BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】   作:放仮ごdz

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どうも、放仮ごです。発想はいいと自負しているけど小説構成ド下手くそだなと痛感した回となります。

今回はイブリース戦という名のリンチ。イブリースの詳細ファイルもあります。楽しんでいただけたら幸いです。


file1:28【望まぬ戦い】

【主任研究員の秘密メモ

 T-EX01が完成した。T-EXとはアンブレラ上層部及び総帥であるスペンサー卿の命令ではなく、私が思いつき特に報告もなく独断で作成したT-ウイルスの成果物の総称であり、「本来生まれることのなかった禁断の番外生物兵器」につけられるナンバーだ。T-EX01も最初は却下されお蔵入りになるところだったのを、秘かに開発していた。

 

 存在を知っていたのは私に取引を持ち掛けてきたアルバート・ウェスカーのみだ。彼はアンブレラを離反するらしく、アンブレラのライバル会社HiveCaptureForce、通称「H.C.F」への手土産としてアンブレラも知らない兵器の情報を私から得ようとしたわけだ。そこで私が紹介したのが完成間近だったこのT-EX01だ。完成を待ってから私から受け取り、離反する予定だとのことだ。

 

 このT-EX01こと通称「イブリース」は系統としてはタイラントに近い、というかそのものだ。タイラントの設計はそのまま、タイラントのベースとなるクローンの幼体にRT-ウイルスを用いて「適応」能力を活性化、改造を施したものに湾曲した角型の電極を頭部に取り付けた。

 

 RT-01“Empress”ことリサ・トレヴァーをはじめとした、制御できず封印措置をとるしかなかった問題児を文字通り完全に制御するためのB.O.W.完全制御計画を実行するべく開発した、始祖ウイルスを起源としたウイルスを用いたB.O.W.の脳内物質に働きかける特殊な電磁波を発生させ、半径10メートル内のB.O.W.に影響を与えて支配下に置くことができる。

 

 まさしく私が提唱した理論上始祖ウイルスに連なるB.O.W.をすべて支配下に置くことができる、B.O.W.完全制御計画を実行する「B.O.W.の王」だ。イブリースとはユダヤ教やキリスト教のサタンに相当する、イスラム教においてアッ・シャイターンと呼ばれる悪魔の王の名だ。B.O.W.という名の悪魔どもの王にふさわしい。

 

 しかし弱点もある。それは、戦闘能力が皆無という点である。支配下に置いたB.O.W.に守らせるため特に問題はないし、仮にもタイラントである強靭な肉体は並の攻撃ではビクともしない。強力な支配能力のためには電極を直結した脳にリソースを集中させる必要があり、そのため肉体面にリソースを割けないため平常時は鉄のベルトを巻いた鋼鉄のコート型拘束衣を身に着けており、緊急時はこの封印が解かれて本来の戦闘能力を取り戻す仕組みになっている。ただこうなった場合は未知数だ、どうなるかわからないため使われないことを祈ろう。

 

 完成はしたが他の研究員の目に晒すわけにはいかない。アルバート・ウェスカーが再度接触してくるまでは研究室の隠し部屋にて冷凍睡眠させておこう。あとは教育だが、私やアルバート・ウェスカーに従うようにしなければB.O.W.を支配する彼女は誰にも止められなくなる。これは慎重に進めるとしよう。

 

サミュエル・アイザックス】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「イブリース様のために死んで、クリス!」

 

「…!」

 

「くっ…アリサ、何が起きた!?」

 

 

 同僚の剛力の拳と、究極の出来損ないの鋭利な爪が振るわれ、俺は飛びのいて避けてタイラントの頭部に銃撃を叩き込むがしかし、怯まずアリサの手を掴んで投げつけてきて、宙を舞うアリサの飛び蹴りが胸部に叩き込まれて蹴り飛ばされる。

 

 

「レベッカ、イブリース様の命令だ。大人しく殺されろ」

 

「了承。イブリース様に従わない者はすべて、殺す」

 

「しっかりしてください、クイーン先輩!オメガちゃん!?」

 

 

 隣ではレベッカがクイーンが放つ粘液糸から逃れながら、オメガの斬撃をグレネードランチャーで何とか受け止めている光景が。俺はアリサとタイラントの隙をついてグレネードランチャーを奥にいる角の少女イブリースに向けて乱射するも爆発はヘカトのムカデ腕に防がれて、直撃しそうだった榴弾はもう一体のタイラントの爪に弾かれてあらぬ場所で爆発する。

 

 

「…!」

 

「させないよ!」

 

「くそっ…邪魔をするな、ヘカト!」

 

「よそ見をしていると死ぬよ!」

 

 

 そこに横から繰り出された正拳を横っ飛びすることで衝撃を殺しながら研究室を転がっていく俺。奴だ、あのイブリースが何かして、アリサ、クイーン、オメガ、ヘカト、タイラント二体は奴に付き従うようになった。これで意識がないまま操られているだけならよかったのだが人格はそのままであり、技術も伴って攻撃が行われるというおまけつきだ。机にぶつかって呻きながら、俺は立ち上がる。

 

 

「ぐぬっ……何かおかしいと思わないのか、アリサ!クイーン!」

 

「なにも?仲間であるお前たちを殺すのは悲しいが、イブリース様に従わないのなら仕方がないことだ」

 

「イブリース様が死ねと言ったら死ぬ、当たり前のことだよ」

 

 

 俺の問いかけに、首をかしげて狂ったことを言い始める二人に恐怖する。俺達を仲間だと認識しているが、イブリースの言うことの方が大事でそれに従うことに何の疑問も抱かない?なんてやつだ、意志が強いこの二人を簡単に御するなんて…!

 

 

「排除」

 

「…!」

 

「来るわ、クリス!」

 

「ああ!」

 

 

 そこに飛び掛かってきたオメガの爪を、手首を掴むことで阻んで床に投げ飛ばし、タイラントの突進を焼夷弾で燃やして食い止めるレベッカ。そこに横からヘカトのムカデ腕が伸びてきて跳躍することで回避するもレベッカは吹き飛ばされ、俺はクイーンに粘液糸を胸部に取り付けられて引き寄せられ、アリサの拳が頭部に向けて振るわれたのを見て咄嗟に頭を下げてぎりぎり回避。引き抜いたナイフを振るうことで糸を斬りながらアリサに距離を取らせる。

 

 

「ぐっ…そんな、クイーン先輩…アリサ先輩…オメガちゃん、ヘカトちゃん…」

 

「…くそっ、どうすれば…!」

 

 

 数の差もあり、攻撃を耐え凌ぐしかない俺とレベッカ。そして最悪なことは続く。ジャラジャラと鎖の音が聞こえてきて嫌な予感とともに入り口の方に振り向くと、醜悪な怪物がそこにいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――目覚める。確か私は、リサ・トレヴァーと思われる怪物と出くわして……菌根に適応したのか触れてきたあいつに、取り込まれたんだっけ…?それから、どうなった?

 

 

「ここは…?」

 

 

 周りを見渡す、洋館の一室だ。でも、この感じ、前にも来た覚えがある。つい最近じゃなくて、ずっと昔に感じた感覚。そう、あれは……。

 

 

「そうだ、菌根の世界の雰囲気そっくりなんだ」

 

「ざまあないわね」

 

「ゼウ!?なんで!?」

 

 

 すると三メートルを超えた背丈にシンプルな黒いドレスを身に纏っていて、長い純白の髪と深紅のツリ目の私やクイーンとよく似た女、ゼウがいつの間にかソファに座り足を組みながら優雅に紅茶を啜っていて。私が驚くと紅茶の入ったカップを置いてなんてことでもないように手をひらひらさせながらゼウは不敵に笑う。

 

 

「私は菌根の世界の黒き神よ?この世界で私に不可能なことはないわ」

 

「じゃあ本当に、ここ菌根の世界なんだ……」

 

「そう。リサ・トレヴァーという女の精神世界が菌根にリンクした形ね。ローズ、心配してたわよ?どこにいるのよあなた」

 

「えっと……1998年?」

 

「は?」

 

 

 頭を掻きながら答えると、ゼウがポカーンと呆けたのでかくかくしかじかと説明する。するとゼウはこめかみを押さえてため息をついた。無駄に絵になるなこいつ。

 

 

「はあ……あなた、馬鹿なの?」

 

「うるせーやい!」

 

「自分でもよくわかってない方法で帰れる保証もないところに行くやつのどこが馬鹿じゃないのよ。それで可愛い可愛い妹を心配させてたら世話ないじゃない」

 

「まさに、正論……!」

 

 

 まさかの正論に唇を噛みながら悔しさに震える。ぐうの音も出ない。なによりこの人の心がわからない神様もどきに諭されるなんて……!

 

 

「まあなんでもいいわ……とっとと帰るわよ」

 

「え、帰れるの?」

 

「さすがに肉体ごとタイムスリップは無理だけど精神だけなら可能よ。別に、ローズのためじゃないんだからね」

 

「ツンデレ乙」

 

「ふん」

 

「ぎゃーす!?」

 

 

 顔を赤らめてプイッと背けるゼウをからかってやると、手を突き出したゼウが操ったのか机とソファが浮かんでぺっちゃんこにされた。わ、忘れてた……この世界だとこいつ無敵だった……。

 

 

「ぷべっ…ごめんなさい……」

 

「よろしい」

 

 

 素直に謝ると満足げに頷き解放してくれるゼウ。……そうか、帰れるのか。だけど、だけどなあ。

 

 

「ごめん、帰るのは無しで」

 

「…なぜかしら?」

 

「もう私一人の問題じゃなくなったんだよね」

 

 

 思い出すのは、こっちに来てから出会った人たち。私がついていないと心配な人たちだ。

 

 

「クイーン、アリサ、シェリー、レベッカ、クリス、ジル…他にもみんな。放っておいて一人で帰るなんて、もう考えられないんだよね」

 

「ローズが悲しむとしても?」

 

「うーん、ローズはもう私がいなくても大丈夫かなって。イーサンもマダオも、ゼウもいるし。よろしく言っといてよ」

 

「あなた、薄情なのね。ローズに大嫌いと言われても知らないわよ」

 

「うわ、それは嫌だなあ…」

 

 

 私の言葉に笑い、うっすらと消えていくゼウ。それはちょっと、いや本当に嫌だな。それぐらいは覚悟しないとか。

 

 

「もし恥知らずにも帰りたくなったら呼びなさい。気が向いたら迎えに来てあげるから」

 

「うん、その時はお願いね」

 

 

 そして完全に消え去ったのを見送り、私は振り向く。そこには、黒髪を長く伸ばした、パーティー用のドレスを着た美少女が立っていて。

 

 

「さあ、これでサシだよ。ちょっと話をしようか、リサ」




戦闘力のない代わりに支配能力に特化したタイラントがイブリースです。ちなみにG-EX01がギルタブリル。B.O.W.が多ければ多いほど無敵の魔王です。どうやって勝てばいいんじゃろね。

エヴリンまさかのゼウと再会。久々のギャグにできました。菌根世界なら何でもできるの便利。最後に出会ったのは在りし日のリサ・トレヴァー。エヴリンの話とは…?

次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
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