BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】 作:放仮ごdz
今回の本来の時間軸との相違点はずばり、G-ウイルスの完成したタイミングだろう。本来なら1998年9月に完成するはずだったG-ウイルスは、洋館事件の起きた7月24日にはサミュエル・アイザックスの協力を受けたウィリアム・バーキンの手で完成していた。
セルケトというG-ウイルスの元となったウイルスの苗床の存在による臨床試験が十分に行える量の生産。
同じくリサ・トレヴァーから生まれたRT-ウイルスの長年の研究によるアイザックスのノウハウ。
そして、完成したG-ウイルスを投与して作成されたG生物第一号となるギルタブリルの完成。もっとも、ギルタブリルはセルケトの遺伝子に宿っていたRT-ウイルスや菌根、ネメシスプロトタイプも混ざっているため相反してG-ウイルスから得られるはずだった進化・再生の能力を獲得することはできなかった。
さらに判明した問題点。ギルタブリルにとってのセルケト……つまり遺伝子情報が近しい者に胚を植え付けて繁殖しようとし、そのためならば命令なども後回しにする生物的な本能。しかしそれは裏を返せば条件さえ整えば量産できるということの裏付けだ。兵器としてコスト面を削減できるうえに、進化・再生の能力を獲得しなくても驚異的な戦闘能力を得るGーウイルスは金の卵を産む鶏も同然だった。
それに目を付けたアンブレラ上層部は、ウィリアムからG-ウイルスの所有権を独占しようとしたが、G-ウイルスこそ己の研究の集大成だと考えているウィリアムは猛反発。2ヶ月にも及ぶ討論の末に、独自にアメリカ合衆国政府の「とある男」に兵器売買交渉を行おうと試みるウィリアム。
それが1998年9月上旬の出来事。本来ならば、ここでラクーンシティを拠点に運営する警備会社にしてアンブレラの機密を保守する目的で設立された特殊部隊
それは起きた。不完全な形で。ギルタブリルの作成により信頼を得てG-ウイルスのサンプルを手に入れ協力する理由がなくなった、かつてのウィリアムの右腕でありG-ウイルスの共同研究者であるサミュエル・アイザックスのアンブレラへの密告という裏切りにより、NESTに乗り込んだU.S.S.の襲撃。
ウィリアム・バーキンの確保という命令のもと、ハンクと呼ばれる男が主導で共同研究者であり妻であるアネット・バーキンと共に取引のためにG-ウイルスを持ち出しラクーンシティを後にしようとしていたウィリアムを追い詰めた彼らだったが、ウィリアムの隠し持っていた銃の反撃を受け、反撃してしまう。しかし銃撃で致命傷を負ったのはアネットのみ。ウィリアムは、守られた。
「ふん……私へ忠告をした男が無様だな、ウィリアム」
「アルバート……なのか?」
RT-ウイルスに適合し別人と見紛う姿に変貌した親友、アルバート・ウェスカーことアルテ・W・ミューラーがすんでのところで盾となりウィリアムの身を守ったのだ。
「お前の渡したウイルスに適合してこうなった。おかげで人智を超えた力を手に入れた、感謝するぞウィリアム」
「そ、そうか……お前がいいならいいが…」
そのままU.S.S.を蹴散らし、尻餅をつきながら若干引いているウィリアムに手を差しのべるアルテ。助けた理由は親友だからという生易しいものではなかった。
「私はお前をスカウトしに来た。虚栄心の高いお前がアンブレラと敵対することは目に見えていたからな。国に売るぐらいならH.C.F.に来い、ウィリアム。G-ウイルスが奴の手に渡れば“ファミリー”の天下だ。それなら成果さえ上げれば自由に研究ができるH.C.F.に来るべきだ」
「…H.C.F.か」
「迷っている時間はないぞ」
そう言って顎をクイッと動かして倒れているアネットの方向を促すアルテ。ウィリアムも見てみると、アネットの持ち出そうとしていた「始祖」「T」「RT」「G」といった数々のウイルスのうち、T-ウイルスの容器が割れて中身が漏れてしまっているのが見えた。
「恐れか早かれ感染は広がる。その規模は洋館事件の比ではなくなるだろう。パンデミックだ。そうなれば逃げ出すのは困難だ」
「そう、だな……わかった、その話に乗ろう。私を逃がしてくれ。だが、その前に……」
腹部に銃撃を受け、痙攣しているアネットに歩み寄るウィリアム。アルテは「別れの言葉でも言うのか」と特に気にも留めてなかったが、次にウィリアムの起こした行動に感心したような声を上げた。
「ウィリアム……あなただけでも、シェリーを連れて逃げ、て……」
「アネット。どうせ死ぬのなら私の糧となれ」
なんとウィリアムは割れずにすんでいたアネットの持つG-ウイルスの容器を手に取ると、取り出した銃型の注射装置に装填すると何の躊躇もなくアネットに打ち込んだのだ。
「ウィリアム、なにを……!?」
「君の持っていたこれはこの2ヶ月で私がさらに改良したG-ウイルスだ。アンブレラのクソどものおかげで臨床試験をする暇もなかった。このまま死ぬのでは命がもったいない、君で試すことにしたよ。我が最愛の人よ。私に、Gの、力を、見せてくれ…!」
困惑する己の妻に平然とそう言ってのけたウィリアムは、みるみる変異していくアネットを見て狂気的な笑みを浮かべる。
「素晴らしい!死に際でここまでのものとなるか!もっと!もっとだ!Gの力をもっと見たい、研究したい!ふはは!道中でも試そうアルバート!これは神の御業だ!」
「ウィリアム……お前は私の見込んだ通りの狂人だ。最愛の妻にそれを打ち込むとは感嘆したよ。だがいいのか?Gの特性上、お前の娘が狙われるぞ」
「その前にシェリーを回収しこの街を去ればいい話だ。シェリーはアイアンズが預かっている。行くぞアルバート」
「娘から母親を奪った挙句、あの屑に預けるとは悪魔だなお前は」
「アネットをこのまま死なせる方がもったいないだろう」
「それもそうだな」
「ウアアアアアアアアアアッ!!」
G生物へと変貌を遂げ、咆哮を上げるアネットを置いてアルテに連れられてその場を立ち去るウィリアム。
「シェーリー!私のシェリィイイイイッ!」
G生物と化したアネット…Gアネットは最愛の娘を求めて動き出し、ネズミを介してT-ウイルスは広がる。こうして地獄の基盤は完成された。
しかしウィリアムの予想とは裏腹に、欲を出したアイアンズによりシェリーの回収は滞り、シェリーを置いてラクーンシティを逃げ出すこともできず、地獄と向き合うことになる。だがしかし、悪魔は地獄にて踊り狂う。量産されたGーウイルスの脅威は、止まるところを知らない。
裏切りのアイザックスにより、襲撃を受けて致命傷を負ったところを、一緒に逃げようとしてシェリーを託そうとしすらしたのに「もったいないから」と実の夫にG-ウイルスを投与されてしまうアネット。今回のメインヴィラン、Gアネット。泣いていい。
次回はクイーン側に戻ります。次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
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