BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】   作:放仮ごdz

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どうも、放仮ごです。イブリース戦の続きまで行きたかったけど丁寧に真相説明してたらノルマ達成してたので投稿します。

今回はエヴリンとリサの対話。楽しんでいただけたら幸いです。


file1:29【リサ・トレヴァーの真相】

 異形になる前の姿らしいリサ・トレヴァーがさっきから物陰からこちらの様子を窺っていたのはわかっていた。だから得体のしれないゼウを追い返して、会話の機会を手に入れたのだ。

 

 

「何の用?私の心の中にまで入ってきて。出ていって」

 

「とりこんだの多分そっちなんだけどね。でもお話しよ?貴方なんでしょ。…本物のリサは」

 

 

 そう尋ねると目を見開き、不敵な笑みを浮かべるリサ。やっぱり、そうなんだね。あの時読んだ日記の内容はこうだ。

 

 

【Nov.17.19■7。石の箱の中■■お母さん■匂いここ■お母さんがホント?石の箱、かたくてイタイ。手のジャラジャラが邪魔をする、邪魔!力を入れたから簡単にちぎれた。なんだ、こんなに脆かったんだ。でもお母さん、いなかった。もう会えないの?あいつら嘘をついたんだ。嘘つき嘘つき嘘つき!

 お父さんを一つくっつけたわ。お母さんは二つくっつけたの。中身はやっぱり赤くてヌルヌルしていて骨と肉が見えて気持ち悪い。本当のお母さんはまだ、見つからない。いらつく、イラつく。アイザックスの馬鹿はいつになってもお母さんを返してくれない。そればかりか私のマガイモノを生み出して用済みだって閉じ込められた!】

 

 

 それを読んで絶句した。嘘だ、ありえないと反芻して、そこであることに気づいたんだ。文書というのは証拠のようなものだ。書かれていることに嘘を記す理由はなく、必然的に書かれていることは真実に等しい。狂っていてわけのわからないことを書く場合もあるけど、それでも真実だ。そしてこの日記と、私の知るリサ…アリサとは致命的に違うことがあった。まず、母親が死んだ経緯。リサと母親は引き離されて注射を受けたとこの日記では書かれているが、アリサは一緒の部屋で母親の最期を見たと言っていた。まずここで相違点が存在する。「母親と離れ離れで生死を知らず探し求めるリサ」と「母親の死を受け止めて復讐しようと決めたアリサ」こうだ。

 そして特に致命的に違うのは……呼び方だ。日記には「お母さん(Mommy)」「お父さん(Daddy)」とある。でもアリサは自分の家族を語るとき「ママ」「パパ」と呼んでいた。まるで、当時の年齢の14歳である程度成熟した精神ではなく、子供の精神に戻ったかのように。ここまで揃えば嫌が応にもわかる。私たちの知るアリサは、クローンだ。

 

 

「そういえば私の日記を見たんだったわね。マガイモノと違って頭は回るようだけど…そうよ。私が本当のリサ・トレヴァー。あの日、あなたとあの蛭が連れ出したのは、凶暴で手が付けられなくなった私を効率的に研究するために生み出された、何もかも空っぽで真っ新な私のクローン。「RT-02“Blank”」よ。アイザックスに都合のいい記憶を植え付けられて、大人しい状態の私であるマガイモノを使って実験を進めようとしていた。そこに、あなたたちは来た」

 

「私とクイーンはリサ・トレヴァーを奪うことでアンブレラへの復讐の足掛かりにしようとした。だけど研究が止まることはなかったばかりかRT-ウイルスなんてものができあがるくらいに研究は進んでいた。あの時残したアリサの腕と血だけじゃ説明がつかないと思ってたけど……オリジナルがいたなら、何度でもクローンを作れたんだね」

 

「そうよ。もっとも、RT-02が唯一の成功例でほとんどが失敗して闇に葬られたけどね。RT-02の遺伝子は調整されただけあって完璧だった、今いる有象無象は奴の遺伝子をメインにして作られたわ。中にはある程度成功したけどT-ウイルスの実験台にされて真っ赤に染まって自我を失った私もいた。あなたたちがマガイモノを連れて逃げだしたから、私にも菌根とネメシスを植え付けられて実験が行われた。本当に恨むわよ」

 

 

 そう言われて思い出すのは最後に読んだ日記の文面。

 

 

【JN.28.1988。アイザックスが声だけで伝えてきた。マガイモノが逃げたらしい。これから実験の頻度を上げると言ってたけどどうでもいい。お父さんはどこにいったのか分からない。また、お母さんを今日見つけた。お母さんをくっつけたらお母さんは動かなくなってしまった。これも違う。それも違う。このお母さんは悲鳴を上げていた。なぜ?私は一緒に居たかっただけなのよ、お母さんどこ?会いたい、会いたいよ。…マガイモノが連れて逃げたのかしら?許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない】

 

「……お母さんを探しているの?」

 

 

 思わず尋ねると、ドレスの少女は憤怒に顔を歪めて私の胸ぐらをつかんできた。

 

 

「お前に何がわかる!認めない、認められるか!……お母さんも、お父さんも死んだなんて……認められるわけがないわ!」

 

 

 そのまま机に投げ飛ばされて、机を粉砕しながら転がる私。見た目は戻ってるのに身体能力はそのままか……でもこの世界での戦闘なら私の方が一枚上手だ。

 

 

「私は信じる!お母さんはまだ生きている、どこかで私を待っているはず!だから探して探して探して探して……!?」

 

 

 そのまま自分に言い聞かせるようにふらつきながら近寄ってきたので、衝撃波を放って吹き飛ばす。

 

 

「甘ったれるな!」

 

「あま…っ?」

 

「私に母親はいない。でも、母親だと慕っていた人には裏切られて、私の母親ともいえる女には出来損ない呼ばわりされた。だから当たり前に愛してくれる母親を私は知らない」

 

 

 真エヴリンは知れたのかな。ミアからの愛情を。私とミアの関係は…だいぶ歪だからなあ。ミランダに至っては縁すら切りたいレベルだ。

 

 

「子は親を選べない。うらやましいよ、そこまで慕えるほど……愛してもらっていたんでしょ?」

 

「だからなに?ひがみ?嫉妬?醜いわよ」

 

「違うよ。……いつまでも続くわけがないんだよ。親は先に生まれているから何もなくても先に死ぬ。あなたのは、それが早まっただけに過ぎない。あなたはまだスクールに通う子供だった。だから、失うのを信じられない気持ちもわかるよ?だけど、だけど……あなたは親の死を受け止めて、乗り越えて前に進むべきだった」

 

 

 そう言うと、憎まれ口の言葉に詰まるリサ。思うところはあるのだろう。日記もたまに正気に戻ってた。

 

 

「あなたが狂い果てて、こんな洋館を何十年も彷徨い続けて、人を殺し続けて、最低の研究者たちに実験され続ける人生、あなたの両親が望んでいるはずがない。あなたは戦うべきだった。でも子供の癇癪の様に逃げ続けた」

 

「じゃあ、どうすればよかったの!?マガイモノみたいに救われるのを待てばよかったの!?私は、もう人じゃないのに……逃げ出してどこかに隠れ潜めばよかったの?」

 

「違う、違うよ。あの時、私の声を聴いたんでしょ?ならあなたを助けに来ていたこともわかったよね?確かに私たちが救い出したのはあなたじゃなくてアリサだったけど……その時、自力で逃げ出して私たちに助けを求めていたら何か変わっていたよ。あなたにはそれができた。でもやらなかったんだ」

 

「ぐっ……」

 

 

 リサの力をフルに使えば、脱出して私たちに助けを求めて接触することもできたはずだ。だけどそれを選ばなかった。勘違いして、探せるのに探すことをしなかった私の落ち度でもあるが……もしそうなっていたらなにかは変わった。それは間違いない。

 

 

「それでもアリサは選んだ、アンブレラに復讐するという過酷な道を。そして前に進んだよ。復讐よりも、人を救う仕事に従事することを選んだ。知らないだろうけど、今のアリサは警察官なんだ。正義の味方。ラクーンシティの人々に愛されている街のヒーローだよ」

 

「あの子は、私と違って真っ新だから……」

 

「ううん、違うよ。あなたはあの子と同じ、優しい性格のはずだ。あなたも歩めたはずなんだよ、アリサと同じ道を」

 

「…………」

 

 

 完全に押し黙るリサに、私は手を差し出す。

 

 

「まだ間に合うはず。一緒に行こう、みんなと一緒にここを脱出して、一緒にアンブレラへ仕返ししよう」

 

「…本当に、間に合うかな?今更……」

 

 

 無理に大人ぶった口調ではなく、アリサと同じ口調で訪ねてくるリサに笑いながら、迷っているその手を取って満面の笑みを浮かべて見せる。なにせこの私こそがその証明だからだ。

 

 

「大丈夫!誰にだって、やり直す権利はあるんだから!」




というわけで、リサが本物でアリサの方が偽物でした。アリサの本当の名前はRT-02“Blank”アイザックスの部屋で正体がわからなかった最後の一人です。リサ・クリムゾンもクローンの一人のなれの果てだったという。

実はクローン作製にも長けていたアイザックス。この男、実は専門はこっちです。元ネタ的にもね?

悪者から光落ちした過去を持つエヴリン、リサを説得。これで戦況にどう影響するのか。

次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
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