BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】   作:放仮ごdz

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どうも、放仮ごです。ついに、ついにお気に入り3000人を突破しました!ハーメルンで小説書き始めてもうすぐ8年。初の快挙です、まことにありがとうございます!これからも頑張らせていただきます!

ついにやってまいりましたバイオ最恐と名高いベネヴィエント邸。最強の恐怖がイーサンとエヴリンに襲いかかります。楽しんでいただけると幸いです。


第十九話‐Phantom mia【疑念】‐

 四翼の鍵の扉を抜けると山道が続いており、霧が深い中をひたすら歩くと、道の途中にいくつもの墓石が置かれていたり、人形がところどころに吊り下がっているのを見かけた。それを見て、顔を人形が擦り抜けて、顔を青ざめていくエヴリン。

 

 

『ね、ねえイーサン…側にいていい?』

 

「怖いのか?」

 

『こ、怖くないもんね!……嘘です怖いですスタスタ早歩きで進むのやめて』

 

 

 エヴリンが怖がってるおかげで冷静だが、確かに恐ろしい雰囲気がある。正直、あのベイカー家の子供部屋に比べたらどうということはないが。エヴリン、アレは怖すぎなんだよ。そして吊り橋を抜けて門まで来ると、一瞬視界がホワイトアウトしたかと思うと聞こえない筈の声が聞こえてきた。

 

 

「イーサーン」

 

「なに?」

 

『ほえ?』

 

 

 門の向こうには、これまた見覚えのある人影。赤子を抱えているそれは間違いない、俺の最愛の妻でありクリスの部隊に撃ち殺されたはずのミアその人だった。抱えているのはローズか?あのフラスクの中身は、偽物だったのか?

 

 

『えっ、なんで、ミア、死んで、え?』

 

「イーサン、ついてきて。伝えることがあるの」

 

「ミア?ミア、なのか?そんな馬鹿な…待ってくれ!」

 

 

 先に進んでいくミアを追いかけるが、どれだけ急いでも追いつけない。走っているはずなのに歩いている感覚になる。なんだ、これは?

 

 

『あれ、なんでだろ…私もイーサンから離れられない…?』

 

「ローズは、普通じゃない。イーサン、なんとかしないと…」

 

「何なんだこれは。エヴリン、お前にも見えているのか?」

 

『うん、見えてる!でも、近づいて本物か確かめることができない!イーサンの側から移動することができないの!』

 

「なんだって?」

 

 

 エヴリンにも異常が起きているらしい。自由の塊ともいえる幻影のエヴリンがだ。精神かなにかに干渉を受けているのか?オリジナルのエヴリンの様な……

 

 

「みんないなくなる…ローズでさえ…そんなの耐えられない…」

 

「ミアなわけない…なあ、そうだろうエヴリン?」

 

『偽物だよ、多分。だけど、あの時のミアは生きていたし……まさか、私とイーサンを騙していた?ミアが本当の黒幕…?』

 

 

 ミアの姿が消える。伸ばした手は空を切る。エヴリンが不穏なことまで言い出した。まさか、そんなはず……言い様の無い不安に襲われながらも、先に進むしかない。ミアが消えたその数メートル先にあったのは、見たこともない黄色い花と不気味な人形たちに囲まれた大きな墓石だった。そこに刻まれていた名は、俺たちに衝撃を与えるには十分なものだった。

 

 

「…ア・ベネヴィエント…ia Beneviento…1987‐1996…この、綴りは……」

 

『もしかして、ミアの墓…?そういえば私と会う前のママは知らない…イーサンは?』

 

「俺も…三年前、特殊工作員だと初めて知ったぐらいだ…」

 

『この中にいるのが本物のミアなら、私達が知ってるミアは誰…?』

 

 

 そう言われて思い出す。四貴族の中で唯一顔を見せなかった人物を。人形の声は聞いたが本人の声は聞いていないことを。その背丈が、思い返してみればミアと同じようなだったことを。エヴリンの言う通り、蜂の巣にされたミアが生きていたというのなら…。

 

 

「人形遣いのドナ……でもまさか?」

 

『やっぱり、私達はミアに騙されていて、クリスはそれを知ったからミアを襲撃した…?』

 

「どうかしてる。……ドナ本人に出会って確かめるぞ、エヴリン」

 

 

 奥に進むための扉を見つけたので歩み寄ると、壁に【思い出を捧げよ】とあった。まさか…と思いつつ、懐にずっと入れていたミアとローズが映った家族写真を取り出してポストの様なそこに入れると鍵が開いた。

 

 

「どういうことだ…?」

 

『そういうことなんじゃないの?』

 

 

 中に入ると洞窟になっていて、奥には古めかしい昇降機が。その中に入ると上昇し、途中で電灯が点滅したかと思うと明かりが消えて真っ暗に。エヴリンが『ピギャッ』と小さな悲鳴を上げるとすぐに明かりが復旧する。

 

 

「なんだったんだ?」

 

『さあ…怖いから本当にやめてほしい』

 

 

 昇降機が止まったので降りて洞窟の外に出ると、滝が見える断崖絶壁に建てられたそれなりに大きな屋敷があった。あれが人形遣いドナの屋敷か。

 

 

『地震が起きたら崩れ落ちそう…』

 

「絶景ではあるが、こんなところに家を建てる精神は分からんな」

 

 

 門が無警戒にも開け放たれていたので、警戒しながらも屋敷の扉を開けると、お洒落な空間が広がっていて。真ん中の机には編み物が置かれていた。誰も、いないのか?

 

 

『不気味なほど静かだね』

 

「ああ。…出てこい、人形遣いのドナ!お前はミアなのか?!」

 

 

 叫んでみるが返事はなく。しょうがないので奥に進む。特におかしいところはなにもない、綺麗で立派なお屋敷だ。ところどころに人形が置かれているぐらいだ。エヴリンは興味津々に見て回ろうとするが、やっぱり俺から離れられないのか不満そうにふくれっ面になっていた。

 

 

『むぅ…なんで、イーサンから、離れられないの!?』

 

「お前、怖いから側にいていいか聞いてきたじゃないか。うん?また昇降機か」

 

『ねえ、何か嫌な予感がするよやめとこうよイーサン』

 

「何かあってもお前は大丈夫だろ。それに、地上には誰もいなかった。ミアかドナかは知らないが誰かいるとしたら下だ」

 

『そ、そうだけどぉ……』

 

 

 エヴリンが嫌がっていたが行かないわけには行かないので昇降機で下に降りる。地下に降りるとやはりシンプルな作りで、棚やら机やらが置かれていて普通に生活できそうな空間だった。

 

 

『あれ、怖くない…』

 

「心配しすぎだ。行くぞ」

 

『言わなくても勝手についていっちゃうもんね』

 

 

 書斎が途中の部屋にあるのを確かめながら奥に進むと、陽気な音楽が聞こえてきた。エヴリンと顔を見合わせながら扉を開けると、見覚えのある人形が目の前に置かれた部屋に辿り着く。これは…クソガキ人形か?上にはマネキンの頭やら手足やらが吊り下がっている。

 

 

『イーサン、これ!フラスク!』

 

「なんだって?」

 

 

 見れば、クソガキ人形の上にフラスクが無造作に置かれていた。それを確認するや否や、点滅する電灯。またか、と思った時には暗転。あの声が聞こえてきた。

 

 

『アンジー。ずっとあなたを待ってたの。あたし、ローズよりいい子だよ。お願い、アンジーのパパになってよ…永遠に。ウフフフハハハハハハ!』

 

「何…!?」

 

『怖い怖い怖い怖い!それと色々私と被ってるんだよクソガキ人形!?』

 

 

 アンジーとかいう人形の声に怒鳴り散らかすエヴリンの声が聞こえるが全く見えない。明かりがつくとそこにアンジーとフラスクの姿は消えていて。そして、背中と腰と右手に違和感を覚える。今の今まであったものが消えた様な、そんな感覚。

 

 

「待て、俺の銃は…?」

 

『イーサン!ローズのフラスクが入った鞄も消えてるよ!』

 

「なんだって!?おい、マジかよ!」

 

 

 右手に握っていたはずの鞄が消え、さらに背中に担いでいたスナイパーライフルも、腰に納めていたハンドガンもサムライエッジもナイフすら消えていた。敵の本拠地で丸腰はさすがに不味いぞ。だが俺にはエヴリンがいる。

 

 

「エヴリン、モールデッド化だ!」

 

『そうだ、それなら…あれ?あれ?え、え、え?』

 

「どうした、早く…おい、まさか?」

 

『ご、ごめんイーサン……力は籠めてるのに、なんで…?』

 

 

 何をされたのか、腕のモールデッド化まで封じられたらしい。マジか…本当の意味で丸腰になってしまった。しょうがなく、部屋を探索すると真ん中の大机の上に乗せられたマネキン人形の側に蜂の巣にされたミアの写真が置かれていることに気付く。

 

 

「なんで、この写真が…?」

 

『これってもしかして…ミアの人形ってこと?』

 

「なんのつもりだ…?」

 

 

 エヴリンと協力し、地下中を探し回ってミアの人形に備えられていた仕掛けを解いていく俺達。こんなところ早くフラスクを手に入れて脱出したい、そんな心意気で地下を奔走する。そして。

 

 

ぱ ぱ ぁ ~ !

 

「『!?』」

 

 

 薄気味悪い声が聞こえた。それは地獄の始まりを告げる産声だった。




初見ゆえの加速する勘違い。産声が聞こえる直前の出来事は次回にて。

次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。

ハイゼンベルクとはどうする?

  • 共闘する
  • 原作通り敵対する
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