BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】   作:放仮ごdz

243 / 535
どうも、放仮ごです。今回は原作に出てきそうで出てこなかったオリジナルクリーチャーが登場。奴との因縁再び。楽しんでいただけたら幸いです。


file2:11【ブギーマン・スケアクロウ】

 自己再生で回復した私が粘液糸で飛びあがり、梯子を降ろして上に上がる私たち。シェリーがなんかそわそわしている。私たちが母親を容赦なく攻撃した挙句に落としちゃったんだからそりゃあ不信感も出るかあ。どうしよう。

 

 

「レオン!銃声が聞こえたが……なにがあった?その子は?」

 

「きゃっ…」

 

「あ、ごめんなさい。我はヘカトちゃん。怖くないよー」

 

 

 素早い身のこなしで合流してきたオメガ、ヘカトちゃん、プサイちゃんと担がれたマービンに、シェリーがクレアの腕の中で悲鳴を上げる。まあ、巨大なムカデみたいな腕のヘカトちゃんにはビビるよね…。ヘカトちゃんが慌てて謝ってあやそうとしてる。

 

 

「怪物になったその子の母親に襲われて撃退していた」

 

「シェリーっていうの。シェリー、この人たちは味方よ。安心して」

 

「こんな幼い子がこの地獄で一人生き残ってるとはな…」

 

「聡い子だからね。クイーンとアリサが五年も育ててたから」

 

「……やっぱり」

 

「うん?」

 

 

 するとシェリーがなにかに気付いたような声を上げたので振り向くと、シェリーは怯えながらも恐る恐ると問いかけてきた。私に。

 

 

「あなた……顔も声もそっくりだけど、クイーンじゃないのね」

 

「あっ」

 

 

 ばれちゃった。そういや途中から演技忘れてた……しかも今のは完全にクイーンが別人だと言ってるようなものじゃん、私の馬鹿。

 

 

「えっと、あのね?私はクイーンだけどクイーンじゃないの。騙してて、ごめんね?」

 

「ううん。あなたは優しい人なのは分かったから……クイーンは、アリサは無事なの?」

 

「クイーンは眠ってるだけですぐ起きるよ。アリサもきっと無事だ」

 

「そっか…よかった」

 

 

 確かめにもいけないけど、きっと無事なはずだ。アリサが死ぬなんてそうそうありえないし。

 

 

「エヴリンって呼んで、シェリー。あなたは知らないだろうけどずっと一緒にいたんだよ」

 

「え……」

 

「エヴリン殿、それはちょっと怖いでござるよ」

 

「あれー!?」

 

 

 自己紹介して知り合いだよと伝えたら怯えられてプサイちゃんにツッコまれた。非常識なプサイちゃんにツッコまれた……解せぬ。

 

 

「自己紹介を忘れていたな。俺はレオンだ」

 

「私、オメガちゃん」

 

「マービンだ」

 

「プサイちゃんでござるよ!」

 

「私、シェリー。シェリー・バーキンだよ。よろしくね」

 

 

 みんな自己紹介して仲良くなれた様でシェリーも笑ってる。よかった、これで解決ですね。なんてね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そのまま仕掛けを解いて通路を進むと、地下駐車場のマンホールに出た。体長二メートルで体格も結構あるヘカトちゃんが突っかかってたけど、みんなで引っ張り上げて事なきを得た。

 

 

「…でかくて邪魔でごめんなさい……小さいほうがよかったわよね……」

 

「そんなことない。…エヴリン」

 

「え、あ。さっき邪魔って言ってること気にしてる!?そんなことないよ?逆に広いところだと大活躍だし!」

 

 

 落ちこむヘカトちゃんをフォローするオメガちゃんに睨まれて慌てて言い訳を述べて褒める。子供ヘカトちゃんとしてクイーンが教育してたせいか常識を身に着けちゃっていい子になったなあ(しみじみ)

 

 

「私、ここから来たんだよ。…あれ?閉まってる……」

 

「本当にこっちなの?別の駐車場だった可能性は?」

 

「ここのはずなんだけど…」

 

 

 シェリーが車の出入り口を閉じているシャッターを見て首を傾げている。シェリーが来たときは開いてたってことは……閉めた人がいるってこと…?

 

 

「ダメだ…カードキーがいる」

 

「私が斬ろうか?」

 

「そうだね。オメガちゃん、斬っちゃって」

 

「…うん?おい、マジかよ…みんな!」

 

 

 カードキーがないと開かないらしいのでオメガちゃんがシャッターを斬ろうとしたその時。レオンがなにかに気付いて警告の声を上げる。振り向くと、そこには複数の警察犬と思われるドーベルマンが唸りながら現れていた。しかしそのすべてが、皮膚は爛れ肉や骨が露出し、その双眸は輝きを失っている。ゾンビ犬……ラクーンフォレストにいたケルベロスとは違うんだろうけど、元々身体能力が高い犬がゾンビ化したらどうなるかは想像に難い。

 

 

「マービンの血の匂いに反応して興奮してる…!?オメガちゃん、プサイちゃん!私たちが相手するからその間にシャッターを斬って!」

 

「くそっ、離れろ!?」

 

「シェリー、後ろに!」

 

「クレア…!」

 

「了承…!」

 

「纏めて薙ぎ払ってやるわ!」

 

「マービン殿、しっかり掴まってるでござるよ!」

 

「すまない…!」

 

 

 シェリーを後ろに置いて私とレオン、クレアとヘカトちゃんで応戦。オメガちゃんとプサイちゃんで退路を作る作戦に出る。私は飛び掛かってくるゾンビ犬を粘液硬化した右腕で弾き、レオンとクレアは接近してくるゾンビ犬にショットガンとハンドガンで抵抗、ヘカトちゃんがムカデ腕を伸ばして薙ぎ払う。しかし、背後から聞こえてきたのは無情な金属音。うそっ、二人の怪力による斬撃が、弾かれた?

 

 

「馬鹿な……!?」

 

「硬すぎるでござる…!?」

 

「残念ながらそれの破壊は不可能だ。ブギーマン対策で特別頑丈にしてある」

 

 

 そんな声が聞こえた。この場の誰でもない、男の声。その声には聞き覚えがあった。二ヶ月ぶりだ。振り返る、マービンの驚く顔が見えた。

 

 

「アイアンズ…!?」

 

「署長を付けろ、下っ端風情が。ずいぶん探したぞ、シェリー。こんな状況で一人で出かけるとは勇ましい限りだが、そんな危ない連中と一緒にいるとは感心しないな?」

 

 

 その先にいたのは、件の外道、ブライアン・アイアンズその人。デブなのもチョビ髭なのも相変わらずだが、後ろに得体のしれない奴を連れている。こっちはゾンビ犬の相手で忙しいってのに…!

 

 

「そこにいるのは怪物と指名手配犯だぞ?さあ、私と一緒に来るんだ」

 

「いや…!あんなところ、もう二度と帰りたくない!」

 

「わがままを言うな。私はご両親から君のことを預かってるんだ」

 

「あなたがアイアンズね!あなたみたいなひどいやつにシェリーを渡すもんですか!」

 

「そうだ!署のみんなが死んだのはあんたのせいだと聞いたぞ!」

 

 

 クレアとレオンが啖呵を切ると、アイアンズはあからさまに舌打ちした。

 

 

「ちっ。面倒なことだ……しかたないな。シェリーを連れてこい、ブギーマン・スケアクロウ。他は痛めつけてもいいぞ」

 

 

 次の瞬間、アイアンズの背後に控えていた奴が動き出す。それは、ゴリラの様な巨体でその巨体に見合う紺色のオーバーオールを身に纏った大男で、頭にズタ袋を被っていた。見るからにやばい。なんだあれ。ゾンビなのか?

 

 

「ウガァアアアアアッ!」

 

 

 ブギーマン・スケアクロウと呼ばれたそれはゴリラの様な両腕を地面につけた走り方で突進、ゾンビ犬を突進で薙ぎ払い、壁に叩きつけて肉塊に変えてしまう。そのまま右腕を振るい、私たちを薙ぎ払ってくるブギーマン・スケアクロウ。私は咄嗟に粘液硬化で両腕を構えて受け止めようとするがその予想外のパワーに吹き飛ばされてしまう。他のみんなもシェリー以外薙ぎ払われていたが、ヘカトちゃんがムカデ腕を伸ばして受け止め、ダメージを一身に受けたことでなんとかなったが全員ダメージに呻く。その間に、シェリーの身体を鷲掴みにしたブギーマン・スケアクロウにアイアンズの元まで連れていかれてしまう。

 

 

「それは私の孤児院で育った自慢の子でね。T-ウイルスで肉体改造されたが、薬で私の言うことを聞くように調整してある。私の言うことに忠実な頼もしい案山子だ。さあ、来るんだ」

 

「いやっ!離して!」

 

「いいのか?言うとおりにしないとこいつらを殺してもいいんだぞ?」

 

「っ……はい、わかり……ました」

 

「ダメ!いかないで、シェリー!」

 

「黙ってろクイーン!」

 

「がっ…」

 

 

 私たちを人質に取られてアイアンズの言うことを聞くシェリーを引き留めようとするが、アイアンズの構えた拳銃で肩を撃ち抜かれて呻く。だめだ、生身の身体のダメージに慣れてない。イーサンだったらこのぐらいへっちゃらなのに…!

 

 

「なんだ?クイーン。前より可愛げがあるな?私の奴隷になるというのなら一緒に連れて行ってやるぞ?」

 

「死んでも、いやだ…!」

 

「そうか。やれ、スケアクロウ」

 

「ウガアッ!」

 

「がああっ!?」

 

 

 アイアンズの命令を受けたブギーマン・スケアクロウに頭を踏みつぶされる。その間にも持ってたらしいカードキーでシャッターを開け、シェリーを拘束したブギーマン・スケアクロウを連れて出ていくアイアンズ。最悪だ…!

 

 

「くそっ、お前は警察の風上にも置けないクズだ!」

 

「覚えてろゲス野郎!」

 

「必ず、みんなの仇を取るぞアイアンズ…!」

 

「なんとでも吠えろ。私にはこれから大事な取引があるんだ。決して追ってきてくれるなよ?もっとも、カードキーがなければ脱出することも叶わないだろうがな!フハハハハハッ!」

 

 

 レオン、クレア、マービンの言葉に笑って返しながら去っていくアイアンズとブギーマン・スケアクロウ。そしてシェリー。本当に大嫌いだ、絶対に許さないからなアイアンズ…!お前だけは助けられても絶対手を差し伸べてもやらないから!!




孤児院の子供の日記で恐れていた「ブギーマン」孤児院の子供たちのアンブレラの実験体にされた成れの果てのクリーチャーとして登場。薬でアイアンズの言うことを聞くおまけつき。アイアンズがウィリアム相手に強気でいられるのもこいつらの存在がでかいからです。正直ブギーマンって名前のクリーチャーが出ると思ってたよね。

・ブギーマン・スケアクロウ
文字通り案山子を模したブギーマン。ズタ袋を被り農夫の様なオーバーオールが特徴。ゴリラの様な体格と怪力を有する。レオンたちどころかB.O.W.のオメガちゃんたちが動けなくなるぐらい強力。モチーフはクロックタワー3のハンマー男。

次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。

一番好きなオリジナルB.O.W.は?

  • アサルト・モールデッド
  • マザータイラント
  • ゼウ・ヌーグル
  • クイーン・サマーズ
  • アリサ・オータムス
  • センチュリオン・ヘカトンケイル(大人)
  • ハンターΩ
  • セルケト/プロトネメシス
  • マスターリーチ/リーチタイラント
  • サーベラス
  • エリミネート・スクナ
  • センチュリオン・ヘカトンケイル(子供)
  • ハンターΨ
  • ヨーン・エキドナ
  • ネプチューン・グラトニー
  • ドライアド42
  • ワスプ・キャリアー
  • ギルタブリル/セルケトⅡ
  • イブリース/T-EX01/魔王イブリース
  • モリグナ
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。