BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】   作:放仮ごdz

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どうも、放仮ごです。ちょっと余裕がなかったため今回は短いです。前回の事件列での別視点お話。楽しんでいただけたら幸いです。


file2:4.5【エイダ・ウォンという女】

 クイーンがリッカー軍団を薙ぎ払っている頃。下水道を歩く二つの影があった。黒衣の女と白衣の男。アルテ・W・ミューラーとウィリアム・バーキンである。

 

 

「まったく……お前の研究癖はわかっていたがここまで来ると病気だな」

 

「それがわかっていて付き合ってくれるお前はやはり無二の親友だよウェスカー」

 

 

 襲い来るゾンビをアルテが駆逐し、ウィリアムがそれに続きながら時折倒れたゾンビに何かを注射する、といった工程が繰り返されている。

 

 

「あれから数日たつわけだが……上手くいったか?」

 

「いいや、やはりRT-ウイルスはお前の遺伝子でもないとこう(・・)なるようだ。Gと違って凡庸性が限りなく低い。こいつの兵器化は諦めた方がいいな」

 

「恐ろしく性能の高いウイルスなのだがな。やはりRTの遺伝子が必須か。確保できなかったのは痛いな」

 

「なに、アイザックスから手に入れたRTの遺伝子サンプルはまだある。これを持ち帰れば成果になるだろう」

 

 

 そう言ってアタッシュケースを掲げるウィリアムに、アルテは不敵に笑い、手刀でゾンビの胸を貫き投げ捨てる。

 

 

「それよりもだ。数日もの間連絡をよこさないとはアイアンズめ、なんのつもりだ?」

 

 

 そうウィリアムがぼやくのはアネットにG-ウイルスを投与してその場を立ち去ったそのすぐ後のこと。シェリーを預けていたアイアンズに連絡し、シェリーを回収してラクーンシティから高飛びしようとしていたウィリアムとアルテだったが、当のアイアンズはこれを拒否。そればかりか、シェリーの身柄と引き換えにウィリアムの持つウイルスの引き渡しを要求してきたのだ。どうやら既にウィリアムがアンブレラを離反するつもりだったのは知っていたらしく、自分が手柄を立てて重役につこうと目論んでいるらしい。

 

 父親でありながら研究一筋だったためにシェリーへの連絡手段はアネットしか知らなかったこともあり、ウィリアムではどうしようもなくアイアンズの連絡待ちだった。その連絡待ちの間に実験を繰り返している辺り救いがないが本人たちに自覚はないのがたちが悪い。

 

 

「シェリーが無事じゃなかったら許さないぞあの豚」

 

「……あの変なところで詰めが甘いクズのことだ。大方シェリーを逃がしてしまって慌てて追いかけまわしているんだろうな。アリサとクイーンになついていたようだし、クイーンを指名手配にしたアイアンズに不信感を抱いていたんだろう。それで自分の身柄と引き換えにお前と取引しようとしていることを聞いてしまったのだとしたら……どうだ?」

 

「シェリーは賢い子だ。十中八九逃げだすだろうな。………待て、だとするとゾンビの巣窟となっているラクーンシティを逃げ回っていることにならないか?なんで黙っていた?」

 

 

 さあっと顔を青ざめさせて掴みかかるウィリアムに、アルテは両手を上げて降参の意を見せる。

 

 

「黙っていたわけじゃない。今、理由を考えたらその結論に至っただけだ。それにあのクズのことだ、恐らく警察署も機能してないだろう。警察署も安全な場所じゃなくなっているだろうな。奴の孤児院はもってのほかだ。あそこにはもとよりアレがいる。むしろ、シェリーの無事を保証できるとでも思っていたのか?」

 

 

 そう尋ね返すアルテに、何も言い返せなくなったウィリアムはアルテの胸ぐらから手を離し、踵を返した。向かう先は下水道の出口だ。

 

 

「……最悪だ。早くシェリーを迎えに行くぞ。手伝えアルバート」

 

「まだ現実が見えないのか?はっきり言うぞ。……シェリーは切り捨てろ、ウィリアム。お前の溺愛っぷりは知っているが、お前は家族だろうと冷酷に切り捨てられる人間だ。今優先すべきはお前の身柄を無事に外まで送り届けることだ」

 

「…冗談は見た目だけにしろアルバート」

 

 

 諭そうとするアルテだったが、ウィリアムは怒りで顔を歪ませながら掴みかかる。その剣幕に、さしものアルテも二の口をつぐむ。

 

 

「ふざけるのもたいがいにしろ。シェリーを捨てろだと?この世で最も愛しい娘だぞ?例えゾンビになっていようと連れて治療する。アネットにもシェリーのことを頼まれている、切り捨てるなんて選択肢があると思うなよ?なんなら私一人でも行ってやるぞ。そしたら困るよな?アルバート」

 

「…ふっ、お前はとんだエゴイストだな。自分の妻にとどめを刺した人間の言葉とは思えん。矛盾しているとは思わないのか?」

 

 

 脅迫じみた言葉をかけてくるウィリアムに半ば呆れながらアルテはそう指摘するがウィリアムは心底理解できないとでも言うように首を傾げた。

 

 

「子を思うのは親として当然だろう。何を言っている?」

 

「…いいや。なら急ぐぞ。アンブレラが追っ手を送っていないとも限らん。私の手配した工作員にも連絡しておく。シェリーを見つけたら保護しろとな」

 

「それは助かる。……待て、男じゃないだろうな?もう私以外の男なんかに預けられないぞ。クイーンとアリサの方がましだった」

 

「安心しろ。その工作員は女性だ。それに腕もたつ。私の信頼している実力者だ。ベン・ベルトリッチという男を探しているはずだ」

 

「ふむ。名前は?」

 

「エイダ・ウォン。そう呼ばれている」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……シェリー・バーキンの確保ね。了解したわ、ウェスカー」

 

 

 通信機をしまい、女は夜の街並みを駆る。こうして役者は揃う。




これに関してはウィリアムが迂闊すぎ問題。この男頭はいいのに詰めが甘すぎるのである。

そして今作では6編で顔を見せた以来の登場、エイダ。いやあれは厳密には違うんだけど、まあ、うん。

次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。

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