BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】   作:放仮ごdz

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どうも、放仮ごです。情けは人の為ならず、バイオの世界観では早々回収されるものではありませんが、個性豊かなこの世界のB.O.W.ならば…?

今回はグラトニーとエキドナが加わったイブリースとの対決。楽しんでいただけたら幸いです。


file1:31【侍の流儀】

 一方その頃寄宿舎の部屋の一つにて。そこでは、失神から目覚めたハンターΨことプサイがゴソゴソと粘液糸でぐるぐる巻きに縛られた己の体をもぞもぞと動かしていた。

 

 

「キシャーッ」

 

「やっとほどけたでござる…なんたる技でござるかあの珍妙な糸使い…あ、よくやったでござるお前たち」

 

 

 クイーンにより縛られた粘液糸を、部下のハンターを呼んで自分を運ばせ拘束から逃れるのを試みていたのがようやく上手くいったプサイ。ハンター二体を従えて廊下に出て気配を探る。

 

 

「部下もやられてお前たち二人しか残ってないでござるか……しかし拙者の命をとれたのに奪わぬとは……甘いでござるよオメガ殿とその仲間。でも、貸し一でござるな…拙者侍故、恩には報いるでござる。そのあとにあるじ殿の命令を完遂すればよいでござるよ。二人もそう思うでござるな?」

 

「キシャー」

 

「キシャッ」

 

「いや知らねえよってなんでぇでござる~!?」

 

 

 部下二人にツッコまれ、涙目で絶叫するプサイであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 イブリースとの戦い。クイーンは私の超至近距離鼓膜絶叫で卒倒し、少し楽になるかと思われていたが、タイラント二体、アリサ、オメガちゃん、ヘカトちゃんに加えて、ヨーン・エキドナとかいうアリサ顔の蛇とネプチューン・グラトニーとかいうアリサ顔の鮫の女が入ってきた。誰ぇ!?

 

 

「ヨーン・エキドナにネプチューン・グラトニー!?生きていたのか!?」

 

『知ってるのかクリス!…ってネタ言っても聞こえないのやだなー。あ、そうだ』

 

 

 超至近距離鼓膜絶叫を他の面子に仕掛けようにも、警戒されまくってて成功するとは思えない。イブリースも警戒して私が近づくととてとてと裸足で移動するので近づけない。そこで、クイーンの倒れている姿を見てあることを思いつく。

 

 

『超久々な気がするリーチ・モールデッド!』

 

 

 クイーンの体に重なり、姿を変える。ヒルみんなの体内の私の一部(菌根)を繁殖させて合体させた、クイーンの代わりに司令塔になって操る人型の異形の一時的な私の肉体リーチ・モールデッドだ。もともとクイーンの支配権を奪うからか全然言う事聞かないやんちゃばかりだったけど、ヒル全員洗脳されているのか異物の私を全力で排除しようとしてきたので、菌根の洗脳で上書きして無理やり御する。効果は短期間だけどこの戦いの間ぐらいなら…!

 

 

「行くぞお!」

 

「なんだ!?クイーンが変身した!?」

 

「もしかして…エヴリンなの?」

 

「そうだよレベッカ!ちゃんと話すの初めましてかな!クリスも初めまして!私はエヴリン!説明は後からクイーンに聞いて、とりあえず味方!リサも説得して連れてきた!一緒に戦ってアリサたちを正気に戻そう!」

 

「味方だというならありがたい…!」

 

「お前不味そうだけどイブリース様に仇なすなら喰ってやるのだ!」

 

 

 とりあえずクリスとレベッカに協力を申し出ていると、そこにネプチューン・グラトニーが乱入。小さな口を大きく開けて鋭い牙で噛みつこうとしてきたので、粘液硬化で受け止めそのまま粘液を半固体にして固定する。噛み砕けないどころか固定されて歯が抜けず困惑するネプチューン・グラトニー。

 

 

「あがっ!?は、はずれなっ……」

 

「気を付けろ!そいつは歯を引っこ抜いて攻撃してくるぞ!」

 

「じゃあ口ごと!」

 

「あがああっ!?」

 

 

 さらに粘液を増量させて噛みつかれている腕を大きく膨れ上がらせてつっかえさせ口の中にも接着、もがくネプチューン・グラトニーを技術もくそもなくボコスカ殴る。なんか知らんけど相性がいいぞ。

 

 

「エヴリンまでなんでイブリース様に逆らうのッ!」

 

「ヘカトちゃん、ごめん…!」

 

「えっ、ひぎゃあああああっ!?」

 

 

 そこにムカデ腕を突撃させてくるヘカトちゃんの攻撃を避け、ムカデ腕の甲殻じゃない裏側に向けて硫酸弾を発射するレベッカ。ヘカトの甲殻は対戦車ライフルでも耐えられそうなぐらい堅いが、内側はそうじゃない。結果ヘカトは泣きわめき絶叫する。

 

 

「ヘカトをよくも…!」

 

「させるか!」

 

 

 そんなレベッカにオメガちゃんが右手の爪を構えて飛び掛かるが、それをナイフを手にしたクリスに受け止められる。すごいな、オメガちゃんとんでもない怪力なのにさすが未来のゴリラ。上手く軌道を逸らして捌き切ってる。

 

 

「くっ、放せえ!」

 

「うるさい妹ね…そこで大人しくしてなさい」

 

「シャアアアッ!」

 

 

 一方、アリサを髪の毛触手で縛って空中で締め上げつつ、ボディーガードなのかイブリースの傍に一体控えているのとは異なるもう一体のタイラントが振るう爪と、ヨーン・エキドナの噛みつかんとする牙に、手首の手枷に繋がった鎖を振り回してぶつけ、迎撃するリサ。ひとりで三体相手にしてるのやべえ。

 

 

「あなたは怖いけどイブリース様のためぇ!」

 

「邪魔」

 

 

 リサを怖がっているらしいヨーン・エキドナが尻尾を大きくスイングさせるも、タイラントを殴り飛ばしたリサはその勢いのままヨーン・エキドナの尻尾を掴んでまるで鞭でも振るうかの如く振り回してヨーン・エキドナの牙を頭部からタイラントに叩きつけ、右の露出している心臓に牙が突き刺さるとタイラントは悶え苦しみ、崩れ落ちる。あのタイラントを戦闘不能にするとかやばい毒だな。

 

 

「アァー!?ごめんなさいイブリース様ー!?ギャア!?」

 

 

 そのまま培養槽に頭から叩きつけられ、ガラスを割って中の液体を溢れさせながらリサに投げ捨てられてチーンという擬音が似合う体勢で崩れ落ちるヨーン・エキドナ。リサ強すぎぃ……。

 

 

「やった!脱出できた!喰らえ…!」

 

「っ…」

 

 

そう戦慄していると、アリサが拘束している髪の毛を力づくでちぎって脱出、拳をリサの顔面に浴びせて殴り飛ばされるリサ。デスマスクが宙を舞い、私がここに来る道中である程度菌根を操作したおかげで鋭い牙も肥大化した右目も元に戻ってアリサと酷似した元に近くなった素顔が露出して、顔を赤らめるリサ。デスマスクつけなくてもいいのにと言ったのに、恥ずかしいと言って隠してたんだよねえ。いやまあ顔と身体のバランス合ってないけどさ。

 

 

「えっ…」

 

「この……馬鹿妹!」

 

 

 その素顔に困惑して動きが止まったアリサに、リサの怒りの鉄拳が炸裂。殴り飛ばされ失神するアリサ。一人で三体倒しちゃったんだけど、すごすぎない?リサ。あ、ネプチューン・グラトニーが窒息して失神した。放っておこう。

 

 

「はあ、はあ……妹もその仲間も元に戻してもらうわ」

 

「イブリース様ごめんなさい~!」

 

「ぐっ……厄介」

 

 

 デスマスクを被りなおしたリサに、リーチ・モールデッドの姿で立ち、その横にクリス、レベッカが肩を並べて、完全に戦意喪失して泣きじゃくってるヘカトちゃんとそれを守るように構えたオメガちゃん、そして己を守るように立っているタイラントを侍らせたイブリースが、部屋を見渡すと袖に隠れた右手を掲げる。

 

 

「刮目せよ。タイラント、リミッター解除」

 

「なっ…それまでできるの!?」

 

「クリス、気を付けて!」

 

 

 マスターリーチが乗っ取ったプロトタイラントの機能として見た、リミッター解除。それを任意で行えるのかイブリースは…。両手が肥大化し鋭い鉤爪が生え、体は赤熱して筋肉が盛り上がり心臓部分は硬質化した皮膚で覆われたもはや化け物に相違ない凶悪な外観へと変貌したタイラント…スーパータイラントは咆哮を上げる。

 

 

「グオオオオオオオッ!!」

 

「姿が変わったからなんだってんだー!」

 

「くっ……行くぞ、レベッカ!」

 

「ええ、リサもお願い!」

 

「わかってるわ…!」

 

 

 両腕を粘液硬化した私が先頭に、全員で突撃。しかし猛ダッシュで突進してきたタイラントの爪が振るわれて粘液硬化を砕かれたばかりか胸に大きな切り傷を作られて大ダメージを受けた私は吹き飛ばされ、クイーンの体内から排出されて空中を吹っ飛んでいく。やーらーれーたー。

 

 

「エヴリン!?くそっ!」

 

「速い…!」

 

 

 二人そろってグレネードランチャーから榴弾を発射するクリスとレベッカだがしかし、タイラントは次々と両手の爪を振るって榴弾をあらぬ方向に弾き飛ばし、次々と研究室のあちこちで爆発。イブリースや傍のヘカト、オメガには当たらなかったが倒れたネプチューン・グラトニーや、ヨーン・エキドナも巻き込まれていく。使えなくなったら用済みってことなのか。

 

 

「邪魔をしないでくれる…?」

 

「イブリース様の命令、行かせない」

 

 

 リサに助力を願って向いてみるも、オメガちゃんが単身でリサと渡り合って足止めしていた。オメガちゃんは味方だと伝えてるからリサも本気を出せていない。これはまずいぞ。

 

 

『危ない!』

 

 

 咄嗟にクイーンの身体に飛び込み、榴弾が弾かれた方にいたアリサに腕を伸ばして引っ張り救出。まずい、炎上している。放っていたら火事になってみんな死んじゃう!いったん外に出てクイーンとアリサに呼びかける。

 

 

『起きて!二人とも!このままじゃ……』

 

「起きろ。クイーンリーチ。RT-02。タイラントと共に敵を倒せ」

 

「「Yes、MyLord」」

 

『そんな…』

 

 

 すると二人が目覚めそうなところにイブリースが命令してきて、二人は目を開けて頷き、背後からクリスとレベッカを襲おうとして。まずい、そう手を伸ばしたところで、それは来た。

 

 

「オメガ殿になにをしているでござるか」

 

「っ…!?」

 

 

 入り口から飛び込んできて壁を蹴り一瞬でイブリースに肉薄したもう一人のオメガちゃんが、憤怒の表情で斬撃を胸部に叩き込んでいた。……あれ、オメガちゃんと思ったけどなんか違う…?

 

 

「拙者、ハンターΨ。借りを返しに来たでござるよ」




イブリースの支配能力は「射程距離内の気配を探る」→「角に電磁波を溜める」→「角から電磁波を放出する」という手順が必要。つまり常時発動しているわけじゃないんですね。だから領域外から一瞬で近づくことができればB.O.W.でも支配されることなく攻撃することができる、というわけですね。さらに言えばプサイは隠密特化型(自分の声で教えるバカ)でさらに蛙の脚力を有しているので、イブリースの天敵だったっていう。恩を売るのって大事だね。

対象に特にいいところもなく撃沈するヨーン・エキドナとネプチューン・グラトニー。言わずもがなリサはエキドナの天敵。グラトニーにとっても噛みつきを無効化するリーチ・モールデッドは天敵だったっていう。この子牙を使わないと尻尾びたーんぐらいしか戦闘能力ないのだ。

リサもエヴリンの力で元の顔に戻りました。といっても首から下だけ異形というすごいことになってますけど。そりゃデスマスクで隠すよね。

次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
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