BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】 作:放仮ごdz
「で、指名手配されたわけだ。もともとアンブレラに喧嘩売るつもりだったから遅かれ早かれだったろうがな」
私のことを含めて、レオンとクレアに掻い摘んで話すクイーン。しかしこの子クレアか、若すぎて気づかなかった。未来のクリスがイーサンに会わせてた知り合いだ。何なら一時期ローズの面倒を見てくれた人でもある。なんでも、子供の扱いは慣れてる、だとか。そんな感じはしないけどなあ……普通の大学生って感じ。
「そんな……そんなの、あなたは何も悪くないじゃない」
「だが、どうしてこんなことに…?」
「原因はわからんが要因は分かる。十中八九T-ウイルスの漏洩だろう。洋館で起きていたことが街単位で起きている。もうこの街は終わりだ。……また、救えなかった」
クイーンにとってこのラクーンシティは第二の故郷だ。10年もの間守り続けた大事な居場所だ。わかっていたこととはいえ、原因がわからない私には止められなかった。本当に、申し訳ない……もっとまじめにクリスの話を聞いていたらまだ何か変わったかもしれないのに……。
「クイーン殿。ここにいたでござるか」
「プサイか。どうだった?」
すると驚異的なジャンプ力で跳躍してきてクイーンの背後にスタッと降り立った者がいた。青いマフラーを巻いて口元を隠した爬虫類の特徴を持つ少女、ハンターΨことプサイちゃんだった。典型的な日本オタクという面白い子だ。クイーンは振り返ることなく問いかける。プサイちゃんには、ラクーンシティを駆け回ってもらっていた。プサイちゃんは驚くレオンとクレアの視線を気にせず報告する。
「先日、アンブレラが投入したのは書類を見たところ、私設部隊U.B.C.S.の4個小隊200名でござる。「市街地の掃討、市民の救助および市外への避難」が目的とされているでござるが、投入された時点で壊滅。今は数名を残すのみで、生存者を探して地下鉄で脱出する算段の様でござる」
「そいつらに同情するよ。アンブレラなんかに使いつぶされてな」
「また、R.P.D.に逃げ込んだ者は既に警官隊と共に脱出、残っているのは逃げ遅れた者たちとそれを守るために残った数名の警官たちだけでござる。生存者のほとんどは家屋に籠城しているでござる。全員救うのは諦めた方がよさそうかと……」
「…よし、ならR.P.D.に向かうぞ。逃げ遅れた人間を保護して私たちも脱出する。ゾンビを制圧しているヘカトとオメガにも伝えてくれ」
「承知でござる」
そう言ってシュタッと跳躍してこの場を去っていくプサイちゃん。いやあ、心強い仲間ができたねえ。セルケトやリサは別行動してるし、オメガちゃんはヘカトちゃんのお守りでかかりきりだから、連絡係がいるのはありがたい。え、私が働けって?私は偵察係だからしょうがないね。
「レオン、初仕事だ。手伝ってくれ」
「任せてくれ、先輩…!」
そう答えられて不敵に笑うクイーン。かっこつけているけど照れてるのがわかる。相変らず後輩に甘いんだから……びゃー!?私が悪かったから手を突っ込むなー!?すると、クレアが自分の胸に手をやって主張してきた。
「私も手伝うわ。戦いの心得ならクリスから習っているから戦力になるはずよ」
「クレア、お前に何かあったらクリスに申し訳が立たない。今すぐこの街を離れろ」
「あら、そう簡単に逃げれるとでも?」
「……それもそうか。私の傍にいさせた方が安全か。わかった、手伝ってくれ。掴まれ二人とも」
そう言って背中を変形させた触手を伸ばしてレオンとクレアを抱えるクイーン。二人がギュッと掴まったのを確認すると右手から粘液糸を飛ばして飛び立ち、左手と交互に粘液糸を出して建物間を移動するのを、私もふよふよとついていく。Maxスピードでようやく追いつけるんだから加減して!?
「そういえば、聞き忘れていたが!」
「なんだ、レオン!喋っていると舌を噛むぞ!」
「あの怪物はなんだったんだ!?知り合いだったようだが……」
「……それは」
飛び回るクイーンにしがみつきながらそう問いかけてくるレオンに、クイーンは言いよどむ。……あれはさすがに予想外だったよね。
「……ベビーシッターしていた子の親で、アンブレラの研究者だ。顔見知りだがそんなことしか知らない相手だが………あの子の、親なんだ。あの子のことを思うと、悲しくてな……悪い、忘れてくれ」
『シェリー、心配だね』
「…ああ」
そんなことを言いながら、夜の街を駆るクイーンだった。
R.P.D.に到着した私たちは、オメガちゃんヘカトちゃんプサイちゃんを待っている間に生存者がいないか確認することにした。数日前襲撃を受けた署内は、かつての光景が噓のようにゾンビがあふれかえっていて、それを倒しながら進んでいた時に、シャッターを叩く音が聞こえて急行する。
「助けて!助けてくれえ!」
『ゾンビに襲われてる!やばい!』
シャッターをすり抜けて状況確認、明らかにヤバイ状態だったので、顔を引き抜いてクイーンに伝える。くそっ、なにもできないことがもどかしい。このゾンビたちには私の声は聞こえないし…。領域展開、って感じで菌根の世界に引きずり込めたらいいのに。
「聞こえるか!助けに来た!」
「今助ける!」
「クイーン?クイーンなのか!?助けてくれ、死にたく……ぐあああああああっ!?」
悲鳴を聞きながらもクイーンがシャッターを持ち上げ、レオンとクレアがその警官の手を掴んで引っ張るも、下半身がごっそり持っていかれて既に事切れた状態だった。その手には、血に濡れたメモ帳が握られている。
「エリオット……すまない」
「クイーン……」
見覚えのある顔だったのか、床に拳を打ち付けて悲壮に顔を歪ませるクイーンにクレアが慰めるように手を置く。辛いことばかりだ。クイーンの精神状態が心配だな……。
「…エヴリン、この先には」
『……生存者は、見えなかった』
「…わかった。戻ろう、エントランスで仲間を待つ」
「わかった。……無茶はするなよ、クイーン」
「わかっているさ。私は冷静だ、悲しいことにな」
クイーンは人間らしくなったけど、本質はヒルのままだ。クールでドライ。親しい者の死を納得できないまでも冷静に受け止めてしまう。クイーンはそれを「私は人間じゃないからな」と皮肉るけど、それを悲しく思えるだけで人間だと思うよ。
「っ!?伏せろ!」
次の瞬間、窓を突き破ってきたそれの鋭い爪による斬撃を、クイーンがクレアの手を引いてすれすれで回避させる。さらに長い舌を伸ばしてきてレオンの腕に巻き付くも、クレアの撃った銃撃で舌がちぎれてレオンは解放される。
「なんだ、こいつは……」
『……リッカーだ』
そこにいたのは、未来のクリスから学んだ記憶がある怪物だった。あまりにも衝撃的な見た目に戦慄した記憶がある。ゾンビ化した人間が充分な栄養を摂取するという内的要因による変異した成れの果てが「リッカー」というクリーチャーだ。B.O.W.ではない、自然的に生まれた怪物。のちに兵器化されたらしいけど。
腐敗した皮膚が消え去って強靭な筋肉がむき出しになり、肥大化した脳は外部に露出していて舌が長く、巨大で鋭い爪と天井や壁を這うことができる足を持つ。弱点として肥大化した脳に押し潰される形で視覚を失っているらしいがその分聴覚に優れていて、僅かな音だけで位置を把握して襲い掛かってくるらしい。洋館事件で出てこなかったから存在を忘れるところだった。
『強敵だよ、気を付けてクイーン!』
「…途中で見た首を抉られている死体は此奴の仕業か」
リッカーの飛び掛かりを、硬化させた腕で受け止めるクイーン。レオンとクレアも銃を構え、戦いが始まった。
同時進行でバイオ3のストーリーも進んでますがそれは追々。リッカーは映画に出るたびどんどこ強化されてて好き。特にダムネーションのリッカーが大好きです。
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
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クイーン・サマーズ
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