BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】 作:放仮ごdz
エヴリンには「擬態」の力がある。元はミランダとかいう未来のエヴリンの宿敵ともいえる女の力だったらしいが、長いこと時間をかけて菌根への理解を深めることで会得したとのことだ。どれほどのものかというと、リサの異形だった両腕や背中を今の普通のものに姿かたちごと変えて、元々そんな姿だったなんて想像できなくしてしまうほど強力だ。しかも時間制限がない破格の性能をしている。なので実質ウイルスの効果による異形を形だけ消し去ることができる。ただし菌根が体内にある者でさらにエヴリンに精神的に体を預けられるもの限定という制限がある。これは洗脳も同じで、菌根というのは精神が大事らしい。
今の私はエヴリンを大きくしたような姿だった黒髪ロングヘア―の二ヶ月前までの姿とだいぶ異なっている。正体がばれることなくラクーンシティに潜伏するためだ。雰囲気をがらりと変えて青みがかった銀髪をポニーテールにして、父ことジェームス・マーカスの血で汚れた彼の白衣と、動きやすそうなラフなシャツに、迷彩パンツとブーツを身に着けて、何時何が起きても直ぐ動けるようにしていた。
オメガたち異形組も異形の部分を隠してさらにアリサと同じ顔も変えて、オメガは深緑色の髪をショートにした少女、ヘカトはオメガと似た顔で金髪をサイドテールにした幼い少女、プサイはオメガと似た顔で黒髪ポニテの少女で三姉妹ということにしている。リサはタコのごとく蠢かない普通の黒髪ロングヘア―の美女の姿になったし、セルケトは前髪で左目を隠した赤黒い短く切り揃えた髪の女傑といった風になってる。エヴリン曰く力作らしい。
話がだいぶ逸れたが、そんな印象からしてがらりと変わった私がクイーン・サマーズであることを信じてくれたマービンには頭が上がらない。数年単位で聞き続けてきた声だからってのもあるだろうか。そのマービンの実力は理解しているからこそ、ゾンビなんかに不覚を取ったのが信じられない。他のみんなもだ。
「マービン、なにがあった?」
「…ブラッドだ。奴もゾンビになった。俺は、アリサやクリス達から話は聞いていたのに、ブラッドの意思が残ってると思って……油断してしまった。そしてこのざまだ。俺はもう長くない。だがまだエリオットが館内にいるはずだ。あいつだけでも……」
「…エリオットにも出会ったが、救えなかった。すまない……」
「そうか……S.T.A.R.S.以外のR.P.D.は全滅か……ジルやアリサも、無事かどうか……」
「あのくそ署長も死んだのか?」
正直聞きたくもないし、死んでいるなら万々歳なのだが……あの男がそう簡単に死ぬとも思えない。
「いいや、確認してない。だがあいつは警官とはもう呼べないさ。あいつのせいで何人死んだか……」
「…待て、仲間は……R.P.D.のみんなはゾンビにやられたんじゃないのか?」
「ほとんどはそうだが……そうなった原因があるんだ。あの野郎はラクーンシティの混乱に乗じた警察署内でのテロ対策という名目で署内の武器弾薬の配置を拡散しやがった。そのせいで正確な配置場所を把握出来なった俺達は攪乱され迅速な対応が不可能に陥った」
「は?」
『大戦犯じゃん。なに?生き残るつもりないの?』
「更にあの野郎は脱出路を断って脱出も妨害した挙句に、署に暴徒集団が襲撃してきたときに備えての鎮圧設備だとのたまっていた神経ガスをばら撒いて「狩り」と称して生き残りの警官らを次々と殺して回ったんだ。嫌な奴だとは思っていたがあそこまでクズとは思わなかった。お前を指名手配にした時点で俺たちはあいつを排斥するべきだったのかもしれないな」
「……それでアイアンズは?」
『クイーン、顔。取り繕えてないよ。どうどう』
もう怒りでどうにかなりそうだったが、冷静に質問する。エヴリンがなんか言ってるが無視だ。あのクソデブクズヒゲ悪趣味狸め。ぶち殺してやる。腸食い破って地獄の苦しみを味わせた後にゾンビの生餌にしてやる。
「さあな。なにかやることができたのかどこかに行ってしまって行方はわからん。署内にはいなかったから……奴が経営している孤児院にでも行ったのかもしれないな」
「……」
奴が、何よりも優先するやるべきこと…?なんだ、嫌な予感がする。
「ところでお前の連れ、なのか……?後ろの二人はともかく、こいつらは……味方、なんだよな?」
「ん?ああ。右からオメガ、ヘカト、プサイだ。こいつらは見た目はこんなのだがいい奴らだよ。そもそも私も人間じゃないしな」
「私、オメガちゃん」
「ヘカトちゃん!」
「プサイちゃんでござる」
挨拶する三人に合わせて右手の擬態を解いてみせると、驚いた表情を見せるマービンだったが納得した顔に変わる。
「なんだ、驚かないのか?」
「いいや、驚いたさ……だが、お前がキャリア10年でいつまでたっても現役だった理由がわかったよ。俺達とは違ったんだな」
「やっぱり早く話しとくべきだったな。それで後ろの男の方はレオン・S・ケネディ。近々着任する予定だった新米警官だ。教育は任せた」
「おい、俺はもう長くないと……いや、そうだな。教えられることは教えよう。マービン・ブラナー警部補だ。短い間だがよろしく頼む、レオン」
「はい。よろしくお願いします」
丸投げすると乗り気になってくれたマービンに、レオンも応えようとしているのか綺麗な敬礼で答えた。必要だろうと言ってマービンがレオンにナイフを託すのを見ながら考える。この二人は、いい先輩後輩になれたんだろうな……くそっ。
「こっちはクレア・レッドフィールド。クリスの妹だ」
「クリスの……話は聞いている。S.T.A.R.S.オフィスに君への手紙があるはずだ」
「そうなの?取りに行きたいけど……」
「気を付けろ。署内はゾンビだらけだ。得体のしれない怪物もいる。ここはまだ安全だがいつまでもつか……」
S.T.A.R.S.オフィスか……クレアが行きたいなら連れていきたいところだが、マービンのこともあるしな……。私は、エリオットの握っていた手帳を手に取りながら、考える。
「…よし、ヘカトとオメガはここに残ってマービンを警護しろ。私とレオンとクレア、プサイはS.T.A.R.S.オフィスに向かうついでに……エリオットの残した脱出の方法に必要なものを探す」
「必要なもの?」
「三つのメダルらしい。それを探せば隠し通路が開くことを突き止めたようだ。マービンを頼んだぞ、オメガ。ヘカト」
「了承」
「わかった!」
『私はどうしようかな……索敵も大事だけどオメガちゃんとヘカトちゃん心配だから残ってた方がいい気もする』
「そうだな……お前も残ってくれ」
「ならば斥候は拙者に任せるでござるよ!」
いい返事をしたオメガとヘカト共にエヴリンもエントランスに残ることになり、私たち四人はプサイを斥候にしつつ、署内西からS.T.A.R.S.オフィスに向かうことにした。……これが別れとなるなんて、私たちの誰もが想像もしていなかっただろう。
今作ではいろんな作品でやらかしたことを全部やらかしているアイアンズ。さらにウイルスもバーキンに要求してるっていうね。正気の沙汰じゃない。
そして唐突な別れの時。いったい何が起こるのか。シリアス注意報発令です。
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
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