BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】 作:放仮ごdz
「またのご利用をお待ちしております」
ハンドガンとショットガンの威力と連射速度を改造してもらい、デュークに一瞥して外に出る。すると、水が抜けて残骸だらけになった湖底を結構な速度で歩いて行くなにかがいた。
「俺の大事な水ぅ…よくもぉ!」
『ヒエッ』
「今のは…モローか?」
『歩けるなんて私、聞いてない!』
追いかけると、残骸の陰に消えて行き。追いかけて家屋の残骸に入ると、ハンドガンのロングマガジンが納められたアタッシュケースと、棚の中に日記があったので読んでみると、ライカンはどうやら「カドゥ」と呼ばれる何かを埋め込まれた村人たちが変異したもので、その実験をしていたのがモロー、そしてミランダの求める者が「つよいうつわ」だとわかった。ローズがその器だってのか…?
『…早く取り返そう。嫌な予感しかしない』
「だな。まずはモローだ。あのゲロ野郎、決着をつけてやる」
ロングマガジンを装着。トランクを手頃な家屋の残骸に隠して、サムライエッジと共に二丁拳銃を構えて奥に進む。エヴリンが空に舞い上がると同時に警戒の声を上げ、同時に目の前の壁を突き破ってそれは現れた。
『来るよ!』
「っ!」
「ミランダ母さん、俺…今度こそヤるよぉ…!」
無数の目玉を持つ魚と両生類が合わさった様な巨大な怪物で、モロー本体は口の中で舌の様になっていて、正直キモい。両手のハンドガンを叩き込むも怯まず突進してくるモロー。
「俺は、ノロマなんかじゃない!」
「やるしかない…盾だ、エヴリン!」
『ほいきた!』
モローの突進を、サムライエッジを握ったまま盾を装着する様にカビが形成されて受け止め、俺を掴もうと出てきたモローの本体に弾丸をありったけ叩き込む。
「ぐぎゃあああ!?こ、これ…これでもくらえ!」
「グッ…!?」
凄まじい速度の体当たりを盾で受け、大きく吹き飛ばされ残骸に突っ込んでしまう。クソッたれ、さすがにこの体格差は盾じゃどうしようもないか。
「逃げるなよぉ!」
「お前が吹き飛ばしたんだろうが!」
『左腕、補強するよ!』
前足による打撃を、何とか右手の盾で受け止めた勢いで後退。左手に握ってカビで補強して構えたグレネードランチャーを叩き込むと苦しみ悶えるモロー。
「ギャアアア!?こ、このやろぉ!」
「なっ!?」
『それはさすがにキモすぎるよ!?』
するとモローは口から緑色のヘドロの様な物を撒き散らし、俺は咄嗟に頭を庇って盾で受け止めるが盾が溶けていく音が聞こえる。見れば、少し服や武器も溶けていた。カビで覆っていた両手と庇った頭は無事だ。硫酸並の胃液か?喰らったらひとたまりもなさそうだ。
「こ、これは、とっておきだぞぉ!」
『ギャアアアアアア!汚い雨!私には当たらないけどなんかいやぁああああ!?』
「浴びるとヤバいな」
残骸の上に登ってフグの様に膨らみ、またヘドロの様なゲロを空に撒き散らして汚い酸性雨を降らすモロー。俺は慌てて家屋の残骸の屋根の下に隠れて逃れる。こんなもの喰らったら全身が溶けてしまう。どうしたものか。
「俺を愛してくれよぉ…母さん」
『むぅ。なんか昔の私を思い出すからやっちゃえ!』
「できればやってる!」
「そこかぁ!」
隠れていた場所がばれて、突進で破壊してくるモローから慌てて逃げ出す。そしていいものを見つけた。穴が開いてないので水中にあったが湿ってないと思われる火薬樽だ。モローがそのそばまで来るのを見計り、外さないようにとショットガンの散弾を叩き込むと大爆発。モローはダウンして本体が口から顔を出す。
『ナイスショット!』
「うぎゃあぁあああ!…卑怯だぞぉ…」
「こいつでも喰らえ!」
ダウンしたモローに近づいて、ショットガンを零距離で何発も叩き込む。悲鳴を上げてのた打ち回ったモロー本体は口の中へと戻って行き、俺を前足で殴りつけてきた。咄嗟に盾を構えるも腹部を殴りつけられ、汚水に叩きつけられる。ヤバい、今のは効いたぁ…!
「お願い、ミランダ母さん…俺、頑張るから…」
『イーサンが危ない!?こ、この…何が母さんだマザコンヤロー!デブー!ブサイクー!ゲロヤロー!サカナの出来損ないー!おうちが口の中とか悲しくないの?!お前の母ちゃんデーベソ!』
「な、な、な、なんだとぉおおおお!」
するとモローの後ろに移動して罵倒を浴びせるエヴリン。モローは怒りに燃えて振り返り、わざわざ地上を走るように見せかけて移動するエヴリンを追いかけて行った。今のうちに、回復を……回復薬を取りだしてシャツをめくって打撲痕が残る腹部にぶっかける。よし。痛みは引いた。
「おまえ、おまえぇ!メスガキの分際で俺様とミランダ母さんのことを馬鹿にするなぁあ!」
『自分のこと俺様って言ってるー、やっぱりマザコンじゃーん、キモーい!』
「がぁああああああ!」
…エヴリン、えぐいぐらいに引き寄せてるなあ。地雷でも買って持って来ればよかったか。
「なんでだよぉ!なんでみんな、俺を虐めるんだぁ!」
『私も昔思ったよ!どうしてみんな私を嫌うのって!心の底から泣き叫んだよ!でもね、誰かに好きになってほしいなら、嫌な奴じゃ駄目なんだ!』
モローの心の叫びであろう言葉に、実体験を踏まえた言葉をかけるエヴリン。…ああ、お前はほんと、いい奴になったよ。
「お前も俺と同類だぁ!」
『違うよ。誰にも好かれてないお前と違って、私はイーサンに好かれてるもん。ねえ、パパ?』
「お前!お前!ローズ以外にも子供がいたのかぁああああ!」
「…ああ、血は繋がってないし殺し合いもしたが、俺の子供だ」
矛先を俺に変えて突進してくるモローに対し、エヴリンがさらに大きく増強してくれた右腕の盾を構え、全体重を乗せた体当たりを受け止める。今度は足を踏ん張って、吹き飛ばされはしない!
『イーサン!』
「心配するな、これぐらい…父親なめんな!」
「お前さえ殺したら、みんなが俺を…見直すんだ!」
シールドバッシュを叩き込むと一度頭部を離し、今度は俺に噛み付こうとしてきたので右腕の盾で受け止めつつ、左手でグレネードランチャーを掴んで、その大口の中に突っ込む。
「なっ…おまえぇ!そんな目で俺を見るなぁ!」
『お前は、私と同じだよ。死が救済だ』
「こいつは俺のおごりだ、吹っ飛べゲロ野郎」
エヴリンが冷酷に終わりを告げると共に、引き金を引くと同時にシールドバッシュで殴り飛ばす。モローは口内の爆発に苦しみ悶えてその巨体をさらに大きく膨らませて行った。自分が負けたことが理解できないのか頭を掻き毟って絶叫するモロー。
「なんで、なんでだ!俺が怖くないのかぁああ!」
「お前らの誰よりも、エヴリンの方が怖かった」
『オイ』
「でもな、俺の娘を奪ったお前らの方が許せないんだよ!」
「ちくしょう!!助けて!ママァ!ママァ―――――――ッ!?」
そして大爆散。肉片が舞い散り、残ったのは宝石の様な輝く奴の複眼だけだった。一応拾ってポケットに入れておく。
「最後まで汚い野郎だ、吐き気がする!…大丈夫か、エヴリン」
『…うん。マザーナントカ…ローズをバラバラにしたのもそうだけど、個人的にも許せなくなって来たかな…』
「同感だ。一発は殴るぞ」
トランクを回収した俺はその場を後にする。モローの言ってた、水中にあったであろう出口から坑道を進むと、そこはモローの部屋と思われる場所で。テレビの明かりに照らされながら置いてあった日記を読んでみると、皆が集まらないと儀式が出来ない様にローズを分けようと言い出したのはハイゼンベルクの野郎だということ、ローズは器でミランダはずっと前に死んでしまった自分の子を生き返らせようとしていること、モローは自分が捨てられると思ったのかいやだいやだと一ページ全部が埋められていたことがわかった。
『最後のはどうでもいいね』
「言ってやるな。うん、これは…?」
机の上に置いてあった奇妙なデカい瓶が目に入る。それには「カドゥ」と書かれていて。横には四翼の胎児の鍵に付けると思われるパーツもあった。
「これがカドゥ…こいつでライカンとかが生まれたのか」
『うーん、なんかデジャヴ…』
「それでこれは最後のパーツか」
パーツを組み込むと六翼の胎児の鍵となって。ミランダを彷彿させるな…と思っていると、突如砂嵐状態だったテレビがチェスのナイトの様な紋章を映し出した。二人揃って驚いていると、聞こえてきたのは奴の声。
≪「思ったよりやるな」≫
「その声…ハイゼンベルクか!」
≪「覚えていてくれて嬉しいぜぇ、会ったばかりだってのによ」≫
ハイゼンベルク。ローズをバラバラにした張本人の声に、俺達は気を引き締めた。
エヴリンとモロー、言動が似てるよねって。母親求めたり。吐いたり。エヴリンが他の奴以上に悪口を言うのは同族嫌悪もあります。
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
ハイゼンベルクとはどうする?
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共闘する
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原作通り敵対する