」
『鶏と追いかけっこしているイーサンは正直傑作だった』
「おお!全ての食材が揃いましたな!さっそく!」
鳥の生肉三つに魚の生肉三つ。これぐらいでいいだろう。追いかけてナイフで斬るのは地味に大変だったぞ。簡易的なガスコンロとフライパン、調味料や小麦粉などが入った袋を取り出しその場で真剣な顔で調理するデューク。エヴリンが美味しそうな匂いで顔をだらけさせていた。正直、こんな状況でなければ俺も同じ顔になりそうなぐらいいい匂いだ。
「お待たせしました!貴方の分も!魚の香草焼きでございます」
「鳥肉どこに行った」
『お゛い゛じぞう゛だなあ』
そして、数種のハーブとパン粉を付けて焼いた魚料理が完成。食べたら体力がつきそうだ。涎だばだばで羨ましそうに見てくるエヴリンを無視していただく。久々に食べたのも相まって、実に美味だった。
「まさか極寒のこの土地でこれほどの料理にありつけようとは!もし覚えていたらまた食材を調達してきてくださいね。ごちそうを振る舞いましょう」
「ああ。…料理とローズの情報、感謝する」
『いいないいなあ。いつか私もマーガレットの料理より美味しいもの食べたいなあ』
デュークのもとを後にし、四翼の鍵を使って扉を開ける。地図によるとこの先にいるのは人形遣いのドナらしい。個人的にハイゼンベルクの次に得体の知れなかった相手、黒づくめ陰キャだ。警戒していこう。
大型ライカンを見てウルヴァリンと思ったのはイーサンだけではない筈。やっと次回、ドナ邸です。
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
ハイゼンベルクとはどうする?
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共闘する
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原作通り敵対する