BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】   作:放仮ごdz

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どうも、放仮ごです。結構長くづついた0編もクライマックスとなります。

今回は女王ヒル編ラスボス降臨。楽しんでいただけたら幸いです。


file0:34【プロトタイラントR(リボーン)

クイーンたちと別れて、立体的移動できるオメガちゃんとヘカトちゃんだから行けるルートを進んでいく私達。辿り着いたのはなんかの処理場のB9にあるダム管理塔下層。肉の腐った腐臭と血の臭いがむせ返ってえぐい。私はそんなに感じないけど絵面が酷い。

 

 

「ここ、嫌いだわ。…痛みもなにもない」

 

『…うん、つまり「死」しかないわけだ……ここ、多分アンブレラの犠牲者たちの……いや、マーカスの始祖ウイルスの実験の犠牲者たちの方が多いかな?』

 

 

 ヘカトちゃんの心底嫌だと言う顔で呟かれた言葉に、理解する。生者が存在しない、死しかない場所。嫌なところに来ちゃったなあ。オメガちゃんもそわそわと落ち着かなさそうだ。

 

 

『こんなところに脱出できる道があるわけないか、戻ろうオメガちゃん、ヘカトちゃん』

 

「了承」

 

「ええ、賛成…!?」

 

「そう言うな。せっかくの地獄の果てだ、ゆっくりしていくといい」

 

 

 瞬間、ヘカトちゃんの胸部を背後から貫き、持ち上げる鋭い一本の刃。ヘカトちゃんの2.5メートルほどはある巨体を軽々と持ち上げ壁に叩きつけたのは、3メートルを超える大男。右腕の爪が肥大化していて、全身腐敗していて特に背中の皮膚が裂けて肉と背骨が露出し右側に存在する剥き出しの心臓が目立っているが、なにより目を惹くのは頭部。スキンヘッドの頭部から上半身にかけてまで皮膚はぬめりを帯びた暗緑色で、眼球のあった場所はナメクジのような触角が生えていて、頭頂部には大男の頭部に変異ヒルが溶け込んでくっ付いている。それはリーチゾンビによく似ていた。

 

 

『大丈夫!?ヘカトちゃん!……その声は、マスターリーチ…!オメガちゃん!お願い!』

 

「了承。…!?」

 

 

 オメガちゃんが右腕の爪を振るうも、ガキン!と虚しく弾かれた音が響く。全身を覆う粘液が硬化して斬撃を弾いたのだ。そのまま左腕を触手に変形させ、大きく振り回してオメガちゃんを吹き飛ばすマスターリーチ。…いや、異常に発達した筋肉で防御も攻撃も強力になってる。これはもう別物だ。

 

 

『…何の肉体に入っているの?ヒルだけで構成した身体じゃないよね?』

 

「プロトタイラント。ここに破棄されていた、究極のB.O.W.の試作品さ。素晴らしい肉体だ、名をプロトタイラントR(リボーン)とでもしようか。他の肉体を乗っ取るのは同胞たちに任せていたが、ここまでの肉体なら私自らが使ってしかるべきだ。そうだろう?我が同胞より有用だ。私より知能の劣る有象無象を率いたところでたかが知れていた。そのことが知れた祝いだ、楽しい宴を始めようじゃないか。お前たちの弔いの宴を」

 

 

 そうプロトタイラントの顔で嗤って見せるマスターリーチに、胸部の風穴を再生させたヘカトちゃんが立ち上がってムカデ腕を巻き付かせる。毒の棘が粘液とぶつかり合ってジュージューと音を立てた。

 

 

「勝手なことを言わないで!あなたに愛はないわ!」

 

「…エヴリン、命令を」

 

 

 するとオメガちゃんが立ち上がり低く構えて私に指示を仰ぐ。自分から指示を求めるのは初めてのことだ。オメガちゃんはハンターのリーダー格だ。同じリーダー格でありながら自分の仲間を見限ったマスターリーチの事が許せないんだろう。明らかな怒気を感じられた。明らかな成長だった。それがこんなやつのせいってのが気に入らないけど……。

 

 

『やっちゃえオメガちゃん、ヘカトちゃん!』

 

「了承!」

 

「任せて!愛を教えてやる!」

 

 

 言いながらムカデ腕を引っ張って独楽回しの様に回転させながらマスターリーチを解放するヘカトちゃん。そこに、一瞬でマスターリーチの目の前まで跳躍したオメガちゃんの飛び蹴りが炸裂。吹き飛ばされたところにヘカトちゃんのムカデ腕の乱舞と、それを掻い潜ったオメガちゃんの心臓を狙った突きが連続で襲いかかり、マスターリーチは左腕も粘液で刃を形作り両腕を振るって斬り弾いて行く。

 

 

 

「フハハハハハ!さあ行くぞ!凌いで見せろ!」

 

 

 ビタン、ビタンと触手状に伸ばした左腕を地面にのた打ち回らせるマスターリーチ。先端に刃を死神の鎌の如く虚空を切り裂き、ヘカトちゃんの右のムカデ腕に巻き付かせるとずたずたに引き裂きながら引き寄せると右腕の爪で斬り裂き、吹き飛ばす。

 

 

『今だオメガちゃん、行けえ!』

 

「了承!」

 

 

 そこに、好機を見計らって叫んだ私に頷いて飛び込んだオメガちゃんが、壁にめり込む握力を持つ右手で爪を握り、万力の如き握力で折り曲げ、ぽっきりとへし折ってやった。さすがオメガちゃん!メイン武器を奪ったぞ!

 

 

「無駄だ、補強すればすむことだ!」

 

『…お前、毎回毎回ずるいね!?』

 

 

 しかしマスターリーチは一本だけ肥大化していたものだった右手を、粘液で固めた三本爪を装備して補強。オメガちゃんをアッパーカットで弾き飛ばし、背後から伸ばしていたヘカトちゃんの左のムカデ腕を粘液硬化した脚で蹴り飛ばして迎撃するマスターリーチ。頭頂部の本体が目の役割を果たしている、あれがある限り不意打ちも、どんな角度からの攻撃も通じない。

 

 

《「聞こえるか、応答しろ!こちらクイーン、脱出口が分かったぞ!」》

 

 

 すると、オメガちゃんの腰にクイーンが粘液で引っ付けておいたビリーの無線機に着信。クイーンの声が聞こえてきた。

 

 

「こんのおお!オメガちゃん、行くよ!」

 

「了承」

 

『クイーン、なに!?こっち今手が離せないんだけど!?』

 

 

 思わず怒鳴り散らす私の前で、マスターリーチの両腕と、オメガちゃんとヘカトちゃんの右腕がかち合い弾き飛ばされる。単純な筋力で負けてる!?二人ともかなり怪力のはずなのに!

 

 

「ハハハハハッ!この程度か、優秀なB.O.W.諸君!お前たちも我が手駒にしてやろう!」

 

 

 そんなことを言いながら触手状にした左腕を振り回すマスターリーチに、リーチゾンビにされたエドワードを思い出す。あの触手は変異ヒルで形成されている、変異ヒルを頭部に寄生されたら終わりだ、それだけは防がないと!

 

 

《「エヴリン!私達もすぐに向かう!今どこだ!?」》

 

『私たちが今いるのは、処理場の最下層!あいつ、とんでないのにくっ付いて……ああっ!?』

 

 

 そこまで言ったところで、身を翻して避けたオメガちゃんの腰に触手が強打。殴り飛ばし、無線機が粉々に粉砕される。連絡手段が!?私が離れてこの場所を伝えようにも、オメガちゃんとヘカトちゃんの二人を放っておけないし……どうしよう!?

 

 

『オメガちゃん!右から来るよ、弾いて!』

 

「了承」

 

 

 とんでもない身体能力で壁を跳ねて三本爪を振り回してくるマスターリーチに、オメガちゃんに的確な指示をして対抗。続けざまに集中しながらじっと見て、どこから来るのかを予想して指示を出していく。

 

 

『左!右上!右下!右の背後から触手!右から来るぞ、気を付けろ!お前の動き、単調でわかりやすいんだよ、バーカ!』

 

「ならこれはどうだ?」

 

 

 私に馬鹿呼ばわりされてムカついたのか怒りの表情をプロトタイラントRの顔で作ったマスターリーチは、右腕の肩口を変異ヒルで食い破って千切ったかと思えば、変異ヒルで繋げて右腕を伸ばし、地面に三本爪を突き立て、右腕を引き摺り大地を引き裂きながら突進。勢いづけたそれを、勢いの任せて振り上げた。

 

 

「地獄に落ちろ…!」

 

「危ない、オメガちゃん!」

 

『防ぐのは駄目、避けて!』

 

 

 咄嗟にオメガちゃんの前に出たヘカトちゃんが両手のムカデ腕を盾にして防ごうと試みるも、マスターリーチ最大の一撃はムカデ腕を両腕とも真っ二つに両断して、ヘカトちゃんの胴体に一文字の傷が顔から下半身までかけて刻まれ、黄色い体液が噴水の様に噴き出した。

 

 

「ああ、……仲間のために受けたこの痛みこそ……あ、い……」

 

『ヘカトちゃん!?』

 

「ヘカ、ト……」

 

 

 ヘカトちゃんは膝から崩れ落ちて倒れ伏し、オメガちゃんは呆然自失とした様子で立ち尽くす。そんなオメガちゃんに容赦なく、マスターリーチの左腕が振り上げられる。その先には変異ヒル。不味い、止めれない!

 

 

「すぐに同じところに送ってやるさ。お前は手駒としてだがな…!」

 

『オメガちゃん、逃げて!』

 

「…りょう、しょ…」

 

 

 ヘカトちゃんがやられたからか反応が芳しくないオメガちゃんにマスターリーチの左腕が叩きつけられる。しかしそれは、ギリギリで止まっていた。同時に聞こえてくる女性の歌声。振り向けば、遥か上の通路で、私達のヒーローが歌っていた。そうか、同じ統率個体だ。マスターリーチのやっていたのと同じように…!

 

 

『クイーン!!』




名前がリボーンなのはあのバイオから。敢えてほかに何も語らないでおきます。

次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
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