BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】 作:放仮ごdz
VSウェスカー。楽しんでいただけたら幸いです。
私、クイーン、アリサ、リサ、クリス、レベッカ、オメガちゃん、ヘカトちゃん、プサイちゃんとその部下ハンター二体と大所帯になった私たち。プサイちゃんは普通に仲間になった。オメガちゃんと敵対するのが普通に嫌だったらしい。独房エリアに捕らえられていたジルを救出した私たちは、どう逃げ出すかを考える。
「ごめんなさい…バリーに後ろから殴られて、それでウェスカーに…面目ないわ」
「いや、いいんだジル。今からどうやって脱出するかだ。…今思えばバリーが手に入れジョセフを救ったヨーン・エキドナの毒の血清もウェスカーから渡されたものだったんだろうな」
「そんなことよりもクリス、ここからどう脱出するかを考えなければ」
「おそらく屋上に信号弾はあるだろうけど、例えブラッドが来てくれたとしてもこの人数をヘリに乗せるのは不可能じゃない?」
「私たちB.O.W.組なら玄関からケルベロスの群れを突破して脱出できるはずだ。ヘリはお前たちが使え。クリス、ジル、レベッカ。ジョセフとリチャードは今玄関でギルタブリルを抑えているはずだ。合流後、私たちが守って共に森から脱出するから応援で迎えをよこしてくれ」
「護衛は任されよ。拙者たちもいる故」
えへんと胸を張るプサイちゃんとその配下のハンター二体。襲ってこなければ可愛いな。
『まあ、異形組は迎えが来る前に私がなんとか人として違和感ない姿にするから……』
「決まりだな」
菌根操作でミランダの擬態を使ってアリサも今の姿にしたから、私が頑張ればできなくもないはずだ。この数でも。ハンターは……どうしよう。うんうん悩んでいる間に、クリス、ジル、レベッカと別れて洋館のエントランスホールまで戻ることになった。それでも8人、私を抜いても7人いるから大所帯だ。もう何も怖くない!とりあえず私が先行して様子を見てこよう。
「ウェスカァー!」
「セルケトォ!」
『なにこれ』
エントランスホールにたどり着くと、話に聞いた性転換したらしいウェスカーと、以前敵対してたのになぜか仲間になってるセルケトが、とんでもないバトルを繰り広げていた。尻尾を縦横無尽に伸ばして襲い掛からせながら、鋏のついている右半身をメインに乱舞し左手から針を飛ばしまくるセルケトに対し、ウェスカーは瞬間移動を見紛う速度で移動して出現と消失を繰り返し、適格にセルケトの四方八方から鉄山靠などで殴りつけていくウェスカー。ジョセフとリチャードは倒れている。気迫はセルケトが上だが、完全に押されていた。
「素晴らしい、ウイルスが私の肉体に定着していくのを感じる。礼を言うぞセルケト、私は高みに至る…!」
「ぐうっ、強い…!」
「とどめだ…!?」
『バア!』
ふらふらのセルケトにとどめを刺さんと拳を振りかぶるウェスカーの前に飛び出し、驚かせてやる。驚愕し動きが止まるウェスカーに、セルケトの尻尾による渾身の薙ぎ払いが腹部に炸裂。吹き飛ばされ壁に叩きつけられ呻くウェスカーは、私を見て合点がいったように笑った。
「お前か……女王ヒルを誑かし、RT-02を逃がし、奴ら二人を使ってアンブレラの邪魔をしていた謎の存在は…!おそらくは、菌根の化身…!」
『そんな黒幕なつもりはないんだけど……そうだと言ったら?』
「取引をしないか?お前の目的は分からんが全力で協力しよう。その代わり、菌根の秘密を教えてくれ」
『ウェスカーほどの人間の協力を得られるのは破格だねえ』
階段裏の通路からぞろぞろとクイーンたちが到着して様子を窺っていることに気づいた私は、不信感を隠さない顔でセルケトに睨みつけられながら考えるそぶりをする。しょうがないことだけど、全然信頼なくて私悲しい。ウェスカーからしたら謎しかない菌根のメカニズムを解き明かせばその功績から逃げた先で立場を得ることができるって魂胆かな。……クイーンに出会っていなければ、即決だったかもなあ。
『だが断る!生憎と目的はすぐにでも果たせるんだよ!だから私は、私の友達の願いをかなえる手助けをする!すなわち、アンブレラの崩壊。それによる復讐だ!』
「私もこれからはアンブレラに仇なす者だ。手を取り合えると思うのだが?」
『女になっても胡散臭さは変わらないね。あなたを信用する理由が何一つないの。上司や部下でさえ簡単に殺してしまうあなたなんかにはね!』
「そうか。それは…残念だ!」
『っ、クイーン!』
そう言って何かのスイッチを取り出すウェスカー。なにかやばいのを感じて、クイーンに呼びかけて粘液糸で奪わせようとする、がしかし。
「やはり来ていたか、クイーン!」
ウェスカーは瞬時に移動して粘液糸を回避、回避先に移動したオメガちゃんとプサイちゃんが空中から爪を構えて振り下ろさんとするも、掌底と回し蹴りで蹴散らし、続けて突撃していたアリサを回し蹴りした足を使ったネリチャギで地面に叩き伏せ、取り出したハンドガンを連射したところをヘカトがムカデ腕を伸ばして盾にする。
「ハンターΨ。ご主人様に仇なすとはな。教育が必要か?」
「ござぁ……生憎と我が主君はウェスカーという男……お前ではない…!」
「む?そうか、そういう問題があるのか。難儀なものだな」
『リサ!』
「はああっ!」
私の呼びかけに跳躍し、手枷の鎖を巻いた拳を振り下ろしてウェスカーに叩きつけるリサ。それを右掌で受け止め、衝撃に後退するウェスカーは興味深そうに眉を顰める。
「リサ…?RT-01か!そうか、凄まじいな菌根のB.O.W. この狂人すらも手駒とするか!」
『…私の名前はエヴリンだし、リサは狂人じゃない。みんなもただ仲間というだけだよ』
リサは拳を引き抜こうとするもびくともせず、私は楽しそうなウェスカーを睨みつけてそう返す。…こいつの本性は初めて見たけど、とんでもない外道だ。ミランダとも違うけど大嫌いな類の人間だ。そのままリサの手を反転させてひっくり返し、頭から床に叩きつけられて呻くリサに銃が向けられたのを、粘液糸が飛んできてくっつき銃口を逸らす。
「させないぞウェスカー」
「クイーン、やはりお前も素晴らしい性能だ。この複数の気配、変異ヒルの群体か。面白い」
「…お前は私とアリサの正体に感づきながらS.T.A.R.S.を率いていた。そうだな?」
「確証はなかった。任務で片鱗が見れればと思っていたが…そう甘くもなかったな」
『レベッカにはばれたんだけど節穴なのかな?』
「クイーン、邪魔をしないで……こいつは私の獲物よ…!」
クイーンが糸を握りながらウェスカーと睨み合っていると、ふらつきながらもセルケトが立ち上がる。するとウェスカーは肩をすくめてセルケトを蹴り飛ばしながら、銃を握ってないほうの左手に握ったスイッチを構えた。ギルタブリルとの戦闘のダメージもあるのか、セルケトは動かなくなる。大丈夫かな…?
「お前たち優秀な兵器をアンブレラにみすみす渡す手はない。この洋館ごと死んでもらおう」
「っ…まさか、自爆スイッチか!」
アンブレラ幹部養成所の爆発を思い出したのだろう、顔を青ざめて止めようとするクイーンやアリサたち相手に、銃を手放して離れた場所に移動するとスイッチを押し込むウェスカー。同時に、爆発音。研究所の方だ。クリス達は無事だろうか。
「はははっ!死にたくなければ逃げればいい!そうした場合も後から我々の手で回収させてもらうがな!」
そう言って扉を蹴り開け、高速で走り去っていくウェスカー。速すぎる…!オメガちゃんばかりかプサイちゃんよりも速い…!RT-ウイルスってそんな効果だっけ!?そんなことを思いながらも、倒れるセルケト、ジョセフ、リチャードを見て考える。
『とりあえず逃げよう、ヘカトちゃんジョセフとリチャードをお願い!アリサはセルケトを運んで!早く逃げないと巻き込まれる!』
なんか知らんけど爆発が全部吹き飛ばすまで余裕があるみたいだし、ここはエントランスホールだ。すぐに逃げれる、はずだった。
「っ!?屈め!」
なにかに気付いたクイーンが粘液硬化で腕を固めるとともに、一閃。咄嗟に屈む私たちだったが、プサイちゃんの命令を優先するが故に反応が遅れたハンター二体が、バラバラに切り刻まれて血飛沫と共に肉片が転がり、そして。
「……すまん、エヴリン…あとは任せた」
「クイーン!?」
少しでも防いで被害を減らそうとしたのだろう、クイーンもまたバラバラに切り刻まれて大量のヒルにばらけて崩れ落ちてしまう。慌てて駆け寄って拾い集めるアリサの向こう、ずれて崩れ落ちていく階段の裏からそれは、現れた。
『イブリース…なの?』
そこにいたのは、イブリースだった。しかし砕けたはずの角はタイラントの爪の様なものが新たに生え、閉じられていたコートはベルトがすべて外れて解放され、袖先のベルトが解放された袖からはまるで刀のような爪が三本ずつ地面に引きずるほど伸びていて、露出した口元からは鋭い牙が見えて邪悪に嗤う。それはまるで悪魔か、魔王の姿だった。
「刮目せよ!私…いや、我輩こそがすべてのB.O.W.の王だ!」
そう宣言したイブリースが両腕を振りかざし、同時に袖から伸びた爪がさらに長く伸縮。二階を切り刻み、瓦礫と化して落ちてきた天井からは青空が見える。洋館での、最後の戦いが始まった。
強すぎウェスカー。そりゃただの人間だった時にアリサを圧倒してるんだからこうなるのも必然だった。地味に初めてエヴリンとウェスカー邂逅。
リチャード&ジョセフ&セルケト脱落。自爆スイッチオン。ハンター二体殉職。クイーン敗北。リミッターが解除されたイブリース参戦です。その名も魔王イブリース。やはりあの程度では死ななかった。
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