BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】   作:放仮ごdz

188 / 535
どうも、放仮ごです。またまたピクシブでエレメンタル㏇さんがファンアートを書いてくださいました!今回は0編の面々+ゼウです。名シーンもイラストになっていてすごくいいものなのでぜひご覧ください。

今回で終わらせるつもりだったけど長くなったので分けました。クイーンVSマスターリーチ(プロトタイラント)です。楽しんでいただけたら幸いです。


file0:35【リーチタイラント】

 緊急事態なのは明白だったので、レベッカとビリーといったん別れ、粘液糸を用いた高速移動を利用して一足早く処理場にやってきた私は、その部屋の上部に出て状況を確認して戦慄する。ヘカトがオメガを庇ってやられた瞬間だった。いくら復活できると言っても限度がある。脳までざっくり行かれてる、アレは無理だ。間に合わなかったのだと理解して、それを行ったマスターリーチであろう巨人を睨む。絶対に許さない。

 

 

「すぐに同じところに送ってやるさ。お前は手駒としてだがな…!」

 

『オメガちゃん、逃げて!』

 

「…りょう、しょ…」

 

 

 呆然としているオメガにマスターリーチの左腕が振るわれる。あの時最後に聞こえた台詞から同胞を寄生させて乗っ取ろうとしていることに気付いた私の脳裏に、歌声で同胞たちを操っていたことを思い出す。ゴクとマゴクは…射程距離外だ。咄嗟に猿真似で歌声を響かせ強く意識すると、マスターリーチの動きが止まった。

 

 

『クイーン!!』

 

「来たかクイーン・サマーズ!殺してやる!」

 

 

 歓喜に溢れたエヴリンと殺意に満ちたマスターリーチの声を受けながら、粘液糸を伸ばして宙に舞い上がる。左腕を五つに枝分かれさせてまっすぐ伸ばして攻撃してくるマスターリーチに、私は糸を手放して空中を舞い降りながら合掌。

 

 

「そっちがそう来るなら…こうだ!」

 

 

 放出した粘液糸を引っ張り宙返りして回避しながら、ぐるりと新たに飛ばした粘液糸で縛り上げて壁にくっつけ、それを次々と襲いくる枝分かれした左腕すべてに行い、まるで枝を伸ばした大樹の様にばらばらに壁に拘束されたマスターリーチは無理やり引きちぎろうとしてにょーんと伸びる粘液糸に驚く。粘度マシマシ、列車を止めた際に使った特性粘液糸でできた蜘蛛の巣だ。そう簡単にはちぎれんぞ。

 

 

「馬鹿め!これは変異ヒルでできた腕だ、いくらでも替えが効く!」

 

 

 そう叫んで右手の爪で肘から先を斬り落とし、新たに変異ヒルを集めて左腕を生やすマスターリーチ。そう来ると思ったよ。私は舞い降りながら糸を複数頭上に飛ばして、分断されたマスターリーチの左腕がくっ付いたままの粘液蜘蛛の巣にくっつけて引っ張ると、粘液蜘蛛の巣が網になって私の元に引き寄せ、左手を変形させて取りこんだ。

 

 

「あんな奴の命令を聞く必要はない。私の元に来い」

 

 

 マスターリーチの左腕に擬態していた変異ヒルたちに呼びかけ、マスターリーチが手放した支配権を得る。そして急降下、粘液糸を頭上に飛ばして両手で握り、スイングキックをマスターリーチに叩き込んで怯ませるも、左手で足を掴まれ勢いよく床に叩きつけられる。

 

 

「があ!?」

 

「役立たずの我が同胞をいくらか奪ったところで力の差は埋まらん!」

 

 

 そのまま壁に投げつけられるも、支柱に粘液糸を飛ばして遠心力を伴わせて飛び蹴りを叩き込んで後退させる。

 

 

「おのれ、ちょこまかと!」

 

『…そうか!オメガちゃん、しっかりして!あいつの、変異ヒルで形成されている全てを斬り落として!クイーンがピンチなの、お願い!』

 

「…了、承…!」

 

 

 そのまま粘液糸を利用した高軌道力でマスターリーチを翻弄していると、私の意図に気付いたのかオメガの傍に浮かんで指示を送る…いや、頼み込むエヴリン。ヘカトがやられてから呆然自失していたオメガの目に光が戻り、一瞬で距離を詰めるとマスターリーチの左腕を肘から先を斬り落とし、右腕を中指から外側をそぎ落とし、さらには全身を切り刻んだ。

 

 

「もう腕とごく一部にしか残ってなかったようだな…!」

 

 

 擬態を解いてボトボトと落ちて行く同胞たちが迷っているのが見てとれる。さっき回収し取り込んだ同胞たちの記憶からわかったことだが、マスターリーチはあの肉体を見つけてから同胞たちを見限り、便利な道具程度にしか思ってないのだという。迷うのも…いや、私を選ぶのも必然だった。

 

 

「これでお前以外の変異ヒルが私に集ったわけだ。お前に勝ち目はないぞ、諦めて取り込まれるというなら殺しはしない」

 

「馬鹿め。もう私に役立たずで愚鈍な同胞たちなど必要ない!私ひとりさえいれば、苗床さえあればいくらでも増やせるからな!それにこのプロトタイラントさえあれば、世界を燃やすなど容易い!」

 

 

 そう豪語しながら驚異的な再生能力で新たに一本の爪を生やし、欠損した左腕でオメガを薙ぎ倒しながら、右腕の爪を床に突き刺して引き裂きながら突進してくるマスターリーチに、背後から弾丸が二発撃ち込まれる。追い付いて来たらしいレベッカとビリーが出入り口に立っていた。

 

 

「先輩!って、ヘカトちゃん!?」

 

「待たせたな!…ヘカト!貴様、よくも!」

 

「おのれ!レベッカ・チェンバース!ビリー・コーエン!そもそもお前らがいなければ、黄道特急でクイーン・サマーズを仕留められていたんだ!」

 

 

 分泌した粘液で左腕を固めて鋭い爪を三本生やした義手を作り上げたマスターリーチは激昂。レベッカとビリーに向けて突進したのを、前に出て盾状に肥大化、変形させた右腕で受け止める。…マスターリーチの支配下にいた変異ヒルを我が物にできたおかげで、菌根が浸透する前なら自在に変形できる…!そう簡単に負けんぞ!

 

 

「上等だ、貴様ら全員殺して世界を滅ぼしてくれる!」

 

「なんで世界を滅ぼそうとするの!?」

 

「私は我が父に、アンブレラに復讐を誓ったのだ!そしてこの世の全てを地獄の炎で焼き尽くす!スペンサーの支配しようとしている世界なぞ滅べばいい!」

 

 

 そう宣言するマスターリーチの言葉は、正しくジェームス・マーカスの言葉だったのだろう。奴は我が父の……マーカスの恩讐に縛られた怪物だ。なにかが間違えれば……エヴリンと出会わなければ、そうなっていたのは私かもしれないな。だが、それとこれとは話は別だ。

 

 

「そう言う理由で世界を燃やすだと?ふざけるな!スペンサーを狙え!世界を、私の仲間を巻き込むな!」

 

「先輩の言う通りよ!」

 

「そんな真似させるか!」

 

『そんな無茶苦茶で、ローズが生まれる未来を奪わせてたまるかあ!』

 

「…させない」

 

 

 マスターリーチの言葉に激昂する私、レベッカ、ビリー、エヴリン、オメガ。完全に囲まれても、マスターリーチは余裕の笑みを崩さない。

 

 

「ならば私を止めてみるか?例え同胞を全て奪われようと、このプロトタイラントの肉体を得た私は無敵だ!」

 

 

 私が糸を伸ばして宙に舞い上がり、レベッカとビリーが撃ち、オメガが突撃する。それらを鋭い爪を持って薙ぎ払って行くマスターリーチ。戦闘力の差は圧倒的だ。やはり、見過ごしている何かが必要か。その時だった。赤く輝く光と、アラート音が鳴り響いたのは。

 

 

《自爆装置ガ作動シテイマス。総員、タダチニ退避シテクダサイ》

 

「自爆装置だと!?」

 

「なんだと…!?……奴等か?っ、ぐあああああああっ!?」

 

 

 私と共に驚くマスターリーチに、私の変形させた右拳が心臓部に炸裂、殴り飛ばして壁に叩きつける。奴にも想定外のことらしい。あっさりな最後に、まっさきに我に返ったのはビリーだ。

 

 

「こっちに地上に続いているらしいリフトがある!逃げるぞ!」

 

「わかったわ!」

 

「…ヘカトも、連れて行く。…いい?」

 

『もちろんいいよ!爆発に巻き込ませたりさせたくないもんね!』

 

「急ぐぞ!」

 

 

 ビリーを先導に、オメガが体液に塗れながらもヘカトの死骸を背負って付いて行く私達。地上に続くらしきリフトに全員乗り込むとスイッチをビリーが起動し、上昇していく。…しかしそうは問屋が卸さない。

 

 

「逃がさんぞおおおおおオオオオオオオオオッッッッ!」

 

「まだ来るか…!?」

 

 

 世にも悍ましい声と共に、とんでもない化け物がリフトの通路を駆け上ってくる。それは、プロトタイラントにマスターリーチの細胞が浸透したらしき巨大な四足歩行のヒルの化け物だった。仰向けになった状態で四足歩行しているプロトタイラントの肉体の背中…いや、腹部から触手と化した肋骨が伸びてうねっており、頭部はマスターリーチの本体自体が鋭い牙を持つ異形の頭部に変化している。恐らくプロトタイラントのリミッターが解除されマスターリーチと悪魔合体したのだろう醜悪な怪物だった。名付けるなら、リーチタイラントか。

 

 

「クイーンッッ!貴様だけでもおおおおお!」

 

「なに…!?」

 

 

 応戦しようとする私たちだったが、リフトをそのまま通り過ぎて触手で私を捕らえ、そのままリフトの出口であるヘリポートに飛び出し、天井に叩きつけられて床に落ちる私の前で、マスターリーチ……いや、リーチタイラントとも呼ぶべき怪物が私を見下ろした。

 

 

「貴様だけはこの手で殺す…!貴様だけはァァアアアッ!」

 

「もう理性も失くしたか…!」

 

 

 ゴクとマゴクを構える。最後の勝負だ…!




マスターリーチ(プロトタイラント)第二形態もといリーチタイラント。正真正銘ラスボスとなります。モチーフは無印3のネメシス第三形態です。

次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。